【完結済】ヒト族ですがもふもふの国で騎士団長やらされてます。

れると

文字の大きさ
164 / 167

素敵な特産物と変態

しおりを挟む
俺はベッドに寝転がり、露店で買ったまあるいガラスビーズを部屋の灯りにに翳す。

今日からは海の見える素敵なホテルの一室だ。
こちらも広くて南国風だが、領主邸より明るい色で纏められていて陽気な感じも伺える造りになっている。

俺が手にしたまあるいガラスビーズは、横から見ると平べったくて上部に小さな穴が空いてあり、そこからチェーンが通っていてネックレスとして身に付けられるものである。

まあるいガラスビーズは、俺が今手にしている物は、海と夕陽をテーマに作ってあるもので紺色から上に向かって夕陽の茜色にざっくりとグラデーションが出来ており、空の縁はまた紺色で不思議な雰囲気を醸し出している。
灯りを通して見ると何かがキラキラと反射して光って、それもまた綺麗で不思議。
お土産として、色違いで幾つか購入をしたものの1つだ。

これはガラス職人の若手がこの街の特産にしようと力を入れて作っていると言っていた。

それを思い出しながら、キラキラ瞬くガラスビーズを見ながら俺はライルの言葉を頭で反芻する。

『是非、領主として取引をして頂きたい。』

「んぅぅぅ~、んぁぁあ~!!!」

取引って何!?何と何を?
俺は領主としての仕事をしに来たんじゃないの、イルと遊びに来たのぉぉおお!!!

と言ってもこの地の領主がホストとしておもてないしてってだけじゃいかないもんね、何か対価が欲しいっていうのは分かるよ!でもぉぉお。

俺はベッドに投げ出した足をバタバタと暴れさせた。

イルがお風呂に入れるかどうか確認して来てくれたのだが、俺の奇行に頭を傾げてる。

「ガイ、お風呂もう出来、・・・何を暴れてるの?」

「”領主としての取引”~~~っ!!!」

「ああ、それ。」

「”ああそれ”ってそんな軽い問題じゃない~!だって俺仕事しに来てるんじゃないだよ、遊びに来てるのに~!!」

「じゃぁそう言えばよかったのに。」

「え?」

「”バカンスで来てますのでお預かりして後日返答させて頂きますね”で良かったんだよ。」

「な、え、そうなの!?」

「なんだ、てっきりガイは海産物好きだったから旅館にでも降ろすのかと思って悩んでるのかと思ったら違うんだ?」

「え?え?ぁぁぁ、そっか、そういう考えもあったか!ぁぁ、でも俺はもう仕事の話はしたくないの!あとは心行くまで遊び倒したいの!!」

「ん、わかった。じゃぁ、その話は最終日まで置いておこう?そしてとりあえず、お風呂入ろう?ここのお風呂も凄いんだよ、俺初めて見た。」

「へ?何が?」

イルに連れられて、服を剥ぎ取られ、運ばれた先のお風呂はなんとも不思議な浴槽だった。

「ゴポゴポしてる。」

お湯がなみなみと張られた浴槽の底から空気が発生していてゴポゴポとしている。

「ね、凄いよね。マッサージ効果やリラックス効果があるんだって。」

そう言いながらイルは自分の体と俺の体をチャチャッと洗って浸かる準備を万端にしてる。

イルがこんなにワクワクしてるの珍しいなぁ。

そう思いながら明日を踏み入れた浴槽の最初の感想は「なんか思ったより刺激が弱いね」って2人して笑ってたんだけど、5分も浸かっているとお湯の温度もあってか段々と気持ちよくなってきた。

「あー、なにこれ気持ちいい。寝ちゃそう~。」

「ね、段々と気持ち良くなってくるね。」

「良いなぁコレ。定期的に浸かりに来たい。」

「ふふふ、それは難しいけどね。そろそろあがらないと逆上せちゃうよ?」

「う~、あと少し浸かってたい~。」

「じゃぁ、あと少しだけね。」

あと少し、あと少し、それが積み重なると少しじゃ無くなってしまうもので、俺は案の定、逆上せてしまった。

ベッドで仰向けになり、火照った顔に濡らしたタオルでおでこと目元を冷やし、イルにうちわを仰いでもらってる。

「なんで、なんでイルの方が体温高いのに逆上せないの?」

「その分耐性があるって事なんじゃない?」

「そういうもん!?でも冬だって俺より暖かいし風邪もひかないじゃん。」

「あー、確かにガイはすぐ逆上せるし、冬はすぐ体が冷たくなっちゃうよねぇ。ヒト族ってそういうもんなのかな?それともガイだけかな?」

「しーらーなーいー。」

「ふふふ」と笑いながらイルは俺の体をぺたぺた笑って大分火照りが治まってきたことを確認して俺の顔のタオルをぺいっと剥がす。

「うん、大分良くなったね?」

「お陰様で。」

イルは何時の間にか俺の体を跨いで馬乗り状態だ。
俺は今日は歩き疲れてヘロヘロで、しかもお風呂で逆上せてしまったので寝たいのだが。
この状況、どう考えても俺の事を抱く気だ。

