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第二章
籠鳥残火《十二》
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「何であいつらは、ああまでして闘ってるんだ」
「虚しい闘いにしか見えない」
「此れに、意味はあるのか」
巨大な聖獣が互いに血を流しながら闘う様に、悟空や八戒や悟浄も呟かずにはいられない。その色合いは違えど、姿型や声さえ瓜二つにしか思えない聖獣が互いに傷つけ合いながら鳴き声を上げる、それは何かの悲鳴にも聞こえた。
いや、あれは闘いなのか。ただただ攻撃を交わそうとする霊獣朱雀と、一方的に攻め続ける邪黒朱雀。一進一退の闘いは、ほんの僅か暗黒の扉へと近づいただろうか。
「お前達は、いったい何に足を突っ込んでいる」
聖獣達の闘いを見上げていた皇と沙麼蘿に、玄奘が声をかける。何か言いたげな皇の視線はもちろんのこと、先程、“また私から兄弟を奪い取る気だったのか!” と言った霊獣朱雀の言葉を、玄奘は聞き逃さなかった。
「下界の人間には関わりのないことだ、愚かな天人達が考えだしたことなど」
皇はそう言いながら、己の手を血が滲むほど握り締めた。アレは、自分から義妹を奪い取ったのだ、あの日の仕返しに。沢山の天人達の命を蔑ろにし、見てみぬふりをしてきた。
この腕の中で沙麼蘿が息絶えたあの日の出来事を、皇は今も昨日のことのように覚えている。だが、だからと言って、こんな状況を望んだ訳ではない。双子の兄弟が躰を血で染め上げ傷つけ合い、闘いを繰り返すことなど。
皇も霊獣朱雀も、互いに弟妹を奪い取り、そして奪い取られた。例え同じ立場のもの同士だったとしても、義妹を奪い取ったアレとわかり合える日など来るはずもない。
それでも、遥か昔自分達がしたことの結果が、目の前で繰り広げられる兄弟の闘いだ。“やめろ、お前達は双子なのだ!!” そう叫んでも、邪黒朱雀には皇の声は届きはしない。それどころか霊獣朱雀は、“お前達がこうしたのだ、私達を闘わせて満足か!!” と蔑んだ双眸を向けてくるに違いない。
だがそれでも言えるのは、あの日の幼い朱雀に、親であった霊獣朱雀に、片割れをを奪い取られた朱雀に、罪などなかった。何一つ…。
天人達が自らのためだけに、あの幼い朱雀を邪黒朱雀に変えた。そしてそこに聖宮がいて、皇がいて、沙麼蘿がいて、今があるのだ。何か一つでも違っていれば、こんな闘いにはならなかったのかも知れない。
邪黒朱雀が勢いよく翼を霊獣朱雀にぶつけ、傷だらけの霊獣朱雀が態勢を崩し洞窟の壁に叩きつけられる。誰もが霊獣朱雀の危機を意識した時、沙麼蘿は音もなく近づいて来るものに気づきその面を向けた。
『やめるのだ』
下界の人間には、決して聞こえるはずのないその声。その声に、皇率いる蒼宮軍の者達は驚きに双眸を見開くと、次々と頭を垂れて行く。例え天上界に住む者であっても、その姿を見ることなどよほどのことが起こらなければない。
玄奘達は、側にいた琅牙が一点を見つめて頭を下げたことで、初めてその存在に気がついた。
「まさ…か…」
玄奘ですら驚きに双眸を見開くその姿は、身体は鹿で牛のしっぽと馬のひづめを持ち、龍のような顔に一本の角、全体の毛は黄色くウロコで覆われ、背中の毛は五色に彩られている。
「あれって、麒麟なんじゃ…」
悟空の中で、昔の記憶が甦る。まだ須菩提が元気で一緒に暮らしていた頃、須菩提が持つ書物の中にあった。美しい色で描かれた聖獣の王の姿が。“我等がお目にかかることなどあるまいが、麒麟は仁の心を持つ聖人の誕生を知らせるとも、王が仁の政治を行い太平の世が訪れた時に現れるとも言われておる。どちらにしても、戦いに明け暮れる今の御時世では関係のないことじゃよ”、須菩提はそう言っていたはず。
「麒麟、だって」
「何故こんな闘いの場に」
悟浄や八戒とて、その姿を見たことはなくとも麒麟の伝説は知っている。聖獣同士が闘いを繰り広げるこんな場所に、麒麟が現れるはずなどない。麒麟は太平の世の証であり、幸福や安定、人々が心から望む穏やかな日々の象徴なのだから。
「須格泉、琉格泉」
誰もが頭を垂れる中、天帝一族である皇と、仏人である沙麼蘿だけは麒麟を見上げていた。そして皇は、空中に留まっている麒麟の下で伏せる須格泉と琉格泉を見つけ呟く。
