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分かれ道を回り道・2
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といっても、浮かれているわけにはいかない。
僕の目的は家に帰ることなのだから。
しばらく歩くと、また分かれ道になった。
今度は花の道とこけしの道だった。
昨日はここで花の道を選んで、その結果家に帰ることができた。
だけど、僕はあえてこけしの道を通ることにした。
もし家にたどりつけなかったなら、またここに帰ってくればいいのだから。
それに、実はせっかくだったらこけしの道を歩いてみたいという欲望が僕の中に湧いてきていた。
最初はビクビクしていた僕だけど、いまでは次はどんな道が現れるんだろうなんて期待していることに驚いた。
こけしは色んな種類があって、僕は左右をキョロキョロしながら歩いた。
こんな風にこけしを眺めるのは初めてで、僕は帰り道を歩いていることも一瞬忘れてしまったくらいだ。
だけど、そんな道も長くは続かず、しばらく行くと知っている道に戻ったのだった。
「もうおしまいか」
僕はそんなことを言ってしまうくらい、このおかしな道を楽しんでいた。
そして次の日もまた道は分かれていた。
今度は、花の道、草の道、トウモロコシの道、ちょうちんの道、かかしの道の五つだ。
僕はどの道にしようかなと、まるでメニューを選ぶようにワクワクしていたんだ。
だけど、そんな僕の目の前でとんでもないことが起きた。
ヒューッという音とともに大きな岩が空から落ちてきて、五つに分かれた道にドシン!ドシン!ドシン!と次々に落ちたのだった。
「ええっ、これじゃあ通れないよ!」
すべての道がふさがれてしまっては家に帰ることができない。
しかし、それだけでは終わらなかった。
大きな岩はゆっくりと動き出し、どんどん奥に向かって転がると、ついには風景をビリビリと突き破ったのだ。
僕が見ていた道の風景は消え去って、そこにいつもの帰り道が現れたんだ。
「ええーっ!」
僕は何が起こったのか全く分からなかったけれど、分かれ道がなくなってしまったことだけは確かだった。
いつの間にか分かれ道は僕にとってものすごく大事なものになっていた。
だから、分かれ道がもう現れないというのなら、僕は自分からいろんな道を探しに行くことにしたんだ。
今日も僕は新しい道を探して知らない街に来ています。
素敵な趣味を与えてくれた分かれ道に、僕はとても感謝しているんだ。
僕の目的は家に帰ることなのだから。
しばらく歩くと、また分かれ道になった。
今度は花の道とこけしの道だった。
昨日はここで花の道を選んで、その結果家に帰ることができた。
だけど、僕はあえてこけしの道を通ることにした。
もし家にたどりつけなかったなら、またここに帰ってくればいいのだから。
それに、実はせっかくだったらこけしの道を歩いてみたいという欲望が僕の中に湧いてきていた。
最初はビクビクしていた僕だけど、いまでは次はどんな道が現れるんだろうなんて期待していることに驚いた。
こけしは色んな種類があって、僕は左右をキョロキョロしながら歩いた。
こんな風にこけしを眺めるのは初めてで、僕は帰り道を歩いていることも一瞬忘れてしまったくらいだ。
だけど、そんな道も長くは続かず、しばらく行くと知っている道に戻ったのだった。
「もうおしまいか」
僕はそんなことを言ってしまうくらい、このおかしな道を楽しんでいた。
そして次の日もまた道は分かれていた。
今度は、花の道、草の道、トウモロコシの道、ちょうちんの道、かかしの道の五つだ。
僕はどの道にしようかなと、まるでメニューを選ぶようにワクワクしていたんだ。
だけど、そんな僕の目の前でとんでもないことが起きた。
ヒューッという音とともに大きな岩が空から落ちてきて、五つに分かれた道にドシン!ドシン!ドシン!と次々に落ちたのだった。
「ええっ、これじゃあ通れないよ!」
すべての道がふさがれてしまっては家に帰ることができない。
しかし、それだけでは終わらなかった。
大きな岩はゆっくりと動き出し、どんどん奥に向かって転がると、ついには風景をビリビリと突き破ったのだ。
僕が見ていた道の風景は消え去って、そこにいつもの帰り道が現れたんだ。
「ええーっ!」
僕は何が起こったのか全く分からなかったけれど、分かれ道がなくなってしまったことだけは確かだった。
いつの間にか分かれ道は僕にとってものすごく大事なものになっていた。
だから、分かれ道がもう現れないというのなら、僕は自分からいろんな道を探しに行くことにしたんだ。
今日も僕は新しい道を探して知らない街に来ています。
素敵な趣味を与えてくれた分かれ道に、僕はとても感謝しているんだ。
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