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第三章
閑話 元令嬢、現保護者が歓喜〜懐かしのジゼル・クイン様(ハート付き)
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今日はマード国立初等学園参観日。
6年生になる長女を観に、領地から次女を伴いタウンハウスに住む夫の所に参りました。一保護者です。
懐かしの王都。私も6歳の初等学園から中等学園卒業の18歳までこの学園におりました。
長女は10歳まで領地の学園におりましたが、編入させました。本来なら編入は難しい学園ですが、大戦争があったため10歳から15歳までの学年に若干の空きがあったのです。その年代は大戦争の間に生まれた子たちで、全体的に人数が少ない年代なのです。悲しい歴史です。
世の中に平和が戻り真っ先に思い浮かんだことが、娘の婿取りです。我が伯爵家は長女が後継なのです。
領地のためにも良いお婿様を迎えたい。良い感じの次男様か三男様、四男様五男様…とにかく長男様ではない方とお知り合いにならなければ!そんな方々はどこにいらっしゃる?マード国立初等学園よ!ちょっと待って!空きがあるですって?募集してますって?…という流れの編入でした。
夫も私もマード国立学園出身なので学園の良さは良く知っています。夫も大賛成でした。
そして今日、久しぶりの学園というわけです。
学園に入り、学舎前で長女を待っていますが、何もかもが懐かしい…。この学舎の香りも、入口正面のなんだかの賞状の並びも…懐かしい。
初めてお友達と街でお買い物をしたのも、お泊まりをしたのも、学園生の時でした。
「あら?マリア様?」
どなた?私を呼ぶのは?ハッ!
「スカーレット様⁉︎」
きゃー。
スカーレット様は学園時代のクラスメイトです。親友ほどではありませんでしたが同じ仲良しグループで、宿題を一緒にしたり、素敵な男子学生に憧れたり…。
「あなたもこちらにお子様が?」
とスカーレット様。
「ええ、今年6年生の娘が」
「まぁ、そうなのね。私は今年入学した息子がいるの」
私は次女を連れていますが、スカーレット様もお嬢様をお連れでした。同い年とのことです。
「下は同い年なのね。懐かしいわね。私たちみたい。思い出すわね」
「ええ、色々楽しかったわね」
「本当に。ほら私たちの学年はあの方たちがいらしたから」
「きゃー。懐かしいわ!あの方々、比類なき絶対紳士でしたわよね」
「ねー」
「ねー」
一気に娘時代に戻りました。
私たちの学年にとびきり素敵な男子学生がお二人いました。スカーレット様はそのうちのお一人にお熱で、私はもう一人の方に憧れていました。ああ、素敵でしたわ、ジゼル・クイン様…。ああ、スカーレット様も今きっと同じ事を思い出していらっしゃるわ。
「…って、ちょっとお待ちになって!」
なに?スカーレット様、驚かせないで!と言おうとしてスカーレット様の目線の先を見たら…
「ハゥアッ!」
変な声出ました!「ちょちょちょちょ」変な声、出続けてます。
学舎に向かって歩いてくるのはジジジジジ、ジゼル・クイン様ではなくて?
「マリア様っ、ジゼル様ですわよっ」
スカーレット様がジゼル様から視線を外さず扇で私をパシパシ叩きます。痛い。ということは現実っ‼︎ひょーぅ。変な息を吸いました。
知ってます。ジゼル様のご子息様がマグヌス殿下と共に学園に入学されたこと。新聞で読みましたもの。でもでも!ここにジゼル様がいらっしゃるなんて!
「相変わらず素敵…」
ジゼル様派じゃなかったスカーレット様がつぶやきます。そうでしょう、そうでしょう!私のジゼル様ですもの素敵に決まっています。それにしても変わらず、いえ、瞳の青は以前より明るくない?…やだ、素敵…。
あんまり見てると夫になんか言われそう。と、チラッと横を見たら夫が何というか、一言でいうとバカな顔して一点凝視していました。何を見ていることやら。
視線の先には…あら、ジゼル様のお嬢様。なんて愛らしいの…流石ジゼル様の娘様よ…夫の視線はそこより下…って待ってーっ!その下っ!え?次男様?次男様なの?そのお小さい天使様。え?何事?
