【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

文字の大きさ
140 / 167

ここが俺の正念場!

しおりを挟む
あれから、半年がすぎた。

あの後の健康診断で色々調べられた結果、急激な魔力の使用は体に負担が掛かる、という理由で討伐参加が認められなくなった。俺は寝たら回復するから大丈夫って言ったんだけど、その主張は通らなかった。

それに義母様が後で「もしかしたらライアンが魔力を持っていったのも、魔力を使わせる事をさせたくなかったからじゃないか。」と仰った。

魔力を使った後に、熱を出して寝込む事も無くなったから、もしかしたら、知らないうちに蓄積した体のダメージも回復してくれていたのかもしれない。

急激な魔力の使用じゃないから、植物に魔力を流す程度なら問題ないんだって。

なので、騎士団の討伐訓練、演習、遠征等はミッキィが主体で指示出しをしている。最近では、後輩を連れて行って育成も同時に行っているみたいだ。

団長予定のサミュエル殿下も、書類仕事は難なくこなせるようになり、以前は私が私が!って自己主張が激しかったんだけども、それなりに騎士団のこと、団員の事を含めて考えられるようになって来た。最近は俺が騎士団詰所に行く回数もかなり減ったし、そろそろ俺のお役目も御免かな。

領地の勉強も多分順調。
拝領した領地の歴史から学んで、特徴物とか地域の特徴とか色々教わって、俺とイルでどうやって領地運営していこうか悩みつつ、義母様達にも相談してっていう感じ。

俺は温泉地を観光の名所にして、もっと街を大きくしていきたいんだけど、どうなる事やら。
東から西にかけて横に長い領地だからそれぞれ特色もあって面白い。温泉が湧いてるのは東寄りで首都に近い所。反対側は穏やかな気候で作物の生育に向いている。

実は義母様が運営している領地の近くだった事もあり、交流も含めてお祖母様とお爺様が一緒に見てくれるそうだ。

エイデン義兄様の公爵家としてのお勉強もそろそろ終わるみたいだから、そしたら爵位をエイデン義兄様に譲って領地に引っ込むらしい。
今までは実質領地運営をしていたのはお祖母様とお爺様で重大な事だけ義母様が確認して判断をしていたらしい。これからはそれがエイデン義兄様の役目になって、義母様は領地へ。義父様は王宮での職務を勤め上げたら義母様の所に行くんだって。まだ先の話だけど、しばらく会えなくなるけど義父様は大丈夫かな?

そしてこの半年で1番大きな出来事が、マシュー義兄様と黒い人、ルーカス殿下の結婚式だ。

俺はマシュー義兄様の兄弟枠なので、王宮内の教会で誓いの言葉をたてる所にも参列した。

今回、マシュー義兄様は白いスリーピースのキッチリカッチリしたスーツで、反対にルーカス殿下の装いは真っ黒のスリーピーススーツ。
所々に金の刺繍がされていて、それが2つの衣装に統一感が醸し出されている。

ものすごくシンプルだけど綺麗で格好良い。

そういえば俺が以前見た王族に衣装もシンプルだけど高貴と人目で分かるものだった。洗練されているって言うのかな。そしてそれを着こなしているマシュー義兄様も素敵すぎる!マシュー義兄様が格好良すぎます!

お2人は誓いを立てた後、首都を馬で大通りを練り歩き結婚したことを国民に報告をする。

俺たちはパーティ会場に行って、マシュー義兄様達が戻ってくるのを待った後に、教会に参列して居ない貴族の方々に披露をして、パーティの開始だ。
お祝いごとのお食事は見た目も華やかで、味もとても美味しかった。義母様と義父様のダンスもいつもより気合いが入っていてとにかく凄かった。

今思い出してもマシュー義兄様の格好良い姿がまぶたの裏に描かれるよ。


そして俺は今、イルに渡す魔道具の最終調整をしている。イルの瞳の色に近い青緑色の雫型の石に魔法陣を組み込んでいく作業が予想よりとても難しくて。エディスとノア様に指導して貰いながら何とか頑張ったんだ。時間はかかっちゃったけど、中途半端なのは渡したくなかったんだ。今の俺が作れる最高の出来だと思う。
しかも、対で持ちたかったから同じものを2つ作って、リンクさせて、ふふふふ、イル喜んでくれるかなぁ?

