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再会
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昨晩、食事を終えた後、明日の学校の支度をしようと思ったのだが、死闘を演じた影響なのかあまりの疲労に身体が鉛のように重たく感じられた。それでほんの少しだけ休むつもりでベッドに横になったのだが、その瞬間、急激な睡魔に襲われ、オレは抗う術もなく深い眠りについてしまった。
気づけば朝の6時。遅くとも7時半までにはここを出たい。今から急いで風呂に入って身支度を整えるとしよう。
風呂は温泉で24時間いつでも入ることが出来る。ここの温泉は疲労回復の効果が強く、オレは一度も疲労を翌日に持ち越したことはない。しかし、流石に昨日の疲労はそう簡単には回復しそうにない。ゲームの休憩がてら学校に行くのは疲労と体力を回復させるにはもってこいの妙案だったのかもしれない。その代わりに精神が削られることは間違いないだろうが、かといって試験をさぼるわけにもいかなかった。
何か辛いことが現実世界であったら、昨日の死闘を思い出せばいい。あれ以上の絶望をオレは味わったことはなかった。それに比べれば現実世界の憂鬱など取るに足らないことに違いなかった。
長く湯船浸かっていると再び眠気に襲われかねないと思ったので、風呂はほどほどにしてすぐに切り上げた。
着替え室で身体をタオルで拭いていると、ドアが静かにノックされた。
「シュウト様、少しよろしいでしょうか?」
ドアの向こう側からメイド長のタマモさんの凛とした声が聞こえて来た。
「はい、ちょっと待っていてください。すぐに開けます!」
オレはバスローブを羽織ると、見せてはいけない部分が露出していないことをしっかりと確認した後、ドアを開けた。ドアを開けると、両手に何かを持って佇むタマモさんの姿があった。
「おはようございます、シュウト様。こちらにお召し替え下さい」
そう言ってタマモさんはオレに衣服を手渡してくる。それはオレの通う学校の夏用制服だった。
「今日から学校に通うとメリルより報告を受けましたので、こちらで新しいサイズの制服をご用意させていただきました」
そう言えば、オレは以前より大分頭身が伸びたせいで、以前の服は下着から全て着用不可能だったんだ。
「ありがとうございます、タマモさん。おかげで助かりました」
「いえ、お気になさらず。それでなのですが、本当に学校に行かれるのですか?」
タマモさんは真剣な眼差しでそう訊ねて来る。
「ええ、試験を受けないと単位が取れませんので」
「そうですか……では、こちらをご覧になっていただけますでしょうか?」
そう言ってタマモさんはオレにタブレットを手渡してくる。
オレが受け取ると、タブレットは何かの動画を再生する。
それを見てオレは愕然となった。
動画には義兄の礼一と学校でオレを虐めている奴らの姿が映し出されていたのだ。
『首尾よくあの豚ゴブリンを自殺に追い込めたら100万やる。いいか? 後々面倒になるから、くれぐれも殺すんじゃないぞ。あくまで自主的に自殺してもらうんだ』
『ええ、分かってますよ、長峰先輩。いや、今は澄川でしたっけ?』
『遺産を手に入れられるなら苗字なんてどうでもいいさ』
『自殺させれば遺産は先輩のものになるんですよね? それじゃ、頑張ってあの豚ゴブリンを自殺させてみせますよ。任せてください。徹底的に追い詰めてやりますんで』
その後、ぎゃははははは! という爆笑が聞こえ、動画は終わった。
動画を見終えた後、オレは愕然となった。まさか奴らと義兄が繋がっていただなんて思いもよらなかった。
オレを自殺させれば遺産は自ずと偽の家族のものになる。でも、オレがなかなか自殺しないものだから、遺産放棄の誓約書にサインさせるという強硬手段に及んだのか。その後、偽の家族がオレを自殺に見せかけて殺そうとしていたことはあの時エレウスから聞いていた。
「タマモさん、何処でこの動画を手に入れたんですか⁉」
「調査の過程で偶然入手致しました。学校に行くのであれば重々お気を付けください。かの地は敵の巣窟になっている恐れがございます」
学校では偽の家族も手出しできないと思っていたが、そもそもオレを虐めていた奴らと義兄が結託しているとは思いもしなかった。義兄もオレと同じ高校を卒業している以上、その可能性を考慮しなかったのは迂闊だった。いや、今だからこそそう思えるだけであって、当時のオレはいつ最悪の選択をしてもおかしくはない程度には追い詰められていた。
こうなると、奴らは更に強硬手段に出る可能性があった。学校に行けば命を狙われる恐れがあった。
それよりも、タマモさんは何の調査をしていたんだろうか?
