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89.レンの出産
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10月の初めにレンが女の子を産んだ。四女である。名前はレムと名付けた。母子ともに元気である。テー公爵家に知らせたらレアとリズがやってきた。
そうしたら、ユリアーネお義姉様もやってきた。よくわからん。
顔を見て
「どちら似?」
「まだよくわからない。ただ、俺とレンの子供だから、容姿は期待しない方がいい。クララを小さくしたぐらいに考えておけばいい」
そう言うと微妙な顔をしている。
「ところで、クララちゃん。魔法の練習はしているの」
そしたらクララが嬉しそうに
「しているよ。この間、森でオーガ捕まえた」
「これあかんやつだ」
そう思ったがもう遅い。ユリアーネお義姉様の尋問が始まった。
「オーガはどうやって捕まえたの」
「オーガをじっと睨んで魔力をぱっとかけるの。そうするとオーガが口から泡吹いて倒れるの」
「それ誰に習ったの」
「お母ちゃん」
「あとどんな魔法が使えるの」
「陶磁器が作れる」
「あとは」
「火を起こしたり、水を出したり、風を吹かしたり、周りをきれいにしたり、光をともしたり、傷を治したり」
「それだけ?」
クララには
「空間魔法は言うな」
と言ってあるので、
「どうか凌いでくれ」
そう祈っている。
クララはじっと俺の方を見ている。そして
「それだけ」
と言ってくれた。
「何とか凌いだようだ。恐るべきユリアーネお義姉様の尋問力、驚愕に値する」
そう思った。
「まあいいわ。それにしても、その年でよくそれだけの魔法が使えるのね」
「わたし頑張った」
クララはうれしそうだ。
その後、どれくらい強いのか知りたいというので、ユリアーネお姉様が連れてきた公爵家の従士と模擬戦をすることになった。
従士を鑑定するとクララよりずっと弱い。それでクララの耳元で手加減するように言った。ケガさせたらまずい。
「はじめ」
の声で始まった。
従士が剣で切りかかるとクララは軽くいなして、相手の首に木剣をちょこんと付けた。
「私の勝ち」
昔のレンを見ているようだ。
「親子だなあ」
と思っているとユリアーネお姉様が
「昔お茶会で、今みたいなことあったわね。親子って似ているのね」
同じこと考えていたみたい。
それからその時の話になった。それから、今日ユリアーネお姉様が連れてきた従士は公爵家で一番強い従士だそうだ。それを5歳の女の子が余裕で勝ってしまう。
「どうか内密に」
とお願いした。
「どうしようかな。ところで、レムちゃん、もう婚約とか決まっているの」
「まだだけど」
「次男の婚約者にどうかって、フアニートに話してもいい」
「レンにも聞いてみないと」
ということでレンのところに行って、話をしたら
「容姿は期待できないけど、それでもいいなら」
とのこと。
「やっぱり自分の容姿は気にしているのだ。そりゃ、クララやリヒトは平民なら十分いい方だけど、マーサやルナに比べると落ちる。相手が超絶美人のユリアーネお姉様の子供だもの、気後れするのは仕方ない」
そう思った。
それから、辺境伯様から使いの者が来てレムの婚約のことを聞かれたので
「今話がある」
と答えた。レムはモテモテである。
その後、ユリアーネお義姉様から便りが届いた。
「フアニートに話をしたら、能力的には申し分ないだろうが、レンに似ているのなら、息子がかわいそうだとのこと」
レンに話をしたら、
「それが当然の成り行きよね。シャタイン侯爵家のハディー様が異常だったのよね。クララ、マテアス様に嫌われないようにするのよ。浮気の一つや二つ我慢するのよ。あなたのお父さんだって、側室が二人に愛人までいるのだから」
「側室?愛人?」
「アンナや、リタや、エバのこと」
「わかった。お母ちゃんがいっぱいいるってこと」
「おい、クララにあまりおかしなこと吹き込むなよ」
その後、辺境伯家に、
「レムの婚約の話はなくなった」
と手紙を書いたら、辺境伯夫妻が息子さんを連れてやって来た。
「レムは小さいのでまだよくわからないが、容姿はよくてクララくらいだと思う」
というと、
「容姿は気にしない。うちは帝国と直接境を接しており、武力がすべてである」
とのこと、
「もう少し大きくなってからではどうか」
「そんなことを言っていると、他家に先を越される」
「容姿が悪いからいやって、後で言わないでくださいよ」
「それは言わない」
とのことで、婚約することになった。
書類は王家に出しておくとのこと。
クララの実力を知りたいというので辺境伯様の従士とクララが模擬戦をした。結果はクララの圧勝。こうして、レムの婚約も決まったのであった。
「ねえ、旦那様。私の出産枠、今5人だったよね」
「そうだな5人だ」
「今回レムが辺境伯様の令息と婚約したってことは、もう1人増やしてもいいんじゃない」
「でもなあ。容姿のことを考えると相手に悪いような気もするし。現状は保留だ」
そうしたら、ユリアーネお義姉様もやってきた。よくわからん。
顔を見て
「どちら似?」
「まだよくわからない。ただ、俺とレンの子供だから、容姿は期待しない方がいい。クララを小さくしたぐらいに考えておけばいい」
そう言うと微妙な顔をしている。
「ところで、クララちゃん。魔法の練習はしているの」
そしたらクララが嬉しそうに
「しているよ。この間、森でオーガ捕まえた」
「これあかんやつだ」
そう思ったがもう遅い。ユリアーネお義姉様の尋問が始まった。
「オーガはどうやって捕まえたの」
「オーガをじっと睨んで魔力をぱっとかけるの。そうするとオーガが口から泡吹いて倒れるの」
「それ誰に習ったの」
「お母ちゃん」
「あとどんな魔法が使えるの」
「陶磁器が作れる」
「あとは」
「火を起こしたり、水を出したり、風を吹かしたり、周りをきれいにしたり、光をともしたり、傷を治したり」
「それだけ?」
クララには
「空間魔法は言うな」
と言ってあるので、
「どうか凌いでくれ」
そう祈っている。
クララはじっと俺の方を見ている。そして
「それだけ」
と言ってくれた。
「何とか凌いだようだ。恐るべきユリアーネお義姉様の尋問力、驚愕に値する」
そう思った。
「まあいいわ。それにしても、その年でよくそれだけの魔法が使えるのね」
「わたし頑張った」
クララはうれしそうだ。
その後、どれくらい強いのか知りたいというので、ユリアーネお姉様が連れてきた公爵家の従士と模擬戦をすることになった。
従士を鑑定するとクララよりずっと弱い。それでクララの耳元で手加減するように言った。ケガさせたらまずい。
「はじめ」
の声で始まった。
従士が剣で切りかかるとクララは軽くいなして、相手の首に木剣をちょこんと付けた。
「私の勝ち」
昔のレンを見ているようだ。
「親子だなあ」
と思っているとユリアーネお姉様が
「昔お茶会で、今みたいなことあったわね。親子って似ているのね」
同じこと考えていたみたい。
それからその時の話になった。それから、今日ユリアーネお姉様が連れてきた従士は公爵家で一番強い従士だそうだ。それを5歳の女の子が余裕で勝ってしまう。
「どうか内密に」
とお願いした。
「どうしようかな。ところで、レムちゃん、もう婚約とか決まっているの」
「まだだけど」
「次男の婚約者にどうかって、フアニートに話してもいい」
「レンにも聞いてみないと」
ということでレンのところに行って、話をしたら
「容姿は期待できないけど、それでもいいなら」
とのこと。
「やっぱり自分の容姿は気にしているのだ。そりゃ、クララやリヒトは平民なら十分いい方だけど、マーサやルナに比べると落ちる。相手が超絶美人のユリアーネお姉様の子供だもの、気後れするのは仕方ない」
そう思った。
それから、辺境伯様から使いの者が来てレムの婚約のことを聞かれたので
「今話がある」
と答えた。レムはモテモテである。
その後、ユリアーネお義姉様から便りが届いた。
「フアニートに話をしたら、能力的には申し分ないだろうが、レンに似ているのなら、息子がかわいそうだとのこと」
レンに話をしたら、
「それが当然の成り行きよね。シャタイン侯爵家のハディー様が異常だったのよね。クララ、マテアス様に嫌われないようにするのよ。浮気の一つや二つ我慢するのよ。あなたのお父さんだって、側室が二人に愛人までいるのだから」
「側室?愛人?」
「アンナや、リタや、エバのこと」
「わかった。お母ちゃんがいっぱいいるってこと」
「おい、クララにあまりおかしなこと吹き込むなよ」
その後、辺境伯家に、
「レムの婚約の話はなくなった」
と手紙を書いたら、辺境伯夫妻が息子さんを連れてやって来た。
「レムは小さいのでまだよくわからないが、容姿はよくてクララくらいだと思う」
というと、
「容姿は気にしない。うちは帝国と直接境を接しており、武力がすべてである」
とのこと、
「もう少し大きくなってからではどうか」
「そんなことを言っていると、他家に先を越される」
「容姿が悪いからいやって、後で言わないでくださいよ」
「それは言わない」
とのことで、婚約することになった。
書類は王家に出しておくとのこと。
クララの実力を知りたいというので辺境伯様の従士とクララが模擬戦をした。結果はクララの圧勝。こうして、レムの婚約も決まったのであった。
「ねえ、旦那様。私の出産枠、今5人だったよね」
「そうだな5人だ」
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