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八花十一

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FILE4.国すらも欲す神の力

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清々しくて青空が澄んだいい朝だ。

こんな日は大抵めんどくさい事が起こる。

天気がいいと気分が良くなり普段は決まらない重要な事でさえ思いのほか簡単に決まってしまう事もある。

店のドアが開く音がする。

ほら来た。

白銀に光る甲冑を着たいかにも国をお守りしてますと言わんばかりの立ち振る舞い。

国家守衛騎士団の皆さんのご登場だ。

「おはようございます、一斉様。」

挨拶をしてきたのは唯一甲冑を着ていない男。

この男の名前はアイリス・ベルン、
国家守衛騎士団の副隊長だ。

仕方ない、少し面倒だがあの技をつかうしかあるまい。

「お久しぶりですね、アイリス副隊長。」

秘技 営業スマイル。
特にモチベーションが上がっていなくても相手に好印象を残せるという活気的な表情。

「確かにお久しぶりです。半年前も大変お世話になりました。」

半年前に一度国の仕事を引き受けていた。
国の仕事はもちろん依頼料も高いのだが時と体力の消費が半端ないので二度と受けないと心に誓っていた。

「いえ、その件はこちらこそ。」

「今日はまた違った仕事のご依頼で参りました。」

「やっぱりそうですか。ちなみに今度はどんなご依頼で?」

「遠回しに言っても仕方がありません。ドラゴンの討伐をお願いしたく思っております。」

やはり討伐依頼。

国が持ってくる仕事なんてだいだい鎮圧か討伐か護衛か、そのくらいしかない。

「そのドラゴンについて聞いても?」

「もちろんです。そのドラゴンの名前はヒュドリオン。先日国に外の近い荒野にて一体発見され我々騎士団が討伐に向かいました。無事討伐に成功したのですが、」

「した後何かあったわけですね。」

「ご推察の通りです。そのヒュドリオンは死後まもなく再生をはじめました。その後なんと2体に増殖したのです。その後倒しても倒しても増殖を繰り返しており情けない話ですが騎士団でも手がつけられない状態となってしまいました。」

「なるほど、しかし騎士団には1人で5千人の軍隊にも匹敵する4人の騎士、四騎討千(しきとうせん)の方々がいらっしゃるはずでは?」

「確かにあの4人にかかれば討伐は安易でしょう。しかし4人はそれぞれ別の討伐で遠出しており今国にはおりません。私はあまり戦闘向きではないものですから。」

「なるほど、四騎討千の方々の帰還を待つ余裕がないというわけですか。」

「さようでございます。どうかお力をお貸しください。」

「分かりました。なんとかやってみましょう。」

これがいわゆるトップダウンという奴だ。
この国で生活している以上国からの命令に逆らうという行為は非常にまずい。あくまで温和にしっとりとした生活がしたいのだ。

「ありがとうございます。では今夜20時にお迎えにあがります。」

やれやれ仕方がないとはいえ少々骨の折れる仕事になりそうだ。
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