【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

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これが最初で最後なんてあんまりです!

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俺は今日、夜勤にも関わらずテンションはハイにハイを極めていて、日勤上がりのニールに「うざい死ね!」と散々言われた。

ニールは今回チームガイウスに入れなかったから拗ねてんだよね。
でもその前の第2王子殿下の捜索隊では一緒に居たくせに、心が狭いったら無いよ。

そんなテンションで来てしまったからか、集合時間より早く着いてしまった。

団長早く来ないかなぁ。そーいえばやっとクーグゥ様の義弟になったんだっけ。態度が大きくなってたらどうしよ、いやそれも良いかもしれないな。

あー楽しみ!!

俺の次にメイソン様が来て、自警団の人達が来て軽く挨拶を交わし、後は団長を残すのみとなった。

「そういえば、アランは団長と組むのは初めてだったな?」

ふと、メイソン様が俺に尋ねてきた。

この人まさか、団長が誰と組んだことがあるとか把握してる?さすがお目付け役。絶対的信頼獲得者。
くぅ~、俺も頑張ろう!今日は団長と仲良くなる!

「そうなんです!武勇伝の数々は伺っているので正直楽しみすぎて、今回のパトロール待ち遠しかったんです!」

反感の意が無いことを伝えつつ、俺団長大好きですアピールをする。

が、メイソン様は眉を寄せて憐れみの目で俺を見て来た。

「団長はな、まぁ、いいか。今回は対獣人だからなるべく前に出させないように尽力してくれ。聞いている武勇伝は対獣人用では決して無い。無駄な負傷者は出さないように、くれぐれも宜しく頼む。」
「はい!承知いたしました!」

メイソン様の言う通り、今回は討伐じゃないから勇姿は諦めよう。
でもその代わり俺頑張って働いて少しでも団長と仲良くなる!俺は団長と仲良くなる!

俺が小さく拳を握り心の中で決意を固めていると団長がやって来た。

「お待たせしました。え、俺最後?もしかして遅刻してます!?わっすみませんっ」
「団長、大丈夫です。集合時間前です。」
「はぁぁ。3分前ですけど。」
「え!?そんなギリギリでした?」

ふふ、わたわたしてる団長可愛い、天使、最高。
メイソン様は時間前に集合できてるんだから、そんな事言わなくてもいいのに。

そんな事思いながら団長観察をしていると、団長は自警団の皆様に挨拶をしてから俺の方にやって来た。

「アラン、でしたよね。確か一緒になるの初めてですよね?よろしくお願いします。」
「はい!よろしくお願いしますっ!俺、団長と一緒に仕事出来るのすごく楽しみにしてたんです!」
「そう、なんだ?」

んふ、ちょっと困惑してる団長可愛い。

でもなんか聞いてたよりもテンション低いのは、もしかして寝起きだからだったり?それはそれで可愛いけど、いつも書類仕事にうんざりしてるから、パトロールとかテンションめっちゃ上がってるって聞いてたんだけどなぁ。

メイソン様以外が初めてだから緊張してるのかな?人見知り発動?
それともつい昨日まで体調不良でベッドに居たっていうのも本当なのかな?まだ体調万全では無いのかな?
それとも第2王子殿下の捜索で愛用してる双剣が折れちゃったから気持ちが沈んでる?
それとも今までずっと逃げ回ってたフランリード公爵家の養子になってしまったから落ち込んでる?え、そんなに嫌だったの?
今挙げたの全部だったりして?団長もしかして今日は空元気というやつですか?



「団長!アラン!じゃれてないで行きますよ。」

メイソン様の一声でパトロールが始まった。

もう時間も遅いので子連れよりも冒険者やお酒を飲みに来た大人の方が多い。早速酒を飲んでちょっとした口論から暴れだした人達が居たのでこちらで事を収めに入る。

メイソン様は本気で団長を前線に出す気が無いらしく、団長の腕を引っ張って壁際まで連れていき「俺がやろうか?」と言った団長に対して「いいから団長は俺たちに任せて、ここで大人しく待っていて下さい。ここに居てくださいね、絶対ですよ?」とまるでお父さんみたいな事を言っていた。

お父さん=メイソン様
お母さん=ダルメンティス様
やんちゃ息子=ガイウス団長

うん、俺の中で騎士団ファミリーが出来上がった。

その後もパトロールしつつ買い食いして、迷子の子が居たから保護者探して、買い食いして~と俺達も祭りを楽しむ。団長が1個ずつまるっと食べちゃうとすぐお腹一杯になって眠くなると言うからメイソン様から1口貰ったりしてた。

俺も、あーんしてあげたい!

