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第2章:てんぱい異世界の足跡
第25話 天貴、山へ行く
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「ご飯の旅、出発だモー!!!」
「美味しいご飯が待ってるベ~!」
というわけで、俺とアリスはモーちゃん&メーちゃんと一緒に、牛と羊、それぞれ50匹くらいの大行列を引き連れて、アルカ山の麓にある草原地帯へ向かって出発した。
「あれ、アリス?その腰の弓矢は?」
「これ?うん、一応護身でね!」
護身、だと?そう、ここは異世界。魔物に盗賊…。まさか落武者の亡霊とか…!?俺の頭に次々と浮かぶ不吉なもの。そんなわけないか!と気を取り直してレッツゴーだ!
「なんか俺、身体が軽い!?」
この世界に来てから、まともな運動ってしてなかったけど、身体を動かしてみると明らかに機動力が高いというか。ひょっとしてこの世界って重力がちょい軽い?なんて感じなら、弾むように歩く。
「これなら目的地まで楽勝だぜ!」
―――なんて思ってた頃もありました。
(開始20分)
牛、モーモー。羊、メェメェ。俺、ぜぇぜぇ。
「あ、あの……アリスさん?これ、あとどのくらいでしょうか?」
「半分は超えたわ!でも、麓だからへっちゃらよ!頑張って♪」
アリスはさらっと言うけど、道のりはアップダウンが多く、途中でぬかるんだり、謎に好戦的なウサギとエンカウントしたりで思ったより大変だった。
「ひぃ…ひぃ…おやっさん農場では山へ放牧なんて無かったしなぁ…」
「でもね、モーちゃんとメーちゃんが動物たちと会話して統率してるから、普通に比べたらすごくスムーズなのよ!」
「そうかぁ…この二人、アニマルテイマーだっけ」
よく見ると、一番太ったボス牛に乗ったモーちゃんと、キリっとした雄々しい羊に乗ったメーちゃんが先頭でうまく誘導してる。少し列を乱した子がいても、彼らがすぐ気づき、鳴き声一つでサッと列に戻るあたり、完璧な主従関係とコミュニケーションが確立されている。
そして――――。
「着いたモ~!みんなモリモリ食べるだモ!!」
「ひ、ひぃ、やっと…」
到着早々、俺は草原にダウンする。
牛さんも羊さんも草原に放たれて、活き活きと草を食んでる。たしかにここの草って…。
「なんか、旨そうだな…」
ふいに口元にあった青々とした草に食いつくが、顔を歪ませてペッと吐き出す。我ながらアホだ。
「あら、天貴!草なんて食んで、もうお腹空いたの?」
「い、いや…うん?確かに腹、減ったな」
そう呟くと、離れた場所にいたモーちゃんとメーちゃんが叫びながら俺たちの方へ猛ダッシュ。
「おべんと!おべんと!」
「今のに反応したのか?テイマーって虫の知らせまで聞こえるのかよ!」
アリスはランチボックスから大きな布を取り出すと、「せーの!」でバサーッと地面に広げる。そのままササッと、手慣れた手つきでみんなのお皿を並べていく。気づけばもうモーちゃんとメーちゃんがワクワク顔で正座待機してる。俺も「よいしょ」っと身体を起こして、その輪の中に混ざるようにドサッと無造作に座った。
「モーちゃんメーちゃん、準備はいい?じゃあ、開けちゃうよぉ~?」
アリスは蓋の閉じたランチボックスをモーちゃんとメーちゃんの目の前に出して、エッグクレープのにぎらんサンドのお披露目までカウントダウン。おいおい、中身知ってる俺までワクワクするじゃねえか。
「3……2……1!…………それぇ!」
じゃーーーん!と開かれたランチボックスの中には、ずらりと並んだにぎらんサンドの断面が、黄・白・緑・ピンク・赤と色を成して整列している。
「モ~~~~!虹色のサンドイッチモ!!!」
「べ~~~~!レインボーおむすびだベ!!」
欲しかった反応にホッとひと安心。俺も初めて見た時、似たような事言ったっけなぁ。
『おにぎりとサンドウィッチで、おにぎッチじゃん!』
(とかなんとか…今思うと寒いな、おい)
「いただきますモ!!」
「いただきますベッ!」
アリスはふふっと笑って俺にもランチボックスをサッと差し出す。俺もひとついただいて、モーちゃんとメーちゃんが同時にパクついた反応を待ってみる。
「モーーー!!うんますぎるモーーー!!」
「ベーーー!!最強にうんメ~~~~!!」
腰を浮かせて弾みながら喜ぶ2人を見て、俺も早速パクッとひとくち。
「うん、やっぱ美味いな!!」
玄太飯の中でも屈指のおしゃれ属性だけど、肉好き男子でもしっかり満足できる!
