【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

文字の大きさ
57 / 167

平和なのは俺のおかげという事で

しおりを挟む
「団長~?行きますよ~?」
「は~い!」

今日は新年5日目。お祭り騒ぎも最終日。今日まで特に大きな問題は起きてない。冒険者や住民のいざこざ、迷子騒ぎなんかは数え切れないほどあったけど。

でも、今日が終われば3連休、今日が終われば3連休だぁい!!

・・・よし、頑張ろ。

今日のメンバーはミッキィとリックステンと自警団の3人。因みに俺実は、リックステンとチーム組むの初めて。執務室ではいつも一緒だけど、何が得意とかぶっちゃけ何も知らなかった。子爵家の三男で算術が得意って事なら知ってるけど、だから執務員で呼んだんだしね。

今日のどこかでリックステンの特技が見れれば良いんだけど、でもそれって何か問題が起きなければ見れないわけで、でもそれはそれで良くないし、うーん難しい!

今度討伐か何かで一緒のチームになろうかな。
・・・これは職権の有効活用です!

「団長さんっ、イカ焼きって食べた事ありますか?」

自警団の1人が珍しい屋台が有りますよ、と声をかけてくれる。

「イカ焼き?食べた事無いですけど、クラーケンとは違うんですか?」
「違いますね。簡単に言うとクラーケンは海の魔物ですが、イカは海の魔獣ですかね。クラーケンは滅茶苦茶デカいですけど、イカはクラーケン程大きくなるのはいません。小さいので串に刺して、そのまま丸っと焼いたのがイカ焼きです。」

俺の疑問に自警団さんは詳しく教えてくれた。

「へぇ、詳しいですね。クラーケンが美味しかったからイカ焼きもきっと美味しいんだろうなぁ。」
「じゃぁ、買ってくるんで待ってて下さい!美味しいんで是非食べて下さい!」

そう言って自警団の1人を連れて、2人で買いに行ってしまった。

「そもそも俺、イカがどんな形してるのか知らないや。誰か知ってる人います?」
「団長さん、ご存知ですか?イカって三角の耳が付いてるんですよ。」
「え?耳が付いてる?三角の?」

自警団さんの言葉に俺は吃驚した。

衝撃の新事実!何と海の生き物に三角の耳が付いてるんだって!え、でも耳?毛が生えてるの?もふもふの?でも海の中だったら濡れてペシャンってなるじゃん、意味無くない??

「ぷっ団長、面白い顔、ふっふふ。」

リックステンが俺の顔を見て吹き出した。

「え?嘘なの?酷くない?」
「いえ、耳は有りますよ。恐らく想像してるのと現実が違うだけですね。」
「え?え?どういう事!?」

皆して笑って酷くない?

「あ、ほら戻ってきましたよ。」

「え、耳ないじゃん??」
「「耳?」」

受け取ったイカ焼きを見ても耳は無い。
俺の発言に買ってきてくれた2人が声を合わせた。

「3人がイカには三角の耳があるって言うから・・・。」

買ってきた2人に訴えると「ああ、なるほど」と合点がいったようで2人して「耳有りますよ。」「さぁ何処でしょう?」と言ってくる。

・・・なんだか俺、最近皆に虐められてない?

手のひらサイズの、焼かれて赤い胴体の上の方には、三角のペラペラしたのがくっ付いていて、胴体の下からは太めの串と長くない足が出ている。

「耳、どこが耳か・・・。三角、の耳。え、このペラペラしたの?」

全くもって耳には見えないけれど、三角と言ったらここしか無い、と俺は胴体の上の方に付いている三角のペラペラしたのを指差した。

「正解です!」
「なんでこれが耳?聴力器官じゃないよね?」
「これ正しくはエンペラって言うんですけど、裏から見てみて下さい。・・・ね、ちょっと耳っぽく見えませんか?」
「ぁー、なる、ほど。」

・・・分かるような、分からないような。いいや、食べてしまえ!

「はぐっ、もぐもぐ。・・・ん~、イカうまぁ。」
「首都だとまだ冬しか食べられないんですよ。」
「あー、運搬技術ってやつでしたっけ?」
「そうなんですよ。それでも去年までだったら持ってくる過程でどうしても鮮度がね、でも1年の間で技術が凄く向上して、まだ冬だけですけどこうやって首都でも海の物が食べられるようになったんですよ。凄いですよね。」
「運搬技術向上に感謝ですね。」
「イカの他にもカニとかも有りますよ!」
「はぁ、海まで行かなくていいとか凄いね。」
「冬限定ですけどね。」
「でも、これ1年中食べれちゃったら逆にありがたみが無くなっちゃうんじゃない?」
「それはあるかもですね。」

内陸の首都なのに海産物が食べれるようになるとは、運搬技術の向上には感謝しかないよね!

お祭り最終日だが、なんのトラブルにも遭遇しないので普通に屋台を楽しんでいる。

今回のパトロールを通して大きなトラブルは未だに起こってないので嬉しい限りである。

日付が変わって時間も大分経ったし、何事もなく終わりそう!俺の日頃の行いが良すぎるからだね?というか年末に厄落とししたからね俺。王子殿下と関わっちゃったし、双剣欠けちゃったし、・・・欠けちゃったし、養子にはなっちゃうし、そりゃあ年始は良いこと起きるよね!

