210 / 694
第4章 魔術学園奮闘編
第210話 落ち着いて読めば、数字があなたに語りかけるでしょう。
しおりを挟む
「だったら、俺は積極的にトーマと関わるべきでしょうか?」
「俺は宿命論者じゃないが、起こるべきことは起こると考えている」
「こうあるべし」と誰か、あるいは何かが規定したことはいつか起こるのではないか。サントスはそう感じていた。
「トーマの加入が必要で、ふさわしいものであれば最後はそうなる。ステファノが無理する必要はない」
スールー同様サントスもステファノに無理をするなと言う。
人の出会いとは無理をするものではなかろうと、ステファノ自身も思った。
「わかりました。トーマのことは自然に任せようと思います」
「それとは別に、研究報告の役に立ちそうな物を思いついたんで今日の午後報告します」
「ほう。初会合から成果あり?」
「物になるかどうかはこれからですが」
「上等。それを考えるのが研究会」
研究に失敗はつきものだ。失敗を恐れていては研究などできない。
そのことをサントスはよく知っていた。
「集合場所はサントスさんの部屋ですよね?」
「今日はそう。今日はステファノに試作品を見せる」
「これまでの成果ですね? サントスさんの部屋にあるんですか?」
「スールーは片づけられない子。大事なものを預けられない」
どうやらスールーは頭の中身は整理できても、部屋の中身になるとだらしなくなるようだ。
さすがに年頃の女子部屋に入るのは気が引けるので、ステファノとしてもサントスの部屋の方がありがたかった。
3限目の時間が近づいて来た。
ステファノはサントスと別れて、「商業簿記入門」の教室に移動した。
◆◆◆
商業簿記入門の講師はセルゲイと言う中年男性だった。
教室に集まった生徒は8人。全員1年生で、内2名は一般学科の平民。5名は一般学科の貴族であった。魔術科からの履修はステファノ1人である。
(どうして魔術科から来ているのが俺1人なんだろう? トーマとかデマジオは商人の跡取りだろう? 簿記の勉強をするべきじゃないか?)
彼らが受講しない理由は「面倒くさいから」である。簿記など使用人に任せれば良いと考えていた。
「みなさんこんにちは。商業簿記入門の講師を務めるセルゲイです。よろしくお願いしますね」
セルゲイは黒目、黒髪で身長175センチ。がっちりした体格の男だった。
教壇には助手に運ばせた書類の束が積まれている。結構な量であった。
「ほお、今年は魔術科から1人登録しているんですね? ステファノ君ですか? 君はどうしてこの授業を?」
教壇から降りて生徒の列に近づいたセルゲイは、早口で畳みかけるように質問した。
「実家が食堂をやってます。家の手伝いで簿記を習ったことがあるので、きちんと勉強したいと思いました」
ステファノは正直に事情を答えた。
「なるほど、そういうことですか。魔術科からの受講は珍しいのでね。結構ですよ。一緒に勉強しましょう」
セルゲイは他にも一般学科の生徒2名を指して、同じ質問をした。
「家庭教師の勧めです。政治を学ぶために有益であると」
「同じく教師の勧めです。経営者にとって重要な技術だと言われました」
前者はお貴族様、後者は平民の生徒である。
「はい。結構ですよ。どちらも本当のことですね」
セルゲイは生徒から離れて、教壇に戻った。
「簿記はね、武器なんですよ」
秘密を打ち明けるような声音で、セルゲイは生徒に語り掛けた。
「個人を超えてある規模の経済活動をするならば、簿記を知っているか知らないかで勝敗が変わります」
「商いは経済活動ですね?」
「都市の内政も経済活動です」
「国家経営も経済活動ですね?」
「戦争も経済活動です」
「衛兵も、孤児院も、医療所も、売春宿でさえ、すべて経済活動であります」
わかったかと言うように、セルゲイは8名の生徒を1人ずつ見詰めた。
「簿記を知り、使いこなすことであなたは組織の財政状況、経営状況を正しく知ることができます。何が上手く行き、どこで失敗しているか、それをいち早く知ることができるのです」
「どうです? 素晴らしいでしょう?」
セルゲイは目を輝かせた。
「しかし! 正しい状況判断をするためには正しい情報が必要です。取引を正しく適切に記録しなければなりません」
「そのための知識が商業簿記なのです」
セルゲイは深呼吸をして息を整えた。
「ですからつまらないとか、退屈だとか、面倒くさいという理由で授業を放り出さないでほしい。……もったいないのでね」
気のせいか、ステファノにはセルゲイの表情が寂しげに見えた。
「つまらないのは簿記の方法論が確立されているからです。ルールが決まっているので、創造性に欠けるように感じるのですね」
セルゲイは指を立てて見せながら、語った。
「退屈なのは内容を理解していないからです。理解するための勉強がこの講座ですね」
2本目の指を立てた。
「面倒くさいのは、簿記の重要性を理解していないからです。重要と知っていれば、労力を割いても面倒とは感じません」
3本目の指を立ててセルゲイは力説した。
ステファノは自身の経験を振り返ってみる。帳簿記入はつまらなかったか?