「それじゃぁ私も…!」
アリスも目をキラキラさせて大きなひとくちでパクつくと、空を見上げて悶えてる!相当お気に召したご様子だ。
「ベーコンとトマソースのおかげで甘しょっぱくて、マヨネーズでミルキーなのに、レタスがシャキっとさわやかにまとめてる!しかもご飯だから食べ応えバッチリ!天貴、これ革命だわ!!」
(アリスの食レポってば、プロ!?ってレベルの的確さで、これ玄太にも聞かせてやりたいぜ)
ここまで褒められると、俺まで鼻が高くなっちまう。俺って、うまい!しか言えないからなぁ。
「あ、モーちゃんもう2個目突入!」
「メーちゃん!ベーコン落ちそう!お皿お皿!」
美味しい飯と笑い声!それに、この美しい山々と気持ちいい風!しぶしぶだったけど、本当作って良かったぜ。こんな顔見られるなら、一回くらい玄太に作ってやるんだったな。
「俺。料理作って大事な人に食べさせたいって気持ち、ちょっと分かった気がする」
「ふふ!自分の作ったもので人を幸せにできるって素敵だね」
我ながら臭いセリフと思ったが、そう答えてニコッと笑うアリスのおかげで恥ずかしさは感じなかった。
「ん?」
やけに静かになったと思ったら、モーちゃんとメーちゃんはくっついて寝落ちしてる。
―――しばし、のんびりとした時間が流れる。
こっちの世界に来てから、何かとバタバタ続きだったから、こういうのんびりはありがたい限りだ。
「トマト一個でこの成果かぁ」
ウトウトするテイマー姉妹を眺めながら、アリスが呟いた。
「最近、色んな問題でバタバタしてたけど、たった1つの歯車がこんなにも未来を変えちゃうんだなって!」
確かにそうだな。たった一つのトマトで経営の危機も救われて、こんなに美味しいご飯も食べれて、それがきっかけで農場の空も晴れた!
「じゃぁ、トマト様々だな!」
そう言って俺は大の字に寝転ぶ。
「トマトだけじゃないよ」
「え?」
そう言ってアリスも大の字に寝転ぶと、彼女のアストラである予言の力について話してくれた。
「…私のアストラって、ちょっとみんなと違うんだ」
「未来視、だっけ?」
俺はまだアストラそのものをよく分かっていない。だから、みんなと“同じ”とか“違う”という感覚すら、いまいちピンとこない。そもそも未来視って予言ってやつなのかな?だとしたら、クータンと同じ系統のチカラなのか?それにしても、俺ってなんでこうも予言って言葉に縁があるんだろう。
「私の力じゃ、未来を切り開けない…みんなと違ってね」
「そうか?予言っていうと、むしろ未来を切り開くためにあるもんじゃないのか?」
この世界に来てアリスと一番話す機会が多いけど、確かにアリスの能力に関してはほとんど聞いたことがなかったな。
「起こる未来が視えるだけじゃ何も出来ないから…」
「でもそれを知ってるだけで誰かを救えることもあるだろ」
俺がそう言うと、アリスは一瞬だけ目を見開いた。けれどすぐに、少し困ったように笑って、視線を空へと向けた。
「この種を発芽させようとか、この空を晴らそうとか明確な自分の意思で使えるわけじゃないの」
「へえ。この先どうなるか神様教えて!って感じじゃないんだな」
確かに特殊な能力って、能動的に使うイメージが強い。”視える”という感覚は想像出来ないけど、自分の意思と無関係に”受け取る”って感じなのかもしれないな。
「ん~わかんない!そういう向き合い方をしたことがないっていうか」
「あ!さては、俺と同じで自分でもよく分かってないんじゃねえの!?」
わざと冗談っぽく聞いてみる。
「じゃぁ、天貴だったら全部知りたいって…知るべきだって思う?」
少し考え込むような、遠くを見るようなアリスの目。悩める乙女というより、どこか哲学的な問い。俺が最も苦手なジャンルだ。
「なーんてね!」
そう言ってわざとおどけるアリスの方を、俺は片肘をついて向き直す。
「アリスはずっと、そのアストラと一緒に生きてきた。なら、アリスなりの答えがあるんだろ?俺と違ってさ」
アリスはまるでその言葉を待っていたかのように、ランチボックスからガサガサと何かを取り出した。
「そうね!天貴はまだアストラに関しては赤ちゃんみたいなもの。だから…はい、これ!」
「水筒…?」
(なに?赤ちゃん用のミルクでも入ってんのか?)
