21 / 29
第一章
021 王国に蠢く闇─②
しおりを挟む
十二月中旬。町は大変な騒ぎとなり、お祭りムードが漂っていた。
ダンスパーティー当日──異国から姫や王子たちがファルーハ王国へやってきた。
フィリはただのダンスパーティーではないと感づいていた。これだけ資源豊かな王国に呼ばれ、願わくば姫を嫁がせようと、どの国も必死に動いている。
「フィリ様、とても良くお似合いです」
「ありがとう」
アイラもまた上機嫌で、他の侍従たちも感嘆の声が漏れている。
上品な淡い白の正装に、大きすぎない宝石が耳や胸元、頭部に舞っている。これもヴァシリスが「フィリは顔が整っているから、派手なものより際立てるものが良く似合う」と助言をしたただ。ヴァシリスの判断は正しかった。
「いよいよ今までの練習の成果を出すときだ。ヴァシリス含めフロア中に思い知らせてやる」
「フィリ様、行うのはダンスです。戦争ではありません」
「それだけフィリ様は気合を入れていらっしゃるのですよ。では、そろそろ会場へ向かいましょう。ヴァシリス様ももう向かっている頃かと存じます」
最後に頭にシルクのヴェールを被せてもらい、部屋を後にした。
フロアには下后たちや異国の姫や王子がすでにいて、和やかな雰囲気の中、グラスや軽食を口にしている。
フィリが足を踏み入れると、熱い息がそこら中から漏れ始める。
「第三王子の……」
「なんとお美しい……」
褒めると居心地が悪く感じてしまう。中には厳しい目を向ける者もいた。上后相手にはっきりとは口にしないが、男で上后が許せないためか、ただの嫉妬か──。
会場の雰囲気がまた変わった。視線の先には、ヴァシリスがいる。彼もまた、フィリと似た白い正装であり、宝石をほとんど身につけていない。
「あまりに美しくて驚いた。心臓が止まるかと思ったぞ」
「ありがとう。ヴァシリスもよく似合っているよ」
ヴァシリスはフィリの手を取り、甲に口づけをした。
「サーリャ様だ」
彼女は紅い衣に身を包んでいる。誰よりも派手な衣だが、顔立ちや姿勢は引けを取っていない。口にしなくともフロアにいる全員が、彼女が国王の上后だと知っただろう。
サーリャはいち早くフィリに気づくと、にっこりと笑顔を見せた。
フィリもお辞儀をし、微笑を浮かべる。
「すっかり気に入られたな」
「そうか? サーリャ様には思惑があり、敵を作りたくないのだろうと思う」
「それはその通りだ。だが仲良くするに越したことはない。……フィリ、なるべく俺から離れるなよ」
ヴァシリスに手を繋がれたまま、軽食のある方へと進む。
誰かと距離を取っているように感じ、尻目に見るとちょうどジャミルが姿を現していた。上后と共にいるというのに、彼は異国の姫に無遠慮な視線を浴びせている。
一方のヴァシリスは、自ら先に軽食のスコーンを半分に割り、口に入れている。
「ほら、食べてみろ。これはココナッツを使っていない」
「ヴァシリス、毒味なら僕がやる。僕なら多少毒が身体に入っても問題ない」
「そういう話じゃない。どれだけ上后を大切に思っているかというアピールにも繋がる。それにここにあるものは安全だ。万が一毒を盛られているとしたら、国際問題に発展するからな」
早く食べろ、と催促され、フィリは照れながらも口を開く。
「…………美味しい」
「ダンスまでは腹ごしらえをしよう」
姫たちの無遠慮な視線も慣れたものか、ヴァシリスはまったく気にする様子はない。
「第三王子・ヴァシリス様でございますね。私はリアユルム国のサリア申します。お会いできて光栄です」
「サリア姫。初めまして。私はヴァシリス、こちらは我が后であるフィリです」
「噂はかねがね聞いております」
突き刺す瞳の強さに、歓迎されていないのだと悟った。
