19 / 25
色仕掛け外交(物理)はいかが・6
しおりを挟む
豪奢なシャンデリアだけが、館の主とこの場におけるイレギュラーとの戦いを見下ろしている。
残念ながらどちらかの味方をしてくれる訳でもないシャンデリアは、荘厳な雰囲気とわずかばかりの火の粉を撒き散らしながら、こちらを見下ろすだけだ。
まだウィルマの私兵たちが突入してこないところから見て、下のほうにいるグールたちに相当苦戦を強いられているのだろう。力はそこまで強くなくとも、数だけは無駄に多いのだから。
マルティンの爪は伸縮自在らしく、俺のほう目掛けて、四方八方から伸ばしてくる。それをどうにか日傘で捌き続けていたが、さすがに日傘のレース地がだんだんと爪で裂けてきた。
……まずいな、これどうしたもんか。
妹がしていたプレイ内容から推測するに、本来だったらエクソシストとやっていたはずのマルティンとの戦いだ。俺とエクソシストだったら、戦力の数も、できる手数の多さも、なにもかもが違うだろう。
……一応マリオンは真祖のはずなんだから、魔力自体はあるはずなんだ。日傘で戦う以外に、もうちょっとこう、なんとかできないのか。俺はそう思いながらどうにか爪を捌いている中、マルティンはこちらをうっとりとした顔で眺めてきていた。
「本当に実に惜しいものですなあ……」
「なにが、だよ……!? お前のコレクションを逃がしたことか!?」
「いいえ、たしかにコレクションが逃げたのは残念です。折角食事を与えて肉付きをよくしたところで、蝋漬けにすれば立派な蝋人形の完成でしたのに。ですが、お美しいベルガー夫人がいらっしゃり、惜しいという気持ちは増すばかりです」
「訳が、わかんねえな……!」
「そうですか? 真祖の双子なんて、本来は珍しいものですよ?」
……ん?
俺はこちらに伸びてきた爪を叩き折りながら、ピクンとこめかみが跳ねるのを感じていた。
マルティンは恍惚に満ちた笑みを浮かべながら続ける……コレクションの話をする偏執狂というものは、いつだってどこかおかしい。
「ベルガー夫人は双子とお聞き及んでおります。片割れは行方不明になっておりますが、ふたり揃って手に手を取ったところを、蝋に漬ければ、それはそれは素晴らしいコレクションにだって……」
「誰が誰のコレクションだって?」
俺は日傘でこちらに伸びてきた爪を一気に叩き折ったあと、さらに折った爪を拾って、二刀流のように構えた。
マリオンはなんのために死んだと思っているんだ。それは妹のリズの平穏無事な人生のためだろうが。それをふたり揃えてコレクションにする? 蝋漬けにして? そんなもん、エクソシストに火を付けられて燃やされたらなんもかんも終わりだろうが。
冗談じゃない。
俺の態度が変わったことに、ビクンとマルティンは体を跳ねさせ、何故か身悶えしはじめた……何故。
「ああ……! おぞましいほどに冷えた熱……! ベルガー夫人は、怒れば怒るほどに、冷えた熱でこちらを凍てつかせようとする……! 素晴らしい……!!」
「……意味がわかんねえことを、ガタガタ言ってるんじゃねえ!!」
いい加減、この変態に付き合うのはうんざりだ。
俺は爪と日傘を構え、一気に地面を蹴った。爪はあくまで俺の体のみを狙い、顔は狙わない……服で隠せない部分を傷付けないのは、あの執事が教えてくれたことだ……偏執狂はこれだから。
俺は自分の顔を盾に、そのままマルティンの元に日傘と爪を使って、一気に十字に得物を振り下ろす。途端に、血飛沫が飛んだ。鮮血がぷしゃあと音を立てて飛び散る。
「ナハハハハハハハハハハ…………!! ああ、素晴らしい! ハハハハハ……!!」
「うるっせえ……!! いい加減、くたばってくれよ……!!」
吸血鬼は何度も何度も切っても、致命傷を与えなかったら、すぐに怪我が回復してしまう。俺はマルティンの首を得物ふたつを使って狙ったのに、グールのときのように、簡単には首を落としてくれない。
……生きてる吸血鬼って、こんなに厄介なのかよ!!
剣の速さも見切ることもできても、俺の腕力だと、吸血鬼の首は落とせない……!!
そのときだった。
いきなりなにかがシュルッと伸びてきた。これは……銀の、糸……?