雫型の上の方に開けた小さな穴に紐を通して、っと。

「ふふふふ、完成~。よぉし今晩渡そうっと。」


その後は外に植えた謎の種から芽が出て俺の背丈よりも伸びてしまった木の様子を見る。

これ、思い出したんだけどビッグベアーとか毛皮の生き物を狩って、皮を剥いだ時にそのままにしておくとガビガビに乾燥しちゃったり、逆に血が腐ってべちょべちょになったりしちゃうんだけど、この木の皮を浸けた水で洗うと洗い残しがほとんど無くて、乾かした後もフサフサの気持ちいい感じになる不思議な木、の実だったのだ。

俺が持ってた素材を売った時に、買取に来てくれた商人の人が、時間が経っている筈なのに状態が良すぎる?だっけ?なんかその話になったっぽくて、その話を聞いた時に思い出したんだよね。

もっと大きく立派になったら誰かにビッグベアー狩って来てもらおうかなぁ。それで毛皮を生産して~、へへへ。毛皮職人にも良いかも?なんてね。

「もっと大きく元気に育てよ~。」

俺は木の幹を気合いを入れるようにバシっと叩いて声をかけた。
ガードナーが毎日声をかけると応えるように育ってくれますよって言ってたし、ガードナーが植物に声を掛けてるのも見た事あったから、俺も真似をして声をかけるようになった。効果は正直分からないけどなんだか無言で魔力とお水をあげるよりはいい感じかな、俺が。
そういえば、教会の木に魔力を奉納する時も『木のことを想って』って言ってたし、やっぱり何かあるんだろうね。

温室の植物の実験は驚く程差が出た。
色も艶も生育速度も俺が魔力をあげた方の植物が格段に良かったのだ。
本当は1年間実験を続けて差を比べる物らしいが、魔力を流してない方の植物が可哀想にしょげた感じがして、見てたら「魔力ちょうだい?」って言ってるみたいで、結局義母様の許可を得て魔力をあげたのだ。

おかげで今はどっちもスクスク成長している。
世話してると可愛く思えてきちゃうのはなんでだろうね?植物なのに、大きくなっていくのが嬉しい。

みんなで夕飯を共にして、部屋に戻ってシャワーを浴びて、まったりタイム。

そういえば侍従もジャックからジャックの息子のサムスになったんだ。ジャックは義母様と一緒に領地に行くから義母様のお世話をするために義母様の侍従に。サムスは俺と一緒に拝領した領地に着いてきてくれるんだって。ジャックはどっちかって言うとダメなことは1回きちっと言って後は様子を見て反応を帰るけど、サムスはダメなことがあると毎回小言を言われる。親子なのに全然違う!

さて、俺は今からが正念場!

イルに格好良く魔術具を渡すんだ!

「あ、あのさイル。俺、イルに貰って欲しい物があるんだけど。」
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

聖獣召喚に巻き込まれた俺、モフモフの通訳をしてたら冷徹騎士団長に外堀を埋められました

たら昆布
BL
完璧っぽいエリート騎士×無自覚な愛され系

あの日、北京の街角で

ゆまは なお
BL
5年前、一度だけ体を交わした彼が、通訳として出張に同行するーーー。 元留学生×駐在員。年下攻め。再会もの。 北京に留学していた上野孝弘は駐在員の高橋祐樹と街中で出会い、突然のアクシデントにより、その場で通訳を頼まれる。その後も友人としてつき合いが続くうちに、孝弘は祐樹に惹かれていくが、半年間の研修で来ていた祐樹の帰国予定が近づいてくる。 孝弘の告白は断られ、祐樹は逃げるように連絡を絶ってしまう。 その5年後、祐樹は中国出張に同行するコーディネーターとして孝弘と再会する。 3週間の出張に同行すると聞き、気持ちが波立つ祐樹に、大人になった孝弘が迫ってきて……? 2016年に発表した作品の改訂版。他サイトにも掲載しています。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

もふもふ獣人に転生したら最愛の推しに溺愛されています

  *  ゆるゆ
BL
『もふもふ獣人転生』からタイトル変更しました! 白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で息絶えそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 本編、完結済です。 魔法学校編、はじめました! リクエストのお話や舞踏会編を読まなくても、本編→魔法学校編、でお話がつながるようにお書きしています。 リトとジゼの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントなくてもどなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! 第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。 読んでくださった方、応援してくださった皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

処理中です...