フィリは特に何も言わず、軽く会釈をした。
「あとでご一緒に踊って頂きたいですわ」
近くにいる人たちは訝しむような視線をサリアに向けている。
上后の前で堂々と言いのける自信は、美貌からくるものだろうか。
「ええ、ぜひ。ですが最初は私の后と踊るのが先です。本日を楽しみにしていました」
ヴァシリスは微笑むが、フィリに向ける笑みとはまた違っていた。
「はあ…………」
フロアではまだパーティーが続いている。ヴァシリスの周りには人が集まり、ダンスを申し込まれていた。
彼を狙っているのはサリアだけではなかった。姫たちの視線の意味は「上后がいるのに品のない行動をするサリアを咎めていた」のではなく「一人出し抜こうとするサリアを妬ましげに見ていた」のだ。彼女たちには上后がいようとも関係ない。下后であろうともヴァシリスの后になりたくて仕方ないのだ。ファルーハ王国は資源も豊富で同盟国として申し分がない。政治的思惑もある。
「美しき上后・フィリ様」
赤い民族衣装をまとう男性は、ヴァシリスとは違う真っ白な胸元を惜しげもなく晒している。
男性はフィリの前で屈むと、手の甲に唇をつけた。躊躇の欠片もない。
「フロアにいらっしゃらないので、心配しました」
「少し酔いを覚まそうとしただけです」
「お酒を口にされたのですか?」
「人酔いです」
戻るに戻れなくなってしまった。ヴァシリスは今頃、姫たちと代わる代わる踊っているだろう。
「よろしければ、少し歩きませんか? 私は後宮に入れない身ですし、このようなときでないとあなたのような美しい方とお話しできませんから」
「……構いません」
この男がファルーハ王国にどのような利益をもたらすかは知らないが、誘いを断るのは賢明とは言えない。
「ファルーハ王国は恋愛にとても寛大な王国ですね」
「寛大とは?」
「私の国は海を越えた小さな島国ですが、男女の結婚しか認められていません。自由で羨ましくもあります」
「私の母国も同じです。保守的で、外部のものを招き入れることすらひと苦労です。それに元々は恋愛結婚ではありませんよ」
「強制結婚でしたか」
「ある意味強制ではありましたが、出会って恋愛をして、結婚に至りました」
「それもまた運命なのでしょう。タヌエルク神に似たフィリ様より、加護を得たく思います」
深々と頭を下げる彼に、ほんの少し同情心が芽生えた。
ファルーハ王国へ来て資源や人間関係、パーティーなど、話す話題があるにもかかわらず、彼は結婚の話をした。第三王子と上后の恋愛に関して踏み込むとは、おそらく彼は意中の人がいるように見えた。
「フィリ!」
全力で駆けてきてフィリに抱きついたのは、ハラだ。今はもう元気いっぱいで、毒にまみれた顔色の悪さが嘘のようだ。
ハラは会うたびに顔つきが大人びてきて、上背も伸びている。
「いきなりいなくなるんだもん。探したよ」
「少し散歩をしていたんだ」
「これはこれは……愛らしい王子様」
男性は小さな王子に恭しく会釈をした。
「フィリは僕と結婚するんだ。口説いたらだめだよ。一緒にお茶会だってした仲なんだ!」
「大変失礼いたしました。王子様がいらっしゃるのなら、フロアへのエスコートは私でなくとも問題ないようですね。ではフィリ様、ご機嫌よう」
男性は機嫌よく、踵を返した。
足音が聞こえなくなるまで見送った後、近くのベンチへ腰を下ろす。
「久しぶりだな。ハラ。元気そうで良かった」
「もう大丈夫だよ。さっきは何を話していたの?」
「互いの国の話だ。向こうは名乗らなかった。おそらくもう会うことはないからだろう。心配するような話はしていない。それよりまた一人で抜け出したのか」
「今回は別だよ! だってフィリがフロアからいなくなったんだもん。一緒に踊ろうかと思ったらずっとヴァシリス兄様が独占してるし」
「悪かったな」
ハラの頭を撫でると、
「戻って一緒に踊ろう」
ハラは得意げにフィリの手を取った。エスコートをしたくて仕方がなかったらしい。
少し背が伸びたとはいえ、一緒に踊るにはまだ心もとないが、ハラはリズムに乗るのが上手い。足取りが軽く、フィリは振り回されるばかりだ。
「フィリって……ダンス苦手?」
「おまっ……ヴァシリスだって気を使って言わないんだぞ!」
「え? そうなの? ごめん。でもさ、ちゃんと練習した方がいいよ」
「…………これでも練習しているんだ」
踊っている最中、ヴァシリスと目が合った。嫉妬で狂った目でも微笑ましい目でもない。ただ腹を抱えて肩を揺らしていた。
ダンスパーティー当日──異国から姫や王子たちがファルーハ王国へやってきた。
フィリはただのダンスパーティーではないと感づいていた。これだけ資源豊かな王国に呼ばれ、願わくば姫を嫁がせようと、どの国も必死に動いている。
「フィリ様、とても良くお似合いです」
「ありがとう」
アイラもまた上機嫌で、他の侍従たちも感嘆の声が漏れている。
上品な淡い白の正装に、大きすぎない宝石が耳や胸元、頭部に舞っている。これもヴァシリスが「フィリは顔が整っているから、派手なものより際立てるものが良く似合う」と助言をしたただ。ヴァシリスの判断は正しかった。
「いよいよ今までの練習の成果を出すときだ。ヴァシリス含めフロア中に思い知らせてやる」
「フィリ様、行うのはダンスです。戦争ではありません」
「それだけフィリ様は気合を入れていらっしゃるのですよ。では、そろそろ会場へ向かいましょう。ヴァシリス様ももう向かっている頃かと存じます」
最後に頭にシルクのヴェールを被せてもらい、部屋を後にした。
フロアには下后たちや異国の姫や王子がすでにいて、和やかな雰囲気の中、グラスや軽食を口にしている。
フィリが足を踏み入れると、熱い息がそこら中から漏れ始める。
「第三王子の……」
「なんとお美しい……」
褒めると居心地が悪く感じてしまう。中には厳しい目を向ける者もいた。上后相手にはっきりとは口にしないが、男で上后が許せないためか、ただの嫉妬か──。
会場の雰囲気がまた変わった。視線の先には、ヴァシリスがいる。彼もまた、フィリと似た白い正装であり、宝石をほとんど身につけていない。
「あまりに美しくて驚いた。心臓が止まるかと思ったぞ」
「ありがとう。ヴァシリスもよく似合っているよ」
ヴァシリスはフィリの手を取り、甲に口づけをした。
「サーリャ様だ」
彼女は紅い衣に身を包んでいる。誰よりも派手な衣だが、顔立ちや姿勢は引けを取っていない。口にしなくともフロアにいる全員が、彼女が国王の上后だと知っただろう。
サーリャはいち早くフィリに気づくと、にっこりと笑顔を見せた。
フィリもお辞儀をし、微笑を浮かべる。
「すっかり気に入られたな」
「そうか? サーリャ様には思惑があり、敵を作りたくないのだろうと思う」
「それはその通りだ。だが仲良くするに越したことはない。……フィリ、なるべく俺から離れるなよ」
ヴァシリスに手を繋がれたまま、軽食のある方へと進む。
誰かと距離を取っているように感じ、尻目に見るとちょうどジャミルが姿を現していた。上后と共にいるというのに、彼は異国の姫に無遠慮な視線を浴びせている。
一方のヴァシリスは、自ら先に軽食のスコーンを半分に割り、口に入れている。
「ほら、食べてみろ。これはココナッツを使っていない」
「ヴァシリス、毒味なら僕がやる。僕なら多少毒が身体に入っても問題ない」
