薬師、奴隷を買う、、、ん?奴隷に襲われるってどういうこと!?

さえ

文字の大きさ
11 / 62

第十一話 奴隷と共に

しおりを挟む
とりあえず宿に連れ帰ってきた。

「これからよろしく。僕の名はミシマリョウスケ。名前聞いてもいいかな?」

奴隷は少し怒った表情をした。
「ないっつってんだろ」

驚いた。この国の文化では本当に奴隷は人間ではなく奴隷で、つまりモノなのだ。

「わかった。名前つけてもいいかな?」


「は?、、いや勝手にしろ」
なぜかまた驚いた顔をされた。

「じゃ君はリクだ。わかったな?」

「っ!?お前は一体何物だ!なんでオレなんかを買った?」

へ?

なんか突然警戒心を露わにし怒り始めた。リクは何かを疑っているようだ。

「俺は単なる一般人で、、、この世界に疎いだけで、、、その、お前を買ったのは、この世界の常識や、俺の職業柄冒険に行くことがあるからその護衛として、、」

リクが口をあけてポカンとする。

よく見るとリクの顔って整っていて、ボサボサの髪と汚れた肌を綺麗にすれば絶対イケメンになるだろうなぁとか考えてしまった。

「フハッ。マジか。こんなバカ、いや素晴らしいのがご主人様とは。普通奴隷には名前なんて付けねーんだよ。つけても番号ぐらいだ。それにこの世界の常識に疎い?お前が何年生きてるか知らねーが疎すぎるだろ。箱入り令嬢でももっと知っとるわ」
笑いながら言われた。

「あーあ。もう警戒するのが馬鹿みたいだ。よろしくなご主人様」

「うるさいな。こっちにも事情があるんだよ。はいこれが俺の冒険者カードと薬事ギルドの登録証。これで僕がどーゆー人間がわかっただろ?あと名前はリクでいいな?」

また笑い出した。

「普通身分証明書を奴隷に見せるか?まぁわかったよ。薬草採集に護衛がいるんだな?」

「そうだ。リクがシャワー浴びたら、服を買いに行こう。ちなみに僕のことはご主人様じゃなくてリョウと読んでくれ。それともう一つ」

俺はリクにそっと抱きついた。

「何があって奴隷になったのかは知らないけど、俺はリクの味方でいるから。この国の常識を知って、一人で生き抜く力がついたら解放することを約束する。もし嫌なことが有れば遠慮なく言ってほしい。あと奴隷紋の効力は使うつもりがないから安心して」

生きることを諦めない目。そんな目に宿る
憎悪のような復讐のような、言葉にできない色。

なんでそんな目をした奴隷を選んだか?

助けを求めているようにも見えたからだ。
でも他力本願ではない。そんな彼に少し惹かれてしまったからだ。



「その、オレは不本意ではあるが奴隷だ。まぁその、冒険の時ぐらいなら、守ってやる」
俺はリクを救えるだろうか、、、その辛い何かを隠すために冷たく振る舞っている。思い違いならいいが、そんな風に考えてしまう。

リクを部屋のシャワーに案内した。

「奴隷にご主人様と同じシャワーを使わせるなんて、やっぱりイカれてやがる。借りるぞ?」

「どうぞ。タオルは備え付けのやつ使って」








リクがシャワーを浴びた後、少し歩いて昨日服を買ったところに来た。

「いらっしゃいませ」
店員さんが俺を見つけるなりそう声をかける。
「どういったものをお探しでございますか?」

「いや普通の服を頼む。いや俺じゃなくてコイツのサイズで、あと多少公の場でも大丈夫な服も頼む」

「か、しこまりました?この方ですか、冒険者の店はあちらにございますよ?」
店員さんが怪訝な顔をしながら言う。

「わかっている。これで頼む」
店員さんの手にチップを握らせる。
確かにリクは冒険者っぽいし、これから冒険にも付いてきてもらうつもりだが、普通の服も必要だろう。

「ハッ。マジかよご主人様。オレにこんな服を着せるのか?」
リクが笑う

「嫌か?」


「嫌じゃねけどよ、お前は奴隷を理解しているのか?」
なんかリクに揶揄われた。

「嫌じゃねーならこれにする。これと、他の服も同じサイズで一式頼む」

「はっはい」

「これで足りるな?金貨10枚だ」
またかなり買い込んでしまった。全部リクのだが。

「は?マジかよ。こんなところでそんな金を積むなんて、ご主人様はやっぱり裏側の貴族なのか?」

なんかリクがボソボソ言っているが気にしない。
しおりを挟む
感想 20

あなたにおすすめの小説

性悪なお嬢様に命令されて泣く泣く恋敵を殺りにいったらヤられました

まりも13
BL
フワフワとした酩酊状態が薄れ、僕は気がつくとパンパンパン、ズチュッと卑猥な音をたてて激しく誰かと交わっていた。 性悪なお嬢様の命令で恋敵を泣く泣く殺りに行ったら逆にヤラれちゃった、ちょっとアホな子の話です。 (ムーンライトノベルにも掲載しています)

