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第二章
片時雨の村《一》
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片時雨(かたしぐれ)→空の一方では時雨が降りながら、一方では晴れていること
********
玄奘達がその村に辿り着いたのは、暮れ方の雨の中だった。数日前までは、この村がある山の一つ向こう側の山の麓にある大きな街の宿屋にいた玄奘達だったが、その街でとある噂話を耳にしたのだ。
『知り合いの行商人が、西にある桜の名所の外れで不思議な桜の木を見たらしいんだ』
『へぇ、一体どんな桜の木を見たんだい』
『それがだ、聞いて驚くな。花は真っ白なのに、その花弁の縁だけが真っ黒に染め上げたられたように黒い、そんな花が咲く桜の木らしいんだ』
『花弁は白いのに、縁だけが黒いだって。そんな桜の木、あるわけないだろう』
『だから不思議な桜の木なんだよ』
まことしやかに囁かれるこれらの話は、大概は眉唾物であることが多い。だがそれでも玄奘達がこの話を無視できなかったのは、この話に出てくる桜の木が天上の桜の在り処を示す桜の一つである黒仙桜の特徴によく似ていたからだ。
天上の桜は遥か昔に下界の寺院に下げ渡されたが、余りに長い年月が経ちすぎていて今やその寺院の場所は定かではないし、その寺院が今に至っても存在しているのかすらわからない。だがその寺院を探す上で手がかりになるのが、桜並木が有名な地に建立された十一面観音を御本尊とする寺院であったと言うことと、その寺院には天上の桜とは別に仏界より賜った仏界の一部にしか咲かないと言う四つの珍しい桜の木が植えられていたと言うことだった。
寺院の奥深く、人目につきにくい場所に植えられたと言う四つの桜の木。中央にあると言われる天上の桜を取り囲むように、東の方角には水色の花が咲く龍水桜、西の方角には白色と黄色の花が咲く白黄桜、南の方角には桃色に中央が朱色の花が咲く朱王桜、北の方角には白に黒い縁取りの花が咲く黒仙桜。
元々、天上の桜の鍵を持つ三蔵と名のつく僧侶には横の繋がりがない。そして鍵を持つ三蔵であっても天上の桜がある場所を知らない。それは天上の桜を守るための手段であり、鍵を持つ三蔵であるならば否でも応でも天上の桜に引き寄せられるからだと言われている。
そんな中、今や場所すらわからないその寺院を探す目印ともなる珍しい桜の木。その一つである黒仙桜に似た桜の木があると言うのならば、眉唾物の話に乗ってでも確かめに行かなければならないだろう。だから玄奘一行は、その話から場所にあたりをつけ桜の名所を目指し山を越えた。
「ひどい雨だな」
「山の麓にいた時には晴れていましたが、山の天気が変わりやすいと言うのは本当ですね」
悟浄と八戒はそんな話をしながら、手ぬぐいで濡れてしまった手足を拭く。その回りでは玄奘や悟空、子供達も手ぬぐいで濡れた身体を拭いている。
「さぁ、しっかりと拭いてから湯をもらいましょうね」
「はい」
「わかったー」
「ふろー」
金角と銀角だけでも子供連れでどうなることかと思っていたところに月亮が加わり、一瞬玄奘が“ここは寺子屋か”と呟いた状態に陥ったのも無理はなく、子供連れの旅は厳しいだろうと心配した哪吒が一人の女仙を玄奘一行につけてくれた。
これから先熾烈を極める戦いしかないであろうことを考えて哪吒が選んだのは、自分の直属の部下の中でも兄弟姉妹が多く子育てもできて戦える女仙だ。女仙はその名を李子と言い、子供達の面倒見もよく沙麼蘿を恐怖の対象としておそれることもないところがいいと皆から思われている。
「湯は隣の部屋へお願いします」
宿屋の下男が持って来た大きめの湯桶を隣の部屋に置かせ、李子は子供達を湯に入れるため視線だけを玄奘達に送り隣の部屋へと消えて行く。子供の声が部屋から消えたところで
「で、実際はどう思ってるんだ。三蔵法師の感としては、噂の桜は本当に黒仙桜とやらなのか」
「普通に考えれば違うな」
悟浄の問に玄奘が答える。本来、仏界から賜った龍水桜、白黄桜、朱王桜、黒仙桜は寺院にしかないはずだが、参拝の途中でその珍しい桜を目にした人間達の中には金儲けの手段、信仰の対象としてその桜を欲しがる者もいた。その結果として、特殊な技術で桜に色を付け染める者まで出てきたらしい。