このパリッとしたシーツ、仄かにお花の甘い香り、広いベッド、くったり疲れた体。もぅ寝るしかないじゃん。
明日も楽しみたいし。
俺は、寝る。

「イル、俺は、寝るよ?眠るよ?明日もいっぱい歩くんだから、寝るよ?」

「ん、わかった。いいよ、ガイは寝てて。」

そう言いながらイルは俺のシャツの中に手を突っ込んでくる。

「ん?いやいやいやいや?ちょっとこの手止めてっ、おい、俺が寝てる間に襲おうとしてる?」

「もちろん。だからガイは寝てて大丈夫だよ。ガイ、寝ててもしっかり反応してくれるし、寝言なのか喘ぎ声なのか声もすっごく可愛いし。」

イルがすっごい笑顔で平然と答えてくる。

そうだ、イルっていつからかエッチ中に俺が気を失ってもその後も平気で2、3回は中出ししてくるような超絶変態に進化してたんだった。

「いやそれは俺の体にも負担かかってるんだからな?俺は明日も楽しみたいの!だから駄目!絶対だめ!」

「大丈夫、歩けなくても俺が抱えてあげ、ぅわっ、ちょっと危ないよ?」

俺はイルが喋ってる途中で思い切り足を振り上げたんだけれど、余裕で躱されてしまった。

「だ!め!」

俺がキッとイルを睨んで言葉を口にすると、イルも「はぁ。」とため息を吐いて俺の横にゴロンと横になった。

「しょうがないから我慢してあげる。でも旅行中絶対抱かせてね?」

「・・・。」

俺はイルの腕の中で黙りを決め込む。

なんで俺が駄々っ子ちゃんみたいな感じになってるんだ、絶対違うのに!

イルは返事のない俺にスリスリスリスリと、匂い付けを始めたのだった。
しおりを挟む
感想 7

あなたにおすすめの小説

伝説のS級おじさん、俺の「匂い」がないと発狂して国を滅ぼすらしいい

マンスーン
BL
ギルドの事務職員・三上薫は、ある日、ギルドロビーで発作を起こしかけていた英雄ガルド・ベルンシュタインから抱きしめられ、首筋を猛烈に吸引。「見つけた……俺の酸素……!」と叫び、離れなくなってしまう。 最強おじさん(変態)×ギルドの事務職員(平凡) 世界観が現代日本、異世界ごちゃ混ぜ設定になっております。

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

聖獣召喚に巻き込まれた俺、モフモフの通訳をしてたら冷徹騎士団長に外堀を埋められました

たら昆布
BL
完璧っぽいエリート騎士×無自覚な愛され系

あの日、北京の街角で

ゆまは なお
BL
5年前、一度だけ体を交わした彼が、通訳として出張に同行するーーー。 元留学生×駐在員。年下攻め。再会もの。 北京に留学していた上野孝弘は駐在員の高橋祐樹と街中で出会い、突然のアクシデントにより、その場で通訳を頼まれる。その後も友人としてつき合いが続くうちに、孝弘は祐樹に惹かれていくが、半年間の研修で来ていた祐樹の帰国予定が近づいてくる。 孝弘の告白は断られ、祐樹は逃げるように連絡を絶ってしまう。 その5年後、祐樹は中国出張に同行するコーディネーターとして孝弘と再会する。 3週間の出張に同行すると聞き、気持ちが波立つ祐樹に、大人になった孝弘が迫ってきて……? 2016年に発表した作品の改訂版。他サイトにも掲載しています。

異世界で8歳児になった僕は半獣さん達と仲良くスローライフを目ざします

み馬下諒
BL
志望校に合格した春、桜の樹の下で意識を失った主人公・斗馬 亮介(とうま りょうすけ)は、気がついたとき、異世界で8歳児の姿にもどっていた。 わけもわからず放心していると、いきなり巨大な黒蛇に襲われるが、水の精霊〈ミュオン・リヒテル・リノアース〉と、半獣属の大熊〈ハイロ〉があらわれて……!? これは、異世界へ転移した8歳児が、しゃべる動物たちとスローライフ?を目ざす、ファンタジーBLです。 おとなサイド(半獣×精霊)のカプありにつき、R15にしておきました。 ※ 造語、出産描写あり。前置き長め。第21話に登場人物紹介を載せました。 ★お試し読みは第1部(第22〜27話あたり)がオススメです。物語の傾向がわかりやすいかと思います★ ★第11回BL小説大賞エントリー作品★最終結果2773作品中/414位★応援ありがとうございました★

もふもふ獣人に転生したら最愛の推しに溺愛されています

  *  ゆるゆ
BL
『もふもふ獣人転生』からタイトル変更しました! 白い耳としっぽのもふもふ獣人に生まれ、強制労働で息絶えそうなところを助けてくれたのは、最愛の推しでした。 本編、完結済です。 魔法学校編、はじめました! リクエストのお話や舞踏会編を読まなくても、本編→魔法学校編、でお話がつながるようにお書きしています。 リトとジゼの動画をつくりました! インスタ @yuruyu0 絵もあがります。 Youtube @BL小説動画 アカウントなくてもどなたでもご覧になれます。 プロフのwebサイトから飛べるので、もしよかったら、お話と一緒に楽しんでくださったら、とてもうれしいです! 第12回BL大賞さまで奨励賞をいただきました。 読んでくださった方、応援してくださった皆さまのおかげです。ほんとうにありがとうございました! 名前が  *   ゆるゆ  になりましたー! 中身はいっしょなので(笑)これからもどうぞよろしくお願い致しますー!

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】

古森きり
BL
【書籍化決定しました!】 詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります! たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました! アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。 政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。 男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。 自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。 行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。 冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。 カクヨムに書き溜め。 小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。

処理中です...