「ベルガー夫人、大変お待たせしました。ようやく、私兵が突入でき、屋敷は制圧できました。あとは、ここの主さえ滅せれば……!!」
「ウィルマ……!!」
本来、吸血鬼だと致命傷になるはずの銀の糸を、ウィルマは手袋を嵌めて持ち、それを俺が日傘と爪を刺したまま身動きだけ止めていたマルティンに巻き付けたのだ。
さすがにそれには、マルティンも焦り声を上げた。
「な、なんだ貴様は……! シュタウフェンベルク領主だと!?」
「ごめんあそばせ、あなたは少々やり過ぎましたの。これ以上あなたが趣味に没頭されては、エクソシストに通報されてもおかしくはないでしょう!?」
そう言って、ウィルマはピン。と銀の糸を弾いた。途端にマルティンの首に巻き付いた銀の糸がきつく縛られ、とうとうマルティンの首の肉を引き裂いた。まるでソーセージをつくったかのように、ボロンと音を立ててマルティンの首が落ちる。
その緊張で、俺はどっと息を吹いて、その場に座り込んだ。そのままゼイゼイと息を切らせる。
「ありがとうございます、ウィルマ……おかげで、無事に倒せました」
「こちらこそ、本当に無理難題を言い放って申し訳ございませんでした。皆様の陽動のおかげで、無事にこの屋敷を統べるグールの制圧に、人間の保護ができましたから……ところで、あの方々を全員ベルガー夫人が引き取ると、あなた様の従者の方々からお伺いしましたが、本当によろしいので?」
「ええ。そのつもりです」
なんと言っても、うちで働いている人間たちは、未だに吸血鬼騒動の蚊帳の外なのだ。そもそもあそこで働いているだけの人たちを、そんなもんに巻き込みたくないし。
彼らを平穏無事に暮らさせるには、こちらの都合がわかる人間の味方が欲しい。なによりもウラやミヒャエラが吸血鬼や眷属だって言っても脅えないような……それに、あの子たちは村人をいきなりグールに変えられて、無理矢理コレクションにされかけた子たちだから、平穏無事な生活を送らせたいっていうのもある。命のやり取りをしない場所、吸血鬼にいきなり襲撃かけられない場所なんて、本当に限られているんだから。
「自分には人間の味方がひとりでも多く欲しくて、そして彼女たちには平穏な働き口を与えたいっていう、それだけです」
「そうですか」
それ以上はウィルマはなにも言うことはなく、領主として、この土地の主が亡くなったこと、この土地をさっさと国に返還する手続きを執りはじめた。
そうしたらこの土地はエクソシストの管轄になるけれど、少なくともこの土地の主が亡くなった経緯までは依頼が入らない以上は調査もできず、真相は闇の中になるっていう寸法だった。
少なくとも……これでリズが誘拐される芽はひとつ摘んだはずだけれど。これからがまた、大変だ。
残念ながらどちらかの味方をしてくれる訳でもないシャンデリアは、荘厳な雰囲気とわずかばかりの火の粉を撒き散らしながら、こちらを見下ろすだけだ。
まだウィルマの私兵たちが突入してこないところから見て、下のほうにいるグールたちに相当苦戦を強いられているのだろう。力はそこまで強くなくとも、数だけは無駄に多いのだから。
マルティンの爪は伸縮自在らしく、俺のほう目掛けて、四方八方から伸ばしてくる。それをどうにか日傘で捌き続けていたが、さすがに日傘のレース地がだんだんと爪で裂けてきた。
……まずいな、これどうしたもんか。
妹がしていたプレイ内容から推測するに、本来だったらエクソシストとやっていたはずのマルティンとの戦いだ。俺とエクソシストだったら、戦力の数も、できる手数の多さも、なにもかもが違うだろう。
……一応マリオンは真祖のはずなんだから、魔力自体はあるはずなんだ。日傘で戦う以外に、もうちょっとこう、なんとかできないのか。俺はそう思いながらどうにか爪を捌いている中、マルティンはこちらをうっとりとした顔で眺めてきていた。
「本当に実に惜しいものですなあ……」
「なにが、だよ……!? お前のコレクションを逃がしたことか!?」
「いいえ、たしかにコレクションが逃げたのは残念です。折角食事を与えて肉付きをよくしたところで、蝋漬けにすれば立派な蝋人形の完成でしたのに。ですが、お美しいベルガー夫人がいらっしゃり、惜しいという気持ちは増すばかりです」
「訳が、わかんねえな……!」
「そうですか? 真祖の双子なんて、本来は珍しいものですよ?」
……ん?
