兄の遺したエロゲに転生したモブ女は、生き残りを目指す 呪われたエロい鎧はチートアイテム?

在江

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エピローグ エロゲに愛を出さないで欲しい

女だらけの王城

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 前世の生活に戻ったみたいだった。
 いやあ、思い出を美化しているなあ。前世より、贅沢をしている。

 あたしは、王城にいた。
 国王陛下、ヴィンスという名だそうだ、が、あたしを連れてきたのだ。元々が貴族じゃないから、姓はない、と言っていた。

 そこで本格的に手当を受け、体力が回復するまで少しずつ食事をもらいながら、療養中である。

 ふっかふっかの布団に、肌触りの良い服を着て、好みの枕で寝られる喜び。ご飯の支度も洗濯もしなくていいのだ。しかも、ご飯、美味しい。

 この世界、パンが主食なのに、おかゆが出た。出汁だしはチキンスープっぽかったけど、卵も入って、前世の兄を思い出してしまった。そういえば、これ、兄がやっていたエロゲ世界なんだよなあ、多分だけど。
 あたしの記憶が、世界に反映されているのかしら。単に日本製のゲームだから?

 とにかく、あたしの口に合っている。

 世話をしてくれたのは、侍女たちの他に、シェイラという女魔法使いだった。
 ヴィンスがエロ鎧を着せようと思っていた、とのたまっていた人である。

 美人だ。ローガンのおっぱい師匠とか、触手でイったデロリスとも違って、美人薄命、という形容がぴったりの、慎ましい感じだ。

 正確も見た目の印象通りで、ともすると、侍女たちの陰に隠れていたりする。

 あの荒々しいヴィンス王が、この大人しい魔女にエロ鎧を着せようとした理由は、分からんでもない。気の毒な気もするが、そこがそそるんだろうね。

 ヴィンスの王城は、女だらけだった。

 エロ男爵呼ばわりされたチャールズ=メドーの館より、よほど多いんじゃないかな。あっちの方は、見て回った訳じゃないけど。

 男を、そもそも見かけない。侍女とかの他に、騎士とか、役人とか、閣僚とか、側近とか、他では男が務める役職にも女が就いていた。しかも、皆、美人だったり可愛かったりする。
 人間だけでなく、エルフやドワーフやオークなんかもいた。

 そして全員が全員、ヴィンス大好きなのである。

 全員が王のお手つきだ。しかも1回限りでなく、間が空いても2回3回と続いているというから、大したものだ。もしかして、バートレット司祭より強いんじゃないかしら? 王だから、強いよね、きっと。

 王城にいる数少ない男は、妻帯者か男好きに限られるらしい。
 だからと言って、セフレ推奨のこの世界じゃ抑止力としては弱いのだけど、一応職場恋愛は御法度ごはっととされている。

 王の女に手を出したらいけないのだ。ちなみに、男の同僚同士なら、恋愛しても問題ない。

 この世界に転生してから、女といえばほぼNTRネトラレ要員としか接触してないあたしにとって、王城の女の人たちは、安心して話せる相手だった。
 逆に、あたしが警戒されるべき存在の筈なのに、彼女たちは、全然気にしなかった。

 「ユノは、ヴィンス様の王妃様になるって、噂だよ」

 教えてくれたのは、猫人の女の子だ。耳と尻尾が猫で、顔も吊り目で猫っぽい。

 あたしは、湯船から飛び出しそうになった。

 今日は、体力が回復したので、久々に風呂へ入っていた。この風呂がまた、掛け流しの湯を張ったプールみたいな浴槽で、洗い場やシャワーも完備という、元日本人のあたしにはたまらない設備だった。
 前世と違うのは、頭や体を洗うために、侍女たちが待ち構えている点だ。