「団長、俺のも食べます?」
「いいの!?」

出来るなんて想像は微塵もしていなかったが、声を掛けてみたら団長が釣れたので、内心ガッツポーズで買ったばかりの串焼きを、団長の口の高さに合わせてあげる。

「はぐっ。ん、んぅ~、うま!これ美味いよ!」

眠いのか気が抜けてるんだか、ちょいちょい言葉遣いが砕けてきてる。めっちゃ可愛い、あーんってお口小さい、やばい俺は今気分は天国。

「ふふ、美味しくて良かったです。」

その後も自警団の人が、団長の氷魔法を見たいって言う話題から、つい団長に面と向かって可愛いって言っちゃったけど、他の自警団の人が可愛いは正義、という最高な発言をしてくれてその場は収まった。

団長の好きな素材屋に出る通りで、別のパトロール隊が喧嘩の仲裁をしてるみたいだったが、どうにも人数が足りてなくて四苦八苦してるみたいだった。

「よっし、ここは俺が一発ど」
「大人しく見ていてください!」

メイソン様が団長を被せ気味に止めた。息が合いすぎてる、凄いな。俺も頑張ろう。

その後ただ見てるのも詰まらないと主張する団長を軽く放牧させるメイソン様。
団長がこちらに背を向けて歩き出した途端、俺をちょいちょいっと手で呼び寄せた。

「アラン、ここは俺がどうにかするから、団長を見張っててくれ。気付かれないように。」
「分かりました。行ってきます。」

何故かメイソン様に密命を受けて、俺は気付かれないように団長の後を追った。

役得役得♪団長ってどんなお店行くんだろう?

俺はこの時、そんな軽いことしか思っていなかった。

団長が入っていったのは、店とは思えないただの扉。その扉をくぐるとまた扉。手書きの看板が申し訳なさそうにぶら下がっていた。

なんで二重扉?怪しい雰囲気しか無いんだけど。

2つ目の扉から団長とおそらく店の主人だろう声が辛うじて聞こえてくる。

そっと音を出さないように扉に耳を近づけた。

団長の声の方が高くてよく響くので拾いやすかったが聞こえてくるの声は途切れ途切れだった。

「……違法薬…つ」

え?もしかして違法薬物って言った?

「死………飲む……」

死!?飲む!?なんっ!?

「……ユ…ワリ…ゥ……ドクソ……」

ぇ、何だか分からないけど毒草!?

「……あり……う!」

え、団長お礼言ってる??

パタパタっと駆け足の音が近づいて来たので慌ててバレないようにメイソン様の所へ素早く戻る。

俺は必死に今聞いた単語を繋ぎ合わせてメイソン様に報告をした。

・・・・違法薬物を死ぬ時に飲む?それに毒草?お礼を言ってたって事は、貰ったか、買った?そんな、あの団長に限ってそんな事!

メイソン様も俺の報告を聞いて目を見開いている。

「戻ったよー。終わりましたー?」

団長が戻ってきて声を掛けられた俺は、はっと団長を振り返ってしまった。

なんでそんなに笑顔なんですか団長。
もしかして死のうって事ずっと前からあの店に相談してた?そしてやっと薬が手に入ったから?

メイソン様が団長に詰め寄るのを見守る。

なんでそんなケロッとしてるんですか。
もう決めちゃったから、気持ちが軽くなっちゃったんですか?
ダルメンティス様には相談してたの?
彼にも止められなかったの?

2人の言動を見ながら様々な思いが思考を過ぎる。

考えれば考えるほど気持ちがいっぱいになってしまって

「やっぱり!団長嫌です!考え直して下さい、死なないで下さい、団長ぉぉおお。」

俺は人目も憚らずボロボロと涙を零して訴えていた。
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