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しおりを挟む朝起きると私は、荷解きを軽く済ませた。
元々持ってきたものは少なかったため、すぐ終わった。
「失礼します」
メイドのアンが部屋に入る。
私に対する警戒は解けていないのだろうが、昨日から何かと気にかけてくれる。
「おはようございます、アン」
「おはようございます。支度を手伝いに来まし
た」
「...自分の仕事があるのではないですか?」
「大丈夫です。臨時のお嬢様付きメイドになりましたから」
アンが臨時のメイドに?
私付きのメイドが居た方が情報を手に入れられて便利だから良い。
ただ、アンは良いのだろうかと考えてしまう。
聞いても困らせるだけだろうから聞かないけれど。
私にとって良い機会だし、アンの信頼を勝ち取ろう。
「では、これからよろしくお願いしますね」
「こ、こちらこそよろしくお願いします」
私が微笑むとアンは驚いていた。
そうよね、悪役令嬢のレイラは笑わなかったもの。
いつも顰めっ面をしていたレイラだけれど、美少女だから微笑むと破壊力が凄いと思う。
見た目にも恵まれているし、今世ではイケメンの令息と平穏な生活を送れるのでは!?
前世では恋愛とは縁がなく、全然出来なかったのだから一度はしてみたいもの。
好きな人と結婚とか...。
そのためには悪役令嬢から脱却しないとなんだけどね。
目指せ、脱悪役令嬢!
アンはぱぱっと髪を整えてくれている。
凄い、私には出来ないなぁ。
「本日の予定ですが、ディラン殿下がいらっしゃいます」
ディラン...?
ああ!
サルジア王国の第一王子でゲームの攻略対象であるディラン・サルジア。
ディアンは女ったらしだから気をつけないと。
「...ディラン殿下は何故私に会いに来るのですか?」
「お嬢様が月に一度、会いに来るようにお願いされていたからと聞いています」
...。
名ばかりの婚約者としか思っていないディランからしたらきっと迷惑な行為。
いや、これくらいなら可愛いお願いの内に入るのか...?
婚約者として当然の権利?
うーん。
「ありがとうございます。教えてくれて」
支度が終わったようで、鏡を見ると綺麗に着飾られた自分が映っていた。
支度を終えて廊下を歩いていると、向こうからエイルが歩いてきた。
書類を手に持っているから、仕事中なのだろうか。
「おはようございます、エイル」
「おはようございます」
エイルはお辞儀をするとさっさと歩いていく。
忙しいを抜きにしても、やっぱりレイラへの好感度は低いままに見える。
謝るだけじゃなくて、誠意を見せていかなければ。
そうしなければ、攻略対象に殺されてしまうか、国外追放されてしまうのだから。
私はより一層気合を入れた。
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