113 / 119
113.公爵邸のスパイ捕縛
しおりを挟む
俺はリヒト・ネイメー、伯爵家の長男、隣はマーサ・ネイメー、伯爵家の次女、そしてその隣はルナ・ネイメー、伯爵家の三女である。俺たち兄弟は今トゥール公爵家の領都の公爵邸にいる。
発端は、
「公爵領で魔獣が増えて手に負えないから魔獣狩りを手伝ってほしい」
とユリアーネ公爵夫人より、父が頼まれて、
「いい機会だから、お前たちで行って来い」
と言われたからである。
ユリアーネ公爵夫人は父の義理の姉ということで、俺達からすると義理の伯母さんということになる。あと公爵家の家族は、当主がユリアーネ義伯母さんの夫のフアニート様、嫡男がキニアニオ様8歳、次男のエトギル様5歳である。キニアニオ様はクララ姉さんと同じ年、エトギル様は俺たちと同じ年である。
俺たちの姿を見ると、フアニート様が少しがっかりしたような感じの声で、
「ハルト殿はどうしている」
と聞かれたので、
「父はフラ王国から帰ったばかりで疲れているのと、今仕事がたまっていて、とても領外へはいけないとのことです。
母も父の仕事の手伝いで手が離せないとのことです。
あくまで手伝いなのだから、強い魔獣は公爵家の従士にお願いして、できる範囲で魔獣を狩ればいいと父からは言われました」
そう答えると、フアニート様から
「しかし、あなたたちはエトギルと同じ年なのだろう。魔獣なんて狩れるのか」
と聞かれたので、
「3人一緒なら、オーガや地竜を生きたまま捕まえるのは無理ですが、狩るぐらいなら十分にできます」
こう言うと、フアニート様は驚いていた。
それと先ほどから気になっていることを聞いた。周りに結界を張って声が漏れないようにして、口元を隠して
「どうして公爵家は帝国のスパイを泳がせているのですか、何か意図があるならこのまま放置しますが、意図がないならすぐに捕縛したいと思いますが、いいですか」
これを聞くとフアニート様は驚いた顔をして
「ほんとにいるのか。いるなら捕まえてくれ」
と言われたので、マーサとルナに目配せした。
フアニート様の了解が得られたので、俺は部屋の隅に控えているメイドを土魔法で拘束した。またマーサは走って行って1人の従士を引きずってきた。
俺はマーサが引きずってきた従士も土魔法で拘束して、2人並べた。
そうしたらルナが1本の瓶を取り出して拘束したメイドと従士に飲ませた。
するとメイドと従士は急に苦しみだした。ルナが
「今飲ませたのは毒。大丈夫すぐには死なないから、多分3日ぐらいは生きていると思う。
以前はすぐに死んじゃったけど、最近は私も慣れてきたから薬の量の加減が分かるようになったの。
でも痛さはその間ずっと続くけどね。
知っていることをすべてしゃべったら、私が治癒魔法かけてあげる。
そうしたら痛みは取れるから。でも死にそうになっても治癒魔法で治してあげる。
もっとも治ったらまた毒を飲んでもらうけど」
これを見た公爵家の家族は呆然としている。しばらくして、ユリアーネ義伯母様が
「この2人がスパイだってどうしてわかったの」
と聞かれたので、俺は鑑定のことは秘密だったので
「以前クララ姉さんから聞いた魔力の波長と同じだったからです」
と答えた。
その後、このメイドと従士の部屋を公爵家の人が調べたら、公爵家の家族の予定を書いたメモ書きが出てきたので、俺たちのことは信用してもらったようだ。
結局取り調べは公爵家ですることになった。ルナが、伯爵家では私がしていたのにと残念がっている。それで今度は市内に行って同様に50人ほどスパイを拘束してきた。そして同様に公爵家で取り調べてもらうことにした。
