クッキー星人

はりもぐら

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クッキー星人・1

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僕はクッキー星のクッキー星人。

僕たちは他の星に行っては空からクッキーをばらまいているんだ。

僕らの目的はその星の人たちを僕らのクッキーのとりこにしてしまうことだ。

そうすれば、僕たちはお金がたっぷり儲かるし、他の星の人たちは僕らのおいしいクッキーがいつでも食べられるようになるってわけ。
僕らのクッキーがおいしいのはその成分に秘密がある。

それは、クッキーの味の決め手となるエキスだ。

そのエキスは星から作られるのだ。

「いやあ、どんな味になるのか楽しみですね」

僕の部下がワクワクした表情で言った。

エキス抽出機を取り付けて蛇口をひねれば、その星のエキスを搾り取ることができる。

だから、クッキーの種類は星の数だけある。

「そうだな。まあ、どっちにしてもおいしいことには違いないさ」

僕は答えた。

好みは様々だが、今までの経験から同じ銀河系の星のエキスを好む傾向があることが分かっている。

今日は地球という星にクッキーをばらまく予定だ。

用意したのは、彗星、金星、火星、木星、土星、天王星、海王星、冥王星クッキーだ。

「地球ではどのクッキーが人気でしょうね。僕は冥王星クッキーが一番おいしいと思うんですけどね」

部下は目を輝かせて言った。

「どうだろうな、金星か火星じゃないか?」

僕は答えた。

隣の星のエキスは比較的好まれるからだ。

「そういう隊長はどれが好みなんです?」

「好みで言えば、彗星クッキーかな」

「へえ、意外ですね」

僕らは地球の上空にたどり着くと、飛行艇の投下口からクッキーをばらまいた。

クッキーは汚れないようしっかりと包装されている。

「うわあ、空からクッキーが降って来たよ」

子供たちは大喜びだ。

「まあ、火星クッキー。あら、こっちは土星クッキーだわ」

今まで見たことのないクッキーに大人も興味深々だ。

地球は一瞬でお祭り騒ぎになった。

だけど、取り合いのケンカになることはない。

なぜなら、ばらまかれるクッキーの量がとんでもないからだ。

地球の人たち一人一人が、それこそ必死になって拾わないと、歩くことができなくなるほどの数だ。

だから、クッキーがまかれる日は会社も学校も休みになって、みんな総出で拾わなければならないのだ。

だけど、嫌がる人は誰一人いない。

なぜなら、僕らが作るクッキーはそれくらいおいしいからだ。
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