金色の庭を越えて。

碧野葉菜

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第一章、発端

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「もう、もう、レディーにあんなこと言うなんて、失礼しちゃうわ!」

 あゆらはプリプリという擬音がピッタリ当てはまる調子で怒りながら、屋上のドアから続く階段を下りていた。
 しかし、ふとあることに気がつくと、踊り場で足を止めた。

「あ……私ったら、またお礼を言えなかったわ、一昨日のことも……今も、散々話を聞いてもらって、協力までしてくれるっていうのに……もしかして、失礼なのは私の方なんじゃ……?」

 落ち着いて志鬼とのやり取りを思い返したあゆらは、感情的になってしまった自分を少し反省した。
 が、すぐさま顔を上げると、気合を入れるように両手で左右の頬を音がするほど叩いた。

「俯くのはもうおしまいよ、見てて、美鈴……あなたの無念、必ず晴らしてみせるから……!」

 美鈴を失った悲嘆が消えるはずはない。それでもすべてを打ち明け、共に希望を探せる相手を見つけたことで、あゆらは本来の強い瞳を取り戻した。
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