その後、魔獣狩りの具体的な話になった。ブセルターン砦より北側の区域を魔道馬車で走って、目についた魔獣を手当たり次第に狩っていく。狩った魔獣は狩った者の所有とする。
魔道馬車の1台はリヒトとマーサとルナが乗る。運転手は公爵家から出す。
もう1台はキニアニオ様とエトギル様が乗る。
さらに10台の魔道馬車を出す。これには公爵家の魔法士が乗る。
これが決まった内容である。俺は明日、好きなだけ魔獣を狩れると思うと嬉しくて仕方なかった。
その夜、公爵邸では子供たちが寝静まったあと、フアニートとユリアーネが話をしていた。
「まだ公爵邸にスパイがいたとは、昨年クララちゃんが見つけてそれで終わりかと思っていた。それにしてもどうやって見つけたのだろう。何かコツのようなものがあるのだろうか」
「昔からハルトはスパイを見つけるのがうまかったわ。王都のお茶会でも毒を盛られるから飲み物に手を付けるなと言われたことがあったし、
王宮に行ったと思ったらスパイを捕まえたと言っていたし。子供も似たみたい」
「スパイを見つけるのはハルト殿の血筋か」
「そうみたい」
「明日は子供だけで大丈夫かな。一応うちの従士もつけたけど」
「多分問題ないと思うわ。ハルトが子供だけでここによこしたのだから。無理と思えば誰かをつけたと思う」
「それから比べると俺たちの子は弱いな」
「うちの子が弱いのじゃなくてハルトの子が異常なのよ。
私はハルトとレンの子供だから強いのだと思っていたけど、マーサとルナを見るとハルトの子供というだけでも十分強いみたい」
発端は、
「公爵領で魔獣が増えて手に負えないから魔獣狩りを手伝ってほしい」
とユリアーネ公爵夫人より、父が頼まれて、
「いい機会だから、お前たちで行って来い」
と言われたからである。
ユリアーネ公爵夫人は父の義理の姉ということで、俺達からすると義理の伯母さんということになる。あと公爵家の家族は、当主がユリアーネ義伯母さんの夫のフアニート様、嫡男がキニアニオ様8歳、次男のエトギル様5歳である。キニアニオ様はクララ姉さんと同じ年、エトギル様は俺たちと同じ年である。
俺たちの姿を見ると、フアニート様が少しがっかりしたような感じの声で、
「ハルト殿はどうしている」
と聞かれたので、
「父はフラ王国から帰ったばかりで疲れているのと、今仕事がたまっていて、とても領外へはいけないとのことです。
母も父の仕事の手伝いで手が離せないとのことです。
あくまで手伝いなのだから、強い魔獣は公爵家の従士にお願いして、できる範囲で魔獣を狩ればいいと父からは言われました」
そう答えると、フアニート様から
「しかし、あなたたちはエトギルと同じ年なのだろう。魔獣なんて狩れるのか」
と聞かれたので、
「3人一緒なら、オーガや地竜を生きたまま捕まえるのは無理ですが、狩るぐらいなら十分にできます」
こう言うと、フアニート様は驚いていた。
それと先ほどから気になっていることを聞いた。周りに結界を張って声が漏れないようにして、口元を隠して
「どうして公爵家は帝国のスパイを泳がせているのですか、何か意図があるならこのまま放置しますが、意図がないならすぐに捕縛したいと思いますが、いいですか」
これを聞くとフアニート様は驚いた顔をして
「ほんとにいるのか。いるなら捕まえてくれ」
と言われたので、マーサとルナに目配せした。
フアニート様の了解が得られたので、俺は部屋の隅に控えているメイドを土魔法で拘束した。またマーサは走って行って1人の従士を引きずってきた。
俺はマーサが引きずってきた従士も土魔法で拘束して、2人並べた。
