【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

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恋人との旅行は保護者の許可が必要です

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先に飛び出してきたのは右手に剣を左に盾を構えたイヌ族っぽい青年が俺の右側に、少し遅れて俺の左側に同じく剣と盾のイヌ族っぽい青年。その後ろでも何人か動いたのが見えた。

先ず右側の彼から、右に振りかぶって下ろしてくる剣を彼の側面に回るように避けて、彼の剣を持ってる手首の内側中央部分を狙って足を振り上げる。丁度柔らかい部分に靴の先が軽くめり込むように狙いを定めた。

「っ!?」

一瞬握りが緩くなったのを見逃さずに今度は上から渾身の手刀を入れて剣を落とす。

動きを止めずにそのまま後ろに回り込んで後ろから足払いをしつつ、肩を掴んで引いて後ろに倒れるようにして尻餅を着かせた。

「はい、君退場ね。」

彼に向けて退場を告げて、風魔法でふわりと浮かせて視界にいる団員に向けて投げる。

「「っ!!!?」」

投げられた奴も、飛んでくる奴をキャッチする団員もビックリしてる。

ふふふふっ2人ともおもしろい顔。まぁここで寝られてても困るので退場して貰っただけなんだけどね。

さて次は。

反対側からくる同じようなタイプの彼。彼の方が体格が良いからきっと力も強い。さっきみたいにはいかないだろうな。

両手にバチバチと雷を纏わせて、彼に突っ込む。

剣を持った手に触れて痺れさせて剣を落とし、そのまま体勢を低くして左肩から思いっきり突っ込む。

「!!」

ふふふ、ジェントルドにもお見舞いした全力体当たりである。

体当たりされるなんて思ってない奴が殆どなのでそのまま後ろに倒れてしまうのが殆どだ。

が、少しよろけただけで尻餅はつかない。

あー、筋肉羨ましいなぁ、体幹ってやつかなぁ、ちくしょー。
ふっ、だがしかしそんな筋肉、俺の前じゃ無意味なのだよ!

俺はそのまま地面に手を付き、バチバチっと周囲に電気を流した。

目の前の膝がガクッと崩れて尻餅を着く。

「え?」
「はいっ、たいじょー!」

何が起こったのか判断できていない彼を、先程と同じように風魔法でふわっと浮かせて、視界に居る団員に思いっきり投げる。

確か何人かまだ来てたはずっと振り返ると電気バチバチ攻撃が恐ろしいのか、一定の距離を保ってこちらの様子を伺っている。

ふふふふふ。ここであれだね?俺が団長として最強を示しておいて、逆らえないように皆に恐怖心を植え付けておく場面だね?

両手にバチバチと帯電させて、音と稲光を大きくする。
挑戦者たちに見せつけるように、胸の前に手を持ってきて、魔王のような笑顔を作って、息を吸って大きい声を出した 。

「はっはっはっは!このバチバチ帝王に挑戦するやつはもう居ないのか!?」

ん、バチバチ帝王ってなんだ・・・。雷とかの方がカッコよくないか?くっ、いつも手をバチバチさせてと思ってやってるからつい、いつもみたいにバチバチって言っちゃったじゃん。

ほらぁ、レスト副団長が眉間を揉みながら溜息を吐いてるし。でも彼は俺のやること殆どにあの対応だからね、もう慣れたよ!

その時ふっと2階の観覧場からの視線を感じて目を向けると、クーグゥ義兄様が「お前何やってんの?」って顔をしてこっちを見ていた。その隣には義父様もにこにこ笑顔でこっちを見ている。

俺はそっと視線を挑戦者達に戻した。

・・・・・・何でいるの??いつから居たの??っていうか今のセリフ滅茶苦茶恥ずかしいんだけど。
よし、速攻で終わらせに行こう。

「では、俺の方から行きますね?」

ニコッと笑ってから地面を蹴り出す。

基本は同じ、先ずは武器を落としてから尻餅を着かせる。
手刀したり、手首の内側にぐっと力を入れると握力が緩むポイントを狙ったり、ビリビリっと電気を流したりして武器を落として行く。
そして、足払いしたり、踏み出そうとした足元を凍らせたり、膝カックンしたりして次々と尻餅をつかせて、退場を宣言してから視界にいる団員に次々と投げていく。

