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58話 暗躍 その1
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(パウムデン院長視点)
「ようやく帰ったか……」
「大変でしたね、院長先生」
「ああ、アメリア……君がエステルの前に現れないかと肝を冷やしていたがな」
「本音で申し上げますと、今すぐにでも追いかけたい気分ですわ。あの女のせいで、私は2位の座につけなかったのですから」
「ふむ……アメリアの才能指数はエステルとほぼ互角だったからな。そう思ってしまうのは、分からないでもないが」
レヴィン王子殿下を含め、エステルたちはとりあえずは帰ったようだ。あれ以上居座られた場合、アメリアが我慢できたかを考えると、甚だ疑問だったからな。
「アインの奴は失敗した模様ですね。大蛇まで使役しておいて失敗するなんて……所詮、総合ランキング6位ってところかしら」
「まあ、そう言うな。アインは若くして死亡してしまったのだからな。シャラハザード王国にエステルが居たのは予想外でもあったし。彼女が相手では、いくらアインと言えども厳しかっただろう」
「全く……忌々しい女ですわ」
彼女の怒りに呼応するかのように、周りの書籍などが宙に浮き始めている。アメリアは魔術師という枠組みに当てはまるが、超攻撃型と言えるほどの魔法を行使できるのが強みだ。現状、エステルの守護方陣と戦わせたらどうなるのか……興味深いところではある。
「だが、あのエステルといえども、総合ランキングではシジルには及ばなかった。最終兵器はこちらが持っている。組織として台頭するのは我らだよ」
「そう願いたいものですわね」
エステルを除いたとしても、こちらにはシジルとアメリア……そして、4位と5位の者も確保している。いずれもアイン・ロードを上回る才能の持ち主だ。彼らの能力を行使すれば、周辺国家の重鎮を滅ぼすことも可能であろう。
全てが上手くいった暁には……エステルも呼び込もうとしようか。彼女も孤児院で育った優秀な面子だ。帰る場所はここ以外にはないはずだからな。
「あら、珍しいわね。あんた達がここに来るなんて……」
アメリアの言葉によって、私の部屋へと入って来た者が居たことを察知した。総合ランキング4位のネルフと5位のバートンだ。確かに二人は周辺国家へ出向いていることが多く、孤児院に戻って来ることは稀だ。
「久しぶりの故郷ですからね……懐かしい顔もあるかと思いまして、寄ってみましたわ」
「同じく、戻ってまいりました」
陽気な印象のネルフに堅物なバートン……対極の二人が孤児院に集まった形になる。ふふふ、随分と戦力が集結したものだな。
「ようやく帰ったか……」
「大変でしたね、院長先生」
「ああ、アメリア……君がエステルの前に現れないかと肝を冷やしていたがな」
「本音で申し上げますと、今すぐにでも追いかけたい気分ですわ。あの女のせいで、私は2位の座につけなかったのですから」
「ふむ……アメリアの才能指数はエステルとほぼ互角だったからな。そう思ってしまうのは、分からないでもないが」
レヴィン王子殿下を含め、エステルたちはとりあえずは帰ったようだ。あれ以上居座られた場合、アメリアが我慢できたかを考えると、甚だ疑問だったからな。
「アインの奴は失敗した模様ですね。大蛇まで使役しておいて失敗するなんて……所詮、総合ランキング6位ってところかしら」
「まあ、そう言うな。アインは若くして死亡してしまったのだからな。シャラハザード王国にエステルが居たのは予想外でもあったし。彼女が相手では、いくらアインと言えども厳しかっただろう」
「全く……忌々しい女ですわ」
彼女の怒りに呼応するかのように、周りの書籍などが宙に浮き始めている。アメリアは魔術師という枠組みに当てはまるが、超攻撃型と言えるほどの魔法を行使できるのが強みだ。現状、エステルの守護方陣と戦わせたらどうなるのか……興味深いところではある。
「だが、あのエステルといえども、総合ランキングではシジルには及ばなかった。最終兵器はこちらが持っている。組織として台頭するのは我らだよ」
「そう願いたいものですわね」
エステルを除いたとしても、こちらにはシジルとアメリア……そして、4位と5位の者も確保している。いずれもアイン・ロードを上回る才能の持ち主だ。彼らの能力を行使すれば、周辺国家の重鎮を滅ぼすことも可能であろう。
全てが上手くいった暁には……エステルも呼び込もうとしようか。彼女も孤児院で育った優秀な面子だ。帰る場所はここ以外にはないはずだからな。
「あら、珍しいわね。あんた達がここに来るなんて……」
アメリアの言葉によって、私の部屋へと入って来た者が居たことを察知した。総合ランキング4位のネルフと5位のバートンだ。確かに二人は周辺国家へ出向いていることが多く、孤児院に戻って来ることは稀だ。
「久しぶりの故郷ですからね……懐かしい顔もあるかと思いまして、寄ってみましたわ」
「同じく、戻ってまいりました」
陽気な印象のネルフに堅物なバートン……対極の二人が孤児院に集まった形になる。ふふふ、随分と戦力が集結したものだな。
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続きを楽しみにお待ちしています~!
読ませて頂いて有難うございます。
院長先生はその通りですかね
57話 内部調査 その3
孤児院の《方かた》視線を感じたけれど……
《方かた》→《方から》……かな?
ありがとうございます! 手直しいたします