「調査って何の調査をしていたんですか?」
「我が主様からの指示でシュウト様の義理のご家族について調査しておりました。申し訳ございませんがそれ以上はお答えできかねます」
タマモさんはそれだけ言って頭を下げた。これ以上答えることは出来ないという意思表示なのだろう。
しかし、今のでタマモさんはほとんど答えを教えてくれたようなものだ。きっとエレウスはオレが偽の家族に奪われたものを取り戻そうとする時に備えて裁判に必要な情報を集めてくれているに違いない。
「ありがとう、タマモさん」
「いえ、これもメイドとしての務めを果たしたまでのこと。シュウト様にお礼を賜るようなことは致しておりません」
「それでもお礼を言わせてください。それとエレウスにも」
オレはそう言ってタマモさんに微笑んだ。
タマモさんは相変わらず鉄面皮だったが、その時、口元が少し緩んだような気がした。
そうして、タマモさんは「失礼いたします」と言って部屋から退室していった。
オレは新品の制服に着替えると、ボロボロになったリュックを手に取る。この中には教科書や数千円の現金などのオレの全財産が入っていた。リュックは背負わず肩にかけた。成長したオレの身体では背負うには少し窮屈だと思ったからだ。
獣人メイド喫茶から学校に向かった。スマホでここから学校までの距離を検索すると、ちょうど10㎞ほど離れていることが分かった。
お金は可能な限り節約したい。今のオレにはバスすら贅沢に思えた。イアンカムスでゲットした魔石やアイテムを売れば相当額のGを入手出来るのだが、オレは街に入ることが出来ないので未だに換金したことは無い。エレウスからもらった500万Gは円に換算すると50万円以上にはなるが、それは昨晩、ノアを救うために全てプレイヤーに渡してしまった。もっとも、その後、すぐにそのプレイヤー達はオレの従魔によって全て血祭りに上げたのだが、プレイヤーからはレベルは奪ってもGだけは奪うまいと心に誓っていた。それではただの追剥と変わらないと思ってのことだ。それにGを奪っては無用な恨みを買いかねないとの判断もあった。
「走るか」
オレは「ステータスオープン」と誰にも聞かれない声量で呟いた。
すると、目の前にゲーム世界同様のステータス画面が表示される。
エレウスから聞いてはいたが、実際に現実世界で目の当たりにすると感無量だった。感動のあまり手が震えた。
「ソウルリンクシステムってめっちゃ便利じゃないか」
もしこのシステムが普及したら世界が一変するだろう。
エレウスの話によると、魔法関連のスキル以外は現実世界でも使えるらしい。例えば憤怒や狂戦士、縮地などは使用出来ても魔法剣などの魔法関連のスキルは使用できないようになっている。というかそれが当然だ。何しろ現実世界には魔力なんてものは存在していないのだから。
オレはスキル欄から縮地を選びタップする。
ほんの少し、身体が発光した様な幻を垣間見た後、オレは駆け出した。
目にも止まらぬ速さとはこのこと。オレは道路を駆け抜け、数台の車を追い越した。通行人を避けるよりは跳躍してビルの上を跳んだ方が手っ取り早いと思ったオレは、それを即座に実行する。オレはビルの屋上に飛び乗ると、すぐに跳躍して次のビルの屋上に飛び移った。
そんなことを繰り返し行く内に、五分とかからずに学校付近の通学路に到着した。
オレは周囲を見回し誰にも見られていないことを確認すると、何事も無かったかのように校門を通り抜けた。
一か月ぶりの学校か。そう思った瞬間、動悸が激しくなった。脳裏に奴らに受けた虐めの数々がフラッシュバックする。一瞬、恐怖のあまり眩暈を覚えたが、何とか倒れずに歩き続けた。
その時、オレは周囲から視線を感じる。いつもオレは登校する度に好奇と嫌悪の眼差しを向けられる。しかし、今日はいつもとが違う様に感じられた。
「うわ、あのイケメン誰⁉ もしかして転校生かな?」
「すっげえ筋肉。何か格闘技でもやってるんじゃねえか?」
などといつもとは真逆の内容のひそひそ話が聞こえて来る。
もしかしなくても周囲の奴らはオレが噂の豚ゴブリンであることに気づいていないみたいだ。
別の意味で周囲の視線に耐えられなくなったオレは、そそくさと逃げるように玄関口に向かった。
下駄箱に向かうと、中はゴミだらけだった。これはいつも通りだ。