アリスはニコッとしながら水筒をカラカラ、と横に振った。
「美味しいご飯が待ってるベ~!」
というわけで、俺とアリスはモーちゃん&メーちゃんと一緒に、牛と羊、それぞれ50匹くらいの大行列を引き連れて、アルカ山の麓にある草原地帯へ向かって出発した。
「あれ、アリス?その腰の弓矢は?」
「これ?うん、一応護身でね!」
護身、だと?そう、ここは異世界。魔物に盗賊…。まさか落武者の亡霊とか…!?俺の頭に次々と浮かぶ不吉なもの。そんなわけないか!と気を取り直してレッツゴーだ!
「なんか俺、身体が軽い!?」
この世界に来てから、まともな運動ってしてなかったけど、身体を動かしてみると明らかに機動力が高いというか。ひょっとしてこの世界って重力がちょい軽い?なんて感じなら、弾むように歩く。
「これなら目的地まで楽勝だぜ!」
―――なんて思ってた頃もありました。
(開始20分)
牛、モーモー。羊、メェメェ。俺、ぜぇぜぇ。
「あ、あの……アリスさん?これ、あとどのくらいでしょうか?」
「半分は超えたわ!でも、麓だからへっちゃらよ!頑張って♪」
アリスはさらっと言うけど、道のりはアップダウンが多く、途中でぬかるんだり、謎に好戦的なウサギとエンカウントしたりで思ったより大変だった。
「ひぃ…ひぃ…おやっさん農場では山へ放牧なんて無かったしなぁ…」
「でもね、モーちゃんとメーちゃんが動物たちと会話して統率してるから、普通に比べたらすごくスムーズなのよ!」
「そうかぁ…この二人、アニマルテイマーだっけ」
よく見ると、一番太ったボス牛に乗ったモーちゃんと、キリっとした雄々しい羊に乗ったメーちゃんが先頭でうまく誘導してる。少し列を乱した子がいても、彼らがすぐ気づき、鳴き声一つでサッと列に戻るあたり、完璧な主従関係とコミュニケーションが確立されている。
そして――――。
「着いたモ~!みんなモリモリ食べるだモ!!」
「ひ、ひぃ、やっと…」
到着早々、俺は草原にダウンする。
牛さんも羊さんも草原に放たれて、活き活きと草を食んでる。たしかにここの草って…。
「なんか、旨そうだな…」
ふいに口元にあった青々とした草に食いつくが、顔を歪ませてペッと吐き出す。我ながらアホだ。
「あら、天貴!草なんて食んで、もうお腹空いたの?」
「い、いや…うん?確かに腹、減ったな」
そう呟くと、離れた場所にいたモーちゃんとメーちゃんが叫びながら俺たちの方へ猛ダッシュ。
「おべんと!おべんと!」
「今のに反応したのか?テイマーって虫の知らせまで聞こえるのかよ!」
アリスはランチボックスから大きな布を取り出すと、「せーの!」でバサーッと地面に広げる。そのままササッと、手慣れた手つきでみんなのお皿を並べていく。気づけばもうモーちゃんとメーちゃんがワクワク顔で正座待機してる。俺も「よいしょ」っと身体を起こして、その輪の中に混ざるようにドサッと無造作に座った。
「モーちゃんメーちゃん、準備はいい?じゃあ、開けちゃうよぉ~?」
アリスは蓋の閉じたランチボックスをモーちゃんとメーちゃんの目の前に出して、エッグクレープのにぎらんサンドのお披露目までカウントダウン。おいおい、中身知ってる俺までワクワクするじゃねえか。
「3……2……1!…………それぇ!」
じゃーーーん!と開かれたランチボックスの中には、ずらりと並んだにぎらんサンドの断面が、黄・白・緑・ピンク・赤と色を成して整列している。
「モ~~~~!虹色のサンドイッチモ!!!」
「べ~~~~!レインボーおむすびだベ!!」
欲しかった反応にホッとひと安心。俺も初めて見た時、似たような事言ったっけなぁ。
『おにぎりとサンドウィッチで、おにぎッチじゃん!』
(とかなんとか…今思うと寒いな、おい)
「いただきますモ!!」
「いただきますベッ!」
アリスはふふっと笑って俺にもランチボックスをサッと差し出す。俺もひとついただいて、モーちゃんとメーちゃんが同時にパクついた反応を待ってみる。
「モーーー!!うんますぎるモーーー!!」
「ベーーー!!最強にうんメ~~~~!!」
腰を浮かせて弾みながら喜ぶ2人を見て、俺も早速パクッとひとくち。
「うん、やっぱ美味いな!!」
玄太飯の中でも屈指のおしゃれ属性だけど、肉好き男子でもしっかり満足できる!
「それじゃぁ私も…!」
アリスも目をキラキラさせて大きなひとくちでパクつくと、空を見上げて悶えてる!相当お気に召したご様子だ。
「ベーコンとトマソースのおかげで甘しょっぱくて、マヨネーズでミルキーなのに、レタスがシャキっとさわやかにまとめてる!しかもご飯だから食べ応えバッチリ!天貴、これ革命だわ!!」
(アリスの食レポってば、プロ!?ってレベルの的確さで、これ玄太にも聞かせてやりたいぜ)
ここまで褒められると、俺まで鼻が高くなっちまう。俺って、うまい!しか言えないからなぁ。
「あ、モーちゃんもう2個目突入!」
「メーちゃん!ベーコン落ちそう!お皿お皿!」
美味しい飯と笑い声!それに、この美しい山々と気持ちいい風!しぶしぶだったけど、本当作って良かったぜ。こんな顔見られるなら、一回くらい玄太に作ってやるんだったな。
「俺。料理作って大事な人に食べさせたいって気持ち、ちょっと分かった気がする」
「ふふ!自分の作ったもので人を幸せにできるって素敵だね」
我ながら臭いセリフと思ったが、そう答えてニコッと笑うアリスのおかげで恥ずかしさは感じなかった。
「ん?」
やけに静かになったと思ったら、モーちゃんとメーちゃんはくっついて寝落ちしてる。
―――しばし、のんびりとした時間が流れる。
こっちの世界に来てから、何かとバタバタ続きだったから、こういうのんびりはありがたい限りだ。
「トマト一個でこの成果かぁ」
ウトウトするテイマー姉妹を眺めながら、アリスが呟いた。
「最近、色んな問題でバタバタしてたけど、たった1つの歯車がこんなにも未来を変えちゃうんだなって!」
確かにそうだな。たった一つのトマトで経営の危機も救われて、こんなに美味しいご飯も食べれて、それがきっかけで農場の空も晴れた!
「じゃぁ、トマト様々だな!」
そう言って俺は大の字に寝転ぶ。
「トマトだけじゃないよ」
「え?」
そう言ってアリスも大の字に寝転ぶと、彼女のアストラである予言の力について話してくれた。
「…私のアストラって、ちょっとみんなと違うんだ」
「未来視、だっけ?」
俺はまだアストラそのものをよく分かっていない。だから、みんなと“同じ”とか“違う”という感覚すら、いまいちピンとこない。そもそも未来視って予言ってやつなのかな?だとしたら、クータンと同じ系統のチカラなのか?それにしても、俺ってなんでこうも予言って言葉に縁があるんだろう。
「私の力じゃ、未来を切り開けない…みんなと違ってね」
「そうか?予言っていうと、むしろ未来を切り開くためにあるもんじゃないのか?」
この世界に来てアリスと一番話す機会が多いけど、確かにアリスの能力に関してはほとんど聞いたことがなかったな。
「起こる未来が視えるだけじゃ何も出来ないから…」
「でもそれを知ってるだけで誰かを救えることもあるだろ」
俺がそう言うと、アリスは一瞬だけ目を見開いた。けれどすぐに、少し困ったように笑って、視線を空へと向けた。
「この種を発芽させようとか、この空を晴らそうとか明確な自分の意思で使えるわけじゃないの」
「へえ。この先どうなるか神様教えて!って感じじゃないんだな」
確かに特殊な能力って、能動的に使うイメージが強い。”視える”という感覚は想像出来ないけど、自分の意思と無関係に”受け取る”って感じなのかもしれないな。
「ん~わかんない!そういう向き合い方をしたことがないっていうか」
「あ!さては、俺と同じで自分でもよく分かってないんじゃねえの!?」
わざと冗談っぽく聞いてみる。
「じゃぁ、天貴だったら全部知りたいって…知るべきだって思う?」
少し考え込むような、遠くを見るようなアリスの目。悩める乙女というより、どこか哲学的な問い。俺が最も苦手なジャンルだ。
「なーんてね!」
そう言ってわざとおどけるアリスの方を、俺は片肘をついて向き直す。
「アリスはずっと、そのアストラと一緒に生きてきた。なら、アリスなりの答えがあるんだろ?俺と違ってさ」
アリスはまるでその言葉を待っていたかのように、ランチボックスからガサガサと何かを取り出した。
「そうね!天貴はまだアストラに関しては赤ちゃんみたいなもの。だから…はい、これ!」
「水筒…?」
(なに?赤ちゃん用のミルクでも入ってんのか?)
アリスはニコッとしながら水筒をカラカラ、と横に振った。
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