【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

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仲の良い団員以外ぶっちゃけよく知らない

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翌朝、体が昨日より重い気がしたけど、気だからと無視して謎ケモノの討伐地に来ている。

「うわぁ、また随分伐採しちゃいましたね?」

アデルバートと2人で。
1人で来ようとしたんだけど声をかけた時に「1人で行かないで必ず誰か連れていってください。」とジェントルドに先手を打たれたからである。

彼は何だろう、あんまり一緒になった事がない。
ヒョウ族かな。ヒョウとかピューマとかジャガーとか一見して判断つきづらいからもしかしたら違うかも。
金色ベースに黒が所々交じってる感じ。耳はベースと同じ金。尻尾も猫みたいに細長い。背は高くてヒョロい。くそう、これだから大型獣人は!
この3種族間は仲があんまり宜しくないみたいでピューマにジャガー?なんて聞いたら滅茶苦茶キレられる。あんな種族と一緒にするな、と。なので会話の中でどの種族かを見極める事にしてるんだけど。
アデルバートはなんっか軽いというかチャラいというか、今まで居た事がないタイプでちょっと困ってる。ここに来るまでも会話というか質問攻めだった。俺へのね。

「いやぁ、立ち回るのに木が邪魔だったもので・・・。」

ん、取り敢えずアデルバートは置いておいて、俺がここに来たのは魔力の残りの確認と、森林伐採へのごめんなさいだ!

ふぅ。
息を吐いて集中する。
自分の魔力を薄く伸ばして、魔力が滞ってたり絡まってたり、固まってる所が無いか確認する。
うん、うん、大丈夫。

よし、次は森の神様?に伐採しちゃってごめんなさいだ。これは、俺を育ててくれた婆様が自然を壊してしまったらそこを守ってる主様に謝るっていうか魔力を奉納?するっていうのをやってたのでただただ真似てるだけである。何故やってるのかって言うと、うわぁやっちゃったなぁって思ったらごめんなさいしておいた方が気持ちがスッキリするからである。
要するに自分の気持ちの問題、あはは。

よし、やるかっ。
地面に両膝と両手をついて
「森の木を沢山切ってしまってごめんなさい。」
なるべく気持ちを込めて言う。
それから大地に向かって自分の魔力を流す。この魔力を森林再生に使ってください、と。
イメージでしかないけれど、切ってしまった部分に俺の魔力が行き届くように。

ふぅ、こんなもんかな。

「よしっ完璧っとぅわわっ」
「ぉっと」

立ち上がったらよろけてしまった。
それをアデルバートが咄嗟に支える。

「ぁ、すみません。」

そんなに近くに居たんだね。集中してて気が付かなかったわ。

「何してたんすか?なんか地面がふわっと光ってましたけど」
「ぇ?ふわっと光った??」

まさかそんな不思議現象が起こっているとは!
でも婆様も水辺の近くでお祈りしてた時キラキラしてたからそれみたいなものかな?きっとそうだよね、うん。

「で、何してたんです?」
「ぁ、ええと。木を沢山切ってしまったのでごめんなさいしてました。」
「は?・・・なんか、なんて言うか?可愛い事してたんすね。」
「ぇ、どこが?」
「いやぁ、普通討伐の為に木切っても何も思わないっすよ。」
「えー。俺らは自然の恵を享受して生きてるんですよ。だから自然破壊したらごめんなさいするでしょう?」
「いや、討伐も生きるためにしてますからねー。その為の伐採なら必要ないんじゃ?」
「えー。じゃあ、丹精込めて作った花壇が知らない人に壊されたら嫌な気持ちにならない!?」
「あー、俺庭師じゃないんで。しかも団長壊した張本人っすね。」
「だからごめんなさいしたですよ?」
「あーなるほど。すんませんわかんないっす。」
「えええええー。」

分かろうとしてないだけじゃんー。

「もぅ大丈夫そっすか?立てます?」

そぅ、この会話中俺はずっとアデルバートに支えられていた。

「ん、あ、だいじょ、ぁ。ダメかも知れません。」
「え?ちょっ?」

自分に力で立とうと思って力を入れたはずが、体に力が入らずそのまま崩れて行くのをアデルバートが抱えてくれた。

「大丈夫っすか?」
「だ、ダメです。」
「魔力枯渇っすか?」
「いや、体が流した魔力量に耐えられなかっただけ、だと思います。」
「団長ぉ。魔力無双してるのに致命的っすね。」
「無双、できてます、かね?」

あーやばい。ちょっと火照ってきた。動いてないのに息が上がる。

「ちょっと抱え直しますね。・・・よっと。」
「ゔっ」

頭もガンガンする。ゔ~、辛い。
1歩歩かれる度にズキンズキンする。

アデルバートの右腕にお尻を乗せて、胸に寄り掛かるように抱えられている。まるで子供・・・そんなに身長差があっだろうか、納得いかない。
それにしても、はぁ、暑い苦しぃ。なんでこんなって、ああそうか、調子良くなかったのに大地に魔力流したからか、それしか、はぁ、思い当たらない。昨日ジェンが言ってた把握しろってこういう事か、なるほど納得、あぁ、しんどい。

「それにしても団長軽すぎっす。もっと食べて体重と体力身に付けてくださいよ。」
「はぁ、ぜん、しょ、はぁ、します」

もぅ息も絶え絶え。

「ちょっとスピード上げますね。」
「っ」

軽い小走りだと思うんだけど、走られたらやはりその分揺れるわけで。揺れると同時に頭にズキンっと痛みが入る訳で。自分のリズムじゃない分余計に辛いわけで・・・。







「メイソン様。発熱と頭痛っす。」
「ああ、分かった。薬あるからそのまま抱えててくれ。」

あれ、気が付いたら野営地?
っていうかなんでジェンは薬持ち歩いてるのさ。

「あ。団長気が付いたっすか?」
「い、ずっごほっぐっごほごほっはぁ。」
「はい、お水飲みましょお水。」
「ごくごくごく。・・・ぷはぁ、はぁはぁ。」

アデルバートに水を飲まされたら少し落ち着いた。

「ジェン、なんで、薬、」
「俺の息子もしょっちゅう熱出してましたからね。勘で持ち歩いてました。あと、レスト副団長ももしかしたら疲れが出るかもって仰ってましたんで。」

ジェントルドには今年8歳になる息子さんが居る。その息子さんは5歳を越えるまではしょっちゅう熱を出して寝込んでいたと聞かされてた。ってゆーか勘ってなに。
いやっつーかレスト副団長、そんな事言うなら俺に休みを定期的に下さい。そして後任も。

「はい、残さず飲み込んでください。」
「うえぇぇぇ。」

頑張ってちょっと苦味のある薬を完食する。
蜂蜜が混ざってるのはきっとジェンの優しさと思うことにしよう。ぶっちゃけ飲みやすくなってるのかどうかは分からない。ジェンはクマさんだからクマ味覚で蜂蜜大好きだから仕方ないんだよねきっと。蜂蜜大好きかどうかなんて知らないけど。

その後アデルバートに背中をとんとんされてたらうとうとしてきた。ぁー、これは眠気を催す薬草入ってるね?
そして背中とんとんって滅茶苦茶ガキ扱いだよね?

じとっとアデルバートを睨んだつもりだったのだが、視線に気づいた彼は「あ。俺今度パパになるんっすよ。良い予行練習っす。」と言った。

え、君既婚者だったの??
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