オレはリュックから上履きを取り出すと、今履いていたスニーカーをリュックの中に入れる。こうでもしないと、オレは毎日靴を買い替える羽目になってしまうのだ。
オレはそのまま二階にある自分の教室に向かった。廊下を歩いている間も、女子から今まで聞いたことも無い黄色い声を浴びせられることになる。男子からは行く先々で道を譲られた。いつものオレなら端を歩いていても後ろから蹴られたりするのだが、今日は一度もそんな目にはあわず無事に教室に到着した。
オレが教室に入ると、一斉にクラスメイト達が振り向いて来る。
気まずさを感じながらも、オレは教室の隅っこにある自分の席に着く。相変わらず机には罵詈雑言の類が落書きされていたが、いちいち掃除するのも面倒なので、いつの頃からかそのまま放置していた。
オレが席についてしばらくすると、男子生徒の一人が恐る恐るオレに話しかけて来た。顔を見ても名前は出て来なかった。
「あの、クラスを間違えているんじゃないか? そこは豚ゴブリンの席だぜ?」
「間違いじゃないよ。ここはオレの席だ」
オレがそう言うと、名も知らないクラスメイトは驚きの声を洩らした。
「もしかしてお前、いや、君は豚ゴブリン……じゃなくって澄川君?」
よくオレの名前を憶えていたな、と思わず苦笑する。
でも、名前も知らない奴に話しかけられるのは苦痛でしかないので放っておいてもらいたかった。
「ああ、そうだよ? それでオレに何か用か?」
オレは失せろと言わんばかりに名も知らぬ無礼なクラスメイトを睨みつけた。
もし魔眼のスキルが使用できたなら、オレは迷わずこいつに使っていたかもしれない。まあ、軽く卒倒する程度に効果はおさえて、ではあるが。
睨まれたクラスメイトは、そのままそそくさと退散していった。
周囲からは狼狽したようなひそひそ話が聞こえて来る。
すると、教室の入り口から大声が聞こえて来る。その瞬間、オレは固まってしまった。この声は忘れようもない。オレを虐めている奴らの声だ。
名を林。赤く染めた髪。耳にはピアスがつけられ、力士を思わせるような筋肉を纏っていた。高校生にしては大分大柄な体格である。
「おい! 何で豚ゴブリンの席に見慣れない奴が座っていやがるんだ⁉」
林は怒声を張り上げると三人の子分を引き連れ、一直線にオレに向かって来た。
「てめえ、誰だ? そこは豚ゴブリンの席だ。とっととどきやがれ。目障りだ」
「いや、オレがその豚ゴブリンこと澄川だけれども?」
「はん! お前が豚ゴブリンなわけねえだろう? バカも休み休み言いやがれ」
成績が万年学年最下位のお前にだけは言われたくない言葉だった。
「休んでいる間に身体が成長したんだ。よくある話だろう?」
まあ、嘘ではないな。
「おま、本当にあの豚ゴブリンなのか?」
林は上擦った声でそう呟くと、何度もオレの全身を見回した。
「だからそう言っている」
しつこい。オレがダイエットに成功してちょっとガタイが良くなったのがそんなに気になることなのか?
オレがそう答えると、林たちは動揺の表情を見せた。
「おい、豚ゴブリン。ちょっとイケメンになったからって調子に乗ってんじゃねえぞ? お前は今まで通りオレ達の玩具であることに変わりはねえ。おら、立てよ。久しぶりの再会を祝してサンドバックパーティーを開いてやっからよ!」
サンドバックパーティーとはオレを一方的にボコボコにするだけの虐めのことだ。
その時、オレはあることに気づいた。校門を通った時はこいつらのことを思い出し動悸が激しくなり恐怖に足がすくみそうになった。でも、今は林達からは何も感じられない。
今、オレが考えていることは、こいつらのステータスはどの程度のものなのか。どうやって倒したらいいのか。まるでゲーム攻略をしている時の様な思考になっていた。
「おら! ぼさっとしていないで立ち上がれや」
林はそう言ってオレの胸倉を掴み上げる。
次の瞬間、林は悲鳴を上げていた。
「おっと、すまない。あまりに隙があり過ぎてうっかり腕を捻ってしまったよ」
オレは無防備に近寄って来た林の腕を無意識のうちに捻り上げていた。
「ぎゃあああああ⁉ 放せ、放しやがれ、豚ゴブリン野郎が!」
オレは再度「すまない」と謝罪の言葉を口にすると、とっとと林を解放した。
林は右腕を押さえながら痛みに顔を歪めていた。そんなに強く捻ったつもりはなかったのに。林ってこんなに脆い奴だったっけか?
