【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

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命の神秘

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「うん、うん、大丈夫ですね。あとこれと、はい、大丈夫です。」

今日も俺はレオンとリディックを伴って騎士団詰所の執務室の近くの応接室で書類の確認をレスト副団長と行っていた。

レオンとリディックは俺と一緒に領地に来てくれる騎士団の一員で団長と副団長を務めてもらう予定だから最近は常に一緒に行動をしている。
アランも既に退団してレオンの騎士団の一員だ。

「そういえば、秋の入団試験はどうだったんですか?」

俺は書類を確認しながらレスト副団長に声をかけた。

「そうですね。団長のおかげで入団希望者が右肩上がりで大変でした。圧倒的に庶民の試験希望者が増えましたね。」
「ええ?俺もう辞めちゃうのにですか??」
「一目でも良いからお目にかかりたいって野郎が多いんでしょう。」
「へーえ。どうせ俺来ても執務室とかに篭ってるのにねぇ。」
「あわよくばってやつです。」
「ふーん。」

そんな事を話しながら書類に漏れがないかチェックを終えた。

「レスト副団長、こっちはバッチリ漏れ無しです。」
「はい、団長。こちらも問題ありません。」

俺たちがチェックしていたのは簡単に言うと任命書類と言うやつなのだが、俺がレスト副団長と2人で執務作業をやっていた際に、執務関係の責任者をほぼ俺、時々レスト副団長の名義にしていたので、それを適任者に振り分けたので、それの最終チェックをしていたのだ。

団長任命書類も併せて王宮の管轄部に提出して、承認を貰えたら俺は晴れて退任、そして退団だ。

「ガイウス団長、長い任期大変だったと思います。一足早いですが、ご苦労様でした。」
「はい、レスト副団長も長い間沢山支えて頂きありがとうございました!」
「ふふふふ。」
「へへへへ。」

お互い気恥ずかしくなって笑い合う。
レスト副団長ともあと数日か。

「長いようで、終わっちゃうと短かったなぁ。」
「私はこれで執務から逃げる団長を追わなくて良いのかと思うと、肩の荷が降りてホッとしますね。」
「レスト副団長自身ではなく、実際には団員使ってましたよね?」
「私は頭をフル回転させてましたよ。」
「ははは、確かに。」
「では、私はこれを提出して参りますね。」
「はい、お願いします。」




書類は7日ほどで全て承認された。
俺は晴れて団長の任を降りたのだ。ただ書類が返ってきて退任となるので実に呆気ないけれど。

俺が愛用していたすごく動きやすい団長の上着も、動くのに邪魔にならないウエストポーチも全て返却した。

俺は今日で騎士団も退団するのだ。騎士団に関わる物品は全て返却するのが退団時のルールである。

執務室ではジェントルドに号泣されながら花束を貰って、ニールも泣きながら俺にガラスペンをくれた。

ジェントルドって一部では鬼の教官と呼ばれるくらい厳しい指導が有名だけど、結構涙脆いんだよね。ふふふ、こんな事知ってるのも執務室のメンバーだけなんだろうなぁ。ミッキィが退団したから執務室メンバーに今は戻ってるんだよね。でも、現場と半々みたい。

ニールもしっかり執務室メンバーの一員だ。何せ団員数が増えたから専門で人事職になったのだ。ニールは人の分析が凄いんだよね。俺は実際に関わってないとすぐ記憶からさよならしちゃうから少しは見習いたいと思う。

「団長っ、ずびっ、これからも元気で居てくださいね。」
「私も、団長が元気で居てくれる事を願っております。」

まぁ、大体こんな事を言っていた。

エディスもリックステンも既に退団済みだからあとは新団長のサミュエル様に挨拶して帰ろうか。

レスト副団長は前に挨拶したしね。

「サミュエル団長。団長の物覚えが良すぎて思いの外早く退任、退団を迎える事が出来ました。これから先、悩む事や落ち込む事もあるかと思いますが、団員に相談すればあっという間に片付きますので実践してみて下さい。困った時はレスト副団長です!レスト副団長は副団長のプロフェッショナルですから!」

「どういう事ですかそれは。」

レスト副団長からツッコミが入る。
ふふふ、珍しく恥ずかしがっちゃってるなぁ。

「ガイウス。とうとうこの日が来てしまったな。色々ご指導頂き感謝する。団長という任、確と賜ったぞ。」
「はい!騎士団の事、よろしくお願いします!では俺はこれで。」

「団長、最後に良いですか?」

執務室を出て行こうとした時、レスト副団長に声をかけられた。

「へ?」

レスト副団長はふわりと俺を優しく抱き締めて、俺の耳元で「お元気で居て下さい」と言って離れた。

「ふむ、やはり獣人より柔らかくて何処と無く心許ないですね。これがヒト族ですか。」

誤魔化すように考察を述べるレスト副団長がおかしくて。

「ふ、ふはっははは。俺が正式に領地に行くのは冬が明けてからなので時々お邪魔しに来ますね?」

「邪魔しに来るなら結構です。」

ふふふ、いつものレスト副団長だ。

さっきの事はイルには内緒にして置かないとヤキモチ妬いちゃうね?

「じゃぁ皆さんお疲れ様です!お元気で!」

そう言って俺は騎士団詰所を後にした。




帰り道、俺はお世話になった食堂にも挨拶したくてレオンに伝える。
あんまり良い顔はされなかったけど、俺が世話になった、下町の母さんだ!と無理を通して一緒に来て貰った。

カランカランと音の鳴るベルが付いたドアを開けて声をかける。

「おばちゃーん、久しぶり!ってえ?ええ??」

俺は久しぶりに見たおばちゃんを見てびっくりしてしまった!だって、ステラおばちゃんのお腹が大きいんだもの!!

「あぁ、ガイウス様。この度はお越し頂きありがとうございます。身重の体にて何か粗相があるかもしれま、」

「妊娠してるの!?」

俺は食い気味に事実確認をしてしまった。
イケナイイケナイ、公爵家として振る舞わないと。

「ふふ、はい。見た通りです。触ってみますか?」

「是非!」

俺が公爵家の養子になっておばちゃんのフランクな話し方がガラッと変わってしまって悲しいけれど、それは仕方が無いことなのだ。

俺は恐る恐るステラおばさんのお腹に触れる!

ぽこんぽこんと中で跳ねる感覚がある。

「ふぇ?なにこれ??」

「ふふふ、それはですね、お腹の中の赤ちゃんがこんにちは!ってお腹を蹴って挨拶してるんですよ。」

「ぇ、蹴るって痛くないの??」

「まだ赤ちゃんで力が弱いから痛くは無いですよ。」

「へぇー。凄いなぁ。お腹に赤ちゃんが居るんだ・・・。」

俺には赤ちゃんがお腹の中で育つこと、産まれてないのにお母さんのお腹の中で蹴る事が知識としてはあったけど、実際に目の当たりにして衝撃だった。
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