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5話※
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ハンクが見たこともない甘い表情で、こちらを見下ろしている。
「ハンク、そんな顔するんだ」
「気持ちが通じ合って繋がるのはやはり嬉しいですから。でも、イリアスさんには早く寝てほしいので、一回だけでやめますね」
「んあっ……」
一回だけ。そう決めたせいか、この前よりもだいぶスローペースにゆるゆるとした動きでナカを責めたてられている。ぬちっぬちっという音が響く。
「あっあっ、んあぁっ」
「はぁっ、可愛いですよ、イリアスさんっ」
淡い快楽がもどかしい。もっと強い刺激がほしくて堪らなくなる。
「ね、もっとはげしくして」
「駄目です。一回で終われなくなります」
「おわらなくていいからぁっ」
「勘弁してください。俺だって本当はめちゃくちゃにしたいのを頑張って抑えてるんです。週末になったらまた目一杯楽しみましょう? ね?」
年下になだめられるように言われてしまえば、我慢せざるを得ない。
僕が果てたあと、ハンクも達した。
「そんな物足りないっていう目で見ないで、シャワー浴びてきてください」
「分かったよ」
僕もハンクもシャワーを浴びて、ベッドに入る。僕は、ハンクの長身にすっぽり収まるようにして寝転んだ。
「ふふっ、ハンクだぁ。あったかぁい」
目の前にある鼻先をちょんとつつくと、ハンクの顔はみるみる赤くなった。
「ほんと勘弁してくださいよ。なんですか今の。可愛すぎるでしょう」
ハンクが僕の背中に手を回して、ぽんぽんと叩く。
「ずっと傍にいます。眠れそうですか」
「うん、久々によく眠れそー……」
そう言っている間にも瞼が重くなってきて、僕は眠気に身をゆだねた。
「おやすみなさい、イリアスさん」
◆
「え、文書管理課のおっさん、部下に手を出しまくってたのバレて左遷させられたんすか!?」
「チェスター、声が大きいよ」
朝一番にラルドさんが報告があると言われて飛び込んできたニュースがこれだ。僕なんか、冷や汗がだらだらとしている。
「いや、だって、騒ぎたくもなりますって。うわー、マジっすか。噂じゃなくて、実話だったってことっすよね」
「火が無いとことに煙はたたずって言うしねぇ。部下が揃って上に報告にしたんだって。左遷先は坑道での力仕事だ。今まで事務仕事だったおじさんはすぐに音を上げて依願退職になるだろうねぇ」
「わー、容赦ないっすねぇ。ここにも部下を食った上司がいますけど」
「食ったのは俺ですし、俺たちは健全なお付き合いなので、同じにしないでください」
「イリアス君も、ようやく身を固めることになって何よりだよ。長く続くように祈ってるよ」
顔から火が噴き出そうな心地だ。
「こんなに可愛い恋人を手放すわけないじゃないですか。例えイリアスさんが別れ話を持ち出してきても、俺は全力で粘ります。まず別れ話を切り出されないように努力します」」
チェスターが、ひゅう、とはやし立てる。
「お熱いこって」
「で、文書管理課の課長職が空いたわけなんだけど、僕はイリアス君を推薦しようと思ってる。ハンク君と離れ離れになっちゃうけど、結婚したら部署は離す決まりだし、ちょっと早まるだけだよ。どう?」
「ぼ、僕でよければ!」
うんうん、とラルドさんが頷く。
「イリアスさんならきっと勤まりますよ。悩んだらすぐ俺に相談してくださいね」
本当は自信がない。それでもハンクに励まされれば、不思議と何でもできる気がした。
「ハンク、そんな顔するんだ」
「気持ちが通じ合って繋がるのはやはり嬉しいですから。でも、イリアスさんには早く寝てほしいので、一回だけでやめますね」
「んあっ……」
一回だけ。そう決めたせいか、この前よりもだいぶスローペースにゆるゆるとした動きでナカを責めたてられている。ぬちっぬちっという音が響く。
「あっあっ、んあぁっ」
「はぁっ、可愛いですよ、イリアスさんっ」
淡い快楽がもどかしい。もっと強い刺激がほしくて堪らなくなる。
「ね、もっとはげしくして」
「駄目です。一回で終われなくなります」
「おわらなくていいからぁっ」
「勘弁してください。俺だって本当はめちゃくちゃにしたいのを頑張って抑えてるんです。週末になったらまた目一杯楽しみましょう? ね?」
年下になだめられるように言われてしまえば、我慢せざるを得ない。
僕が果てたあと、ハンクも達した。
「そんな物足りないっていう目で見ないで、シャワー浴びてきてください」
「分かったよ」
僕もハンクもシャワーを浴びて、ベッドに入る。僕は、ハンクの長身にすっぽり収まるようにして寝転んだ。
「ふふっ、ハンクだぁ。あったかぁい」
目の前にある鼻先をちょんとつつくと、ハンクの顔はみるみる赤くなった。
「ほんと勘弁してくださいよ。なんですか今の。可愛すぎるでしょう」
ハンクが僕の背中に手を回して、ぽんぽんと叩く。
「ずっと傍にいます。眠れそうですか」
「うん、久々によく眠れそー……」
そう言っている間にも瞼が重くなってきて、僕は眠気に身をゆだねた。
「おやすみなさい、イリアスさん」
◆
「え、文書管理課のおっさん、部下に手を出しまくってたのバレて左遷させられたんすか!?」
「チェスター、声が大きいよ」
朝一番にラルドさんが報告があると言われて飛び込んできたニュースがこれだ。僕なんか、冷や汗がだらだらとしている。
「いや、だって、騒ぎたくもなりますって。うわー、マジっすか。噂じゃなくて、実話だったってことっすよね」
「火が無いとことに煙はたたずって言うしねぇ。部下が揃って上に報告にしたんだって。左遷先は坑道での力仕事だ。今まで事務仕事だったおじさんはすぐに音を上げて依願退職になるだろうねぇ」
「わー、容赦ないっすねぇ。ここにも部下を食った上司がいますけど」
「食ったのは俺ですし、俺たちは健全なお付き合いなので、同じにしないでください」
「イリアス君も、ようやく身を固めることになって何よりだよ。長く続くように祈ってるよ」
顔から火が噴き出そうな心地だ。
「こんなに可愛い恋人を手放すわけないじゃないですか。例えイリアスさんが別れ話を持ち出してきても、俺は全力で粘ります。まず別れ話を切り出されないように努力します」」
チェスターが、ひゅう、とはやし立てる。
「お熱いこって」
「で、文書管理課の課長職が空いたわけなんだけど、僕はイリアス君を推薦しようと思ってる。ハンク君と離れ離れになっちゃうけど、結婚したら部署は離す決まりだし、ちょっと早まるだけだよ。どう?」
「ぼ、僕でよければ!」
うんうん、とラルドさんが頷く。
「イリアスさんならきっと勤まりますよ。悩んだらすぐ俺に相談してくださいね」
本当は自信がない。それでもハンクに励まされれば、不思議と何でもできる気がした。
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