「調子に乗りやがって! 殺す、てめえは今すぐボコって殺してやる!」
激高した林は、額に青筋を浮き立たせるとオレに殴りかかって来た。
「嘘だろう⁉ これは何の冗談だ?」
突然、周囲の時間が止まったかのような錯覚を受けた。林は確かにオレに殴りかかってきているが、その動きが異常に遅い。まるでスローモーションでも見ているかのような遅さだった。
オレが林の拳に当たらない位置に移動すると、時間は動き出した。林は勢いあまって壁に激突する。
それを見た子分達が怒声を張り上げながらオレに襲い掛かってくるが、先程と同じ状況になった。子分どもの動きも異常に遅く見え、オレは軽々と彼等の攻撃をかわした。彼等も林と同じ運命をたどり、勢い余って近くの机や椅子をなぎ倒しながら床に倒れこんだ。
周囲から女子の悲鳴が響き渡る。たちまち教室内は騒然となった。
「えっと、大丈夫かい?」
「うるせえ! そこを動くな! 今度こそ本当にぶっ殺してやる!」
林は怒声を張り上げながら立ち上がった。額から血が流れ頬を伝って床に零れ落ちていた。流血沙汰にするつもりはなかったのだが、向こうが勝手に自爆したのでオレには一切非は無い。しかし、林はそう思っていない様子で、怒りに形相が歪み、髪が逆立っていた。
逆恨みにも程がある。
すると、林はズボンの後ろポケットに手を伸ばした。
「止めろ」
オレは一瞬で林の前に移動すると、後ろに回した右腕を掴んだ。
林は狼狽した表情でオレを凝視する。
「なん……⁉ 放しやがれ」
オレは林の耳元に顔を寄せると静かに呟いた。
「それを抜いたらオレも容赦はしない」
林は恐らくナイフを取り出そうとしたんだろう。それは最後通牒だ。刃物を出せばオレも容赦はしない。腕の一本、いや、二度と固形物を口に出来ないように顎を破壊してやるつもりだ。
すると、そこに担任の若い男性教師が教室に入ってくる。それを見た林は忌々し気に唾を床に吐くと「命拾いしたな」と吐き捨てた。その表情が心なしかホッとしているように見えた。林はそのまま教室の出入り口に向かった。
「覚えておけよ」
林はよく漫画や映画で見かける悪役のお決まりの捨て台詞を吐いた後、子分どもを引き連れて教室から出て行った。
担任教師は林が出て行ったことなどお構いなしにホームルームを始めた。ホームルームは一分もかからず終わったが、最後まで担任教師がオレに振り向くことはなかった。どうやらオレは存在自体認識されていないのかもしれないな、と苦笑してしまった。
オレの豹変ぶりに驚き色々と質問されるよりはマシだったが、そもそも担任教師は以前のオレの姿すら覚えていない可能性もあった。
この日、オレは普通に授業を受けた。試験は来週の月曜日からだった。今日は木曜日だが、明日は学校に来るまでもないだろう。試験さえ受けられればそれで十分だ。また林達に絡まれでもしたら面倒なことこの上ない。
放課後になり帰宅する時間になると、オレは林達に警戒しながら校門に向かった。報復されないとも限らない。それはそれで返り討ちにすればいいだけの話だが、可能な限り穏便に済ませたいというのがオレの考えだ。いずれ林達には法の裁きを受けてもらうつもりだ。ここで余計なトラブルを起こすのだけは避けたかった。
オレが校門にさしかかると、横から人影が近寄って来た。
林達が報復に現れたのか? と身構えるも、そこに現れたのは頬を染めた女子生徒だった。
「あ、あの、すみません! 私とライン交換してもらえませんか?」
「へ⁉ な、なんでオレなんかと?」
女子生徒からの突然の申し入れにオレは思わず戸惑ってしまった。
「正直に言います。一目惚れです! 良かったら今度遊びに行きませんか⁉」
女子生徒は興奮気味に瞳を輝かせながらオレに迫ってくる。
一目惚れ? 女子と遊びに行く?