面白いか、つまらないかで言ったら「つまらない」であろう。必要があるから記帳していたという気持ちであった。
帳簿記入は退屈だったか? これには「否」と答えるべきだと感じた。単調な作業であることはその通りであるが、やらなければいけない重要な仕事だと意識していたので「退屈」に感じる余裕はなかった。
帳簿記入が面倒くさかったかどうか? これも答えは2番目と同じだった。セルゲイのいう通り、簿記の重要性を理解していれば「つまらない」と感じても、「面倒くさい」とは感じない。
結局「入り口」のところで「つまらない」と感じてしまうために、「退屈だ」だとか「面倒くさい」という否定的な感想が引き起こされてしまうのだろう。
通常の講義ではここから帳簿の種類とか形式の説明が始まる。「損益計算書」や「貸借対照表」などの構成や特徴を勉強するのが通例だ。
「それをやると多くの生徒が初日で飽きてしまうのでね。ちょっとやり方を変えてみました」
セルゲイは黒板に図表を映し出した。
「ケースAというのが成功例ですね。反対にケースBというのはつぶれた組織の事例です」
帳簿に現れた数字だけを見て、両者はどう違うのか?
それを振り返ってみようというアプローチであった。
(これは面白いやり方だな)
ステファノだけでなく、他の生徒たちも興味を惹かれたようであった。
興味があれば知識は意味を持つ。
セルゲイは巧みに生徒の興味を引きながら、簿記の入り口を紹介して行った。
「さて、簿記が面白いかどうかは別として、役に立つものだということは理解してもらえたのではないでしょうか?」
一通りの説明を終えたセルゲイは、生徒たちに問いかけた。
「ここでお待ちかねのチャレンジです。今からみなさんにある商店の帳簿の写しをお渡しします。ちょうど1年分ですね」
セルゲイは生徒を呼び寄せ、1人ずつ書類を持って行かせた。
「さて、この商店では経理担当者による不正が行われました。それはこの期間の中に含まれています。皆さんはこの帳簿を見てどこに不正があるのかを発見してください。そしてわかった人はそれを不正と考える根拠を書いて、次回の授業で提出すること」
これはまた大変そうな課題であった。調べる対象が1年分とは。
「もちろん強制ではありませんよ。通常授業の成績とは関係ありませんので、チャレンジを目指さない人は取り組まなくても結構です。そのことで差別はしません」
これはチャレンジ全般に共通したルールであった。挑戦者とそれ以外の間で取り扱いに差を設けないこと。
生徒の中には帳簿の写しを見て諦めたのか、早々に返却する者もいた。
「1つだけヒントを上げましょう。簿記にはルールがあり、帳簿には秩序があります。この帳簿は一見破綻なく作られていますが、所詮偽りの物です。見る人が見れば美しくない。落ちついて読めば、数字があなたに語りかけるでしょう」
「本日の授業は以上です」
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第211話 動き出した情革研。」
「情報伝達速度向上については『音』と『光』を検討している」
物理的な運搬に頼る限り馬車の速度が上限となる。
サントスは音と光で情報を伝える手段の開発に取り組んでいた。
「音も光も伝達距離が問題。距離を伸ばすとぼやける」
言葉や文字をそのまま伝えることはできないので、信号に変換して送る。かな文字と数字くらいなら何とか記号でやり取りできそうであった。
しかし、距離に伴う信号の減衰が対策できなかった。
「筒の中で音声を伝えれば減衰を抑えて到達距離を伸ばすことができる」
その事実を発見し、サントスは応用に挑んできた。だが、それも根本的な解決にはならなかった。
十数メートルの到達距離が100メートルになるかもしれないというレベルのものだ。
……
◆お楽しみに。
「俺は宿命論者じゃないが、起こるべきことは起こると考えている」
「こうあるべし」と誰か、あるいは何かが規定したことはいつか起こるのではないか。サントスはそう感じていた。
「トーマの加入が必要で、ふさわしいものであれば最後はそうなる。ステファノが無理する必要はない」
スールー同様サントスもステファノに無理をするなと言う。
人の出会いとは無理をするものではなかろうと、ステファノ自身も思った。
「わかりました。トーマのことは自然に任せようと思います」
