漫画読み過ぎて悪役令嬢に転生したけど乙女ゲームは未経験です ノブリージュ学園には毎年ヒロインが出現します

在江

文字の大きさ
13 / 74
第一章 新入生

13 初めての学園パーティ

しおりを挟む
 「まあ、何て素敵なドレスでしょう。靴も髪飾りも、おそろいなのですね」

 ジュリーがはなやいだ声を上げた。

 シャルル王子から大きな荷物が送り付けられ、侍女が中をあらためたのである。

 水色を基調として、あざやかな緑を差し色にしたドレスは、レースやリボンをたくみにあしらった上品な仕上がりだ。
 布地やレースの柄に、見覚えがある。そう言えば、街へ出かけた時、王子と一緒に生地きじ屋へ行ったのだった。
 そして、ドレスと色やデザインを揃えた髪飾りと靴も、同梱どうこんされていた。

 カードがえられている。

 年末パーティに着て来い、と書いてある。

 相変わらずの、俺様キャラだ。

 家にある衣装を、着回そうかと思っていたのに。これは華美かびじゃないのか?
 試しに着てみると、サイズもちょうど良い。補正の必要なし。靴もピッタリけた。

 ううむ。いつの間に。どうせ、権力でどうにかしたのだろうが、普通に考えると、ほんのり不気味だ。

 王子のめいでもあり、勿体無もったいないから、着ることにする。
 卒業までに何度もパーティはある筈で、入学初年からこんなことをしていたら、後が続かないだろう。

 つまり、これが断罪前の、最初で最後のプレゼントかもしれない。

 ドリアーヌに約束した、王子への指導というか、婚約解消のお願いをする機会は、なかなか作れなかった。

 平日は勉強で忙しく、週末は買い出しと勉強で忙しい。

 王子はまた行こうと誘うけれども、一度、買い出しへ出掛けてりた。二度と、誘いには乗るものか。
 あの翌週、ほとんど満足な昼食を取れなかったのだ。空腹だと、授業に差しつかえてしまう。


 そして王子からも、婚約解消の話は持ち出されないまま、パーティの日を迎えてしまった。

 「僕を頼ってくれるのは嬉しいけれど、姉様をエスコートするのは、シャルル王子の役目でしょう?」

 親衛隊の目をかいくぐり、会いに来てくれる弟にエスコートを頼むと、嬉しそうな顔をしつつ、断られた。
 ディディエの声変わりは短めに完了し、声と共に態度まで大人びてきたように感じる。

 「ディディエは、誰をエスコートするの?」

 婚約者はロタリンギアの人で、まだノブリージュ学園に入学できる年齢でもないと聞く。学外の人は、パーティに呼べない。
 ここで、ディディエは薄く頬を染めた。んん?

 「アメリ=デュモンド男爵令嬢にお願いされて、一緒に行くことにしたよ」

 不意打ちを喰らって、言葉が出なかった。顔色も変わったらしい。私を見る弟の表情がくもった。

 「姉様?」

 「どなたがお相手してくださるにせよ、あなたには学外に婚約者がいて、今回はかりそめのパートナーである、ということを承知なさっているかしら?」

 全力で、自分を立て直す。
 アメリが、婚約者のシャルル王子に目の前で言い寄っても気にならないのに、弟に近寄ったと聞いただけで激しく動揺するとは、我ながら意外であった。

 まともに話したこともない相手である。娘を嫁に出したくない親父の心理、ではない。
 弟が婚約した時には、これほどの衝撃を受けなかった。

 認めたくないが、私はアメリを好きじゃないのだろう。

 私が感じる好き嫌いも、悪役令嬢としてのゲーム補正かもしれない。

 「もちろん、確認した。とても驚いていたよ。どういう訳か、姉様が無理に婚約させた、と思い込んでしまって。違うと説明したけれど、わかってくれたかどうか」

 私の本音は、うまく隠しおおせたようだ。それにしても、ディディエの婚約がヒロインの予想外だったとは、私にも驚きである。
 どうやら、彼女の知るシナリオでは、弟に婚約者が不在だったと見える。

 私が弟の婚約を決められる訳がない。
 ゲームや漫画と違って、実際に生きた人々が動く以上、シナリオ通りに進まないこともあるのだ。破滅予定の悪役令嬢たる私には、希望の持てる話である。

 それに、アメリがディディエをパートナーに選んだということは、婚約者であるシャルル王子が私のパートナーを務める、ということでもあった。
 もしかしたら、今回は断罪イベント無関係かもしれない。まだ、年度の途中でもある。
 私は、少し気が楽になった。


