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第12 堅実な生き方って? 5
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「レナもそのうち分かりますよ」
フフフ、と楽しそうに笑うマエリス様が「ただ・・・」と言葉を切って、真っ直ぐに顔を向けてきた。
「きっとあなたの不安が積もる日も来るでしょう。でもできたらあの子を信じてもらえると嬉しいわ」
マエリス様が何を仰っているのかは全く分からなかった。でもその目のあまりに真剣さと、リオネル様を心配している様子が伝わってくる。私は何のことなのかも分からないままコクコクと頷いていた。
「良かったわ、あっ、でも。今のお話はここだけにしてちょうだい」
そんな私を見てマエリス様はまたフフッと笑っていた。ちょうどその時。
コンコン。
「リオネルです。いかがですか?そろそろ終わりましたか?」
「どうぞ、お入りなさい」
軽いノックの音の後に、たったいま話題に上がっていたリオネル様が入ってきた。
「必要な物は揃えきれたか?」
目が合った途端にニコッとリオネル様が微笑まれる。その姿はマエリス様がお話されていたような唐変木には、私は全く見えなかった。
「はい、大丈夫です。ありがとうございました」
「私も必要なもの以外は、結局受け取って頂けなかったわ」
「そんな、リボンも香水も贈っていただいております。本当に十分すぎます」
マエリス様がどこまで本気かはわからない。それでももうこれ以上は受けとれないと私はハッキリと首を振った。
「そうね、浪費をすれば結局は最終的に領地自体が痩せてしまいますからね。堅実であることはよいことだわ」
そうお思いならなぜ?と今までのやりとりを思い返す。
横でそんな2人のやりとりを黙って聞いていたリオネル様もうんうん、と頷いている。そんな2人にやっぱり似ていると思いながら苦笑が思わず浮かんでしまった。
「そういえばレナはタナト芋の処理も詳しいのですよ」
今の話しの流れの中で、どうしてその話しが出てきたのかが分からなかった。
そんな何の自慢にもならないことをなぜリオネル様が誇らしそうにマエリス様へ語るのか。理解できないリオネル様の行動に私は呆気にとられるしかなかった。
令嬢の嗜みとしてはタナト芋の処理が分かるよりは、美しい刺繍の縫い方の1つでも知っている方が有益なのだ。
きっとそんな報告を受けたマエリス様もどう扱ってよいのか分からないような曖昧な笑顔を浮かべているはずだ。
私は恐る恐るマエリス様の方をうかがい見た。
だけどどうしたのだろう。それを聞いてさらにマエリス様は喜んでいるようだった。
「領主たるもの自領の名産およびその特徴、扱いは知っていて損はありません。ぜひ厨房へも知らせておきなさい」
なるほど。たしかにリオネル様は次期領主と成る方なのだ。たかがタナト芋だけど、自領についての見聞を深めるという事であれば望ましい、ということなのだろう。
「それでは、私はこの後は予定がありますから、今日はそろそろ引き上げましょう。明日からがまた楽しみですわ」
にこやかにそう言って、マエリス様は去って行った。
フフフ、と楽しそうに笑うマエリス様が「ただ・・・」と言葉を切って、真っ直ぐに顔を向けてきた。
「きっとあなたの不安が積もる日も来るでしょう。でもできたらあの子を信じてもらえると嬉しいわ」
マエリス様が何を仰っているのかは全く分からなかった。でもその目のあまりに真剣さと、リオネル様を心配している様子が伝わってくる。私は何のことなのかも分からないままコクコクと頷いていた。
「良かったわ、あっ、でも。今のお話はここだけにしてちょうだい」
そんな私を見てマエリス様はまたフフッと笑っていた。ちょうどその時。
コンコン。
「リオネルです。いかがですか?そろそろ終わりましたか?」
「どうぞ、お入りなさい」
軽いノックの音の後に、たったいま話題に上がっていたリオネル様が入ってきた。
「必要な物は揃えきれたか?」
目が合った途端にニコッとリオネル様が微笑まれる。その姿はマエリス様がお話されていたような唐変木には、私は全く見えなかった。
「はい、大丈夫です。ありがとうございました」
「私も必要なもの以外は、結局受け取って頂けなかったわ」
「そんな、リボンも香水も贈っていただいております。本当に十分すぎます」
マエリス様がどこまで本気かはわからない。それでももうこれ以上は受けとれないと私はハッキリと首を振った。
「そうね、浪費をすれば結局は最終的に領地自体が痩せてしまいますからね。堅実であることはよいことだわ」
そうお思いならなぜ?と今までのやりとりを思い返す。
横でそんな2人のやりとりを黙って聞いていたリオネル様もうんうん、と頷いている。そんな2人にやっぱり似ていると思いながら苦笑が思わず浮かんでしまった。
「そういえばレナはタナト芋の処理も詳しいのですよ」
今の話しの流れの中で、どうしてその話しが出てきたのかが分からなかった。
そんな何の自慢にもならないことをなぜリオネル様が誇らしそうにマエリス様へ語るのか。理解できないリオネル様の行動に私は呆気にとられるしかなかった。
令嬢の嗜みとしてはタナト芋の処理が分かるよりは、美しい刺繍の縫い方の1つでも知っている方が有益なのだ。
きっとそんな報告を受けたマエリス様もどう扱ってよいのか分からないような曖昧な笑顔を浮かべているはずだ。
私は恐る恐るマエリス様の方をうかがい見た。
だけどどうしたのだろう。それを聞いてさらにマエリス様は喜んでいるようだった。
「領主たるもの自領の名産およびその特徴、扱いは知っていて損はありません。ぜひ厨房へも知らせておきなさい」
なるほど。たしかにリオネル様は次期領主と成る方なのだ。たかがタナト芋だけど、自領についての見聞を深めるという事であれば望ましい、ということなのだろう。
「それでは、私はこの後は予定がありますから、今日はそろそろ引き上げましょう。明日からがまた楽しみですわ」
にこやかにそう言って、マエリス様は去って行った。
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