「それとは別に、研究報告の役に立ちそうな物を思いついたんで今日の午後報告します」
「ほう。初会合から成果あり?」
「物になるかどうかはこれからですが」
「上等。それを考えるのが研究会」
研究に失敗はつきものだ。失敗を恐れていては研究などできない。
そのことをサントスはよく知っていた。
「集合場所はサントスさんの部屋ですよね?」
「今日はそう。今日はステファノに試作品を見せる」
「これまでの成果ですね? サントスさんの部屋にあるんですか?」
「スールーは片づけられない子。大事なものを預けられない」
どうやらスールーは頭の中身は整理できても、部屋の中身になるとだらしなくなるようだ。
さすがに年頃の女子部屋に入るのは気が引けるので、ステファノとしてもサントスの部屋の方がありがたかった。
3限目の時間が近づいて来た。
ステファノはサントスと別れて、「商業簿記入門」の教室に移動した。
◆◆◆
商業簿記入門の講師はセルゲイと言う中年男性だった。
教室に集まった生徒は8人。全員1年生で、内2名は一般学科の平民。5名は一般学科の貴族であった。魔術科からの履修はステファノ1人である。
(どうして魔術科から来ているのが俺1人なんだろう? トーマとかデマジオは商人の跡取りだろう? 簿記の勉強をするべきじゃないか?)
彼らが受講しない理由は「面倒くさいから」である。簿記など使用人に任せれば良いと考えていた。
「みなさんこんにちは。商業簿記入門の講師を務めるセルゲイです。よろしくお願いしますね」
セルゲイは黒目、黒髪で身長175センチ。がっちりした体格の男だった。
教壇には助手に運ばせた書類の束が積まれている。結構な量であった。
「ほお、今年は魔術科から1人登録しているんですね? ステファノ君ですか? 君はどうしてこの授業を?」
教壇から降りて生徒の列に近づいたセルゲイは、早口で畳みかけるように質問した。
「実家が食堂をやってます。家の手伝いで簿記を習ったことがあるので、きちんと勉強したいと思いました」
ステファノは正直に事情を答えた。
「なるほど、そういうことですか。魔術科からの受講は珍しいのでね。結構ですよ。一緒に勉強しましょう」
セルゲイは他にも一般学科の生徒2名を指して、同じ質問をした。
「家庭教師の勧めです。政治を学ぶために有益であると」
「同じく教師の勧めです。経営者にとって重要な技術だと言われました」
前者はお貴族様、後者は平民の生徒である。
「はい。結構ですよ。どちらも本当のことですね」
セルゲイは生徒から離れて、教壇に戻った。
「簿記はね、武器なんですよ」
秘密を打ち明けるような声音で、セルゲイは生徒に語り掛けた。
「個人を超えてある規模の経済活動をするならば、簿記を知っているか知らないかで勝敗が変わります」
「商いは経済活動ですね?」
「都市の内政も経済活動です」
「国家経営も経済活動ですね?」
「戦争も経済活動です」
「衛兵も、孤児院も、医療所も、売春宿でさえ、すべて経済活動であります」
わかったかと言うように、セルゲイは8名の生徒を1人ずつ見詰めた。
「簿記を知り、使いこなすことであなたは組織の財政状況、経営状況を正しく知ることができます。何が上手く行き、どこで失敗しているか、それをいち早く知ることができるのです」
「どうです? 素晴らしいでしょう?」
セルゲイは目を輝かせた。
「しかし! 正しい状況判断をするためには正しい情報が必要です。取引を正しく適切に記録しなければなりません」
「そのための知識が商業簿記なのです」
セルゲイは深呼吸をして息を整えた。
「ですからつまらないとか、退屈だとか、面倒くさいという理由で授業を放り出さないでほしい。……もったいないのでね」
気のせいか、ステファノにはセルゲイの表情が寂しげに見えた。
「つまらないのは簿記の方法論が確立されているからです。ルールが決まっているので、創造性に欠けるように感じるのですね」
セルゲイは指を立てて見せながら、語った。
「退屈なのは内容を理解していないからです。理解するための勉強がこの講座ですね」
2本目の指を立てた。
「面倒くさいのは、簿記の重要性を理解していないからです。重要と知っていれば、労力を割いても面倒とは感じません」
3本目の指を立ててセルゲイは力説した。
ステファノは自身の経験を振り返ってみる。帳簿記入はつまらなかったか?