ジゼル様と同じ薄茶の髪に見たことのないような緑…より少し青の入った…翡翠?の瞳の…初めて見る美しさ…。
「夢かしら?」
あ、また無意識に私ったら。でも自分の言葉で我に返ったわ。
「るぜー」
後ろから声が?振り向く。「ひょーぅ!」スカーレット様の変な息。「ハゥアッ」私、本日二度目の変な声。
「スカーレット様!スカーレット様!」
今度は私が扇で叩く番ですわ。スカーレット様、無言でコクコクコクコクコクコク。首がもげますわよ!でも無理もないです。そこにはスカーレット様が熱を上げていたアーネスト・コーク様が!ジゼル様と人気を二分していた方が…揃った…嘘。アーネスト様って、今、宰相よね?宰相様も参観されるの?
「りろん、りろん」
何かアーネスト様の足元に走っていきましたわ。はっ!先程の天使様。しかもアーネスト様の足元にも金髪に紫の瞳の天使様が。どういうこと?
天使様がお二人で跳ねて、回って、パンプキン始めたわ。なんて愛らしいの…。
待ってー!ジゼル様とアーネスト様が会話されているわ!やだ、私なんか涙が…。扇、扇、扇!広げて私!
「父上!」
きゃー‼︎今度は学舎からジゼル様によく似た少年がー!
「あにゅーれ」
天使様たちがジゼル様似の少年様に駆け寄る。それを見てジゼル様とアーネスト様が微笑む…あ、アーネスト様の横にいるのはリリィラ様ではなくて?全然お変わりないわ!アーネスト様に大事にされているのね。素敵すぎだわ、学園ツートップ様方。
んまっ!今度はアーネスト様とリリィラ様に似た美少年が…絶対お二人のお子様よね。なんなのあの美しい集団。
前歯のない子どもがこんなに輝いていることってあるの?前歯がないと皆何というか…マヌケな顔になるのではなかったの?凄いわ、美の力。
アーネスト様とジゼル様がお子様方と学舎に入られてからの私たち…感情の振れ幅が忙しくてしばらく夢見心地のまま無意識にそれぞれの子どもの後をついて行ったので、いつスカーレット様と離れてしまったか気づかなかったわ。
王都にいる間にスカーレット様と今日のお話しなくては!あの頃の皆様もお呼びできるかしら?
えーっと、スカーレット様はどちらの家門にお輿入れされたのでしたかしら。確か…バーなんとかレイ…だったような…タウンハウスに戻ったら貴族名鑑で調べましょう。
とりあえず今日は娘とジゼル様をしっかり観ておかなければ!
6年生になる長女を観に、領地から次女を伴いタウンハウスに住む夫の所に参りました。一保護者です。
懐かしの王都。私も6歳の初等学園から中等学園卒業の18歳までこの学園におりました。
長女は10歳まで領地の学園におりましたが、編入させました。本来なら編入は難しい学園ですが、大戦争があったため10歳から15歳までの学年に若干の空きがあったのです。その年代は大戦争の間に生まれた子たちで、全体的に人数が少ない年代なのです。悲しい歴史です。
世の中に平和が戻り真っ先に思い浮かんだことが、娘の婿取りです。我が伯爵家は長女が後継なのです。
領地のためにも良いお婿様を迎えたい。良い感じの次男様か三男様、四男様五男様…とにかく長男様ではない方とお知り合いにならなければ!そんな方々はどこにいらっしゃる?マード国立初等学園よ!ちょっと待って!空きがあるですって?募集してますって?…という流れの編入でした。
夫も私もマード国立学園出身なので学園の良さは良く知っています。夫も大賛成でした。
そして今日、久しぶりの学園というわけです。
学園に入り、学舎前で長女を待っていますが、何もかもが懐かしい…。この学舎の香りも、入口正面のなんだかの賞状の並びも…懐かしい。
初めてお友達と街でお買い物をしたのも、お泊まりをしたのも、学園生の時でした。
「あら?マリア様?」
どなた?私を呼ぶのは?ハッ!