何もかもが初めての経験でオレはパニック状態に陥ってしまった。
「ご、ごめんなさい! 今日、スマホ忘れちゃったんで、また今度!」
オレはそれだけを言い残し、全力疾走でその場から逃げ出した。
しばらく走った後、オレは立ち止まり後ろを振り返る。もう校舎は遥か遠くに見えていた。
「今までは人間扱いすらされていなかったのにな」
ちょっと成長して外見が変わっただけでこれなのか。初対面の女子に人生初告白を受け、驚きはしたが正直嬉しさはなかった。逆に空しさが込み上げ、過去の自分を全否定されたような寂しさを覚えた。
「帰ろう」
深く嘆息し歩き出そうとした時だった。複数の人影がオレの前に立ちはだかった。数は二十人程。その中によく見知った顔があった。
1人は林。その後ろに子分達の姿もあった。
そして、先頭に立っていた男の姿を見てオレの鼓動は激しく脈打った。
「久しぶりだな、シュウト」
「礼一義兄さん……!」
そこに佇んでいたのは偽りの家族の一人、義兄の礼一だった。
気づけば朝の6時。遅くとも7時半までにはここを出たい。今から急いで風呂に入って身支度を整えるとしよう。
風呂は温泉で24時間いつでも入ることが出来る。ここの温泉は疲労回復の効果が強く、オレは一度も疲労を翌日に持ち越したことはない。しかし、流石に昨日の疲労はそう簡単には回復しそうにない。ゲームの休憩がてら学校に行くのは疲労と体力を回復させるにはもってこいの妙案だったのかもしれない。その代わりに精神が削られることは間違いないだろうが、かといって試験をさぼるわけにもいかなかった。
何か辛いことが現実世界であったら、昨日の死闘を思い出せばいい。あれ以上の絶望をオレは味わったことはなかった。それに比べれば現実世界の憂鬱など取るに足らないことに違いなかった。
長く湯船浸かっていると再び眠気に襲われかねないと思ったので、風呂はほどほどにしてすぐに切り上げた。
着替え室で身体をタオルで拭いていると、ドアが静かにノックされた。
「シュウト様、少しよろしいでしょうか?」
ドアの向こう側からメイド長のタマモさんの凛とした声が聞こえて来た。
「はい、ちょっと待っていてください。すぐに開けます!」
オレはバスローブを羽織ると、見せてはいけない部分が露出していないことをしっかりと確認した後、ドアを開けた。ドアを開けると、両手に何かを持って佇むタマモさんの姿があった。
「おはようございます、シュウト様。こちらにお召し替え下さい」
そう言ってタマモさんはオレに衣服を手渡してくる。それはオレの通う学校の夏用制服だった。
「今日から学校に通うとメリルより報告を受けましたので、こちらで新しいサイズの制服をご用意させていただきました」
そう言えば、オレは以前より大分頭身が伸びたせいで、以前の服は下着から全て着用不可能だったんだ。
「ありがとうございます、タマモさん。おかげで助かりました」
「いえ、お気になさらず。それでなのですが、本当に学校に行かれるのですか?」
タマモさんは真剣な眼差しでそう訊ねて来る。
「ええ、試験を受けないと単位が取れませんので」
「そうですか……では、こちらをご覧になっていただけますでしょうか?」
そう言ってタマモさんはオレにタブレットを手渡してくる。
オレが受け取ると、タブレットは何かの動画を再生する。
それを見てオレは愕然となった。
動画には義兄の礼一と学校でオレを虐めている奴らの姿が映し出されていたのだ。
『首尾よくあの豚ゴブリンを自殺に追い込めたら100万やる。いいか? 後々面倒になるから、くれぐれも殺すんじゃないぞ。あくまで自主的に自殺してもらうんだ』
『ええ、分かってますよ、長峰先輩。いや、今は澄川でしたっけ?』
『遺産を手に入れられるなら苗字なんてどうでもいいさ』
『自殺させれば遺産は先輩のものになるんですよね? それじゃ、頑張ってあの豚ゴブリンを自殺させてみせますよ。任せてください。徹底的に追い詰めてやりますんで』
その後、ぎゃははははは! という爆笑が聞こえ、動画は終わった。
動画を見終えた後、オレは愕然となった。まさか奴らと義兄が繋がっていただなんて思いもよらなかった。
オレを自殺させれば遺産は自ずと偽の家族のものになる。でも、オレがなかなか自殺しないものだから、遺産放棄の誓約書にサインさせるという強硬手段に及んだのか。その後、偽の家族がオレを自殺に見せかけて殺そうとしていたことはあの時エレウスから聞いていた。
「タマモさん、何処でこの動画を手に入れたんですか⁉」
「調査の過程で偶然入手致しました。学校に行くのであれば重々お気を付けください。かの地は敵の巣窟になっている恐れがございます」
学校では偽の家族も手出しできないと思っていたが、そもそもオレを虐めていた奴らと義兄が結託しているとは思いもしなかった。義兄もオレと同じ高校を卒業している以上、その可能性を考慮しなかったのは迂闊だった。いや、今だからこそそう思えるだけであって、当時のオレはいつ最悪の選択をしてもおかしくはない程度には追い詰められていた。
こうなると、奴らは更に強硬手段に出る可能性があった。学校に行けば命を狙われる恐れがあった。
それよりも、タマモさんは何の調査をしていたんだろうか?