面白いか、つまらないかで言ったら「つまらない」であろう。必要があるから記帳していたという気持ちであった。
帳簿記入は退屈だったか? これには「否」と答えるべきだと感じた。単調な作業であることはその通りであるが、やらなければいけない重要な仕事だと意識していたので「退屈」に感じる余裕はなかった。
帳簿記入が面倒くさかったかどうか? これも答えは2番目と同じだった。セルゲイのいう通り、簿記の重要性を理解していれば「つまらない」と感じても、「面倒くさい」とは感じない。
結局「入り口」のところで「つまらない」と感じてしまうために、「退屈だ」だとか「面倒くさい」という否定的な感想が引き起こされてしまうのだろう。
通常の講義ではここから帳簿の種類とか形式の説明が始まる。「損益計算書」や「貸借対照表」などの構成や特徴を勉強するのが通例だ。
「それをやると多くの生徒が初日で飽きてしまうのでね。ちょっとやり方を変えてみました」
セルゲイは黒板に図表を映し出した。
「ケースAというのが成功例ですね。反対にケースBというのはつぶれた組織の事例です」
帳簿に現れた数字だけを見て、両者はどう違うのか?
それを振り返ってみようというアプローチであった。
(これは面白いやり方だな)
ステファノだけでなく、他の生徒たちも興味を惹かれたようであった。
興味があれば知識は意味を持つ。
セルゲイは巧みに生徒の興味を引きながら、簿記の入り口を紹介して行った。
「さて、簿記が面白いかどうかは別として、役に立つものだということは理解してもらえたのではないでしょうか?」
一通りの説明を終えたセルゲイは、生徒たちに問いかけた。
「ここでお待ちかねのチャレンジです。今からみなさんにある商店の帳簿の写しをお渡しします。ちょうど1年分ですね」
セルゲイは生徒を呼び寄せ、1人ずつ書類を持って行かせた。
「さて、この商店では経理担当者による不正が行われました。それはこの期間の中に含まれています。皆さんはこの帳簿を見てどこに不正があるのかを発見してください。そしてわかった人はそれを不正と考える根拠を書いて、次回の授業で提出すること」
これはまた大変そうな課題であった。調べる対象が1年分とは。
「もちろん強制ではありませんよ。通常授業の成績とは関係ありませんので、チャレンジを目指さない人は取り組まなくても結構です。そのことで差別はしません」
これはチャレンジ全般に共通したルールであった。挑戦者とそれ以外の間で取り扱いに差を設けないこと。
生徒の中には帳簿の写しを見て諦めたのか、早々に返却する者もいた。
「1つだけヒントを上げましょう。簿記にはルールがあり、帳簿には秩序があります。この帳簿は一見破綻なく作られていますが、所詮偽りの物です。見る人が見れば美しくない。落ちついて読めば、数字があなたに語りかけるでしょう」
「本日の授業は以上です」
――――――――――
ここまで読んでいただいてありがとうございます。
◆次回「第211話 動き出した情革研。」
「情報伝達速度向上については『音』と『光』を検討している」
物理的な運搬に頼る限り馬車の速度が上限となる。
サントスは音と光で情報を伝える手段の開発に取り組んでいた。
「音も光も伝達距離が問題。距離を伸ばすとぼやける」
言葉や文字をそのまま伝えることはできないので、信号に変換して送る。かな文字と数字くらいなら何とか記号でやり取りできそうであった。