「スカーレット様⁉︎」
きゃー。
スカーレット様は学園時代のクラスメイトです。親友ほどではありませんでしたが同じ仲良しグループで、宿題を一緒にしたり、素敵な男子学生に憧れたり…。
「あなたもこちらにお子様が?」
とスカーレット様。
「ええ、今年6年生の娘が」
「まぁ、そうなのね。私は今年入学した息子がいるの」
私は次女を連れていますが、スカーレット様もお嬢様をお連れでした。同い年とのことです。
「下は同い年なのね。懐かしいわね。私たちみたい。思い出すわね」
「ええ、色々楽しかったわね」
「本当に。ほら私たちの学年はあの方たちがいらしたから」
「きゃー。懐かしいわ!あの方々、比類なき絶対紳士でしたわよね」
「ねー」
「ねー」
一気に娘時代に戻りました。
私たちの学年にとびきり素敵な男子学生がお二人いました。スカーレット様はそのうちのお一人にお熱で、私はもう一人の方に憧れていました。ああ、素敵でしたわ、ジゼル・クイン様…。ああ、スカーレット様も今きっと同じ事を思い出していらっしゃるわ。
「…って、ちょっとお待ちになって!」
なに?スカーレット様、驚かせないで!と言おうとしてスカーレット様の目線の先を見たら…
「ハゥアッ!」
変な声出ました!「ちょちょちょちょ」変な声、出続けてます。
学舎に向かって歩いてくるのはジジジジジ、ジゼル・クイン様ではなくて?
「マリア様っ、ジゼル様ですわよっ」
スカーレット様がジゼル様から視線を外さず扇で私をパシパシ叩きます。痛い。ということは現実っ‼︎ひょーぅ。変な息を吸いました。
知ってます。ジゼル様のご子息様がマグヌス殿下と共に学園に入学されたこと。新聞で読みましたもの。でもでも!ここにジゼル様がいらっしゃるなんて!
「相変わらず素敵…」
ジゼル様派じゃなかったスカーレット様がつぶやきます。そうでしょう、そうでしょう!私のジゼル様ですもの素敵に決まっています。それにしても変わらず、いえ、瞳の青は以前より明るくない?…やだ、素敵…。
あんまり見てると夫になんか言われそう。と、チラッと横を見たら夫が何というか、一言でいうとバカな顔して一点凝視していました。何を見ていることやら。
視線の先には…あら、ジゼル様のお嬢様。なんて愛らしいの…流石ジゼル様の娘様よ…夫の視線はそこより下…って待ってーっ!その下っ!え?次男様?次男様なの?そのお小さい天使様。え?何事?
ジゼル様と同じ薄茶の髪に見たことのないような緑…より少し青の入った…翡翠?の瞳の…初めて見る美しさ…。
「夢かしら?」
あ、また無意識に私ったら。でも自分の言葉で我に返ったわ。
「るぜー」
後ろから声が?振り向く。「ひょーぅ!」スカーレット様の変な息。「ハゥアッ」私、本日二度目の変な声。
「スカーレット様!スカーレット様!」
今度は私が扇で叩く番ですわ。スカーレット様、無言でコクコクコクコクコクコク。首がもげますわよ!でも無理もないです。そこにはスカーレット様が熱を上げていたアーネスト・コーク様が!ジゼル様と人気を二分していた方が…揃った…嘘。アーネスト様って、今、宰相よね?宰相様も参観されるの?
「りろん、りろん」
何かアーネスト様の足元に走っていきましたわ。はっ!先程の天使様。しかもアーネスト様の足元にも金髪に紫の瞳の天使様が。どういうこと?
天使様がお二人で跳ねて、回って、パンプキン始めたわ。なんて愛らしいの…。
待ってー!ジゼル様とアーネスト様が会話されているわ!やだ、私なんか涙が…。扇、扇、扇!広げて私!
「父上!」
きゃー‼︎今度は学舎からジゼル様によく似た少年がー!
「あにゅーれ」
天使様たちがジゼル様似の少年様に駆け寄る。それを見てジゼル様とアーネスト様が微笑む…あ、アーネスト様の横にいるのはリリィラ様ではなくて?全然お変わりないわ!アーネスト様に大事にされているのね。素敵すぎだわ、学園ツートップ様方。
んまっ!今度はアーネスト様とリリィラ様に似た美少年が…絶対お二人のお子様よね。なんなのあの美しい集団。
前歯のない子どもがこんなに輝いていることってあるの?前歯がないと皆何というか…マヌケな顔になるのではなかったの?凄いわ、美の力。
アーネスト様とジゼル様がお子様方と学舎に入られてからの私たち…感情の振れ幅が忙しくてしばらく夢見心地のまま無意識にそれぞれの子どもの後をついて行ったので、いつスカーレット様と離れてしまったか気づかなかったわ。
王都にいる間にスカーレット様と今日のお話しなくては!あの頃の皆様もお呼びできるかしら?
えーっと、スカーレット様はどちらの家門にお輿入れされたのでしたかしら。確か…バーなんとかレイ…だったような…タウンハウスに戻ったら貴族名鑑で調べましょう。
とりあえず今日は娘とジゼル様をしっかり観ておかなければ!
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