俺はこちらに伸びてきた爪を叩き折りながら、ピクンとこめかみが跳ねるのを感じていた。
マルティンは恍惚に満ちた笑みを浮かべながら続ける……コレクションの話をする偏執狂というものは、いつだってどこかおかしい。
「ベルガー夫人は双子とお聞き及んでおります。片割れは行方不明になっておりますが、ふたり揃って手に手を取ったところを、蝋に漬ければ、それはそれは素晴らしいコレクションにだって……」
「誰が誰のコレクションだって?」
俺は日傘でこちらに伸びてきた爪を一気に叩き折ったあと、さらに折った爪を拾って、二刀流のように構えた。
マリオンはなんのために死んだと思っているんだ。それは妹のリズの平穏無事な人生のためだろうが。それをふたり揃えてコレクションにする? 蝋漬けにして? そんなもん、エクソシストに火を付けられて燃やされたらなんもかんも終わりだろうが。
冗談じゃない。
俺の態度が変わったことに、ビクンとマルティンは体を跳ねさせ、何故か身悶えしはじめた……何故。
「ああ……! おぞましいほどに冷えた熱……! ベルガー夫人は、怒れば怒るほどに、冷えた熱でこちらを凍てつかせようとする……! 素晴らしい……!!」
「……意味がわかんねえことを、ガタガタ言ってるんじゃねえ!!」
いい加減、この変態に付き合うのはうんざりだ。
俺は爪と日傘を構え、一気に地面を蹴った。爪はあくまで俺の体のみを狙い、顔は狙わない……服で隠せない部分を傷付けないのは、あの執事が教えてくれたことだ……偏執狂はこれだから。
俺は自分の顔を盾に、そのままマルティンの元に日傘と爪を使って、一気に十字に得物を振り下ろす。途端に、血飛沫が飛んだ。鮮血がぷしゃあと音を立てて飛び散る。
「ナハハハハハハハハハハ…………!! ああ、素晴らしい! ハハハハハ……!!」
「うるっせえ……!! いい加減、くたばってくれよ……!!」
吸血鬼は何度も何度も切っても、致命傷を与えなかったら、すぐに怪我が回復してしまう。俺はマルティンの首を得物ふたつを使って狙ったのに、グールのときのように、簡単には首を落としてくれない。
……生きてる吸血鬼って、こんなに厄介なのかよ!!
剣の速さも見切ることもできても、俺の腕力だと、吸血鬼の首は落とせない……!!
そのときだった。
いきなりなにかがシュルッと伸びてきた。これは……銀の、糸……?
「ベルガー夫人、大変お待たせしました。ようやく、私兵が突入でき、屋敷は制圧できました。あとは、ここの主さえ滅せれば……!!」
「ウィルマ……!!」
本来、吸血鬼だと致命傷になるはずの銀の糸を、ウィルマは手袋を嵌めて持ち、それを俺が日傘と爪を刺したまま身動きだけ止めていたマルティンに巻き付けたのだ。
さすがにそれには、マルティンも焦り声を上げた。
「な、なんだ貴様は……! シュタウフェンベルク領主だと!?」
「ごめんあそばせ、あなたは少々やり過ぎましたの。これ以上あなたが趣味に没頭されては、エクソシストに通報されてもおかしくはないでしょう!?」
そう言って、ウィルマはピン。と銀の糸を弾いた。途端にマルティンの首に巻き付いた銀の糸がきつく縛られ、とうとうマルティンの首の肉を引き裂いた。まるでソーセージをつくったかのように、ボロンと音を立ててマルティンの首が落ちる。
その緊張で、俺はどっと息を吹いて、その場に座り込んだ。そのままゼイゼイと息を切らせる。
「ありがとうございます、ウィルマ……おかげで、無事に倒せました」
「こちらこそ、本当に無理難題を言い放って申し訳ございませんでした。皆様の陽動のおかげで、無事にこの屋敷を統べるグールの制圧に、人間の保護ができましたから……ところで、あの方々を全員ベルガー夫人が引き取ると、あなた様の従者の方々からお伺いしましたが、本当によろしいので?」
「ええ。そのつもりです」
なんと言っても、うちで働いている人間たちは、未だに吸血鬼騒動の蚊帳の外なのだ。そもそもあそこで働いているだけの人たちを、そんなもんに巻き込みたくないし。
彼らを平穏無事に暮らさせるには、こちらの都合がわかる人間の味方が欲しい。なによりもウラやミヒャエラが吸血鬼や眷属だって言っても脅えないような……それに、あの子たちは村人をいきなりグールに変えられて、無理矢理コレクションにされかけた子たちだから、平穏無事な生活を送らせたいっていうのもある。命のやり取りをしない場所、吸血鬼にいきなり襲撃かけられない場所なんて、本当に限られているんだから。
「自分には人間の味方がひとりでも多く欲しくて、そして彼女たちには平穏な働き口を与えたいっていう、それだけです」
「そうですか」
それ以上はウィルマはなにも言うことはなく、領主として、この土地の主が亡くなったこと、この土地をさっさと国に返還する手続きを執りはじめた。
そうしたらこの土地はエクソシストの管轄になるけれど、少なくともこの土地の主が亡くなった経緯までは依頼が入らない以上は調査もできず、真相は闇の中になるっていう寸法だった。