今となってはそれも噂話の範疇のことだが、人伝に伝わって行ったその珍しい桜の話は今この時代に至ってもそれらに似せて染めた、あるいは上から色を乗せて描き噂話に聞く桜に似せた木を作り上げようとする者達の手によって、よく似た紛い物の桜の木は存在する。桜の木からすれば色を塗られ、本来の色とは違う色に染め上げれるのだから迷惑なことこの上ないだろう。
「それって、見ただけでわかるのか」
「たぶんな」
悟空は見たこともない桜を思い描き玄奘に聞いてみたが、玄奘自身ですらそんな桜は見たことがないのだから見てみないことにはわからないと言う方が正し答えだろう。だが
「ぴゅー、ぴゅ!」
“大丈夫、ぼくならわかるよ!” と言う玉龍の鳴き声が響き渡る。元は龍である玉龍は、天上界でその桜を全て見たことがある。勿論、それが本来の黒仙桜かどうかは沙麼蘿が一目見ればわかることだ。
「どちらにしても、行ってみないことには始まらないと言うことですか」
「そうだ」
外の雨は激しさを増し八戒や玄奘の声さえもかき消して、宿屋の屋根や壁を叩きつけるように降り注ぐ。
『沙麼蘿、気がついたか』
「あぁ」
琉格泉の問に、沙麼蘿は視線だけを窓の外に向け答えた。玄奘達は何故気がつかないのか、おそらく今のこの状態に気付いているのは沙麼蘿と琉格泉と玉龍と李子だけだろう。
確かに外では雨が降っている。だが沙麼蘿と玄奘達では、その先に見える光景がまるで違うのだ。玄奘一行に見えるのは何処までも真っ黒な曇り空から雨が降り続く光景だが、沙麼蘿に見えるのはこの村の先半分は太陽の光が降り注ぐ真っ青な晴天だった。
********
暮れ方→日の暮れるころ。夕暮れ時
眉唾物→だまされる心配のあるもの。信用できないもの
否でも応でも→承知でも不承知でも。どうしても。何がなんでも
熾烈→勢いが盛んで激しいこと。また、そのさま
範疇→同じような性質のものが含まれる範囲。カテゴリー
紛い物→本物と見分けがつかないほど、よく似せてつくってある物。にせもの
次回投稿は8月2日か3日が目標です。
(猛暑対策でゆっくり投稿になっています)
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玄奘達がその村に辿り着いたのは、暮れ方の雨の中だった。数日前までは、この村がある山の一つ向こう側の山の麓にある大きな街の宿屋にいた玄奘達だったが、その街でとある噂話を耳にしたのだ。
『知り合いの行商人が、西にある桜の名所の外れで不思議な桜の木を見たらしいんだ』
『へぇ、一体どんな桜の木を見たんだい』
『それがだ、聞いて驚くな。花は真っ白なのに、その花弁の縁だけが真っ黒に染め上げたられたように黒い、そんな花が咲く桜の木らしいんだ』
『花弁は白いのに、縁だけが黒いだって。そんな桜の木、あるわけないだろう』
『だから不思議な桜の木なんだよ』
まことしやかに囁かれるこれらの話は、大概は眉唾物であることが多い。だがそれでも玄奘達がこの話を無視できなかったのは、この話に出てくる桜の木が天上の桜の在り処を示す桜の一つである黒仙桜の特徴によく似ていたからだ。
天上の桜は遥か昔に下界の寺院に下げ渡されたが、余りに長い年月が経ちすぎていて今やその寺院の場所は定かではないし、その寺院が今に至っても存在しているのかすらわからない。だがその寺院を探す上で手がかりになるのが、桜並木が有名な地に建立された十一面観音を御本尊とする寺院であったと言うことと、その寺院には天上の桜とは別に仏界より賜った仏界の一部にしか咲かないと言う四つの珍しい桜の木が植えられていたと言うことだった。
寺院の奥深く、人目につきにくい場所に植えられたと言う四つの桜の木。中央にあると言われる天上の桜を取り囲むように、東の方角には水色の花が咲く龍水桜、西の方角には白色と黄色の花が咲く白黄桜、南の方角には桃色に中央が朱色の花が咲く朱王桜、北の方角には白に黒い縁取りの花が咲く黒仙桜。
元々、天上の桜の鍵を持つ三蔵と名のつく僧侶には横の繋がりがない。そして鍵を持つ三蔵であっても天上の桜がある場所を知らない。それは天上の桜を守るための手段であり、鍵を持つ三蔵であるならば否でも応でも天上の桜に引き寄せられるからだと言われている。
