婚約破棄されましたが、王子殿下に選ばれて幸せです

まいめろ

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「シェラハ、私はお前との婚約を破棄させてもらう」
「な、なぜですか……? どうしてそのようなことを……!」
「お前と私では身分が違い過ぎるからだ。もっと早くに破棄すべきだったよ」

 確かに子爵令嬢の私と侯爵令息のウィルでは身分の差があると言える……でも、婚約破棄だなんて。

「なんとかならないのですか?」
「無理だ。これは強制的だからな」

「そんな……」
「お前は俺の妻には相応しくないんだ。諦めろ」
ウィルはそう言って私に背を向けた。
「待ってください! お願いします! 私を捨てないで!!」
「……すまない」
ウィルは一度も振り返らずに部屋を出ていった。

「うぅっ……うわぁああああん!! なんで!? どうしてこんなことにぃいいい!!」
私の叫び声だけが部屋に響いた。


「おはようございます、お嬢様」
「……おはよう、リリアナ」
「おや? なんだか元気がないですね。どうしたんですか?」
「ちょっとね……」
昨日の出来事のせいで気分が落ち込んでいるのだ。
「もしかして例の件ですか?」
「えぇ……。まさか本当に起こるとは思わなかったから驚いているわ」
「まあ、あれだけ噂になれば信じてしまいますよね」
「本当に困ったものだわ」
はぁ、とため息をつく。
この国の貴族には婚約者がいる者も多い。そしてそのほとんどの者が婚約者と結婚している。
それなのになぜか私は婚約者がいない。

ウィルも私を捨てた……私が子爵令嬢でしかないから……。


「大丈夫ですよ、きっとすぐに新しい相手が現れますよ」
「そうだといいけれど……」
コンコンッ 部屋の扉がノックされた。
「誰でしょう?」
「さあ?……どうぞ、入っていいわよ」
ガチャッ 入ってきた人物を見て驚いた。
そこに立っていたの
「失礼するよ」
「アベル殿下!?」
突然の来訪者に驚く。
「どうしてここにいらっしゃるのですか?」
「それは僕が君に会いに来たからだよ」
「私に用事……?」
「ああ、そうだ」
アベル殿下は
「僕は君のことが好きだ。どうか僕の妃になってくれないかい?」…………………………はい? 一瞬思考停止した。
今なんて言ったのかしら?
「あの、もう一度言っていただいてもよろしいでしょうか?」
聞き間違いかもしれないし。
「僕は君のことが好きだって言ったんだよ」
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