「調査って何の調査をしていたんですか?」
「我が主様からの指示でシュウト様の義理のご家族について調査しておりました。申し訳ございませんがそれ以上はお答えできかねます」
タマモさんはそれだけ言って頭を下げた。これ以上答えることは出来ないという意思表示なのだろう。
しかし、今のでタマモさんはほとんど答えを教えてくれたようなものだ。きっとエレウスはオレが偽の家族に奪われたものを取り戻そうとする時に備えて裁判に必要な情報を集めてくれているに違いない。
「ありがとう、タマモさん」
「いえ、これもメイドとしての務めを果たしたまでのこと。シュウト様にお礼を賜るようなことは致しておりません」
「それでもお礼を言わせてください。それとエレウスにも」
オレはそう言ってタマモさんに微笑んだ。
タマモさんは相変わらず鉄面皮だったが、その時、口元が少し緩んだような気がした。
そうして、タマモさんは「失礼いたします」と言って部屋から退室していった。
オレは新品の制服に着替えると、ボロボロになったリュックを手に取る。この中には教科書や数千円の現金などのオレの全財産が入っていた。リュックは背負わず肩にかけた。成長したオレの身体では背負うには少し窮屈だと思ったからだ。
獣人メイド喫茶から学校に向かった。スマホでここから学校までの距離を検索すると、ちょうど10㎞ほど離れていることが分かった。
お金は可能な限り節約したい。今のオレにはバスすら贅沢に思えた。イアンカムスでゲットした魔石やアイテムを売れば相当額のGを入手出来るのだが、オレは街に入ることが出来ないので未だに換金したことは無い。エレウスからもらった500万Gは円に換算すると50万円以上にはなるが、それは昨晩、ノアを救うために全てプレイヤーに渡してしまった。もっとも、その後、すぐにそのプレイヤー達はオレの従魔によって全て血祭りに上げたのだが、プレイヤーからはレベルは奪ってもGだけは奪うまいと心に誓っていた。それではただの追剥と変わらないと思ってのことだ。それにGを奪っては無用な恨みを買いかねないとの判断もあった。
「走るか」
オレは「ステータスオープン」と誰にも聞かれない声量で呟いた。
すると、目の前にゲーム世界同様のステータス画面が表示される。
エレウスから聞いてはいたが、実際に現実世界で目の当たりにすると感無量だった。感動のあまり手が震えた。
「ソウルリンクシステムってめっちゃ便利じゃないか」
もしこのシステムが普及したら世界が一変するだろう。
エレウスの話によると、魔法関連のスキル以外は現実世界でも使えるらしい。例えば憤怒や狂戦士、縮地などは使用出来ても魔法剣などの魔法関連のスキルは使用できないようになっている。というかそれが当然だ。何しろ現実世界には魔力なんてものは存在していないのだから。
オレはスキル欄から縮地を選びタップする。
ほんの少し、身体が発光した様な幻を垣間見た後、オレは駆け出した。
目にも止まらぬ速さとはこのこと。オレは道路を駆け抜け、数台の車を追い越した。通行人を避けるよりは跳躍してビルの上を跳んだ方が手っ取り早いと思ったオレは、それを即座に実行する。オレはビルの屋上に飛び乗ると、すぐに跳躍して次のビルの屋上に飛び移った。
そんなことを繰り返し行く内に、五分とかからずに学校付近の通学路に到着した。
オレは周囲を見回し誰にも見られていないことを確認すると、何事も無かったかのように校門を通り抜けた。
一か月ぶりの学校か。そう思った瞬間、動悸が激しくなった。脳裏に奴らに受けた虐めの数々がフラッシュバックする。一瞬、恐怖のあまり眩暈を覚えたが、何とか倒れずに歩き続けた。
その時、オレは周囲から視線を感じる。いつもオレは登校する度に好奇と嫌悪の眼差しを向けられる。しかし、今日はいつもとが違う様に感じられた。
「うわ、あのイケメン誰⁉ もしかして転校生かな?」
「すっげえ筋肉。何か格闘技でもやってるんじゃねえか?」
などといつもとは真逆の内容のひそひそ話が聞こえて来る。
もしかしなくても周囲の奴らはオレが噂の豚ゴブリンであることに気づいていないみたいだ。
別の意味で周囲の視線に耐えられなくなったオレは、そそくさと逃げるように玄関口に向かった。
下駄箱に向かうと、中はゴミだらけだった。これはいつも通りだ。
オレはリュックから上履きを取り出すと、今履いていたスニーカーをリュックの中に入れる。こうでもしないと、オレは毎日靴を買い替える羽目になってしまうのだ。
オレはそのまま二階にある自分の教室に向かった。廊下を歩いている間も、女子から今まで聞いたことも無い黄色い声を浴びせられることになる。男子からは行く先々で道を譲られた。いつものオレなら端を歩いていても後ろから蹴られたりするのだが、今日は一度もそんな目にはあわず無事に教室に到着した。
オレが教室に入ると、一斉にクラスメイト達が振り向いて来る。
気まずさを感じながらも、オレは教室の隅っこにある自分の席に着く。相変わらず机には罵詈雑言の類が落書きされていたが、いちいち掃除するのも面倒なので、いつの頃からかそのまま放置していた。
オレが席についてしばらくすると、男子生徒の一人が恐る恐るオレに話しかけて来た。顔を見ても名前は出て来なかった。
「あの、クラスを間違えているんじゃないか? そこは豚ゴブリンの席だぜ?」
「間違いじゃないよ。ここはオレの席だ」
オレがそう言うと、名も知らないクラスメイトは驚きの声を洩らした。
「もしかしてお前、いや、君は豚ゴブリン……じゃなくって澄川君?」
よくオレの名前を憶えていたな、と思わず苦笑する。
でも、名前も知らない奴に話しかけられるのは苦痛でしかないので放っておいてもらいたかった。
「ああ、そうだよ? それでオレに何か用か?」
オレは失せろと言わんばかりに名も知らぬ無礼なクラスメイトを睨みつけた。
もし魔眼のスキルが使用できたなら、オレは迷わずこいつに使っていたかもしれない。まあ、軽く卒倒する程度に効果はおさえて、ではあるが。
睨まれたクラスメイトは、そのままそそくさと退散していった。
周囲からは狼狽したようなひそひそ話が聞こえて来る。
すると、教室の入り口から大声が聞こえて来る。その瞬間、オレは固まってしまった。この声は忘れようもない。オレを虐めている奴らの声だ。
名を林。赤く染めた髪。耳にはピアスがつけられ、力士を思わせるような筋肉を纏っていた。高校生にしては大分大柄な体格である。
「おい! 何で豚ゴブリンの席に見慣れない奴が座っていやがるんだ⁉」
林は怒声を張り上げると三人の子分を引き連れ、一直線にオレに向かって来た。
「てめえ、誰だ? そこは豚ゴブリンの席だ。とっととどきやがれ。目障りだ」
「いや、オレがその豚ゴブリンこと澄川だけれども?」
「はん! お前が豚ゴブリンなわけねえだろう? バカも休み休み言いやがれ」
成績が万年学年最下位のお前にだけは言われたくない言葉だった。
「休んでいる間に身体が成長したんだ。よくある話だろう?」
まあ、嘘ではないな。
「おま、本当にあの豚ゴブリンなのか?」
林は上擦った声でそう呟くと、何度もオレの全身を見回した。
「だからそう言っている」
しつこい。オレがダイエットに成功してちょっとガタイが良くなったのがそんなに気になることなのか?
オレがそう答えると、林たちは動揺の表情を見せた。
「おい、豚ゴブリン。ちょっとイケメンになったからって調子に乗ってんじゃねえぞ? お前は今まで通りオレ達の玩具であることに変わりはねえ。おら、立てよ。久しぶりの再会を祝してサンドバックパーティーを開いてやっからよ!」
サンドバックパーティーとはオレを一方的にボコボコにするだけの虐めのことだ。
その時、オレはあることに気づいた。校門を通った時はこいつらのことを思い出し動悸が激しくなり恐怖に足がすくみそうになった。でも、今は林達からは何も感じられない。
今、オレが考えていることは、こいつらのステータスはどの程度のものなのか。どうやって倒したらいいのか。まるでゲーム攻略をしている時の様な思考になっていた。
「おら! ぼさっとしていないで立ち上がれや」
林はそう言ってオレの胸倉を掴み上げる。
次の瞬間、林は悲鳴を上げていた。
「おっと、すまない。あまりに隙があり過ぎてうっかり腕を捻ってしまったよ」
オレは無防備に近寄って来た林の腕を無意識のうちに捻り上げていた。
「ぎゃあああああ⁉ 放せ、放しやがれ、豚ゴブリン野郎が!」
オレは再度「すまない」と謝罪の言葉を口にすると、とっとと林を解放した。
林は右腕を押さえながら痛みに顔を歪めていた。そんなに強く捻ったつもりはなかったのに。林ってこんなに脆い奴だったっけか?
「調子に乗りやがって! 殺す、てめえは今すぐボコって殺してやる!」
激高した林は、額に青筋を浮き立たせるとオレに殴りかかって来た。
「嘘だろう⁉ これは何の冗談だ?」
突然、周囲の時間が止まったかのような錯覚を受けた。林は確かにオレに殴りかかってきているが、その動きが異常に遅い。まるでスローモーションでも見ているかのような遅さだった。
オレが林の拳に当たらない位置に移動すると、時間は動き出した。林は勢いあまって壁に激突する。
それを見た子分達が怒声を張り上げながらオレに襲い掛かってくるが、先程と同じ状況になった。子分どもの動きも異常に遅く見え、オレは軽々と彼等の攻撃をかわした。彼等も林と同じ運命をたどり、勢い余って近くの机や椅子をなぎ倒しながら床に倒れこんだ。
周囲から女子の悲鳴が響き渡る。たちまち教室内は騒然となった。
「えっと、大丈夫かい?」
「うるせえ! そこを動くな! 今度こそ本当にぶっ殺してやる!」
林は怒声を張り上げながら立ち上がった。額から血が流れ頬を伝って床に零れ落ちていた。流血沙汰にするつもりはなかったのだが、向こうが勝手に自爆したのでオレには一切非は無い。しかし、林はそう思っていない様子で、怒りに形相が歪み、髪が逆立っていた。
逆恨みにも程がある。
すると、林はズボンの後ろポケットに手を伸ばした。
「止めろ」
オレは一瞬で林の前に移動すると、後ろに回した右腕を掴んだ。
林は狼狽した表情でオレを凝視する。
「なん……⁉ 放しやがれ」
オレは林の耳元に顔を寄せると静かに呟いた。
「それを抜いたらオレも容赦はしない」
林は恐らくナイフを取り出そうとしたんだろう。それは最後通牒だ。刃物を出せばオレも容赦はしない。腕の一本、いや、二度と固形物を口に出来ないように顎を破壊してやるつもりだ。
すると、そこに担任の若い男性教師が教室に入ってくる。それを見た林は忌々し気に唾を床に吐くと「命拾いしたな」と吐き捨てた。その表情が心なしかホッとしているように見えた。林はそのまま教室の出入り口に向かった。
「覚えておけよ」
林はよく漫画や映画で見かける悪役のお決まりの捨て台詞を吐いた後、子分どもを引き連れて教室から出て行った。
担任教師は林が出て行ったことなどお構いなしにホームルームを始めた。ホームルームは一分もかからず終わったが、最後まで担任教師がオレに振り向くことはなかった。どうやらオレは存在自体認識されていないのかもしれないな、と苦笑してしまった。
オレの豹変ぶりに驚き色々と質問されるよりはマシだったが、そもそも担任教師は以前のオレの姿すら覚えていない可能性もあった。
この日、オレは普通に授業を受けた。試験は来週の月曜日からだった。今日は木曜日だが、明日は学校に来るまでもないだろう。試験さえ受けられればそれで十分だ。また林達に絡まれでもしたら面倒なことこの上ない。
放課後になり帰宅する時間になると、オレは林達に警戒しながら校門に向かった。報復されないとも限らない。それはそれで返り討ちにすればいいだけの話だが、可能な限り穏便に済ませたいというのがオレの考えだ。いずれ林達には法の裁きを受けてもらうつもりだ。ここで余計なトラブルを起こすのだけは避けたかった。
オレが校門にさしかかると、横から人影が近寄って来た。
林達が報復に現れたのか? と身構えるも、そこに現れたのは頬を染めた女子生徒だった。
「あ、あの、すみません! 私とライン交換してもらえませんか?」
「へ⁉ な、なんでオレなんかと?」
女子生徒からの突然の申し入れにオレは思わず戸惑ってしまった。
「正直に言います。一目惚れです! 良かったら今度遊びに行きませんか⁉」
女子生徒は興奮気味に瞳を輝かせながらオレに迫ってくる。
一目惚れ? 女子と遊びに行く?
何もかもが初めての経験でオレはパニック状態に陥ってしまった。
「ご、ごめんなさい! 今日、スマホ忘れちゃったんで、また今度!」
オレはそれだけを言い残し、全力疾走でその場から逃げ出した。
しばらく走った後、オレは立ち止まり後ろを振り返る。もう校舎は遥か遠くに見えていた。
「今までは人間扱いすらされていなかったのにな」
ちょっと成長して外見が変わっただけでこれなのか。初対面の女子に人生初告白を受け、驚きはしたが正直嬉しさはなかった。逆に空しさが込み上げ、過去の自分を全否定されたような寂しさを覚えた。
「帰ろう」
深く嘆息し歩き出そうとした時だった。複数の人影がオレの前に立ちはだかった。数は二十人程。その中によく見知った顔があった。
1人は林。その後ろに子分達の姿もあった。
そして、先頭に立っていた男の姿を見てオレの鼓動は激しく脈打った。
「久しぶりだな、シュウト」
「礼一義兄さん……!」
そこに佇んでいたのは偽りの家族の一人、義兄の礼一だった。
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