しかし、距離に伴う信号の減衰が対策できなかった。
「筒の中で音声を伝えれば減衰を抑えて到達距離を伸ばすことができる」
その事実を発見し、サントスは応用に挑んできた。だが、それも根本的な解決にはならなかった。
十数メートルの到達距離が100メートルになるかもしれないというレベルのものだ。
……
◆お楽しみに。
1
あなたにおすすめの小説
ギャルい女神と超絶チート同盟〜女神に贔屓されまくった結果、主人公クラスなチート持ち達の同盟リーダーとなってしまったんだが〜
平明神
ファンタジー
ユーゴ・タカトー。
それは、女神の「推し」になった男。
見た目ギャルな女神ユーラウリアの色仕掛けに負け、何度も異世界を救ってきた彼に新たに下った女神のお願いは、転生や転移した者達を探すこと。
彼が出会っていく者たちは、アニメやラノベの主人公を張れるほど強くて魅力的。だけど、みんなチート的な能力や武器を持つ濃いキャラで、なかなか一筋縄ではいかない者ばかり。
彼らと仲間になって同盟を組んだユーゴは、やがて彼らと共に様々な異世界を巻き込む大きな事件に関わっていく。
その過程で、彼はリーダーシップを発揮し、新たな力を開花させていくのだった!
女神から貰ったバラエティー豊かなチート能力とチートアイテムを駆使するユーゴは、どこへ行ってもみんなの度肝を抜きまくる!
さらに、彼にはもともと特殊な能力があるようで……?
英雄、聖女、魔王、人魚、侍、巫女、お嬢様、変身ヒーロー、巨大ロボット、歌姫、メイド、追放、ざまあ───
なんでもありの異世界アベンジャーズ!
女神の使徒と異世界チートな英雄たちとの絆が紡ぐ、運命の物語、ここに開幕!
※不定期更新。最低週1回は投稿出来るように頑張ります。
※感想やお気に入り登録をして頂けますと、作者のモチベーションがあがり、エタることなくもっと面白い話が作れます。
詠唱? それ、気合を入れるためのおまじないですよね? ~勘違い貴族の規格外魔法譚~
Gaku
ファンタジー
「次の人生は、自由に走り回れる丈夫な体が欲しい」
病室で短い生涯を終えた僕、ガクの切実な願いは、神様のちょっとした(?)サービスで、とんでもなく盛大な形で叶えられた。
気がつけば、そこは剣と魔法が息づく異世界。貴族の三男として、念願の健康な体と、ついでに規格外の魔力を手に入れていた!
これでようやく、平和で自堕落なスローライフが送れる――はずだった。
だが、僕には一つ、致命的な欠点があった。それは、この世界の魔法に関する常識が、綺麗さっぱりゼロだったこと。
皆が必死に唱える「詠唱」を、僕は「気合を入れるためのおまじない」だと勘違い。僕の魔法理論は、いつだって「体内のエネルギーを、ぐわーっと集めて、どーん!」。
その結果、
うっかり放った火の玉で、屋敷の壁に風穴を開けてしまう。
慌てて土魔法で修復すれば、なぜか元の壁より遥かに豪華絢爛な『匠の壁』が爆誕し、屋敷の新たな観光名所に。
「友達が欲しいな」と軽い気持ちで召喚魔法を使えば、天変地異の末に伝説の魔獣フェンリル(ただし、手のひらサイズの超絶可愛い子犬)を呼び出してしまう始末。
僕はただ、健康な体でのんびり暮らしたいだけなのに!
行く先々で無自覚に「やりすぎ」てしまい、気づけば周囲からは「無詠唱の暴君」「歩く災害」など、実に不名誉なあだ名で呼ばれるようになっていた……。
そんな僕が、ついに魔法学園へ入学!
