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鳥 屋上 親愛なる
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翼を広げる。風を切る音が鳴る。自分の鼓動のみを感じ、他は無に等しくなる。木々や電車、人々が流れるように過ぎる。私の目はそれを捉え、まるで映画のコマドリのようにそれを眺める。あっ、獲物。
私は鳥だ。別に最近よく見る転生もので、人間から鳥になったわけではない。私は生粋の鳥だ。
暗い、暗い殻を破り、この世に初めて生を受け、産声を上げた時、私の目の前には親愛なる母鳥がいた。後ろには父鳥がいた。
「おかーさん!おとーさん!」
私はピーチクパーチク鳴いた。
「生まれて来てくれてありがとう。」
母鳥と父鳥の暖かな笑顔に迎えられた私はスクスクと順調に育っていった。
父鳥からは、餌の取り方や飛び方など、私がこの自然界で生き残るための手段を、そして母鳥からは愛情を教えてもらった。
いくつかの季節を繰り返し、私は親離れすることになった。
「忘れ物はない?そうよ。特に車には気をつけなさいよ。」
母鳥が柔らかい表情を見せつつ私を心配してくれる。生まれた時から一切変わることのないその笑顔に安心と寂しさを私は感じる。
「強く生きるんだぞ。」
父鳥は涙目だ。
「わかってる。今までありがとう。おとうさん、おかあさん。」
私は強く羽ばたいた。風を切る音が鳴る。おとうさんとおかあさんの姿がみるみる小さくなる。
私は空を飛ぶ。自由になる。いや、きっとそう、私は生まれた時から自由だった。
私が親離れしてからまたしばらくいくつかの季節が過ぎた後、出会った彼女と結ばれ、幸せな毎日を過ごしている。
巣はある学校の屋上の片隅に作った。昼休みは人が多いし、一日を通して人が多い珍しい屋上だったのでここに決めた。しかも人間がよく私たちに餌をくれるからね。
今は彼女と私たちの間にできた二羽の子供が生まれてくるのを待っています。
そうです。私は燕です。
桜が咲き始め、暖かな空気が流れてくるようになりそろそろ飛ぶには辛い季節も終わりそうです。
この前、二羽の息子が親離れしたばかりで、私たちは今は暇です。今度でも息子の子育て奮闘記の話でもしましょうか。いえ、ちょっとばかり急用が入ったので今は話せません。
では、またいつかどこかで。
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「おかーさん!おとーさん!」
私はピーチクパーチク鳴いた。
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