俺は北国の王子の失脚を狙う悪の側近に転生したらしいが、寒いのは苦手なのでトンズラします

椿谷あずる
BL
ここはとある北の国。綺麗な金髪碧眼のイケメン王子様の側近に転生した俺は、どうやら彼を失脚させようと陰謀を張り巡らせていたらしい……。いやいや一切興味がないし!寒いところ嫌いだし!よし、やめよう! こうして俺は逃亡することに決めた。

偽物勇者は愛を乞う

きっせつ
BL
ある日。異世界から本物の勇者が召喚された。 六年間、左目を失いながらも勇者として戦い続けたニルは偽物の烙印を押され、勇者パーティから追い出されてしまう。 偽物勇者として逃げるように人里離れた森の奥の小屋で隠遁生活をし始めたニル。悲嘆に暮れる…事はなく、勇者の重圧から解放された彼は没落人生を楽しもうとして居た矢先、何故か勇者パーティとして今も戦っている筈の騎士が彼の前に現れて……。

虚ろな檻と翡翠の魔石

篠雨
BL
「本来の寿命まで、悪役の身体に入ってやり過ごしてよ」 不慮の事故で死んだ僕は、いい加減な神様の身勝手な都合により、異世界の悪役・レリルの器へ転生させられてしまう。 待っていたのは、一生を塔で過ごし、魔力を搾取され続ける孤独な日々。だが、僕を管理する強面の辺境伯・ヨハンが運んでくる薪や食事、そして不器用な優しさが、凍てついた僕の心を次第に溶かしていく。 しかし、穏やかな時間は長くは続かない。魔力を捧げるたびに脳内に流れ込む本物のレリルの記憶と領地を襲う未曾有の魔物の群れ。 「僕が、この場所と彼を守る方法はこれしかない」 記憶に翻弄され頭は混乱する中、魔石化するという残酷な決断を下そうとするが――。

運悪く放課後に屯してる不良たちと一緒に転移に巻き込まれた俺、到底馴染めそうにないのでソロで無双する事に決めました。~なのに何故かついて来る…

こまの ととと
BL
『申し訳ございませんが、皆様には今からこちらへと来て頂きます。強制となってしまった事、改めて非礼申し上げます』  ある日、教室中に響いた声だ。  ……この言い方には語弊があった。  正確には、頭の中に響いた声だ。何故なら、耳から聞こえて来た感覚は無く、直接頭を揺らされたという感覚に襲われたからだ。  テレパシーというものが実際にあったなら、確かにこういうものなのかも知れない。  問題はいくつかあるが、最大の問題は……俺はただその教室近くの廊下を歩いていただけという事だ。 *当作品はカクヨム様でも掲載しております。

実は俺、悪役なんだけど周りの人達から溺愛されている件について…

彩ノ華
BL
あのぅ、、おれ一応悪役なんですけど〜?? ひょんな事からこの世界に転生したオレは、自分が悪役だと思い出した。そんな俺は…!!ヒロイン(男)と攻略対象者達の恋愛を全力で応援します!断罪されない程度に悪役としての責務を全うします_。 みんなから嫌われるはずの悪役。  そ・れ・な・の・に… どうしてみんなから構われるの?!溺愛されるの?! もしもーし・・・ヒロインあっちだよ?!どうぞヒロインとイチャついちゃってくださいよぉ…(泣) そんなオレの物語が今始まる___。 ちょっとアレなやつには✾←このマークを付けておきます。読む際にお気を付けください☺️

牙を以て牙を制す

makase
BL
王位継承権すら持てず、孤独に生きてきた王子は、ある日兄の罪を擦り付けられ、異国に貢物として献上されてしまう。ところが受け取りを拒否され、下働きを始めることに。一方、日夜執務に追われていた一人の男はは、夜食を求め食堂へと足を運んでいた――

BLゲームの悪役に転生したら攻略対象者が全員ヒロインに洗脳されてた

BL
主人公のレオンは、幼少期に前世の記憶を思い出し、この世界がBLゲームで、自身は断罪される悪役だと気づく。 断罪を回避するため、極力攻略対象者たちと関わらないように生きてきた。 ーーそれなのに。 婚約者に婚約は破棄され、 気づけば断罪寸前の立場に。 しかも理由もわからないまま、 何もしていないはずの攻略対象者達に嫌悪を向けられてーー。 ※最終的にハッピーエンド ※愛され悪役令息

処理中です...