最後の3人だけ、邪魔にはならないし、特に投げる必要も無かったので尻餅つかせて「はい、退場ね」と伝えて終えたのだが、何故かそれに対して不満の声が上がった。

「なんで僕たちだけ投げてくれないんですか??」
「え?投げてたのはそのままそこに居て不必要な怪我でもされたら困るからで、ええーと、もしかして投げられたい??」
「「「是非!」」」

是非ってなんだよ、3人揃って是非って。
とりあえず、お望みのようなので、風魔法でふわっと浮かせて反対側に居る団員に投げた。

「はい!終了でーす!1人残らずお帰りくださーい!団員誘導よろしくー!」

それぞれから「はい!」という返事が返ってきて、瞬く間に人が掃けて行った。

さて。

「義父様、義兄様!どうされたのですか。来るなら事前に一言言って下されば良かったのにっ。」
「はははっ、事前に伝えていたらガイウス君が緊張してしまうかもしれないだろう?」
「わわわわっ、急に抱き上げないで下さいっ。」

駆け足で近づいたら脇の下に手を入れられて軽々と持ち上げられて、片腕で軽々と抱っこされた。

「はははっ。いやぁついついね?こういうのは嫌かい?」

聞き方が狡いよ、義父様!

「嫌じゃないですけど、少し恥ずかしいです。ほ、他の団員も居ますし。でも、あの、俺、親が居なかったから、その嬉しいのも、少しあります。」
「そうかそうか!」

義父様は満面の笑みで頷いた。

「ところでお前、体調はどうなん、ん?おい、あれ何とかしろよ。」
「え?あれって?」

クーグゥ義兄様の視線の先には、ズビズビ鼻をすすりながら泣いているニールの姿が。

「え!?ニールどうしたの??」
「いえ、あの、団長の辛い過去と、今の公爵家で仲良くされてるのを見てたらなんだか、泣けてきて。」
「ガイウス君の小さな頃はそんなに辛いものだったのかい??」

ちょっとニール!?義父様が変なとこ気になっちゃったよ!?しかも辛くなんか無かったし!

「いえ、別に辛いことは何も。ただちょっと生活水準は全然違くて、あれの、ええと、ニールは妄想が過ぎて泣いています。」
「そうか。そうだったな。ところで、お前体調は大丈夫なのか?」
「滅茶苦茶元気、今日も絶好調ですよ!ね?レスト副団長?」
「そうですね。特に不調なところは無いようです。お久しぶりです、公爵様、クーグゥ。」

後片付けをあらかた指示し終えてこちらに向かってきてたレスト副団長に振る。俺だけじゃ信じて貰えないから、レスト副団長に後押しして貰えれば花丸だもんね!
いや、俺の信用度って一体・・・。

「やぁ、レスト君。いきなりお邪魔して申し訳なかったね。」
「いえ、そんな事は。いつでもガイウス団長の様子を見に来てください。」
「ぅ、ん?ところでどうして義父様と義兄様がここに?」

俺が話を逸らそうと尋ねると、義父様はおよよと泣き真似をし始めた。

え!?

「ガイウス君。父様は悲しみに暮れているんだよ?つい先程、あと数日もしたらイルヴェス君と2人でハルトまで旅行に行くんだって?そういうのは事前に私や家族の誰でも良いから相談して貰わないと、ね?」
「ぇ、す、すみません?」

相談することの程かな?許可が必要?

「ぇ、ぇぇと、直してもらってる剣の最終調整をしにハルトまで行かなくちゃなんですけど、イルと2人で行っても良いですか?」
「良いよって言ってあげたいけど、最近の君たちを見てると良いよって言ってあげられないんだよね?
それはイルヴェス君とじゃないと絶対ダメって訳じゃないよね?」
「え、・・・え?」
「公爵様。ガイウス団長の今日の必要職務は終えておりますので、そのままお帰りいただいても問題ありませんよ?」
「そうかい?悪いねレスト君。ではガイウスは連れて帰るよ。」
「え?え?」
「お疲れ様です。団長。」
「お疲れ様です?ぁ、義父様、俺歩きます。」
「逃げられたら困るからそのままでお願い、父さん。レスト様、ありがとうございます。」

義兄様がレスト副団長に挨拶してるのをぽけーっと眺めて気が付いた。

ぁ、俺ただ抱っこされてるんじゃなくて拘束されてるのね??
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