「そうか、お前達が」
大神は、もっとも聖獣に近い生き物だ。中でも大勢至菩薩の大神は、聖獣と等しい能力を持っている。ましてや、須格泉と琉格泉の母親である女帝は、大神の頂点に君臨する存在だ。その女帝の子供ならば、麒麟へ目通りすることも出来るだろう。
須格泉と琉格泉は、あの日の出来事を知っていた。まだ幼く小さかったが、あの日の出来事は蒼宮に住む人々の心に深い傷を作った。あの日以来、聖宮の身体はどんどん弱って行ったのだから。
自分達と同じ様に双子として産まれた朱雀が傷つけ合う。見た目の色合いが変わっても、共に産まれた記憶がなくとも、双子であることに変わりわない。
そして、この闘いに傷つくのは朱雀達だけではないのだ。あの日のように、皇の心にもまた傷がつく。幼かった朱雀を暗黒に落としただけでなく、兄弟で血で血を洗う闘いをさせたと。
ならば、自分達が出来ることは決まっている。大勢至菩薩の大神として、女帝の息子として麒麟に目通りを願い、朱雀が息絶えぬうちに、皇の心が傷つかぬ様に、麒麟に下界への降臨を願う。今自分達に出来ることは、それしかない。
『あるべき場所へ戻れ。これは、私の命令だ!』
麒麟の声が、音を無くしていた洞窟内に響き渡った。
********
虚しい→空虚である。内容がない。無益である。むだである
蔑ろ→あってもないもののように軽んじること。また、そのさま
蔑む→他人を自分より能力·人格の劣るもの、価値の低いものとみなす。見下げる。見くだす
頭を垂れる→頭を前に下げる様子。へりくだったり、相手に敬意を表したりして、謙虚な振る舞いをするさまを意味する表現
仁→中国の思想における徳の一つ。仁愛。主に『他人に対する親愛の情、優しさ』を意味しており、儒教における最重要な『五常の徳』のひとつ
御時世→『時世』に丁寧の『御』をつけた表現。ある時代における世の中、を意味する表現
太平→世の中が平和に治まり穏やかなこと。また、そのさま
君臨→主君として国家を支配すること。絶対的勢力を持ったものが他を圧倒すること
目通り→身分の高い人にお目にかかること
血で血を洗う→暴力に暴力で報復することのたとえ。転じて、血族同士で争うことのたとえ
降臨→天上に住むとされる神仏が地上に来臨すること
次回投稿は5月10日か11日が目標です。
「虚しい闘いにしか見えない」
「此れに、意味はあるのか」
巨大な聖獣が互いに血を流しながら闘う様に、悟空や八戒や悟浄も呟かずにはいられない。その色合いは違えど、姿型や声さえ瓜二つにしか思えない聖獣が互いに傷つけ合いながら鳴き声を上げる、それは何かの悲鳴にも聞こえた。
いや、あれは闘いなのか。ただただ攻撃を交わそうとする霊獣朱雀と、一方的に攻め続ける邪黒朱雀。一進一退の闘いは、ほんの僅か暗黒の扉へと近づいただろうか。
「お前達は、いったい何に足を突っ込んでいる」
聖獣達の闘いを見上げていた皇と沙麼蘿に、玄奘が声をかける。何か言いたげな皇の視線はもちろんのこと、先程、“また私から兄弟を奪い取る気だったのか!” と言った霊獣朱雀の言葉を、玄奘は聞き逃さなかった。
「下界の人間には関わりのないことだ、愚かな天人達が考えだしたことなど」
皇はそう言いながら、己の手を血が滲むほど握り締めた。アレは、自分から義妹を奪い取ったのだ、あの日の仕返しに。沢山の天人達の命を蔑ろにし、見てみぬふりをしてきた。
この腕の中で沙麼蘿が息絶えたあの日の出来事を、皇は今も昨日のことのように覚えている。だが、だからと言って、こんな状況を望んだ訳ではない。双子の兄弟が躰を血で染め上げ傷つけ合い、闘いを繰り返すことなど。
皇も霊獣朱雀も、互いに弟妹を奪い取り、そして奪い取られた。例え同じ立場のもの同士だったとしても、義妹を奪い取ったアレとわかり合える日など来るはずもない。
それでも、遥か昔自分達がしたことの結果が、目の前で繰り広げられる兄弟の闘いだ。“やめろ、お前達は双子なのだ!!” そう叫んでも、邪黒朱雀には皇の声は届きはしない。それどころか霊獣朱雀は、“お前達がこうしたのだ、私達を闘わせて満足か!!” と蔑んだ双眸を向けてくるに違いない。
だがそれでも言えるのは、あの日の幼い朱雀に、親であった霊獣朱雀に、片割れをを奪い取られた朱雀に、罪などなかった。何一つ…。
