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永遠に近い時を生きるモノ
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サンディはその結婚を良しとは思っていなかった。
恐らく当時の結婚に本人の意思は関係なくて、家のための結婚、というものだったんだと思う。
サンディも結婚は決まったが、王家と言うだけで相手に関することは殆ど何も知らなかった。
王家が暮らす王宮は多分ここから遠い所にあるらしく、サンディは仕切りにライアンに会いに行けなくなる事を心配していた。
でも結婚が決まっても、サンディは毎日のようにライアンに会いに行った。
結婚してライアンに会いに来れなくなるとは言えないまま。
家を出ていく日が近づいても、結局言えないまま今日もライアンに会いに行く。
言い出していないことに気持ちが重くなっているのを気付かないふりをして。
そのうちにライアンの方がサンディ元気がだんだん無くなっていく事に気が付いてしまった。
<サンディ、元気ない?>
「あ、ううん。ごめんね、大丈夫だよ。」
<本当に?>
サンディも言わなくちゃいけないのに、言い出したくなくて、言い出せなくて、でもその日は刻一刻と近づいて来ていて、気持ちだけが焦っていく。
あれからライアンは更に成長を続けて、今では小さかった頃の面影は無く、もうそれはどこからどう見てもサラマンダーサイズの小さな黒い龍だった。
結局、家を出る日が明日になっても言えずにいた。
<サンディ?>
ライアンはサンディを心配して、下から上目遣いで伺っている。二股に分かれた舌先でペロペロと顎先を舐めてみたりしている。
「ライアン、ごめんね。」
<何が?>
「実は、遠いところに行くから、今日で会えるのは最後なんだよ。」
<?>
「今日で最後。明日は来れないの。」
<サンディ、来れない?>
「うん。」
<じゃぁ、ライアンが会いに行く!>
「ええ?ライアンが来てくれるの?嬉しいけど、遠いよ?」
<ライアンもっと大きくなる!大きくなったら遠くてもへっちゃら!>
「そっかぁ。楽しみにしてるね。」
そうして2人は逢瀬を楽しんだ。
結婚生活は思っていたより悪いものでは無かった。
夫となった者は、遠いところから馴染みのない地へ嫁いで来たという事もあり、サンディは相手が王家ということもあり、お互いにある程度は尊重し合う関係であったと思う。
しかし、何度体を重ねても子供を授かることは無かった。それが原因かは分からないけど、だんだんお互いの距離は離れていって、サンディは教会に籠ることが多くなった。
王宮に居ても居場所は無い。
でも教会に居れば、治癒魔法を必要とされる。
だんだんと王宮に帰ることも無くなり、教会で生活をするようになり、年を取り、王宮に帰ることも生まれ育った家に戻ることも無く、ただただ静かに生涯を終えた。
ライアンは毎日沢山狩りをして、沢山食べて、空も飛んで、魔術も沢山練習してそれはそれは立派な龍に成長した。
ライアンはサンディに会いに行くために人化の術も沢山練習して完璧に使いこなせるようになった。
サンディに驚いて欲しくて、時間が掛かっても完璧になるまで繰り返し繰り返し練習した。
そしてサンディに会いに行ったけど会うことが出来なかった。王宮に行っても教会に行っても居なかったんだ。
なんで会えないのかが分からずにその日は帰った。
でも次の日も、また次の日もサンディを探しに行くけど会うことは叶わなかった。
毎日毎日探しに行っていると教会の人からある事を聞いた。「確か以前に君の探しているサンディという方が居たと記録が残っている。ただその人はもう100年近く前に亡くなっている。」と。
ライアンは山に帰った。でも山に帰る前にヒト族について調べた。
そしてサンディに会えなかったのはとても簡単な理由だった事に気付いた。
ヒト族の寿命は長くても100年。
龍の寿命は数え切れないほど。
ライアンはサンディにもう会うことは叶わないんだと泣いた。それはそれは涙が枯れるまで泣き続けた。
ライアンが1ヶ月ほど泣き続けていたら、王宮のある地域に雨が降り始めた。その雨は降っても降っても、止むことを知らないみたいに降り続けた。
ライアンが時折泣き止むと、降り続いた雨も少し収まったり、曇りになったりもしたが、きっとライアンが泣き止むまで雨も振り続けているんだと思う。
俺はその様子をずっと空から見ていたんだ。
俺が居る場所には雨は降っていないはずなのに、ほっぺたにぽたっ、ぽたっと雫が落ちる。