 そして当日、迎えに来たシャルル王子を見て、ははあ、と感心した。

 衣装が、私とお揃いなのである。あちらはドレスではない、念の為。

 水色を基調に、緑を差し色にした紳士用礼装。私は言われた通り、彼から送り付けられた衣装一式を着込んでいた。
 自前なのは、宝飾品と下着ぐらいである。王子は、私が注文通りであるのを見て、満足そうにうなずいた。

 「素敵な衣装を、ありがとうございます」

 まずは、お礼を述べる。これで、私が自分勝手な色合いのドレスを着て来たら、それは面白くなかろう。

 「似合っているぞ。私と、そなたの瞳の色に合わせた」

 それは、気付かなかった。
 確かに私は水色の目で、王子はエメラルド色の目を持っている。手持ちの服が多過ぎて、TPOに合わせるので精一杯。自分に似合う色とか、考えたこともなかった。

 王子にエスコートされて会場へ入ると、大勢の参加者から注目を浴びてしまった。
 後々の展開を考えると、目立ちたくないのに、気恥ずかしい。

 もう、私たちが最後の入場者だったようで、すぐにパーティが始まった。
 上級生と先生の挨拶の後、楽団が演奏を始める。演奏家は外から呼ぶ場合もあるが、今回は生徒が演奏していた。
 授業にも楽器の演奏科目があり、優秀な生徒は、国外の演奏会へ呼ばれるほどの腕前と聞く。
 素養のない私が聞く限り、上手いのだろう、としかわからない。音楽的感性を磨くには、時間と経験が必要だ。

 「サンドリーヌ、行くぞ」

 シャルル王子に手を引かれ、あれよという間にフロアに出てしまった。
 既に踊り始めているペアもいるのに、王子のオーラはたちまち衆目しゅうもくを集めた。

 サンドリーヌの体は器用で、さぼっていたダンスも一通りの練習でマスターした。ただし、前世庶民の私は、ダンスが苦手である。
 だから、努めて頭を空にする。
 相手のリードに合わせ、サンドリーヌの体が勝手に動くのに任せるのだ。

 王子のダンスは、さすがの腕前だった。足を踏ませず、誰にもぶつからず、他の人の間を縫って、流れるように踊り続ける。

 一つ一つの動きが、揺れる毛先まで綺麗だった。美しい物を眺めるのは、好きだ。
 ランプの灯りを反射してきらめくシャンデリア、踊る人々の華やかな衣装に取り巻かれた王子の微笑む顔も、映画でも見るように眺める分には、楽しめた。

 「さて、最後までそなたと組みたいが、これも成績評価の対象であるからして、こらえてもらおう。委員の仕事でもある」

 シャルル王子は演奏が小休止したすきに、言い訳を始めた。大方、アメリと踊る理屈をこねるのだろう。

 元々私は、王子を独り占めする気などないのだが。それにしても、気になる単語が耳についた。

 「成績、つくのですか?」

 「無論だ。先生方をご覧。ほとんど踊っておられない」

 見ると、確かに男女の別なくほぼ壁の花、というより壁紙と化している。

 「何を見るのでしょう?」

 「最上級生は、主催者としての動き方。下級生は、マナーやダンス技能だな」

 てっきり、レクリエーションだと思っていた。思い返せば、先生が授業で、パーティで浮かれるな、みたいな話をしていた。
 貴族にとって社交は仕事で、パーティは社交の基本である。実習扱いで開催予算を取っているのかも。

 「そういう訳だ。私が他の令嬢と踊っても、嫉妬するなよ。仕事だからな。そなたも他の男と踊って良いぞ。ただし、一人につき一曲。それから、食べ物にばかり気を取られないよう注意しろ」

 仕事と言い訳しつつ、気がとがめたのか、親切にも細々こまごま注意をおいて去っていく。どこへ行くかと目で追うと、案の定アメリの元だった。

 周りには男性ばかりの人だかりが出来ていたが、彼女の目当てもまた王子だった。
 王子に遠慮して、左右に割れた人垣ひとがきの間を進み、差し出された手を取った。漫画なら一ページまるまる使って描く場面だ。

 ヒロインらしく、ピンク系の可愛らしいドレスをまとっている。
 失礼ながら、手元不如意ふにょいなデュモンド男爵家にしては、遠目にも良さげな生地で、デザインも最先端、新たにあつらえた衣装と見えた。

 誰かに贈られた? とすれば、贈り主には心当たりがある。

 ディディエがやってきた。母が注文したであろう、ベーシックな服を身につけている。とりあえず、アメリとお揃いでなくホッとする。
 王子のせいで、彼女をエスコートした場面も、ダンスも見損ねた。お陰で、動揺せずに済んだのかもしれない。

 「姉様、僕と踊ってくださいますか?」
 「もちろん」

 組んでみると、弟の背は私とほとんど変わらなかった。むしろ少し彼の方が高い。弟というイメージだけで、実際より小さく思い込んでいた。
 入学前には、本当に私より小さかったのだ。僅かの間に、背が伸びたものである。

 「姉様とこうして踊るなんて、入学前には思いもしなかった」

 「誘ってくれてありがとう。一緒に踊れて嬉しい。ところで、デュモンド嬢にドレスを贈った?」

 「まさか。婚約者がいるのに、そんなことできないよ」

 だよね。となると、贈り手はほぼ確定だ。

 ディディエはダンスでリードされても、会話する余裕ぐらいはある。私も弟相手にリラックスして、周囲を見ながら踊ることができた。

 ローズブロンドは遠くに見える。結構なことだ。ドレスの件がどうあれ、は近寄らないに限る。

 バスチアンとドリアーヌが近くに来て、互いに目で挨拶し合った。濃紺と銀を組み合わせた、お揃いの衣装である。
 クルクルと踊りながら、近付いたり離れたり。体を動かすのは、楽しい。

 次に来たのは、赤のグラデーションを上手に使ったお揃いの衣装を纏う、リュシアンとフロランスだった。

 「後で行くぞ」
 「弟君を貸してくださる?」
 「喜んで」

 すれ違いざまに、素早く予約を入れられた。目立つ二人は、もう何曲も踊っている。婚約者同士ならば、続け様に踊っても、評価は下がらない?

 王子はアメリと踊りたくて、理屈をこねたのかも。言い訳しなくたって、喜んで送り出したのに。
 王子のお陰で、ディディエとも踊れたのは、良かった。

 その後、予約通り私はリュシアンと踊り、ディディエはフロランスに申し込んで彼女と踊った。リュシアンの身体能力も高い。彼と踊るのは、弟とまた違った楽しさがあった。

 演奏はまだまだ続いていたが、喉の渇きを覚えて休憩にする。
 リュシアンと別れて端へ移動し、給仕から飲み物を受け取る。小腹も空いてきた。食べられるうちに、腹へ入れておこう。

 軽食コーナーへ向かう。

 カナッペ、テリーヌ、キッシュ、カットフルーツ、ジュレなど、品数が多くて目移りする。全部味見したいが、人目が気になる。
 さりげなく周囲を窺いながら、少しずつつまんだら、余計にお腹が空いてきた。

 「もう少しくらい食べたところで、評価は下がらないよ」
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

転生してモブだったから安心してたら最恐王太子に溺愛されました。

琥珀
恋愛
ある日突然小説の世界に転生した事に気づいた主人公、スレイ。 ただのモブだと安心しきって人生を満喫しようとしたら…最恐の王太子が離してくれません!! スレイの兄は重度のシスコンで、スレイに執着するルルドは兄の友人でもあり、王太子でもある。 ヒロインを取り合う筈の物語が何故かモブの私がヒロインポジに!? 氷の様に無表情で周囲に怖がられている王太子ルルドと親しくなってきた時、小説の物語の中である事件が起こる事を思い出す。ルルドの為に必死にフラグを折りに行く主人公スレイ。 このお話は目立ちたくないモブがヒロインになるまでの物語ーーーー。

【完結】乙女ゲーム開始前に消える病弱モブ令嬢に転生しました

佐倉穂波
恋愛
 転生したルイシャは、自分が若くして死んでしまう乙女ゲームのモブ令嬢で事を知る。  確かに、まともに起き上がることすら困難なこの体は、いつ死んでもおかしくない状態だった。 (そんな……死にたくないっ!)  乙女ゲームの記憶が正しければ、あと数年で死んでしまうルイシャは、「生きる」ために努力することにした。 2023.9.3 投稿分の改稿終了。 2023.9.4 表紙を作ってみました。 2023.9.15 完結。 2023.9.23 後日談を投稿しました。

【完結】モブのメイドが腹黒公爵様に捕まりました

ベル
恋愛
皆さまお久しぶりです。メイドAです。 名前をつけられもしなかった私が主人公になるなんて誰が思ったでしょうか。 ええ。私は今非常に困惑しております。 私はザーグ公爵家に仕えるメイド。そして奥様のソフィア様のもと、楽しく時に生温かい微笑みを浮かべながら日々仕事に励んでおり、平和な生活を送らせていただいておりました。 ...あの腹黒が現れるまでは。 『無口な旦那様は妻が可愛くて仕方ない』のサイドストーリーです。 個人的に好きだった二人を今回は主役にしてみました。

【完結】異世界召喚 (聖女)じゃない方でしたがなぜか溺愛されてます

七夜かなた
恋愛
仕事中に突然異世界に転移された、向先唯奈 29歳 どうやら聖女召喚に巻き込まれたらしい。 一緒に召喚されたのはお金持ち女子校の美少女、財前麗。当然誰もが彼女を聖女と認定する。 聖女じゃない方だと認定されたが、国として責任は取ると言われ、取り敢えず王族の家に居候して面倒見てもらうことになった。 居候先はアドルファス・レインズフォードの邸宅。 左顔面に大きな傷跡を持ち、片脚を少し引きずっている。 かつて優秀な騎士だった彼は魔獣討伐の折にその傷を負ったということだった。 今は現役を退き王立学園の教授を勤めているという。 彼の元で帰れる日が来ることを願い日々を過ごすことになった。 怪我のせいで今は女性から嫌厭されているが、元は女性との付き合いも派手な伊達男だったらしいアドルファスから恋人にならないかと迫られて ムーライトノベルでも先行掲載しています。 前半はあまりイチャイチャはありません。 イラストは青ちょびれさんに依頼しました 118話完結です。 ムーライトノベル、ベリーズカフェでも掲載しています。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

勘違いで嫁ぎましたが、相手が理想の筋肉でした!

エス
恋愛
「男性の魅力は筋肉ですわっ!!」 華奢な男がもてはやされるこの国で、そう豪語する侯爵令嬢テレーゼ。 縁談はことごとく破談し、兄アルベルトも王太子ユリウスも頭を抱えていた。 そんな折、騎士団長ヴォルフがユリウスの元に「若い女性を紹介してほしい」と相談に現れる。 よく見ればこの男──家柄よし、部下からの信頼厚し、そして何より、圧巻の筋肉!! 「この男しかいない!」とユリウスは即断し、テレーゼとの結婚話を進める。 ところがテレーゼが嫁いだ先で、当のヴォルフは、 「俺は……メイドを紹介してほしかったんだが!?」 と何やら焦っていて。 ……まあ細かいことはいいでしょう。 なにせ、その腕、その太もも、その背中。 最高の筋肉ですもの! この結婚、全力で続行させていただきますわ!! 女性不慣れな不器用騎士団長 × 筋肉フェチ令嬢。 誤解から始まる、すれ違いだらけの新婚生活、いざスタート! ※他サイトに投稿したものを、改稿しています。

異世界から来た娘が、たまらなく可愛いのだが(同感)〜こっちにきてから何故かイケメンに囲まれています〜

恋愛
普通の女子高生、朱璃はいつのまにか異世界に迷い込んでいた。 右も左もわからない状態で偶然出会った青年にしがみついた結果、なんとかお世話になることになる。一宿一飯の恩義を返そうと懸命に生きているうちに、国の一大事に巻き込まれたり巻き込んだり。気付くと個性豊かなイケメンたちに大切に大切にされていた。 そんな乙女ゲームのようなお話。

転生したら悪役令嬢だった婚約者様の溺愛に気づいたようですが、実は私も無関心でした

ハリネズミの肉球
恋愛
気づけば私は、“悪役令嬢”として断罪寸前――しかも、乙女ゲームのクライマックス目前!? 容赦ないヒロインと取り巻きたちに追いつめられ、開き直った私はこう言い放った。 「……まぁ、別に婚約者様にも未練ないし?」 ところが。 ずっと私に冷たかった“婚約者様”こと第一王子アレクシスが、まさかの豹変。 無関心だったはずの彼が、なぜか私にだけやたらと優しい。甘い。距離が近い……って、え、なにこれ、溺愛モード突入!?今さらどういうつもり!? でも、よく考えたら―― 私だって最初からアレクシスに興味なんてなかったんですけど?(ほんとに) お互いに「どうでもいい」と思っていたはずの関係が、“転生”という非常識な出来事をきっかけに、静かに、でも確実に動き始める。 これは、すれ違いと誤解の果てに生まれる、ちょっとズレたふたりの再恋(?)物語。 じれじれで不器用な“無自覚すれ違いラブ”、ここに開幕――! 本作は、アルファポリス様、小説家になろう様、カクヨム様にて掲載させていただいております。 アイデア提供者:ゆう(YuFidi) URL:https://note.com/yufidi88/n/n8caa44812464

処理中です...