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第六十話 決行 (メイド長視点)
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〈メイド長視点〉
なかなか愉快な少年に遭った。
別に性格が明るく愉快ってわけではない。昔年の怨みが浄化される愉快だろう。何せ伯爵が巻いた種だ。
しかも今は地下牢にいるらしい。もう少し長く放置してやりたいが、そろそろあの執事辺りが血相変えて探し始めそうだ。ということで地下牢に向かう。
私たち使用人が定期的に掃除をしてはいるもののやはり屋敷内よりかは少し埃が被る。
階段を降りるにつれて少し生臭い臭いが鼻を刺したが、降りれば降りるほど他の臭いに上書きされてもう何が何かわからなくなる。
「フィリップ様!!どうしてっ、大丈夫ですか!!」
白々しいが大袈裟に駆け寄り鍵を開ける。
「あぁ、こんなにも疲弊なさって。部屋に戻りましょう」
「アイツっ、、、」
何やら小さな声でブツブツと言っているが、素直にメイドに導かれるまま部屋に帰った。
「湯浴みの準備はすぐに致します。お召し物はどうぞこちらにお着替えください」
甲斐甲斐しくメイドをしている。もう何十年もしているが、こんなにもワクワク楽しくメイドをしているのは初めてだ。全てはこれから起きることのおかげか。
「おい!紅茶はまだなのか!早くしろ。何十年やってるんだつかえねぇな。そしてあの新参薬師をここに呼べ」
あの薬師さんの紅茶。頼みますよ。ティーポットを持ったまま胸の前で十字を切って淹れる。
「紅茶でございます」
「おそい!」
机の上にあった砂糖を投げつけてきた。
どうやら砂糖は入れないらしい。砂糖は高いのに勿体ない。
でも紅茶は溢さずに飲んでくれている。
あとはあの薬師を信じて。
「もう一杯早くしろ」
「わかりました」
性格の悪い貧乏ゆすりは健在だが、あの薬師への処遇の検討をすると言っていたことを忘れているのではないだろうか?
「おい遅いぞ!」
パリンとカップが割れる音がしたので新しいカップとともにお盆に乗せていく。
「お待たせしました」
テーブルの上に置こうとしたら、あろうことか伯爵にもなる御方が下品にお盆からひったくり口へ運ぶ。
そんなに美味いのだろうか?
薬師からは人生を棒に振りたくなければ飲むなと言われているので飲まない。伯爵をこのようにさせるその何かに恐怖心を抱く。
砂漠で木を見つけたカブトムシだろうか?
一目散にそこへ飛んでいき樹液を吸い取る。そのように見える。
ポットの中が残り少なくなってきたので、また淹れなければと思っていた時、突然伯爵は意識を失った。
このまま目覚めなきゃいいのにとは思う。
「すみません、お疲れのようです。寝台まで運ぶのを手伝ってください」
他のメイドを呼び、伯爵の体を拭き寝巻きに着替えさせた。
本当はそんなことは一切したくないが、あの薬師のおかげで、もう数えるぐらいしかしなくていいのだろう。もう一つ言うと、新人教育に使わさせてもらった。
再就職をしなければいけないからね。
なかなか愉快な少年に遭った。
別に性格が明るく愉快ってわけではない。昔年の怨みが浄化される愉快だろう。何せ伯爵が巻いた種だ。
しかも今は地下牢にいるらしい。もう少し長く放置してやりたいが、そろそろあの執事辺りが血相変えて探し始めそうだ。ということで地下牢に向かう。
私たち使用人が定期的に掃除をしてはいるもののやはり屋敷内よりかは少し埃が被る。
階段を降りるにつれて少し生臭い臭いが鼻を刺したが、降りれば降りるほど他の臭いに上書きされてもう何が何かわからなくなる。
「フィリップ様!!どうしてっ、大丈夫ですか!!」
白々しいが大袈裟に駆け寄り鍵を開ける。
「あぁ、こんなにも疲弊なさって。部屋に戻りましょう」
「アイツっ、、、」
何やら小さな声でブツブツと言っているが、素直にメイドに導かれるまま部屋に帰った。
「湯浴みの準備はすぐに致します。お召し物はどうぞこちらにお着替えください」
甲斐甲斐しくメイドをしている。もう何十年もしているが、こんなにもワクワク楽しくメイドをしているのは初めてだ。全てはこれから起きることのおかげか。
「おい!紅茶はまだなのか!早くしろ。何十年やってるんだつかえねぇな。そしてあの新参薬師をここに呼べ」
あの薬師さんの紅茶。頼みますよ。ティーポットを持ったまま胸の前で十字を切って淹れる。
「紅茶でございます」
「おそい!」
机の上にあった砂糖を投げつけてきた。
どうやら砂糖は入れないらしい。砂糖は高いのに勿体ない。
でも紅茶は溢さずに飲んでくれている。
あとはあの薬師を信じて。
「もう一杯早くしろ」
「わかりました」
性格の悪い貧乏ゆすりは健在だが、あの薬師への処遇の検討をすると言っていたことを忘れているのではないだろうか?
「おい遅いぞ!」
パリンとカップが割れる音がしたので新しいカップとともにお盆に乗せていく。
「お待たせしました」
テーブルの上に置こうとしたら、あろうことか伯爵にもなる御方が下品にお盆からひったくり口へ運ぶ。
そんなに美味いのだろうか?
薬師からは人生を棒に振りたくなければ飲むなと言われているので飲まない。伯爵をこのようにさせるその何かに恐怖心を抱く。
砂漠で木を見つけたカブトムシだろうか?
一目散にそこへ飛んでいき樹液を吸い取る。そのように見える。
ポットの中が残り少なくなってきたので、また淹れなければと思っていた時、突然伯爵は意識を失った。
このまま目覚めなきゃいいのにとは思う。
「すみません、お疲れのようです。寝台まで運ぶのを手伝ってください」
他のメイドを呼び、伯爵の体を拭き寝巻きに着替えさせた。
本当はそんなことは一切したくないが、あの薬師のおかげで、もう数えるぐらいしかしなくていいのだろう。もう一つ言うと、新人教育に使わさせてもらった。
再就職をしなければいけないからね。
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