天人達が自らのためだけに、あの幼い朱雀を邪黒朱雀に変えた。そしてそこに聖宮がいて、皇がいて、沙麼蘿がいて、今があるのだ。何か一つでも違っていれば、こんな闘いにはならなかったのかも知れない。
邪黒朱雀が勢いよく翼を霊獣朱雀にぶつけ、傷だらけの霊獣朱雀が態勢を崩し洞窟の壁に叩きつけられる。誰もが霊獣朱雀の危機を意識した時、沙麼蘿は音もなく近づいて来るものに気づきその面を向けた。
『やめるのだ』
下界の人間には、決して聞こえるはずのないその声。その声に、皇率いる蒼宮軍の者達は驚きに双眸を見開くと、次々と頭を垂れて行く。例え天上界に住む者であっても、その姿を見ることなどよほどのことが起こらなければない。
玄奘達は、側にいた琅牙が一点を見つめて頭を下げたことで、初めてその存在に気がついた。
「まさ…か…」
玄奘ですら驚きに双眸を見開くその姿は、身体は鹿で牛のしっぽと馬のひづめを持ち、龍のような顔に一本の角、全体の毛は黄色くウロコで覆われ、背中の毛は五色に彩られている。
「あれって、麒麟なんじゃ…」
悟空の中で、昔の記憶が甦る。まだ須菩提が元気で一緒に暮らしていた頃、須菩提が持つ書物の中にあった。美しい色で描かれた聖獣の王の姿が。“我等がお目にかかることなどあるまいが、麒麟は仁の心を持つ聖人の誕生を知らせるとも、王が仁の政治を行い太平の世が訪れた時に現れるとも言われておる。どちらにしても、戦いに明け暮れる今の御時世では関係のないことじゃよ”、須菩提はそう言っていたはず。
「麒麟、だって」
「何故こんな闘いの場に」
悟浄や八戒とて、その姿を見たことはなくとも麒麟の伝説は知っている。聖獣同士が闘いを繰り広げるこんな場所に、麒麟が現れるはずなどない。麒麟は太平の世の証であり、幸福や安定、人々が心から望む穏やかな日々の象徴なのだから。
「須格泉、琉格泉」
誰もが頭を垂れる中、天帝一族である皇と、仏人である沙麼蘿だけは麒麟を見上げていた。そして皇は、空中に留まっている麒麟の下で伏せる須格泉と琉格泉を見つけ呟く。
「そうか、お前達が」
大神は、もっとも聖獣に近い生き物だ。中でも大勢至菩薩の大神は、聖獣と等しい能力を持っている。ましてや、須格泉と琉格泉の母親である女帝は、大神の頂点に君臨する存在だ。その女帝の子供ならば、麒麟へ目通りすることも出来るだろう。
須格泉と琉格泉は、あの日の出来事を知っていた。まだ幼く小さかったが、あの日の出来事は蒼宮に住む人々の心に深い傷を作った。あの日以来、聖宮の身体はどんどん弱って行ったのだから。
自分達と同じ様に双子として産まれた朱雀が傷つけ合う。見た目の色合いが変わっても、共に産まれた記憶がなくとも、双子であることに変わりわない。
そして、この闘いに傷つくのは朱雀達だけではないのだ。あの日のように、皇の心にもまた傷がつく。幼かった朱雀を暗黒に落としただけでなく、兄弟で血で血を洗う闘いをさせたと。
ならば、自分達が出来ることは決まっている。大勢至菩薩の大神として、女帝の息子として麒麟に目通りを願い、朱雀が息絶えぬうちに、皇の心が傷つかぬ様に、麒麟に下界への降臨を願う。今自分達に出来ることは、それしかない。
『あるべき場所へ戻れ。これは、私の命令だ!』
麒麟の声が、音を無くしていた洞窟内に響き渡った。
********
虚しい→空虚である。内容がない。無益である。むだである
蔑ろ→あってもないもののように軽んじること。また、そのさま
蔑む→他人を自分より能力·人格の劣るもの、価値の低いものとみなす。見下げる。見くだす
頭を垂れる→頭を前に下げる様子。へりくだったり、相手に敬意を表したりして、謙虚な振る舞いをするさまを意味する表現
仁→中国の思想における徳の一つ。仁愛。主に『他人に対する親愛の情、優しさ』を意味しており、儒教における最重要な『五常の徳』のひとつ
御時世→『時世』に丁寧の『御』をつけた表現。ある時代における世の中、を意味する表現
太平→世の中が平和に治まり穏やかなこと。また、そのさま
君臨→主君として国家を支配すること。絶対的勢力を持ったものが他を圧倒すること
目通り→身分の高い人にお目にかかること
血で血を洗う→暴力に暴力で報復することのたとえ。転じて、血族同士で争うことのたとえ
降臨→天上に住むとされる神仏が地上に来臨すること
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