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第11 堅実な生き方って? 4
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マエリス様が同席されてからは早かった。
あっという間に必要な物を買いそろえて、早い物だと1時間後には届けてくれる手はずとなったのだ。辺境伯家となるとすごいと思って私は呆気に取られてしまった。
そんな状況なのだから、今は純粋なショッピングといった感じだった。という事は必需品ではない、贅沢品にしかあたらないような数々が私の目の前には思いっきり広げられていた。
「レナ、これなんかはどうかしら?」
しかも価格を気にしないのがカナトス家の特徴なのかは分からないけど、勧められる品がどれも私には不相応な品だった。
「マエリス様、申し訳ございません。せっかくのご厚意なのですが、お仕えする身で伺いました私にはあまりに高価すぎます」
差し出されていた香水を受け取る事もできないまま、私は首をそっと振った。
「それに今回は我が家の重なる不手際で、このような準備までして頂いている身です。もうこれだけで十分すぎる状況です」
そもそも私はリオネル様のお世話をするためにここへ滞在しているはずなのに、むやみに着飾ってしまってお世話の妨げになっては全く意味がないのだ。
「大変申し訳ございませんが、最低限の物だけ甘えさせて頂けたらと思います」
「あら、そう……」
何かを考え込むように黙り込んでしまったマエリス様に私は少し不安になってくる。
せっかくの厚意を無下にされて喜ぶ人はいない。私の頑なな態度はもしかしたらマエリス様を不快にさせてしまったかもしれなかった。
「じゃあ、この香水とあの青いリボンだけにしておきましょう。これは私からレナへの贈り物ですから、断らずに受け取ってちょうだい」
でもそんな私の心配とはうらはらに、ますます機嫌が良さそうに香水を差し出してきたマエリス様に私は思わずポカンとしてしまう。
しかも遠慮をした香水にリボンがさらに付いてきて、プレゼントが増えた状況だった。
「リオネル様とマエリス様は似ていらっしゃいますね」
「そうね、顔は確かに私に似ている方かしら?」
突然何を、とマエリス様の顔が言っていた。
「いえ、そうではなく何と言うか贈り物のされ方が似ていらっしゃる、と思いまして」
さっきから断り続けている私からすれば、これはもう貢ぎ癖ではないか、と思ってしまうのだ。
カナトス家の堅実さは有名なはずだった。こんな浪費癖があるなんて噂好きな貴族社会の中で1度も耳にした事もなかった。
浪費癖がある領主のシワ寄せはどうしても領民が被ってしまうのだ。その結果領土はだんだん荒れてしまう。
だけどこのカナトス領はそんな様子は全くなかっただけに私にはこの状況は驚きだった。
「えっ、贈り物? あの子が?」
だけどそんな風に驚いている私以上に、マエリス様は驚いた様子だった。
「はい……」
もしかしたら何かマズイ事を言ってしまったのかもしれない。目を丸くしているマエリス様が次に何を言い出すのか分からなくて、心臓が大きく跳ねていた。
「世間の噂はともかく、実際は女性へ讃辞の一言も送る事ができない唐変木のあの子が、贈り物を……」
何だかすごい言われようだった。だけどマエリス様のそんな評価に今度は私が目を大きく見開いてしまう。
「えっ、すごく女性の方に慣れていらっしゃるご様子でございますよ。讃辞の言葉も呼吸をするようにサラッと仰っていました」
あれだけ手慣れた様子の方が唐変木ならば、この世に気が利く男性はゼロになってしまうはずだ。
「…なるほど、あの子も必死ってところね」
そんな私にそう言ってなぜか苦笑したマエリス様に。
「必死ですか?」
私は意味が分からないまま小首をかしげた。
あっという間に必要な物を買いそろえて、早い物だと1時間後には届けてくれる手はずとなったのだ。辺境伯家となるとすごいと思って私は呆気に取られてしまった。
そんな状況なのだから、今は純粋なショッピングといった感じだった。という事は必需品ではない、贅沢品にしかあたらないような数々が私の目の前には思いっきり広げられていた。
「レナ、これなんかはどうかしら?」
しかも価格を気にしないのがカナトス家の特徴なのかは分からないけど、勧められる品がどれも私には不相応な品だった。
「マエリス様、申し訳ございません。せっかくのご厚意なのですが、お仕えする身で伺いました私にはあまりに高価すぎます」
差し出されていた香水を受け取る事もできないまま、私は首をそっと振った。
「それに今回は我が家の重なる不手際で、このような準備までして頂いている身です。もうこれだけで十分すぎる状況です」
そもそも私はリオネル様のお世話をするためにここへ滞在しているはずなのに、むやみに着飾ってしまってお世話の妨げになっては全く意味がないのだ。
「大変申し訳ございませんが、最低限の物だけ甘えさせて頂けたらと思います」
「あら、そう……」
何かを考え込むように黙り込んでしまったマエリス様に私は少し不安になってくる。
せっかくの厚意を無下にされて喜ぶ人はいない。私の頑なな態度はもしかしたらマエリス様を不快にさせてしまったかもしれなかった。
「じゃあ、この香水とあの青いリボンだけにしておきましょう。これは私からレナへの贈り物ですから、断らずに受け取ってちょうだい」
でもそんな私の心配とはうらはらに、ますます機嫌が良さそうに香水を差し出してきたマエリス様に私は思わずポカンとしてしまう。
しかも遠慮をした香水にリボンがさらに付いてきて、プレゼントが増えた状況だった。
「リオネル様とマエリス様は似ていらっしゃいますね」
「そうね、顔は確かに私に似ている方かしら?」
突然何を、とマエリス様の顔が言っていた。
「いえ、そうではなく何と言うか贈り物のされ方が似ていらっしゃる、と思いまして」
さっきから断り続けている私からすれば、これはもう貢ぎ癖ではないか、と思ってしまうのだ。
カナトス家の堅実さは有名なはずだった。こんな浪費癖があるなんて噂好きな貴族社会の中で1度も耳にした事もなかった。
浪費癖がある領主のシワ寄せはどうしても領民が被ってしまうのだ。その結果領土はだんだん荒れてしまう。
だけどこのカナトス領はそんな様子は全くなかっただけに私にはこの状況は驚きだった。
「えっ、贈り物? あの子が?」
だけどそんな風に驚いている私以上に、マエリス様は驚いた様子だった。
「はい……」
もしかしたら何かマズイ事を言ってしまったのかもしれない。目を丸くしているマエリス様が次に何を言い出すのか分からなくて、心臓が大きく跳ねていた。
「世間の噂はともかく、実際は女性へ讃辞の一言も送る事ができない唐変木のあの子が、贈り物を……」
何だかすごい言われようだった。だけどマエリス様のそんな評価に今度は私が目を大きく見開いてしまう。
「えっ、すごく女性の方に慣れていらっしゃるご様子でございますよ。讃辞の言葉も呼吸をするようにサラッと仰っていました」
あれだけ手慣れた様子の方が唐変木ならば、この世に気が利く男性はゼロになってしまうはずだ。
「…なるほど、あの子も必死ってところね」
そんな私にそう言ってなぜか苦笑したマエリス様に。
「必死ですか?」
私は意味が分からないまま小首をかしげた。
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