血迷わないでください義兄さん!悪役令息の弟に転生したので、兄と一緒に冒険者になります

さえ

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13 到着

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「腕の立つ冒険者さんなんですね!」

一通り蹴散らして聖水と聖魔法で浄化した後、また護衛の人に褒められた。
今度は兄も一緒にだ。

「ふん」
兄は相変わらずだ。

「そうなんです!兄はとても強いんです!」
僕はデバフしか使えない雑魚冒険者だ。でも兄はすごい!

「なっ」
兄の方へ振り向くと目を逸らされた。

「雑魚に構ってる暇はねぇ。戻るぞチビ」
また片手で頭頂部をつかまれて、星を眺めていた馬車のところに連れて行かれた。

なんなんだ一体。まぁ痛くないようにはしてくれてるから怒りはしないけど。

「なんだかんだで結構な数戦ってるね」
魔石も集まっているから西カルボンで換金しよう。

「そうだな、、、俺は寝る」
兄は目をつぶってしまった。
戦いの緊張も切れて、疲れも出たのだろう。
僕も魔力を使ったので少しだるさが来ている。

僕も寝るか。
横になってリラックスできるような寝方はできないが、寝ないと魔力の復活に時間がかかる。
最近膝枕が多かったせいか、兄の太腿を枕にしたくなる。












朝日に照らされて目が覚める。

「おはよう」
兄も同じタイミングで起きたようだ。

御者さんやおばさまメイドを含む他の客もちらほらと起き始めている。

「お疲れ様です。朝食を取った後、昼頃には到着の予定です」
御者さんがわざわざ伝えに来てくれた。

朝食は硬めのパンと野菜、スープだった。
ちなみにだがおばさまメイドは調理に参加していた。

「通りで美味しいわけだ」
屋敷よりうまいんじゃないだろうか?

御者さん曰く、この業界では料理のできる方が乗っている日を当たりの日と呼んでいるらしい。
めっちゃ不味いわけではないのだが、改善すればなんとかなりそうな料理を見ると、料理のできる人はおばさまメイドみたいに居ても立っても居られなくなるらしい。

幸いにも夜はアンデッドとの交戦一回で済んだが、普通に疲れている。この朝食は本当に身に染みる。

「ごちそうさまでした」

「皆さま食べ終わったようですし、もう間も無く出発いたします」









もう西カルボン領に入っているのだろう。
ちらほらと冒険者や商人を見かけるようになった。
街はもうすぐそこだ。

「お客さんは冒険者ギルド前でいいかい?」

「ええ」
もう街が見えてきている。

西カルボン国、サリチル。国境の街である。
しばらくの活動拠点となるだろう。宿屋か一時的に滞在できる部屋を借りなければいけないだろう。










「ありがとうございました」
御者さんにお礼を言って馬車を降りる。

昼には街に着いた。スムーズに入国もできた。

ここがこれからの活動拠点だ!頑張るぞ!
破滅ルートから逸れているおかげか純粋に異世界を楽しめそうである。死と近い存在ではあるが、やっぱり冒険とは楽しいものなのだ。

「浮かれてねぇで早く用事済ますぞ」
そういう兄もワクワクしているのだろう。いつもより軽い足取りでギルドに入っていった気がする。
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