・・・・・・剣、まぢでどうしようか。
もうどっかで新しいの買っちゃおうか。適当な町の適当に入ったお店で、これ良いかも?って適当に買ったやつだし。でも5年も使ってたんだよなぁあれ。長く一緒に居ると情が移るっていうか、ああやっぱ直せるなら直したいなぁとは思うんだけど、なんか特殊っぽくて直すの難しいっぽいし。ああやっぱり新しいの買うしかないのか。でも首都の鍛冶屋とりあえず全部周ってみて、それからでも遅くはな

ドンッ

「うわわっ!?」
「も~、何やってるんすか団長。」

リックステンが人波から守ってくれる。

「ありがとう。最終日なのに凄い人ですよね。」
「むしろ最終日だからですよ?」
「あー、今まで参加してなかった勢が最後だけでも参加するかぁって重い腰を上げるやつですね?」
「・・・え?」
「え?」

至近距離で見つめる俺とリックステン。

「・・・。」
「・・・。」

「さて、次は裏通周って、服飾店の方周って、噴水広場に出るルートでしたね。」

何も無かった事にして俺はルートの確認をして歩き出す。
話を蒸し返さないためにも、そういえばとミッキィに話を振る。

「なんだか毎年だんだんトラブル減ってる気がしません?」
「そりゃあ薬物吸って片脚失いたくなんか無いですものねぇ。」
「ええと、それは、結局は俺のお陰って事ですかね?」

・・・黒歴史だけど、役に立ってたっぽいから良しとしよう。


結局その後も特に大きなトラブルに出会う事も無く、平和にパトロールは終わった。
自警団の人達は一旦詰所に戻って報告会があるらしい。
・・・騎士団よりしっかりしてないか?
騎士団は通常チームに戻り通常業務が始まる。
今回何も大きな事が起こったとか聞いてないから何も無いはず。
ミッキィとリックステンは朝ごはんを食べに詰所へ戻るみたいだが、俺は直帰である。

もう一度言おう、俺は直帰である!そして3連休なのである!







「イル!ただいま!」

玄関扉を開けて、靴を脱ぎ捨てて、イルに抱き着く。

「おかえりガイ。お疲れ様。」

久しぶりのイルだ、イルの匂いだぁ!

イルの胸にぐりぐりと頭を擦り付けながらくんかくんかと匂いを嗅いでしっかりと堪能する。

「ふぁぁぁぁ。久しぶりのイルだぁ。」
「ふふ、ご飯は?お風呂は?」
「なんか平和過ぎていっぱい食べてきちゃったから、お風呂は、入る時間が勿体ないからイルが出るまで、このまま。」
「何事も無くて良かった。このままだとちょっと準備が出来ないなぁ。」
「ん~~~~!!ぷはぁ。」

俺のせいでイルを仕事に遅刻させる訳には行かないので思う存分ぐりぐりして離れる。

今日は俺も家で寝てるだけなのでイルは普通に仕事だ。
仕事なのに、俺が起きたら食べられるようにと、軽食をテーブルに準備してくれる。

いつもは俺が先に仕事に出るので、イルを見送ることはほとんど無い。

パタパタと準備するイルを新鮮な気持ちで眺めていた。

「じゃぁガイ行ってくるね。」
「うん、行ってらっしゃい。頑張ってね。」

唇を合わせて軽く舌を絡め合い、名残惜しそうに離れていく。イルを玄関の扉が閉まるまで見送った。

テーブルの上にはサンドウィッチが籠の中に入っている。

「はぁ、なんかいつもしてもらってばっかりだなぁ。何か俺に返せるものないかなぁ・・・。あーダメだ眠い、先ず眠ろう。」

ベッドに入りうとうとしながらも、何かイルが喜びそうなものってなんだろうなぁ~と考えながら、いつの間にか眠りに就いていた。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

聖獣召喚に巻き込まれた俺、モフモフの通訳をしてたら冷徹騎士団長に外堀を埋められました

たら昆布
BL
完璧っぽいエリート騎士×無自覚な愛され系

あの日、北京の街角で

ゆまは なお
BL
5年前、一度だけ体を交わした彼が、通訳として出張に同行するーーー。 元留学生×駐在員。年下攻め。再会もの。 北京に留学していた上野孝弘は駐在員の高橋祐樹と街中で出会い、突然のアクシデントにより、その場で通訳を頼まれる。その後も友人としてつき合いが続くうちに、孝弘は祐樹に惹かれていくが、半年間の研修で来ていた祐樹の帰国予定が近づいてくる。 孝弘の告白は断られ、祐樹は逃げるように連絡を絶ってしまう。 その5年後、祐樹は中国出張に同行するコーディネーターとして孝弘と再会する。 3週間の出張に同行すると聞き、気持ちが波立つ祐樹に、大人になった孝弘が迫ってきて……? 2016年に発表した作品の改訂版。他サイトにも掲載しています。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

もふもふ獣人に転生したら最愛の推しに溺愛されています

  *  ゆるゆ
BL
『もふもふ獣人転生』からタイトル変更しました! 白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で息絶えそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 本編、完結済です。 魔法学校編、はじめました! リクエストのお話や舞踏会編を読まなくても、本編→魔法学校編、でお話がつながるようにお書きしています。 リトとジゼの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントなくてもどなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! 第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。 読んでくださった方、応援してくださった皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

処理中です...