そんな中、今や場所すらわからないその寺院を探す目印ともなる珍しい桜の木。その一つである黒仙桜に似た桜の木があると言うのならば、眉唾物の話に乗ってでも確かめに行かなければならないだろう。だから玄奘一行は、その話から場所にあたりをつけ桜の名所を目指し山を越えた。
「ひどい雨だな」
「山の麓にいた時には晴れていましたが、山の天気が変わりやすいと言うのは本当ですね」
悟浄と八戒はそんな話をしながら、手ぬぐいで濡れてしまった手足を拭く。その回りでは玄奘や悟空、子供達も手ぬぐいで濡れた身体を拭いている。
「さぁ、しっかりと拭いてから湯をもらいましょうね」
「はい」
「わかったー」
「ふろー」
金角と銀角だけでも子供連れでどうなることかと思っていたところに月亮が加わり、一瞬玄奘が“ここは寺子屋か”と呟いた状態に陥ったのも無理はなく、子供連れの旅は厳しいだろうと心配した哪吒が一人の女仙を玄奘一行につけてくれた。
これから先熾烈を極める戦いしかないであろうことを考えて哪吒が選んだのは、自分の直属の部下の中でも兄弟姉妹が多く子育てもできて戦える女仙だ。女仙はその名を李子と言い、子供達の面倒見もよく沙麼蘿を恐怖の対象としておそれることもないところがいいと皆から思われている。
「湯は隣の部屋へお願いします」
宿屋の下男が持って来た大きめの湯桶を隣の部屋に置かせ、李子は子供達を湯に入れるため視線だけを玄奘達に送り隣の部屋へと消えて行く。子供の声が部屋から消えたところで
「で、実際はどう思ってるんだ。三蔵法師の感としては、噂の桜は本当に黒仙桜とやらなのか」
「普通に考えれば違うな」
悟浄の問に玄奘が答える。本来、仏界から賜った龍水桜、白黄桜、朱王桜、黒仙桜は寺院にしかないはずだが、参拝の途中でその珍しい桜を目にした人間達の中には金儲けの手段、信仰の対象としてその桜を欲しがる者もいた。その結果として、特殊な技術で桜に色を付け染める者まで出てきたらしい。
今となってはそれも噂話の範疇のことだが、人伝に伝わって行ったその珍しい桜の話は今この時代に至ってもそれらに似せて染めた、あるいは上から色を乗せて描き噂話に聞く桜に似せた木を作り上げようとする者達の手によって、よく似た紛い物の桜の木は存在する。桜の木からすれば色を塗られ、本来の色とは違う色に染め上げれるのだから迷惑なことこの上ないだろう。
「それって、見ただけでわかるのか」
「たぶんな」
悟空は見たこともない桜を思い描き玄奘に聞いてみたが、玄奘自身ですらそんな桜は見たことがないのだから見てみないことにはわからないと言う方が正し答えだろう。だが
「ぴゅー、ぴゅ!」
“大丈夫、ぼくならわかるよ!” と言う玉龍の鳴き声が響き渡る。元は龍である玉龍は、天上界でその桜を全て見たことがある。勿論、それが本来の黒仙桜かどうかは沙麼蘿が一目見ればわかることだ。
「どちらにしても、行ってみないことには始まらないと言うことですか」
「そうだ」
外の雨は激しさを増し八戒や玄奘の声さえもかき消して、宿屋の屋根や壁を叩きつけるように降り注ぐ。
『沙麼蘿、気がついたか』
「あぁ」
琉格泉の問に、沙麼蘿は視線だけを窓の外に向け答えた。玄奘達は何故気がつかないのか、おそらく今のこの状態に気付いているのは沙麼蘿と琉格泉と玉龍と李子だけだろう。
確かに外では雨が降っている。だが沙麼蘿と玄奘達では、その先に見える光景がまるで違うのだ。玄奘一行に見えるのは何処までも真っ黒な曇り空から雨が降り続く光景だが、沙麼蘿に見えるのはこの村の先半分は太陽の光が降り注ぐ真っ青な晴天だった。
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暮れ方→日の暮れるころ。夕暮れ時
眉唾物→だまされる心配のあるもの。信用できないもの
否でも応でも→承知でも不承知でも。どうしても。何がなんでも
熾烈→勢いが盛んで激しいこと。また、そのさま
範疇→同じような性質のものが含まれる範囲。カテゴリー
紛い物→本物と見分けがつかないほど、よく似せてつくってある物。にせもの
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