当然のように入学試験では的を“消滅”させて試験官を絶句させ、「関わってはいけないヤバい奴」として輝かしい孤立生活をスタート!
しかし、そんな規格外な僕に興味を持つ、二人の変わり者が現れた。
魔法の真理を探求する理論オタクの「レオ」と、強者との戦いを求める猪突猛進な武闘派女子の「アンナ」。
この二人との出会いが、モノクロだった僕の世界を、一気に鮮やかな色に変えていく――!
勘違いと無自覚チートで、知らず知らずのうちに世界を震撼させる!
腹筋崩壊のドタバタコメディを軸に、個性的な仲間たちとの友情、そして、世界の謎に迫る大冒険が、今、始まる!
最強無敗の少年は影を従え全てを制す
ユースケ
ファンタジー
不慮の事故により死んでしまった大学生のカズトは、異世界に転生した。
産まれ落ちた家は田舎に位置する辺境伯。
カズトもといリュートはその家系の長男として、日々貴族としての教養と常識を身に付けていく。
しかし彼の力は生まれながらにして最強。
そんな彼が巻き起こす騒動は、常識を越えたものばかりで……。
独身貴族の異世界転生~ゲームの能力を引き継いで俺TUEEEチート生活
髙龍
ファンタジー
MMORPGで念願のアイテムを入手した次の瞬間大量の水に押し流され無念の中生涯を終えてしまう。
しかし神は彼を見捨てていなかった。
そんなにゲームが好きならと手にしたステータスとアイテムを持ったままゲームに似た世界に転生させてやろうと。
これは俺TUEEEしながら異世界に新しい風を巻き起こす一人の男の物語。
おっさんが雑魚キャラに転生するも、いっぱしを目指す。
お茶飲み人の愛自好吾(あいじこうご)
ファンタジー
どこにでも居るような冴えないおっさん、山田 太郎(独身)は、かつてやり込んでいたファンタジーシミュレーションRPGの世界に転生する運びとなった。しかし、ゲーム序盤で倒される山賊の下っ端キャラだった。女神様から貰ったスキルと、かつてやり込んでいたゲーム知識を使って、生き延びようと決心するおっさん。はたして、モンスター蔓延る異世界で生き延びられるだろうか?ザコキャラ奮闘ファンタジーここに開幕。
乙女ゲームのヒロインに転生、科学を駆使して剣と魔法の世界を生きる
アミ100
ファンタジー
国立大学に通っていた理系大学生カナは、あることがきっかけで乙女ゲーム「Amour Tale(アムール テイル)」のヒロインとして転生する。
自由に生きようと決めたカナは、あえて本来のゲームのシナリオを無視し、実践的な魔法や剣が学べる魔術学院への入学を決意する。
魔術学院には、騎士団長の息子ジーク、王国の第2王子ラクア、クラスメイト唯一の女子マリー、剣術道場の息子アランなど、個性的な面々が在籍しており、楽しい日々を送っていた。
しかしそんな中、カナや友人たちの周りで不穏な事件が起こるようになる。
前世から持つ頭脳や科学の知識と、今世で手にした水属性・極闇傾向の魔法適性を駆使し、自身の過去と向き合うため、そして友人の未来を守るために奮闘する。
「今世では、自分の思うように生きよう。前世の二の舞にならないように。」
侯爵家三男からはじまる異世界チート冒険録 〜元プログラマー、スキルと現代知識で理想の異世界ライフ満喫中!〜【奨励賞】
のびすけ。
ファンタジー
気づけば侯爵家の三男として異世界に転生していた元プログラマー。
そこはどこか懐かしく、けれど想像以上に自由で――ちょっとだけ危険な世界。
幼い頃、命の危機をきっかけに前世の記憶が蘇り、
“とっておき”のチートで人生を再起動。
剣も魔法も、知識も商才も、全てを武器に少年は静かに準備を進めていく。
そして12歳。ついに彼は“新たなステージ”へと歩み出す。
これは、理想を形にするために動き出した少年の、
少し不思議で、ちょっとだけチートな異世界物語――その始まり。
【なろう掲載】
転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~
名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる