貴方の杖、直します。ただし、有料です。

椎茸

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第8章 襲来

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ユミルとレインは、帰宅後、ゆっくりとふたりのディナーを楽しんだ。
ユミルが余韻に耽る中、エイドリアンがバロンから預かったのか、ユミル宛ての手紙を持ってきた。

ユミルは封筒を裏返して送り主の名前を見ると、先ほどまでの幸せな余韻が吹き飛ぶほど驚いた。

ユミルの母からの手紙だ。

親から手紙が届いても、驚くことではない。
しかし、ユミルはレインの邸宅に勤めていることを家族に伝えていなかったので、手紙の配達を担当する運送局の一番近い所の所留めにしてもらっていたのだ。
ここの住所を伝えてなど、いないはずだ。

ユミルは慌てて手紙の封を切った。

要約すると、どうやらユミルの魔法局での感謝状授与の件は、どうやら田舎にまで届いたらしい。地元では、ユミルの出身ということもあり、首都からは遅れて、地方紙で大きく取り上げられたようだ。ユミルの家族にとっては寝耳に水だったので、記事を見て大層驚いたこと、そして、賛辞の言葉が並べられていた。また、その記事を見て、この邸宅宛てに送れば、直接ユミルの手に手紙が渡ると思ったようだった。

雇い主であるレインの家に直接手紙を寄越すなんて、と思いつつも、ユミルは手紙の届いた理由に納得して、落ち着いて手紙を読み進めていた。しかし、最後の文章を読むと、驚いたケットシーのように飛び上がり、慌ててレインの部屋に向かった。

「夜分に申し訳ございません、少々よろしいでしょうか?」
「どうした?」

ユミルが慌てて部屋の外から声をかけると、ロイドを既に下がらせていたのか、レイン本人が扉を開けてユミルを出迎えた。
レインは、慌てた様子のユミルに少しだけ驚いたような表情をしている。

「急なのですが、明日もお休みをいただけないでしょうか?」
「別に構わないが…、何かあったのか?」

ユミルは手紙を開いてレインの前に突きつけるように見せた。

「家族が!来ると言っています!」
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