転生者とバグでない異世界人の物語

@000-ooo

文字の大きさ
65 / 119

65.緊急招集

しおりを挟む
 それからしばらくして王家から緊急招集の指令が来た。
「3日以内に王都に来て、4日後に開かれる会議に参加するように」
とのこと。

 嫌な予感しかしない。帝国が動いた。たぶん。俺は魔道馬車で王都に行き、まずジグムントお義父様を訪ねた。ジグムントお義父様の話では
「アムスム王国は俺の液体肥料で大豊作だったとのこと。隣のベー王国とユルノギ王国は、俺の液体肥料が一部使われたようで、不作ではあったが昨年ほどではなかったとのこと。
 しかし、その隣の帝国は昨年以上の不作だったようで、帝国から、食料の緊急買い付けの依頼が来たそうなのだが、その単価が市価の半分。
 しかも、断った場合は強制徴収をすると高圧的なものだったらしい」

「帝国と戦って勝てると思うか」
と聞かれたので
「帝国軍の規模にもよるが、5万の帝国軍に勝利しようとすると、魔道馬車2000台ぐらい必要かと」
「今どれくらいある」
「俺のところに600台、王家に500台、他の貴族家に1000台、合計2100台である。連絡用に100台、アムスム王国の守りに300台残すとすると、動員可能な魔道馬車は1700台くらい、これだと対応可能な帝国軍は4万人ほどである。
 したがって5万人の帝国軍が攻めてきたら、1700台の魔道馬車と5千人の騎馬隊、5千人の歩兵が必要である」
「予想される帝国軍の規模は約5万人だ」
「これから行くか。王宮へ行って今の話をしたい」

 ということで、俺とジグムントお義父様は今王宮にいる。相手は前回と同様、国王と第1王子第2王子、宰相、エウゲン将軍、それにアムスム王国軍の参謀である。

 参謀の話では、状況はさらに悪化しているそうで、帝国の要求を蹴ったユルノギ王国には5万人の帝国軍が侵攻し、我が国にも救援要請が来ているそうである。
 また、帝国軍は我が国の北東方面にも5万人の軍を進めており、ユルノギ王国が降伏後はこの方面からも国境を越えると考えられ、そうなると我が国は二方面に対処せざるを得なくなるそうである。

 魔道馬車の状況を聞かれたので、
「我が国にあるのは、ネイメー子爵家にあるのが600台、アムスム王国に貸し出しているのが500台、他の貴族家に貸し出しているのが1000台の計2100台である」
と答えた。

俺は
「我が領にある魔道馬車のうち500台とその乗員2000人でユルノギ王国に救援に向かいたい。ただ、兵士がいないので3000人の歩兵を他の貴族家に依頼してほしい」
と言った。
 これに対し国王が
「3000人の歩兵はシャタイン伯爵家に依頼する王命を出す。それで5万人の帝国軍に勝てるのか」
と聞かれた。
「5万の敵軍と一度に戦えば勝てない。しかし、すでにユルノギ王国に侵攻している状況なら分散していると考えられ、その状況なら各個撃破して勝てる。魔道馬車500台と3000人の兵で18000人の敵軍と同等の戦力である」
「魔道馬車とはそれほどの戦力なのか」
「騎馬や歩兵では魔道馬車に勝てない。怖いのは魔法士と落とし穴などの罠である」
「わかった。ユルノギ王国の救援はネイメー子爵に任せる。シャタイン伯爵家とともに、ユルノギ王国に侵攻した帝国軍を打ち破るように」
「わかりました。陛下の御意に沿い獅子奮迅の活躍をいたします」

「シャタイン伯爵家とネイメー子爵の軍がユルノギ王国救援に出ている間に、王命で残りの魔道馬車を集め、国内の貴族にも動員をかける。そして、北東方面の帝国軍に対処する」

「その場合、ベー王国はどう動くと思う。帝国軍に同調するか、それとも中立を守るかどう思う」
これに対し、参謀が
「ベー王国はすぐには動かないでしょう。4年前の敗戦と最近の不作で国力が落ちています。王太子の第1王子は戦争を好む性格ではないようです。
 ただ、我国が帝国軍に蹂躙されるような状態になれば、軍を進めるかもしれません」
国王が
「テー公爵領の守りはどうなっておる」
これに対し、ジグムントお義父様が、
「国境のアー川に面して築かれたアーの丘の要塞は、現在1000人の兵を駐屯させ、20台の魔道馬車を配備しています」
国王が
「状況によっては少し増やすように。それと、今回の動員にはテー公爵領の魔道馬車はその対象に含めない。ただし、兵はいくらか出してほしい」
「ありがとうございます」

 俺はすぐに領地に帰って準備をしたいので明日の会議に欠席することを伝え了承された。また、シャタイン伯爵家のユルノギ王国救援の王命も預かった。
 このようにして、王宮での話は終わった。

 明日の会議でアムスム王国の貴族にこの方針が示され、国内の貴族に動員がかけられるそうである。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~

宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。 転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。 良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。 例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。 けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。 同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。 彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!? ※小説家になろう様にも掲載しています。

召喚獣スライムに転生したが、美少女召喚士が自分のすごさにまったく気づかない

椎名 富比路
ファンタジー
美少女召喚士リップルに召喚される形で、スライムの【ロピ】ちゃんとして転生したヒロミ。 リップルは誰しも認める天才美少女召喚士で、召喚獣からも慕われている。 なのに、本人はまったく無自覚で、自分の力より召喚獣のほうが優秀だと思っている。 だが、ロピちゃん本人も、自分が最強だと気がついていなかったのである……。

侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】

のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。 そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。 幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、 “とっておき”のチートで人生を再起動。 剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。 そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。 これは、理想を形にするために動き出した少年の、 少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。 【なろう掲載】

{完結保証}規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜

Saioonji
ファンタジー
母に殴られ、命を奪われた――そのはずだった。 だが目を覚ました先は、白く豪奢な王城の一室。 赤子の身体、仕えるメイド、そして“皇子”という立場。 前世では愛されず、名前すら価値を持たなかった少年が、 今度は世界の中心に生まれ落ちてしまった。 記憶を失ったふりをしながら、 静かに、冷静に、この世界を観察する皇子。 しかし彼の中には、すでに常識外れの思考と力が芽生えていた。 ――これは復讐でも、救済でもない。 自由を求めただけの少年が、 やがて国を、歴史を、価値観そのものを揺るがしていく物語。 最強であることすら、彼にとってはただの前提条件だった。 重複投稿作品です 小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。

【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~

シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。 前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。 その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。

ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした

渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞! 2024/02/21(水)1巻発売! 2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!) 2024/12/16(月)3巻発売! 2025/04/14(月)4巻発売! 2025/09/12(金)5巻発売!同日コミカライズ開始! 2026/03/16(月)コミカライズ1巻発売! 応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!! 刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました! 旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』 ===== 車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。 そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。 女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。 それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。 ※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!

レベルアップは異世界がおすすめ!

まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。 そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。

貞操逆転世界の「内助の功」~掃除と料理を極めた俺が、脳筋幼馴染を女王にするまで~

ありゃくね
ファンタジー
前世の記憶が目覚めたそこは、男女の貞操が逆転した異世界だった。 彼が繰り出すのは、現代知識を活かした「お掃除アイテム」、そして胃袋を掴む「絶品手料理」。 ただ快適に暮らしたいだけのマシロの行動は、男に飢えた女騎士たちを狂わせ、国の常識さえも変える一大革命へと繋がっていく。

処理中です...