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②
「お前は少しでも反省が見えるならまだ可愛げがあるものを!」
「ガイラス様、行っていないことへ反省のしようもございません。それに本日はセヴラン王太子の生誕パーティーでございます。このように騒ぎを起こすこと事態、望ましくございません」
それなのにわざわざ第二王子の婚約者である私が騒ぎを起こす訳がないのだ。
だけどガイラス様はそんなことには気が付かないのか。
「もういい! お前とは婚約を破棄する! お前のような者達から一生ノエリアを守っていけるように、私はノエリアと今日ここで改めて婚約を発表しよう!」
そうやって高々と宣言されてしまったのだ。
私はあまりの状況に、しばらく呆気にとられてしまった。だけどゆっくりとその言葉が心に染みこんでくるにつれて、眼の奥が熱くなっていく。
「ふん、そうやって今さら泣いたところで私はもう決めたのだ!」
「シリル様、申し訳ございません……ですが、ガイラス様をほんらいお助けし、癒やして差し上げるべき婚約者の立場であのような裏切りは私も許せません。これからは私がしっかりとガイラス様をお支え致します」
2人の言葉が私の中に落ちてくる。その状況についに涙が頬を伝い落ちていった。
「……り…ござ…ます」
「なんだ、もう1度言ってみろ」
「ありがとうございます! これからはガイラス様の後始末を行う必要がないのですね!」
嬉しすぎて胸が詰まって苦しくなる。ようやく解放されるのだと、私は涙を止めることができなかった。
「ガイラス様があちらこちらで起こしてくる不始末の処理に私が何度様々な手配をおこない、詫び状を書いてきたでしょう! 思いつきだけでスケジュールも費用も考えずに招待状だけを先にばらまかれたパーティへの手配で私がどれだけの交渉や調整をしたでしょう!! そういった事から一切解放されるのです! ノエリア様ありがとうございます!!」
このようなパーティーの場ではしゃいでしまう事がどれだけみっともないか、分かりながらも私は止めることができなかった。
だってずっと破棄をしたくてたまらなかったのだ。それなのに国王直々に頭を下げられ、お父様にも諦めろ、と言われてしまった状態だったのだから。もう逃げることはできないのだと、諦めていた日々だったのだ。
だけどこんな公の名だたる貴族がそろうパーティの中で、ガイラス様から仰った婚約破棄なのだ。しかも不貞行為付き。これで婚約継続はありえないと思えば、私の心は羽が生えたように軽かった。
「あっ、ノエリア様。先ほどお話しされていらっしゃったガイラス様の私財ですが、度重なるプライベートなパーティなどの散財でむしろ今は我が侯爵家へ借金されていらっしゃる状態です。そこで毎年、お二人の王太子様へ割り振られる予算から、返済いただいていただけでございます」
この辺りの申請も毎年、手間が掛かっていたのだ。王室の予算に組み込む話だったため、仕方ないと思いながらも、王室相手の書類の量は目眩がするような量なのだ。それからも解放されるのだと思えば、また新しい涙がポロポロと零れてしまう。
「こちらも婚約者であったため、やむを得ないことかと思っていましたが、破棄となっては仕方ございません。近々借用書を持ってまいりますので、一括で返済をお願い致します」
「な、何を言っているんだ!? そんなハズがないだろう!!」
あまりの散財の酷さに、私の財政難を訴えるお話も聞いていなければ、お渡ししている収支をお知らせする書類も全く見ていないのではとつねづね思っていたのだ。だからガイラス様のそんな焦ったお姿も、私にとってはやっぱりという思いしかなかった。
「ガイラス様、行っていないことへ反省のしようもございません。それに本日はセヴラン王太子の生誕パーティーでございます。このように騒ぎを起こすこと事態、望ましくございません」
それなのにわざわざ第二王子の婚約者である私が騒ぎを起こす訳がないのだ。
だけどガイラス様はそんなことには気が付かないのか。
「もういい! お前とは婚約を破棄する! お前のような者達から一生ノエリアを守っていけるように、私はノエリアと今日ここで改めて婚約を発表しよう!」
そうやって高々と宣言されてしまったのだ。
私はあまりの状況に、しばらく呆気にとられてしまった。だけどゆっくりとその言葉が心に染みこんでくるにつれて、眼の奥が熱くなっていく。
「ふん、そうやって今さら泣いたところで私はもう決めたのだ!」
「シリル様、申し訳ございません……ですが、ガイラス様をほんらいお助けし、癒やして差し上げるべき婚約者の立場であのような裏切りは私も許せません。これからは私がしっかりとガイラス様をお支え致します」
2人の言葉が私の中に落ちてくる。その状況についに涙が頬を伝い落ちていった。
「……り…ござ…ます」
「なんだ、もう1度言ってみろ」
「ありがとうございます! これからはガイラス様の後始末を行う必要がないのですね!」
嬉しすぎて胸が詰まって苦しくなる。ようやく解放されるのだと、私は涙を止めることができなかった。
「ガイラス様があちらこちらで起こしてくる不始末の処理に私が何度様々な手配をおこない、詫び状を書いてきたでしょう! 思いつきだけでスケジュールも費用も考えずに招待状だけを先にばらまかれたパーティへの手配で私がどれだけの交渉や調整をしたでしょう!! そういった事から一切解放されるのです! ノエリア様ありがとうございます!!」
このようなパーティーの場ではしゃいでしまう事がどれだけみっともないか、分かりながらも私は止めることができなかった。
だってずっと破棄をしたくてたまらなかったのだ。それなのに国王直々に頭を下げられ、お父様にも諦めろ、と言われてしまった状態だったのだから。もう逃げることはできないのだと、諦めていた日々だったのだ。
だけどこんな公の名だたる貴族がそろうパーティの中で、ガイラス様から仰った婚約破棄なのだ。しかも不貞行為付き。これで婚約継続はありえないと思えば、私の心は羽が生えたように軽かった。
「あっ、ノエリア様。先ほどお話しされていらっしゃったガイラス様の私財ですが、度重なるプライベートなパーティなどの散財でむしろ今は我が侯爵家へ借金されていらっしゃる状態です。そこで毎年、お二人の王太子様へ割り振られる予算から、返済いただいていただけでございます」
この辺りの申請も毎年、手間が掛かっていたのだ。王室の予算に組み込む話だったため、仕方ないと思いながらも、王室相手の書類の量は目眩がするような量なのだ。それからも解放されるのだと思えば、また新しい涙がポロポロと零れてしまう。
「こちらも婚約者であったため、やむを得ないことかと思っていましたが、破棄となっては仕方ございません。近々借用書を持ってまいりますので、一括で返済をお願い致します」
「な、何を言っているんだ!? そんなハズがないだろう!!」
あまりの散財の酷さに、私の財政難を訴えるお話も聞いていなければ、お渡ししている収支をお知らせする書類も全く見ていないのではとつねづね思っていたのだ。だからガイラス様のそんな焦ったお姿も、私にとってはやっぱりという思いしかなかった。
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