少なくとも……これでリズが誘拐される芽はひとつ摘んだはずだけれど。これからがまた、大変だ。
0
あなたにおすすめの小説
次期国王様の寵愛を受けるいじめられっこの私と没落していくいじめっこの貴族令嬢
さら
恋愛
名門公爵家の娘・レティシアは、幼い頃から“地味で鈍くさい”と同級生たちに嘲られ、社交界では笑い者にされてきた。中でも、侯爵令嬢セリーヌによる陰湿ないじめは日常茶飯事。誰も彼女を助けず、婚約の話も破談となり、レティシアは「無能な令嬢」として居場所を失っていく。
しかし、そんな彼女に運命の転機が訪れた。
王立学園での舞踏会の夜、次期国王アレクシス殿下が突然、レティシアの手を取り――「君が、私の隣にふさわしい」と告げたのだ。
戸惑う彼女をよそに、殿下は一途な想いを示し続け、やがてレティシアは“王妃教育”を受けながら、自らの力で未来を切り開いていく。いじめられっこだった少女は、人々の声に耳を傾け、改革を導く“知恵ある王妃”へと成長していくのだった。
一方、他人を見下し続けてきたセリーヌは、過去の行いが明るみに出て家の地位を失い、婚約者にも見放されて没落していく――。
主人公の恋敵として夫に処刑される王妃として転生した私は夫になる男との結婚を阻止します
白雪の雫
ファンタジー
突然ですが質問です。
あなたは【真実の愛】を信じますか?
そう聞かれたら私は『いいえ!』『No!』と答える。
だって・・・そうでしょ?
ジュリアーノ王太子の(名目上の)父親である若かりし頃の陛下曰く「私と彼女は真実の愛で結ばれている」という何が何だか訳の分からない理屈で、婚約者だった大臣の姫ではなく平民の女を妃にしたのよ!?
それだけではない。
何と平民から王妃になった女は庭師と不倫して不義の子を儲け、その不義の子ことジュリアーノは陛下が側室にも成れない身分の低い女が産んだ息子のユーリアを後宮に入れて妃のように扱っているのよーーーっ!!!
私とジュリアーノの結婚は王太子の後見になって欲しいと陛下から土下座をされてまで請われたもの。
それなのに・・・ジュリアーノは私を後宮の片隅に追いやりユーリアと毎晩「アッー!」をしている。
しかも!
ジュリアーノはユーリアと「アッー!」をするにしてもベルフィーネという存在が邪魔という理由だけで、正式な王太子妃である私を車裂きの刑にしやがるのよ!!!
マジかーーーっ!!!
前世は腐女子であるが会社では働く女性向けの商品開発に携わっていた私は【夢色の恋人達】というBLゲームの、悪役と位置づけられている王太子妃のベルフィーネに転生していたのよーーーっ!!!
思い付きで書いたので、ガバガバ設定+矛盾がある+ご都合主義。
世界観、建築物や衣装等は古代ギリシャ・ローマ神話、古代バビロニアをベースにしたファンタジー、ベルフィーネの一人称は『私』と書いて『わたくし』です。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
乙女ゲームの正しい進め方
みおな
恋愛
乙女ゲームの世界に転生しました。
目の前には、ヒロインや攻略対象たちがいます。
私はこの乙女ゲームが大好きでした。
心優しいヒロイン。そのヒロインが出会う王子様たち攻略対象。
だから、彼らが今流行りのザマァされるラノベ展開にならないように、キッチリと指導してあげるつもりです。
彼らには幸せになってもらいたいですから。
【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました
佐倉穂波
恋愛
転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。
確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。
(そんな……死にたくないっ!)
乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。
2023.9.3 投稿分の改稿終了。
2023.9.4 表紙を作ってみました。
2023.9.15 完結。
2023.9.23 後日談を投稿しました。
村娘になった悪役令嬢
枝豆@敦騎
恋愛
父が連れてきた妹を名乗る少女に出会った時、公爵令嬢スザンナは自分の前世と妹がヒロインの乙女ゲームの存在を思い出す。
ゲームの知識を得たスザンナは自分が将来妹の殺害を企てる事や自分が父の実子でない事を知り、身分を捨て母の故郷で平民として暮らすことにした。
村娘になった少女が行き倒れを拾ったり、ヒロインに連れ戻されそうになったり、悪役として利用されそうになったりしながら最後には幸せになるお話です。
※他サイトにも掲載しています。(他サイトに投稿したものと異なっている部分があります)
アルファポリスのみ後日談投稿しております。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる