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四章 表の無い硬貨
第8話 崩落の病巣
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8
医療棟と言われる別館の個室。その部屋へカイムは改めて猟犬共を連れて来ていた。チェスカルが先頭に立って部屋へ入ると、彼はエマと二人でかなり自然に談笑をし始めた。カイムやジェイドが傍に居ても、チェスカルが会話をリードして、一対一の形へ意図的に持ち込んでいた。
カイムは、チェスカルとジェイドを連れ立って、再びエマの見舞いに来た――そうした体裁で、チェスカルにエマの様子を観察させるのが、主な目的だったのだ。
だが、談笑と言ってもチェスカルだ。半分仕事ではないから、いつもの仏頂面でエマと話している。しかし、エマはチェスカルのそうした表情の固さや、少々威圧感のある口調なども一切気にしていない。にこにことエマはよく笑うし、チェスカルも穏やかに彼女へ接していると、主人には判る。
カイムはエマを大切にしている。だから、尚更に猟犬もエマを特別に想っているのが分かる。そして、この二人は長い付き合いでもあるから、チェスカルが猟犬であるからといった事情抜きに、馴染み深い様子である。
初めてカイムが、仔犬のチェスカルに出会ってから――この時に仔犬はまだ、チェスカルという名を授けられていないが――主人は直ぐに、この件の仔犬とよく会うようになった。それから時を置かずして、幼少のエマとチェスカルは出会った。チェスカルは、もう十になるくらいの年齢であったから、彼は兄のようにエマへ接していた。それが何よりカイムには可愛らしく感じられて、幼い二人をよく会わせていたものだ。
他の若い猟犬もエマへ親しんでいる。ルークやヴィーと年が近く、エマが二人と遊んでいるのを見かけることも珍しくはなかった。
カイムはエマに猟犬と触れ合うことを許していたのだ。
「見舞いに来られてよかった。倒れた日から、なかなか顔も見られなかったから。調子はどうだ? 少し顔色は悪いみたいだが」チェスカルの抑揚の乏しい声は、知らぬ者が居たら、不満を漏らしているように聞こえる。
「そうね……あまり実感が無くて」
「体調不良の……?」
「ええ、私は別にどこも辛い感じはしないし、数日前のことも色々聞かれたけど、これと言って、変わったことを思い出しはしないのよね。いつも通り仕事をしていたし……不思議ね。どうしてこんなに気に掛けられているのかしらって思うくらい」
「それは、倒れたと聞けば、皆も驚くし心配もする」
「そこが問題よね。倒れた覚えが無いんだもの。忘れてるような感じもしなくて」
ある程度、エマとチェスカルの会話が済んだのを見計らって、カイムはチェスカルの肩へ手を置く。
――君に問題はないようだから、少し解放する。
【――承知いたしました】
カイムは猟犬の鎖を緩めた。すると、思考速度が急激に加速して、大量の情報を処理し始めた。それはカイムが目を回しそうなくらい、早く緻密に行われる。カイムは鎖を緩めたまま、チェスカルの境界から離脱して、遠くから眺めるような立ち位置をとった。
予想していたよりも、膨大な情報の流れにカイムは目を閉じた。いくら主人でも常態において、猟犬の特殊能力そのものを、リアルタイムに疑似体験し切れないので、力の行使に関わる事柄では距離を置く。
それはカイムが、チェスカルと同じ能力を持っているわけではないからだ。
それが出来るというなら、主人が猟犬から力を引き出せば、無制限に使えることになってしまう。極端に言えば、天犬になったり、下法外道が使えるなどという、ノヴェクという御伽噺になり掛けの一族からですら、荒唐無稽と判断される領域の世界となる。
チェスカルから伝わって来る力の動きが変わった。膨大な潮流のようなものが、弱く小さく人の形へ収束していく。
「……少し喋り過ぎたな」チェスカルがはっきりと会話を切り上げる意志を示した。ジェイドがチェスカルを背後へ追い遣るように、ベッドの側へ寄る。
「チェスカルとばかり話していたな……おっさんにも見舞いさせてくれ」
エマが一際、明るく笑った。「自分でおじさんって言わないでよ」
「また、来るから。おじさんのお見舞いにも、付き合ってやって」カイムは笑んだ。勿論、ジェイドとエマも仲が良い。だから、二人は親子ほど齢が違っても、嫌うはずも無いのは知っている。
チェスカルが扉を引いて、カイムを先に通すと、二人は廊下を速歩きでエマの部屋から遠ざかる。
カイムは自然、俯きながら歩んでいた。
「エヴァはストレス性の健忘ではないと言っている。忘れていること自体を忘れているということは、他の障害を負っている可能性が高いということで、検査も行ったんだが……異常が無かった」
「私もそう思います。確かに異常が無いように見えます。ですが、会話の輪郭が暈けているんです。情報が暈けていると言えばいいのでしょうか……具体的に何かへ着目して、彼女は話せないようなのです。普段の行動をなぞって語ることはしているのですが、中身が無い――そして、何よりも問題なのは……イメージで申し上げますと、しこりのような何かが、精神に巣食っています」
「しこり?」
「精神疾患を患った子供が、稀に似通った症状を抱えていることがあります。けれど、幼い頃から共に居ますが、エマにはそのような症状はありませんでした」
「何もできないのか?」
「触れようとしたら、危険で近寄れなかったのです。エマが傷を負いかねません。無理をすれば……鎖を限界まで緩めれば、或いは。ですが、両者に何らかの障害が残る可能性もあります」
「……そんな」
「申し上げ難いのですが――ヘルレアにお願いをしてみるのはいかがでしょう。あの方なら、人間の機微を理解できます。何も無いところから、心の動きすら捉えられるようですから。原因となったのは、ヨルムンガンド自身であるヘルレアですが、私もエマを放っておくのは忍びないのです……まるで、妹のようで」
凝り固まったようなチェスカルから溢れた言葉は、あまりにも優しい色をしていた――表情はいつもと同じなのに。
チェスカルにもヘルレアが館を去ったと言うべきだったのに、後回しになってしまっていた。
「ヘルレアはもう居ない」
「どういうことです?」チェスカルが僅かに眉根を動かす。
「そのままだ……僕に価値が無かった」
「何故あれほど、力を尽くして探したのに」
「僕達がどんなに努力しようが関係無い。ヨルムンガンドに相応しい力がないというのに、縋り続ければ、それは只の害悪になる」
チェスカルは、多くを問わず口を噤んだ。理屈の判らない彼では無い。何よりカイムが、一番後悔を抱えているのだと分かっている。
チェスカルの身体は、固く強張っていた。もう長い間――エマの部屋へ入った瞬間から。カイムはチェスカルの異変に気付いていたが、何も言わなかった。
「エマは僕達が必ず助けよう。ヘルレアにはもう頼れない。あの方は誰のものでもないから」
カイムの胸中に淡墨のようなものが、点々と影を作る。若く傲慢だった自分の行い。このような形で、チェスカルを脅かし続ける結果になるとは思わなかった。
本物の鎖がそこにある。
医療棟と言われる別館の個室。その部屋へカイムは改めて猟犬共を連れて来ていた。チェスカルが先頭に立って部屋へ入ると、彼はエマと二人でかなり自然に談笑をし始めた。カイムやジェイドが傍に居ても、チェスカルが会話をリードして、一対一の形へ意図的に持ち込んでいた。
カイムは、チェスカルとジェイドを連れ立って、再びエマの見舞いに来た――そうした体裁で、チェスカルにエマの様子を観察させるのが、主な目的だったのだ。
だが、談笑と言ってもチェスカルだ。半分仕事ではないから、いつもの仏頂面でエマと話している。しかし、エマはチェスカルのそうした表情の固さや、少々威圧感のある口調なども一切気にしていない。にこにことエマはよく笑うし、チェスカルも穏やかに彼女へ接していると、主人には判る。
カイムはエマを大切にしている。だから、尚更に猟犬もエマを特別に想っているのが分かる。そして、この二人は長い付き合いでもあるから、チェスカルが猟犬であるからといった事情抜きに、馴染み深い様子である。
初めてカイムが、仔犬のチェスカルに出会ってから――この時に仔犬はまだ、チェスカルという名を授けられていないが――主人は直ぐに、この件の仔犬とよく会うようになった。それから時を置かずして、幼少のエマとチェスカルは出会った。チェスカルは、もう十になるくらいの年齢であったから、彼は兄のようにエマへ接していた。それが何よりカイムには可愛らしく感じられて、幼い二人をよく会わせていたものだ。
他の若い猟犬もエマへ親しんでいる。ルークやヴィーと年が近く、エマが二人と遊んでいるのを見かけることも珍しくはなかった。
カイムはエマに猟犬と触れ合うことを許していたのだ。
「見舞いに来られてよかった。倒れた日から、なかなか顔も見られなかったから。調子はどうだ? 少し顔色は悪いみたいだが」チェスカルの抑揚の乏しい声は、知らぬ者が居たら、不満を漏らしているように聞こえる。
「そうね……あまり実感が無くて」
「体調不良の……?」
「ええ、私は別にどこも辛い感じはしないし、数日前のことも色々聞かれたけど、これと言って、変わったことを思い出しはしないのよね。いつも通り仕事をしていたし……不思議ね。どうしてこんなに気に掛けられているのかしらって思うくらい」
「それは、倒れたと聞けば、皆も驚くし心配もする」
「そこが問題よね。倒れた覚えが無いんだもの。忘れてるような感じもしなくて」
ある程度、エマとチェスカルの会話が済んだのを見計らって、カイムはチェスカルの肩へ手を置く。
――君に問題はないようだから、少し解放する。
【――承知いたしました】
カイムは猟犬の鎖を緩めた。すると、思考速度が急激に加速して、大量の情報を処理し始めた。それはカイムが目を回しそうなくらい、早く緻密に行われる。カイムは鎖を緩めたまま、チェスカルの境界から離脱して、遠くから眺めるような立ち位置をとった。
予想していたよりも、膨大な情報の流れにカイムは目を閉じた。いくら主人でも常態において、猟犬の特殊能力そのものを、リアルタイムに疑似体験し切れないので、力の行使に関わる事柄では距離を置く。
それはカイムが、チェスカルと同じ能力を持っているわけではないからだ。
それが出来るというなら、主人が猟犬から力を引き出せば、無制限に使えることになってしまう。極端に言えば、天犬になったり、下法外道が使えるなどという、ノヴェクという御伽噺になり掛けの一族からですら、荒唐無稽と判断される領域の世界となる。
チェスカルから伝わって来る力の動きが変わった。膨大な潮流のようなものが、弱く小さく人の形へ収束していく。
「……少し喋り過ぎたな」チェスカルがはっきりと会話を切り上げる意志を示した。ジェイドがチェスカルを背後へ追い遣るように、ベッドの側へ寄る。
「チェスカルとばかり話していたな……おっさんにも見舞いさせてくれ」
エマが一際、明るく笑った。「自分でおじさんって言わないでよ」
「また、来るから。おじさんのお見舞いにも、付き合ってやって」カイムは笑んだ。勿論、ジェイドとエマも仲が良い。だから、二人は親子ほど齢が違っても、嫌うはずも無いのは知っている。
チェスカルが扉を引いて、カイムを先に通すと、二人は廊下を速歩きでエマの部屋から遠ざかる。
カイムは自然、俯きながら歩んでいた。
「エヴァはストレス性の健忘ではないと言っている。忘れていること自体を忘れているということは、他の障害を負っている可能性が高いということで、検査も行ったんだが……異常が無かった」
「私もそう思います。確かに異常が無いように見えます。ですが、会話の輪郭が暈けているんです。情報が暈けていると言えばいいのでしょうか……具体的に何かへ着目して、彼女は話せないようなのです。普段の行動をなぞって語ることはしているのですが、中身が無い――そして、何よりも問題なのは……イメージで申し上げますと、しこりのような何かが、精神に巣食っています」
「しこり?」
「精神疾患を患った子供が、稀に似通った症状を抱えていることがあります。けれど、幼い頃から共に居ますが、エマにはそのような症状はありませんでした」
「何もできないのか?」
「触れようとしたら、危険で近寄れなかったのです。エマが傷を負いかねません。無理をすれば……鎖を限界まで緩めれば、或いは。ですが、両者に何らかの障害が残る可能性もあります」
「……そんな」
「申し上げ難いのですが――ヘルレアにお願いをしてみるのはいかがでしょう。あの方なら、人間の機微を理解できます。何も無いところから、心の動きすら捉えられるようですから。原因となったのは、ヨルムンガンド自身であるヘルレアですが、私もエマを放っておくのは忍びないのです……まるで、妹のようで」
凝り固まったようなチェスカルから溢れた言葉は、あまりにも優しい色をしていた――表情はいつもと同じなのに。
チェスカルにもヘルレアが館を去ったと言うべきだったのに、後回しになってしまっていた。
「ヘルレアはもう居ない」
「どういうことです?」チェスカルが僅かに眉根を動かす。
「そのままだ……僕に価値が無かった」
「何故あれほど、力を尽くして探したのに」
「僕達がどんなに努力しようが関係無い。ヨルムンガンドに相応しい力がないというのに、縋り続ければ、それは只の害悪になる」
チェスカルは、多くを問わず口を噤んだ。理屈の判らない彼では無い。何よりカイムが、一番後悔を抱えているのだと分かっている。
チェスカルの身体は、固く強張っていた。もう長い間――エマの部屋へ入った瞬間から。カイムはチェスカルの異変に気付いていたが、何も言わなかった。
「エマは僕達が必ず助けよう。ヘルレアにはもう頼れない。あの方は誰のものでもないから」
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