不思議に思って上を見上げると、涙を流すイルの姿が目に飛び込んできた。
「・・・イル?なんで泣いてるの?」
恐らく当時の結婚に本人の意思は関係なくて、家のための結婚、というものだったんだと思う。
サンディも結婚は決まったが、王家と言うだけで相手に関することは殆ど何も知らなかった。
王家が暮らす王宮は多分ここから遠い所にあるらしく、サンディは仕切りにライアンに会いに行けなくなる事を心配していた。
でも結婚が決まっても、サンディは毎日のようにライアンに会いに行った。
結婚してライアンに会いに来れなくなるとは言えないまま。
家を出ていく日が近づいても、結局言えないまま今日もライアンに会いに行く。
言い出していないことに気持ちが重くなっているのを気付かないふりをして。
そのうちにライアンの方がサンディ元気がだんだん無くなっていく事に気が付いてしまった。
<サンディ、元気ない?>
「あ、ううん。ごめんね、大丈夫だよ。」
<本当に?>
サンディも言わなくちゃいけないのに、言い出したくなくて、言い出せなくて、でもその日は刻一刻と近づいて来ていて、気持ちだけが焦っていく。
あれからライアンは更に成長を続けて、今では小さかった頃の面影は無く、もうそれはどこからどう見てもサラマンダーサイズの小さな黒い龍だった。
結局、家を出る日が明日になっても言えずにいた。
<サンディ?>
ライアンはサンディを心配して、下から上目遣いで伺っている。二股に分かれた舌先でペロペロと顎先を舐めてみたりしている。
「ライアン、ごめんね。」
<何が?>
「実は、遠いところに行くから、今日で会えるのは最後なんだよ。」
<?>
「今日で最後。明日は来れないの。」
<サンディ、来れない?>
「うん。」
<じゃぁ、ライアンが会いに行く!>
「ええ?ライアンが来てくれるの?嬉しいけど、遠いよ?」
<ライアンもっと大きくなる!大きくなったら遠くてもへっちゃら!>
「そっかぁ。楽しみにしてるね。」
そうして2人は逢瀬を楽しんだ。
結婚生活は思っていたより悪いものでは無かった。
夫となった者は、遠いところから馴染みのない地へ嫁いで来たという事もあり、サンディは相手が王家ということもあり、お互いにある程度は尊重し合う関係であったと思う。
しかし、何度体を重ねても子供を授かることは無かった。それが原因かは分からないけど、だんだんお互いの距離は離れていって、サンディは教会に籠ることが多くなった。
王宮に居ても居場所は無い。
でも教会に居れば、治癒魔法を必要とされる。
だんだんと王宮に帰ることも無くなり、教会で生活をするようになり、年を取り、王宮に帰ることも生まれ育った家に戻ることも無く、ただただ静かに生涯を終えた。
ライアンは毎日沢山狩りをして、沢山食べて、空も飛んで、魔術も沢山練習してそれはそれは立派な龍に成長した。
ライアンはサンディに会いに行くために人化の術も沢山練習して完璧に使いこなせるようになった。
サンディに驚いて欲しくて、時間が掛かっても完璧になるまで繰り返し繰り返し練習した。
そしてサンディに会いに行ったけど会うことが出来なかった。王宮に行っても教会に行っても居なかったんだ。
なんで会えないのかが分からずにその日は帰った。
でも次の日も、また次の日もサンディを探しに行くけど会うことは叶わなかった。
毎日毎日探しに行っていると教会の人からある事を聞いた。「確か以前に君の探しているサンディという方が居たと記録が残っている。ただその人はもう100年近く前に亡くなっている。」と。
ライアンは山に帰った。でも山に帰る前にヒト族について調べた。
そしてサンディに会えなかったのはとても簡単な理由だった事に気付いた。
ヒト族の寿命は長くても100年。
龍の寿命は数え切れないほど。
ライアンはサンディにもう会うことは叶わないんだと泣いた。それはそれは涙が枯れるまで泣き続けた。
ライアンが1ヶ月ほど泣き続けていたら、王宮のある地域に雨が降り始めた。その雨は降っても降っても、止むことを知らないみたいに降り続けた。
ライアンが時折泣き止むと、降り続いた雨も少し収まったり、曇りになったりもしたが、きっとライアンが泣き止むまで雨も振り続けているんだと思う。
俺はその様子をずっと空から見ていたんだ。
俺が居る場所には雨は降っていないはずなのに、ほっぺたにぽたっ、ぽたっと雫が落ちる。
不思議に思って上を見上げると、涙を流すイルの姿が目に飛び込んできた。
「・・・イル?なんで泣いてるの?」
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