そうしたらルナが1本の瓶を取り出して拘束したメイドと従士に飲ませた。
するとメイドと従士は急に苦しみだした。ルナが
「今飲ませたのは毒。大丈夫すぐには死なないから、多分3日ぐらいは生きていると思う。
以前はすぐに死んじゃったけど、最近は私も慣れてきたから薬の量の加減が分かるようになったの。
でも痛さはその間ずっと続くけどね。
知っていることをすべてしゃべったら、私が治癒魔法かけてあげる。
そうしたら痛みは取れるから。でも死にそうになっても治癒魔法で治してあげる。
もっとも治ったらまた毒を飲んでもらうけど」
これを見た公爵家の家族は呆然としている。しばらくして、ユリアーネ義伯母様が
「この2人がスパイだってどうしてわかったの」
と聞かれたので、俺は鑑定のことは秘密だったので
「以前クララ姉さんから聞いた魔力の波長と同じだったからです」
と答えた。
その後、このメイドと従士の部屋を公爵家の人が調べたら、公爵家の家族の予定を書いたメモ書きが出てきたので、俺たちのことは信用してもらったようだ。
結局取り調べは公爵家ですることになった。ルナが、伯爵家では私がしていたのにと残念がっている。それで今度は市内に行って同様に50人ほどスパイを拘束してきた。そして同様に公爵家で取り調べてもらうことにした。
その後、魔獣狩りの具体的な話になった。ブセルターン砦より北側の区域を魔道馬車で走って、目についた魔獣を手当たり次第に狩っていく。狩った魔獣は狩った者の所有とする。
魔道馬車の1台はリヒトとマーサとルナが乗る。運転手は公爵家から出す。
もう1台はキニアニオ様とエトギル様が乗る。
さらに10台の魔道馬車を出す。これには公爵家の魔法士が乗る。
これが決まった内容である。俺は明日、好きなだけ魔獣を狩れると思うと嬉しくて仕方なかった。
その夜、公爵邸では子供たちが寝静まったあと、フアニートとユリアーネが話をしていた。
「まだ公爵邸にスパイがいたとは、昨年クララちゃんが見つけてそれで終わりかと思っていた。それにしてもどうやって見つけたのだろう。何かコツのようなものがあるのだろうか」
「昔からハルトはスパイを見つけるのがうまかったわ。王都のお茶会でも毒を盛られるから飲み物に手を付けるなと言われたことがあったし、
王宮に行ったと思ったらスパイを捕まえたと言っていたし。子供も似たみたい」
「スパイを見つけるのはハルト殿の血筋か」
「そうみたい」
「明日は子供だけで大丈夫かな。一応うちの従士もつけたけど」
「多分問題ないと思うわ。ハルトが子供だけでここによこしたのだから。無理と思えば誰かをつけたと思う」
「それから比べると俺たちの子は弱いな」
「うちの子が弱いのじゃなくてハルトの子が異常なのよ。
私はハルトとレンの子供だから強いのだと思っていたけど、マーサとルナを見るとハルトの子供というだけでも十分強いみたい」
1
あなたにおすすめの小説
異世界転生したらたくさんスキルもらったけど今まで選ばれなかったものだった~魔王討伐は無理な気がする~
宝者来価
ファンタジー
俺は異世界転生者カドマツ。
転生理由は幼い少女を交通事故からかばったこと。
良いとこなしの日々を送っていたが女神様から異世界に転生すると説明された時にはアニメやゲームのような展開を期待したりもした。
例えばモンスターを倒して国を救いヒロインと結ばれるなど。
けれど与えられた【今まで選ばれなかったスキルが使える】 戦闘はおろか日常の役にも立つ気がしない余りものばかり。
同じ転生者でイケメン王子のレイニーに出迎えられ歓迎される。
彼は【スキル:水】を使う最強で理想的な異世界転生者に思えたのだが―――!?
