蛇に祈りを捧げたら。

碧野葉菜

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仙界

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「もういいだろ。俺たちも帰るぜ」

 百恋と学法が去ったのを機に、蛇珀も踵を返そうとするが、狐雲の声がそれを許さなかった。

「蛇珀よ、重要なことを忘れておるな。とぼけても仕様があるまい」

 狐雲の次の思考を予測した鷹海が、その後を紡ぐ。

「貴様、この丸一月、願い聞きをしておらんじゃろ。一体どういう了見じゃ」

 蛇珀は痛いところを指摘され、ぐ、と尖った奥歯を噛み締めた。

 いろりはまだことの重大さに気づいていない。
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