 猫人娘は猫だけど、濡れるのも平気らしい。

 「ななな、なんで?」

 ついついシェイラを窺ってしまう。彼女は、今日も後ろの方へ控えている。今の話を聞いても、あたしを睨んだり、ため息をついたりはしなかった。寂しげに微笑みを浮かべるところが、何かを諦めた感じで、あたしの胸が痛む。

 「何でって。ユノは特別って、ヴィンス様が言っていたもの」
 「何が?」

 分からん。思い出してもムカつくけど、エロ男爵が評した通り、あたしはここにいる女の人たちより貧相で平凡だ。
 モブキャラだし。逆に思い切り不細工とかだったら、珍しいコレクションとして考えられなくもないけど、この薄い印象のどこを気に入ったのか、全然思い当たらない。というか、気に入られた記憶もない。

 現に、あたしが王城の1室と召使を独占して回復に努めている間、王は1回も見舞いに来なかった。
 見舞いの品も言伝ことづても何もなかった。忙しいだろうし、あたしも求めていないけど、それで特別と言われる意味が、わからない。

 これだけ丁重に扱われただけで、十分以上なのは、わかっている。不満はない。でも、お気に入りの女だったら、こんな風に放置はしないだろう。だから、特別とか、王妃候補とか言われることには、納得がいかない。

 「私たちにもわかんない。そろそろ湯から出てね。肌を磨きたいから。マッサージもするよ」

 猫人娘は、アカスリタオルにしか見えない手袋を両手にめて、言った。


 それから、セレブかってくらい、頭から何から磨かれた。VⅠOしものほうまで手入れされたわよ。

 ああ、今日なんだわ、とあたしでも理解した。

 王城へ連れてこられた時から、一応の心積こころづもりはしてきた。それに、レベル上げのために、1回ぐらいはヤってみたい、と下心もあったわよ。

 王様とセックスなんて、庶民には夢のまた夢。降って湧いたこのチャンス、逃したくないじゃない。

 でも、王妃はちょっと、荷が重い。
 政治も社交も苦手だ。貧相だから頭良さそうに見えたってこともないだろう。美人で頭も良い女なんて、前世から山ほどいる。

 ヴィンス王から直接頼まれた訳じゃなし、もし言われたら、その時断れば済むかな。

 何の対策も立てられないあたしは、着せられたスッケスケの夜着1枚で、ベッドの上に座り込む。
 前触れもなしに、扉が開いて、ヴィンスが入ってきた。

 「あっ、こんばんは陛下」

 礼儀を知らないあたしは、ベッドから飛び降りて、日本式に深々とお辞儀をする。体の準備はあれこれされたけど、夜伽よとぎの作法なんかは全然教わらなかった。あたしも聞くことを思いつかなかったわ。

 「ククッ。構わぬ。寝台へ戻れ」

 笑われてしまった。あの夜以来の再会である。明るい灯火の下、初めてまともに王の姿を見た。

 イケメンだ。長めの髪は紺色で、瞳とお揃いである。はらりと脱ぎ捨てたガウンの下の腹筋は、6パックきれいに割れている。
 そして、その下には、既に準備万端ばんたんの陰茎がそそり立っていた。

 「一応、確認する。ユノ、お前は処女、ではないな? 処女開発促進鎧、を着ていたのだったな」

 ベッドへするりと入り込む。途端に、あたしを緊張が襲う。

 「は、はい。陛下」

 事情聴取は受けていた。あたしはこの世界に来てからのことを、正直に全部話した。

 ジェイムズ、名も知らぬ酪農家のおっちゃんたち、ローガン、イヴァン、ハインツ=バートレット司祭、ジャンとマイルズ、古道具屋の店主、そしてアバファチ男爵。それだけでなく、おっぱい魔女のブレンダ、女王様気質ロリのハンナ、修道女たちの総祈祷に欲張り魔女デロリスや触手植物のことも話した。
 エロ男爵に受けた仕打ちも残らず。

 王は、報告書に目を通しているのだ。

 「苦労したなあ、ユノ」

 王の手が、あたしの頬を撫でる。緊張で強張った顔をほぐすように、両手で挟まれた。

 「鎧がないと、できないか? それとも、俺は好みじゃないか? 気が乗らないなら、また別の機会にしても良いぞ」
 「だだだ大丈夫です陛下。いつでもオッケーです」

 前世も含めて、生涯ベストワンのイケメンを間近にして、緊張のあまり口がうまく回らない。やらないって選択肢はない。次の機会がいつ来るか、機会があるのか、何の保証もない。今しかないのだ。今でしょ。

 「ふふっ。可愛いな。ヴィンスと呼べ」

 ヴィンスはあたしの額に唇をつけた。

 うひゃあ、ヒロインみたいな扱いだな。もしかして、この人、エロゲの主人公かしら。すごいイケメンだし、女いっぱい囲っているし、強いみたいだし。ゲーム攻略後?

 「はい。ヴィンス様」
 「様もねやでは不要だ。他の者もそうしている」
 「はい、ヴィンス」
 「よかろう」

 口付けされた。お腹には、さっきからずっとピタピタあれが当たっている。あたしは腰を動かして、先っぽを股に挟み込もうとするけど、キスをしながらでは、無理な長さだった。

 「焦るな。すぐに挿れてやる」

 あたしを仰向けに寝かせながら、ヴィンスが言う。実際は、すぐに挿れるんじゃなくて、陰茎をあたしの陰唇に当て、クリトリスと一緒に擦りつけるのだった。その方がいい。もっと濡らして欲しい。

 上の口は涎でびしゃびしゃになっている。舌を絡め合い、胸まで涎の筋をつけて、乳の間をチロチロ舐める。指は乳首を、電源スイッチみたいにいじっている。

 唇が乳首を包み込んだ。太い指が、あたしの乳房を鷲掴わしづかみにして、ぐいぐいと揉む。別の指は、下の穴を探り、先端を押し込もうと動く。

 「挿れるぞ」
 「はい、ヴィンスさ」
 「様はいらん」
 「はいイイッ」

 グググッと一気に大きなモノが入ってきた。ピストン運動が始まる。両足を上に曲げ、勢いで上にずれていくあたしを、物みたいにヴィンスが引き戻す。

 「あっ、あっ。す、すごっ」

 最初から飛ばしていた。激しく膣を擦られるうちに、快感であたしがあられもない声を上げる間も、同じ勢いで腰を振り続ける。愛液がニチャニチャからジュブジュブ、ドバドバに変わっても止まらない。パンパン、と陰嚢が穴の周りを刺激する。

 精子を放出するまで、ずっと同じ速さで動いていた。

 「どうした。もう降参か」

 余韻に浸るあたしの尻に、早くも復活した王の槍が催促する。

 「いえ。お願いします」

 あれだけ腰を動かし続けて、出すもの出したのだから、もう終わりかと思っていた。次の女の部屋に行くとか。油断した。

 返事をしたら、すぐ挿入された。あたしの中は、さっきの一戦でにゅるにゅるだ。

 首筋にかかる息が熱い。両乳をがっちりホールドして、打ち付ける腰の勢いで抜け出さないようにしている。またも、激しいピストン。

 「あっあっ、はげしっ」
 「ダメか?」
 「イイッ」
 「素直で良いぞ」

 ぐっぐっと淫棒が奥へ押し込まれる。掴まれた乳もしっかり揉まれ、舌は耳から首筋を這い回り、口元まで届いた。
 ドピュッ。既に精子だらけのあたしの膣内に、さらに勢いよく放出されたのが感じ取れた。

 「どうだ。まだいけそうか」
 「お願いします」

 ぶつかり稽古かっ。と内心突っ込みつつ、あたしは一晩中、ヴィンスに抱かれた。
 あんなに激しく腰を使い続けるのに、彼は何発出してもまた復活した。正真正銘の絶倫王だった。
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