※小説家になろう様にも掲載しています。
召喚獣スライムに転生したが、美少女召喚士が自分のすごさにまったく気づかない
椎名 富比路
ファンタジー
美少女召喚士リップルに召喚される形で、スライムの【ロピ】ちゃんとして転生したヒロミ。
リップルは誰しも認める天才美少女召喚士で、召喚獣からも慕われている。
なのに、本人はまったく無自覚で、自分の力より召喚獣のほうが優秀だと思っている。
だが、ロピちゃん本人も、自分が最強だと気がついていなかったのである……。
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
{完結保証}規格外の最強皇子、自由に生きて無双する〜どこへ行っても、後世まで語られる偉業を残していく、常識外れの皇子〜
Saioonji
ファンタジー
母に殴られ、命を奪われた――そのはずだった。
だが目を覚ました先は、白く豪奢な王城の一室。
赤子の身体、仕えるメイド、そして“皇子”という立場。
前世では愛されず、名前すら価値を持たなかった少年が、
今度は世界の中心に生まれ落ちてしまった。
記憶を失ったふりをしながら、
静かに、冷静に、この世界を観察する皇子。
しかし彼の中には、すでに常識外れの思考と力が芽生えていた。
――これは復讐でも、救済でもない。
自由を求めただけの少年が、
やがて国を、歴史を、価値観そのものを揺るがしていく物語。
最強であることすら、彼にとってはただの前提条件だった。
重複投稿作品です
小説家になろうとカクヨムにも投稿しています。
【完結】発明家アレンの異世界工房 ~元・商品開発部員の知識で村おこし始めました~
シマセイ
ファンタジー
過労死した元商品開発部員の田中浩介は、女神の計らいで異世界の少年アレンに転生。
前世の知識と物作りの才能を活かし、村の道具を次々と改良。
その発明は村の生活を豊かにし、アレンは周囲の信頼と期待を集め始める。
レベルアップは異世界がおすすめ!
まったりー
ファンタジー
レベルの上がらない世界にダンジョンが出現し、誰もが装備や技術を鍛えて攻略していました。
そんな中、異世界ではレベルが上がることを記憶で知っていた主人公は、手芸スキルと言う生産スキルで異世界に行ける手段を作り、自分たちだけレベルを上げてダンジョンに挑むお話です。
貞操逆転世界の「内助の功」~掃除と料理を極めた俺が、脳筋幼馴染を女王にするまで~
ありゃくね
ファンタジー
前世の記憶が目覚めたそこは、男女の貞操が逆転した異世界だった。
彼が繰り出すのは、現代知識を活かした「お掃除アイテム」、そして胃袋を掴む「絶品手料理」。 ただ快適に暮らしたいだけのマシロの行動は、男に飢えた女騎士たちを狂わせ、国の常識さえも変える一大革命へと繋がっていく。
ファンタジーは知らないけれど、何やら規格外みたいです 神から貰ったお詫びギフトは、無限に進化するチートスキルでした
渡琉兎
ファンタジー
『第3回次世代ファンタジーカップ』にて【優秀賞】を受賞!
2024/02/21(水)1巻発売!
2024/07/22(月)2巻発売!(コミカライズ企画進行中発表!)
2024/12/16(月)3巻発売!
2025/04/14(月)4巻発売!
2025/09/12(金)5巻発売!同日コミカライズ開始!
2026/03/16(月)コミカライズ1巻発売!
応援してくださった皆様、誠にありがとうございます!!
刊行情報が出たことに合わせて02/01にて改題しました!
旧題『ファンタジーを知らないおじさんの異世界スローライフ ~見た目は子供で中身は三十路のギルド専属鑑定士は、何やら規格外みたいです~』
=====
車に轢かれて死んでしまった佐鳥冬夜は、自分の死が女神の手違いだと知り涙する。
そんな女神からの提案で異世界へ転生することになったのだが、冬夜はファンタジー世界について全く知識を持たないおじさんだった。
女神から与えられるスキルも遠慮して鑑定スキルの上位ではなく、下位の鑑定眼を選択してしまう始末。
それでも冬夜は与えられた二度目の人生を、自分なりに生きていこうと転生先の世界――スフィアイズで自由を謳歌する。
※05/12(金)21:00更新時にHOTランキング1位達成!ありがとうございます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる