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帝国編
親族経営も大変そうなのです
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帝都ヴェルガリアの城下町は4つの区画があり、私達が王都方面から入ってきた東城下町から南西城下町、北西城下町に北東城下町。
帝都中央に皇城があり東側に神殿、西側に闘技場がある。
現在は南西城下町のカフェ・フレイアにて食事中であるが、配達から帰ってきたノアのお姉さんから一瞬だが警戒されてしまったのだった。
「ど、どうしたのお姉ちゃん?確かに今日初めてきたお客様だけど・・・」
スタイルのいいお姉さんだがつり目の水色の
瞳が少し冷たい印象を感じる。
「いえ・・・すみません、初めてのお客に失礼を・・・」
ミリーを始め皆の顔がきょとんとしていた、ただしアイリはマイペースにステーキを口に運んでおり気付いてもいなかった。
お姉さんの視線は主にリアに向けられていた、ちなみに窓側にリアと私にアイリで向かいにミリーとユラが座っている状態だ。
私はパンケーキを口に運びながらお姉さんとリアを交互に視線を向け、お姉さんの隣に立っているノアを見比べてみる。
何が言いたいかというと姉妹にしてはかなり印象が違う、性格が正反対とかではなく単純に似てないと言っていいだろう。
「申し遅れました、僕はフィア・レイジスといいます。驚かせてすみません」
見た目に反してと言うと失礼だろうが、女性で一人称が僕というのを初めて聞いた気がする。
「このカフェは家族で経営しているのですね、お昼時とか忙しそうなのです」
カフェ&レストランなら昼間が忙しそうと口にしてしまったが、前世の乗りで言ってしまったかもしれない。
異世界でサラリーマンなんていないだろうから必ずしも昼が忙しいと決まったわけでもなさそうだが。
「昼は結構忙しいんですよ~帝都とアーシルの間にある大森林地帯から帰ってきた冒険者さんが利用してくれるので~」
どうやら帝都のギルドの討伐依頼は北の森林地帯が中心のようだ。
王都と違い霊峰山の恩恵がないことから、アーシルに行くのもこの森林地帯が厄介そうだ。
ふとフィアさんの方に視線を向けたら目が合ってしまった、ノアは他のお客の応対で離れていっていた。
「もうフィオナ、口元が汚れてますわよ」
パンケーキのシロップが口に付いていたようでミリーが手拭いで拭いてくれた。
カフェ・フレイアは7時までらしく閉店まで厄介になってしまっていた私達だった。
「すみません、長居してしまって・・・フィオナはいつまで食べていますの・・・」
思いのほか量が多かったパンケーキを食べるのに時間をかけてしまっていた、周りを見て考えながらでフォークが進んでなかったのが要因ではあるのだが。
「ゆっくりで大丈夫ですよ、初めてのお客様でノアとフィアがこんなにお喋りしてるの初めてだわ」
ノアと同じ緑髪の女性が厨房から出てきて声をかけてくる、これは間違いなく親子だなと思っていると。
「うむ、このパンケーキなるもの大変美味であった。これは病みつきになるのう」
「ステーキもおいしかった!」
ここをおすすめしてくれた龍人の女性も多分ここの常連だったりするのだろう、気になるといえば・・・
「初対面で失礼かもですが、フィアさんは義理の娘さんだったりします?」
ノアの方もレイジスとのことで四人家族ではあるだろうが、厨房にいる父親の方とも似ていないことでつい余計な事を聞いてしまっていた。
「フィオナ、いきなりは本当に失礼ですわ・・・」
「いえいえ、帝都の常連さんは知っている事なので、フィアは17年前に養子に迎えまして」
私とミリーにユラが生まれた頃みたいだが、20代前半に見える事から3~5歳くらいの差だろうか。
「みんな冒険者でこの帝都に来たんだよね?そのフィオナちゃんだったよね、一緒に連れてきて大丈夫なのかな?」
最後の一口を食べ終えふと周りを見る、やはり私は冒険者枠に見えないらしい。
「・・・フィオナはこう見えて私達と同じゴールドランクの冒険者」
ノアにユラが答えると少し驚いているようだった、杖も手元にないから姉に付いて来た妹にしか見えなかったのだろう。
「ご、ごめんなさい~てっきりお姉さんと離れるのが嫌でついてきたのかと・・・」
時が経つにつれ成長するだろうと思ったが、寧ろどんどん周りと年が離れている状態になっていた。
「王都から来た冒険者が話してたけれど、ミリーさんとユラさんは去年の合同戦で勝利したパーティーでいいのかな?」
清掃を終えたフィアさんが話に混ざると合同戦の時の事を聞いてきていた。
あの時点では映像投射器はまだ出回っていなかったから顔までは知られていないはずだが、ミリーとユラの武器で気付いたのだろうか。
私に関しては普通に負けちゃってたし、アイリは一瞬で終わらせすぎて印象が少ないみたいだ。
「去年の合同戦は基準も変わりすぎてましたし、勝利に関しては微妙ですわね・・・」
「・・・ほぼ王立対私立になってたからね」
あの時の教訓で近接職用の防御法を試した事があったなと振り返る。
まともに攻撃受けたら普通に死ねるので全身を覆うバリアみたいなのを考えたが今の所出番はなかったりする。
「・・・王立の魔導師も剣士もほぼフィオナに倒されたから結果的には私達の負けだったと思う」
「え?その子が王立の学院生を・・・?」
フィアさんが凄く驚いた顔をしている、見た目で判断する人には感じられなかったのだが少し傷付く・・・その視線はリアと私を交互に見ているようだった。
「少々長居してしまいましたわね、どこかおすすめの宿はあります?」
「あ、皆さんは帝都にはしばらく滞在しますか?」
ノアがいいところを知ってるようだが、滞在期間も特に決めてはいないと皆と顔を合わせる。
「少なくとも1年くらいは帝都にいることになりそうですわね・・・長期的に借りられる部屋があるといいですわね」
「あら、それなら私の友人がやってる宿があるから紹介状書きましょうか?」
どの世界でも人脈は重要だなと再確認するのであった。
紹介された宿は同じ南西城下町内で目と鼻の先にある三階建ての宿屋だった。
手前に民家が並んでおり、横の通りから2軒過ぎた辺りの右手に建っているがその通りを進めば闘技場の方に出るみたいだ。
五人全員で1部屋は流石に狭いだろうからと2部屋用意してくれるという話しみたいだ。
「ふむ、この位置ならフレイアにも直ぐに行けるのう」
リアはフレイアが気に入ったようで、帝都に来て1日も経っていないが常連の仲間入りを果たしたようだ。
「長期的な利用ということで3階の2部屋だそうですわ、あまり夜更かしはしちゃだめですわよフィオナ?」
私だけ名指しなのは少々気になるが・・・この世界に来てから寧ろ規則正しい生活をしているはず。
「こっちの通り行くとどこにでるんだろう?」
「・・・闘技場らしいよ、そこを更に進んだら北西城下町みたい」
王都もそうだったが帝都も皇城の隣に闘技場が建っている、魔物もいる世界だからなのか単に皇帝や国王の趣味なのか・・・
「今からギルドに行くのも時間がかかりそうですわ、今日の所は休みましょう」
ギルドは東城下町にあるみたいだがフレイアで思ったより長居してしまった。
「アーシルに向かうのはしばらく様子を見た方が賢明だと思うです」
「・・・北の大森林地帯がどうとも言ってたね」
最初の帝都での行動は喫茶店で食事をしただけなのであった。
帝都中央に皇城があり東側に神殿、西側に闘技場がある。
現在は南西城下町のカフェ・フレイアにて食事中であるが、配達から帰ってきたノアのお姉さんから一瞬だが警戒されてしまったのだった。
「ど、どうしたのお姉ちゃん?確かに今日初めてきたお客様だけど・・・」
スタイルのいいお姉さんだがつり目の水色の
瞳が少し冷たい印象を感じる。
「いえ・・・すみません、初めてのお客に失礼を・・・」
ミリーを始め皆の顔がきょとんとしていた、ただしアイリはマイペースにステーキを口に運んでおり気付いてもいなかった。
お姉さんの視線は主にリアに向けられていた、ちなみに窓側にリアと私にアイリで向かいにミリーとユラが座っている状態だ。
私はパンケーキを口に運びながらお姉さんとリアを交互に視線を向け、お姉さんの隣に立っているノアを見比べてみる。
何が言いたいかというと姉妹にしてはかなり印象が違う、性格が正反対とかではなく単純に似てないと言っていいだろう。
「申し遅れました、僕はフィア・レイジスといいます。驚かせてすみません」
見た目に反してと言うと失礼だろうが、女性で一人称が僕というのを初めて聞いた気がする。
「このカフェは家族で経営しているのですね、お昼時とか忙しそうなのです」
カフェ&レストランなら昼間が忙しそうと口にしてしまったが、前世の乗りで言ってしまったかもしれない。
異世界でサラリーマンなんていないだろうから必ずしも昼が忙しいと決まったわけでもなさそうだが。
「昼は結構忙しいんですよ~帝都とアーシルの間にある大森林地帯から帰ってきた冒険者さんが利用してくれるので~」
どうやら帝都のギルドの討伐依頼は北の森林地帯が中心のようだ。
王都と違い霊峰山の恩恵がないことから、アーシルに行くのもこの森林地帯が厄介そうだ。
ふとフィアさんの方に視線を向けたら目が合ってしまった、ノアは他のお客の応対で離れていっていた。
「もうフィオナ、口元が汚れてますわよ」
パンケーキのシロップが口に付いていたようでミリーが手拭いで拭いてくれた。
カフェ・フレイアは7時までらしく閉店まで厄介になってしまっていた私達だった。
「すみません、長居してしまって・・・フィオナはいつまで食べていますの・・・」
思いのほか量が多かったパンケーキを食べるのに時間をかけてしまっていた、周りを見て考えながらでフォークが進んでなかったのが要因ではあるのだが。
「ゆっくりで大丈夫ですよ、初めてのお客様でノアとフィアがこんなにお喋りしてるの初めてだわ」
ノアと同じ緑髪の女性が厨房から出てきて声をかけてくる、これは間違いなく親子だなと思っていると。
「うむ、このパンケーキなるもの大変美味であった。これは病みつきになるのう」
「ステーキもおいしかった!」
ここをおすすめしてくれた龍人の女性も多分ここの常連だったりするのだろう、気になるといえば・・・
「初対面で失礼かもですが、フィアさんは義理の娘さんだったりします?」
ノアの方もレイジスとのことで四人家族ではあるだろうが、厨房にいる父親の方とも似ていないことでつい余計な事を聞いてしまっていた。
「フィオナ、いきなりは本当に失礼ですわ・・・」
「いえいえ、帝都の常連さんは知っている事なので、フィアは17年前に養子に迎えまして」
私とミリーにユラが生まれた頃みたいだが、20代前半に見える事から3~5歳くらいの差だろうか。
「みんな冒険者でこの帝都に来たんだよね?そのフィオナちゃんだったよね、一緒に連れてきて大丈夫なのかな?」
最後の一口を食べ終えふと周りを見る、やはり私は冒険者枠に見えないらしい。
「・・・フィオナはこう見えて私達と同じゴールドランクの冒険者」
ノアにユラが答えると少し驚いているようだった、杖も手元にないから姉に付いて来た妹にしか見えなかったのだろう。
「ご、ごめんなさい~てっきりお姉さんと離れるのが嫌でついてきたのかと・・・」
時が経つにつれ成長するだろうと思ったが、寧ろどんどん周りと年が離れている状態になっていた。
「王都から来た冒険者が話してたけれど、ミリーさんとユラさんは去年の合同戦で勝利したパーティーでいいのかな?」
清掃を終えたフィアさんが話に混ざると合同戦の時の事を聞いてきていた。
あの時点では映像投射器はまだ出回っていなかったから顔までは知られていないはずだが、ミリーとユラの武器で気付いたのだろうか。
私に関しては普通に負けちゃってたし、アイリは一瞬で終わらせすぎて印象が少ないみたいだ。
「去年の合同戦は基準も変わりすぎてましたし、勝利に関しては微妙ですわね・・・」
「・・・ほぼ王立対私立になってたからね」
あの時の教訓で近接職用の防御法を試した事があったなと振り返る。
まともに攻撃受けたら普通に死ねるので全身を覆うバリアみたいなのを考えたが今の所出番はなかったりする。
「・・・王立の魔導師も剣士もほぼフィオナに倒されたから結果的には私達の負けだったと思う」
「え?その子が王立の学院生を・・・?」
フィアさんが凄く驚いた顔をしている、見た目で判断する人には感じられなかったのだが少し傷付く・・・その視線はリアと私を交互に見ているようだった。
「少々長居してしまいましたわね、どこかおすすめの宿はあります?」
「あ、皆さんは帝都にはしばらく滞在しますか?」
ノアがいいところを知ってるようだが、滞在期間も特に決めてはいないと皆と顔を合わせる。
「少なくとも1年くらいは帝都にいることになりそうですわね・・・長期的に借りられる部屋があるといいですわね」
「あら、それなら私の友人がやってる宿があるから紹介状書きましょうか?」
どの世界でも人脈は重要だなと再確認するのであった。
紹介された宿は同じ南西城下町内で目と鼻の先にある三階建ての宿屋だった。
手前に民家が並んでおり、横の通りから2軒過ぎた辺りの右手に建っているがその通りを進めば闘技場の方に出るみたいだ。
五人全員で1部屋は流石に狭いだろうからと2部屋用意してくれるという話しみたいだ。
「ふむ、この位置ならフレイアにも直ぐに行けるのう」
リアはフレイアが気に入ったようで、帝都に来て1日も経っていないが常連の仲間入りを果たしたようだ。
「長期的な利用ということで3階の2部屋だそうですわ、あまり夜更かしはしちゃだめですわよフィオナ?」
私だけ名指しなのは少々気になるが・・・この世界に来てから寧ろ規則正しい生活をしているはず。
「こっちの通り行くとどこにでるんだろう?」
「・・・闘技場らしいよ、そこを更に進んだら北西城下町みたい」
王都もそうだったが帝都も皇城の隣に闘技場が建っている、魔物もいる世界だからなのか単に皇帝や国王の趣味なのか・・・
「今からギルドに行くのも時間がかかりそうですわ、今日の所は休みましょう」
ギルドは東城下町にあるみたいだがフレイアで思ったより長居してしまった。
「アーシルに向かうのはしばらく様子を見た方が賢明だと思うです」
「・・・北の大森林地帯がどうとも言ってたね」
最初の帝都での行動は喫茶店で食事をしただけなのであった。
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