「そういう話じゃない。どれだけ上后を大切に思っているかというアピールにも繋がる。それにここにあるものは安全だ。万が一毒を盛られているとしたら、国際問題に発展するからな」
早く食べろ、と催促され、フィリは照れながらも口を開く。
「…………美味しい」
「ダンスまでは腹ごしらえをしよう」
姫たちの無遠慮な視線も慣れたものか、ヴァシリスはまったく気にする様子はない。
「第三王子・ヴァシリス様でございますね。私はリアユルム国のサリア申します。お会いできて光栄です」
「サリア姫。初めまして。私はヴァシリス、こちらは我が后であるフィリです」
「噂はかねがね聞いております」
突き刺す瞳の強さに、歓迎されていないのだと悟った。
フィリは特に何も言わず、軽く会釈をした。
「あとでご一緒に踊って頂きたいですわ」
近くにいる人たちは訝しむような視線をサリアに向けている。
上后の前で堂々と言いのける自信は、美貌からくるものだろうか。
「ええ、ぜひ。ですが最初は私の后と踊るのが先です。本日を楽しみにしていました」
ヴァシリスは微笑むが、フィリに向ける笑みとはまた違っていた。
「はあ…………」
フロアではまだパーティーが続いている。ヴァシリスの周りには人が集まり、ダンスを申し込まれていた。
彼を狙っているのはサリアだけではなかった。姫たちの視線の意味は「上后がいるのに品のない行動をするサリアを咎めていた」のではなく「一人出し抜こうとするサリアを妬ましげに見ていた」のだ。彼女たちには上后がいようとも関係ない。下后であろうともヴァシリスの后になりたくて仕方ないのだ。ファルーハ王国は資源も豊富で同盟国として申し分がない。政治的思惑もある。
「美しき上后・フィリ様」
赤い民族衣装をまとう男性は、ヴァシリスとは違う真っ白な胸元を惜しげもなく晒している。
男性はフィリの前で屈むと、手の甲に唇をつけた。躊躇の欠片もない。
「フロアにいらっしゃらないので、心配しました」
「少し酔いを覚まそうとしただけです」
「お酒を口にされたのですか?」
「人酔いです」
戻るに戻れなくなってしまった。ヴァシリスは今頃、姫たちと代わる代わる踊っているだろう。
「よろしければ、少し歩きませんか? 私は後宮に入れない身ですし、このようなときでないとあなたのような美しい方とお話しできませんから」
「……構いません」
この男がファルーハ王国にどのような利益をもたらすかは知らないが、誘いを断るのは賢明とは言えない。
「ファルーハ王国は恋愛にとても寛大な王国ですね」
「寛大とは?」
「私の国は海を越えた小さな島国ですが、男女の結婚しか認められていません。自由で羨ましくもあります」
「私の母国も同じです。保守的で、外部のものを招き入れることすらひと苦労です。それに元々は恋愛結婚ではありませんよ」
「強制結婚でしたか」
「ある意味強制ではありましたが、出会って恋愛をして、結婚に至りました」
「それもまた運命なのでしょう。タヌエルク神に似たフィリ様より、加護を得たく思います」
深々と頭を下げる彼に、ほんの少し同情心が芽生えた。
ファルーハ王国へ来て資源や人間関係、パーティーなど、話す話題があるにもかかわらず、彼は結婚の話をした。第三王子と上后の恋愛に関して踏み込むとは、おそらく彼は意中の人がいるように見えた。
「フィリ!」
全力で駆けてきてフィリに抱きついたのは、ハラだ。今はもう元気いっぱいで、毒にまみれた顔色の悪さが嘘のようだ。
ハラは会うたびに顔つきが大人びてきて、上背も伸びている。
「いきなりいなくなるんだもん。探したよ」
「少し散歩をしていたんだ」
「これはこれは……愛らしい王子様」
男性は小さな王子に恭しく会釈をした。
「フィリは僕と結婚するんだ。口説いたらだめだよ。一緒にお茶会だってした仲なんだ!」
「大変失礼いたしました。王子様がいらっしゃるのなら、フロアへのエスコートは私でなくとも問題ないようですね。ではフィリ様、ご機嫌よう」
男性は機嫌よく、踵を返した。
足音が聞こえなくなるまで見送った後、近くのベンチへ腰を下ろす。
「久しぶりだな。ハラ。元気そうで良かった」
「もう大丈夫だよ。さっきは何を話していたの?」
「互いの国の話だ。向こうは名乗らなかった。おそらくもう会うことはないからだろう。心配するような話はしていない。それよりまた一人で抜け出したのか」
「今回は別だよ! だってフィリがフロアからいなくなったんだもん。一緒に踊ろうかと思ったらずっとヴァシリス兄様が独占してるし」
「悪かったな」
ハラの頭を撫でると、
「戻って一緒に踊ろう」
ハラは得意げにフィリの手を取った。エスコートをしたくて仕方がなかったらしい。
少し背が伸びたとはいえ、一緒に踊るにはまだ心もとないが、ハラはリズムに乗るのが上手い。足取りが軽く、フィリは振り回されるばかりだ。
「フィリって……ダンス苦手?」
「おまっ……ヴァシリスだって気を使って言わないんだぞ!」
「え? そうなの? ごめん。でもさ、ちゃんと練習した方がいいよ」
「…………これでも練習しているんだ」
踊っている最中、ヴァシリスと目が合った。嫉妬で狂った目でも微笑ましい目でもない。ただ腹を抱えて肩を揺らしていた。
27
あなたにおすすめの小説
黒獅子の愛でる花
なこ
BL
レノアール伯爵家次男のサフィアは、伯爵家の中でもとりわけ浮いた存在だ。
中性的で神秘的なその美しさには、誰しもが息を呑んだ。
深い碧眼はどこか憂いを帯びており、見る者を惑わすと言う。
サフィアは密かに、幼馴染の侯爵家三男リヒトと将来を誓い合っていた。
しかし、その誓いを信じて疑うこともなかったサフィアとは裏腹に、リヒトは公爵家へ婿入りしてしまう。
毎日のように愛を囁き続けてきたリヒトの裏切り行為に、サフィアは困惑する。
そんなある日、複雑な想いを抱えて過ごすサフィアの元に、幼い王太子の世話係を打診する知らせが届く。
王太子は、黒獅子と呼ばれ、前国王を王座から引きずり降ろした現王と、その幼馴染である王妃との一人息子だ。
王妃は現在、病で療養中だという。
幼い王太子と、黒獅子の王、王妃の住まう王城で、サフィアはこれまで知ることのなかった様々な感情と直面する。
サフィアと黒獅子の王ライは、二人を取り巻く愛憎の渦に巻き込まれながらも、密かにゆっくりと心を通わせていくが…
流れる星、どうかお願い
ハル
BL
羽水 結弦(うすい ゆずる)
オメガで高校中退の彼は国内の財閥の一つ、羽水本家の次男、羽水要と番になって約8年
高層マンションに住み、気兼ねなくスーパーで買い物をして好きな料理を食べられる。同じ性の人からすれば恵まれた生活をしている彼
そんな彼が夜、空を眺めて流れ星に祈る願いはただ一つ
”要が幸せになりますように”
オメガバースの世界を舞台にしたアルファ×オメガ
王道な関係の二人が織りなすラブストーリーをお楽しみに!
一応、更新していきますが、修正が入ることは多いので
ちょっと読みづらくなったら申し訳ないですが
お付き合いください!
夫には好きな相手がいるようです。愛されない僕は針と糸で未来を縫い直します。
伊織
BL
裕福な呉服屋の三男・桐生千尋(きりゅう ちひろ)は、行商人の家の次男・相馬誠一(そうま せいいち)と結婚した。
子どもの頃に憧れていた相手との結婚だったけれど、誠一はほとんど笑わず、冷たい態度ばかり。
ある日、千尋は誠一宛てに届いた女性からの恋文を見つけてしまう。
――自分はただ、家からの援助目当てで選ばれただけなのか?
失望と涙の中で、千尋は気づく。
「誠一に頼らず、自分の力で生きてみたい」
針と糸を手に、幼い頃から得意だった裁縫を活かして、少しずつ自分の居場所を築き始める。
やがて町の人々に必要とされ、笑顔を取り戻していく千尋。
そんな千尋を見て、誠一の心もまた揺れ始めて――。
涙から始まる、すれ違い夫婦の再生と恋の物語。
※本作は明治時代初期~中期をイメージしていますが、BL作品としての物語性を重視し、史実とは異なる設定や表現があります。
※誤字脱字などお気づきの点があるかもしれませんが、温かい目で読んでいただければ嬉しいです。
完結|好きから一番遠いはずだった
七角@書籍化進行中!
BL
大学生の石田陽は、石ころみたいな自分に自信がない。酒の力を借りて恋愛のきっかけをつかもうと意気込む。
しかしサークル歴代最高イケメン・星川叶斗が邪魔してくる。恋愛なんて簡単そうなこの後輩、ずるいし、好きじゃない。
なのにあれこれ世話を焼かれる。いや利用されてるだけだ。恋愛相手として最も遠い後輩に、勘違いしない。
…はずだった。
いい加減観念して結婚してください
彩根梨愛
BL
平凡なオメガが成り行きで決まった婚約解消予定のアルファに結婚を迫られる話
元々ショートショートでしたが、続編を書きましたので短編になりました。
2025/05/05時点でBL18位ありがとうございます。
作者自身驚いていますが、お楽しみ頂き光栄です。
【第一章完結】死に戻りに疲れた美貌の傾国王子、生存ルートを模索する
とうこ
BL
その美しさで知られた母に似て美貌の第三王子ツェーレンは、王弟に嫁いだ隣国で不貞を疑われ哀れ極刑に……と思ったら逆行!? しかもまだ夫選びの前。訳が分からないが、同じ道は絶対に御免だ。
「隣国以外でお願いします!」
死を回避する為に選んだ先々でもバラエティ豊かにkillされ続け、巻き戻り続けるツェーレン。これが最後と十二回目の夫となったのは、有名特殊な一族の三男、天才魔術師アレスター。
彼は婚姻を拒絶するが、ツェーレンが呪いを受けていると言い解呪を約束する。
いじられ体質の情けない末っ子天才魔術師×素直前向きな呪われ美形王子。
転移日本人を祖に持つグレイシア三兄弟、三男アレスターの物語。
小説家になろう様にも掲載しております。
※本編完結。ぼちぼち番外編を投稿していきます。
強欲なる花嫁は総てを諦めない
浦霧らち
BL
皮肉と才知と美貌をひっさげて、帝国の社交界を渡ってきた伯爵令息・エルンスト──その名には〝強欲〟の二文字が付き纏う。
そんなエルンストが戦功の褒美と称されて嫁がされたのは、冷血と噂される狼の獣人公爵・ローガンのもとだった。
やがて彼のことを知っていくうちに、エルンストは惹かれていく心を誤魔化せなくなる。
エルンストは彼に応える術を探しはじめる。荒れた公爵領を改革し、完璧な伴侶として傍に立つために。
強欲なる花嫁は、総てを手に入れるまで諦めない。
※性描写がある場合には*を付けています。が、後半になると思います。
※ご都合主義のため、整合性は無いに等しいです、雰囲気で読んでください。
※自分の性癖(誤用)にしか配慮しておりません。
※書き溜めたストックが無くなり次第、ノロノロ更新になります。
君に不幸あれ。
ぽぽ
BL
「全部、君のせいだから」
学校でも居場所がなく、家族に見捨てられた男子高校生の静。
生きる意味を失いかけた時に屋上で出会ったのは、太陽に眩しい青年、天輝玲だった。
静より一つ年上の玲の存在は、静の壊れかけていた心の唯一の救いだった。
静は玲のことを好きになり、静の告白をきっかけに二人は結ばれる。
しかしある日、玲の口から聞いた言葉が静の世界を一瞬で反転させる。
「好きになられるからあいつには近づかない方がいいよ。」
玲に対する感情は信頼から憎悪へと変わった。
それから十年。
静の容姿は昔の面影がないほど美しくなり、玲を惚れさせた上で捨てようとするが…
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる