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定番を踏んで行く日々

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街規模になったのにココに訪れる人はあんまりいない・・・御役人様達の入れ替えは細々とだけどあるんだけど。

最初は村想定だったけど皆のやり過ぎ生産でこんなに広くなったのに追加の開拓民も来ないみたい。

・・・何でだろ?

でも生活が安定した大人たちのお陰で子供の数は年々増え続けている。

だから友達もレティーだけから大分増えて僕的には嬉しい限りなんだけど・・・

レティーは僕が捕られたと感じているのか元々くっついてくる事が多かったけどベッタリ度がさらにパワーアップした。

・・・いや、冬は良いんだよ、冬は。

けど今は夏・・・別にキライとかじゃ無いんだけど暑いじゃん?

だから少し離れて欲しいんだけど。


が――――んっっっ!!!!


みたいな顔しても駄目です。

一緒に居るのは良いんだよ。

くっつき過ぎないでよって話。

・・・そんな捨てられた子犬みたいな顔されても。

・・・手繋ぐのも勘弁して欲しいんだけどなぁ。。。







揚げ物ブームで出た廃油は集めて濾して石鹸にした。

定番でしょ?

石鹸を作ったらなし崩してきにシャンプーやリンスとかも揃えて御風呂も造り込んだった。

御約束だよね・・・まあ僕が入りたくなっただけなんだけどさ。

両親ともに御風呂は気に入ってくれたみたいだけど特にお母さんが喜んでくれた。えへへ。

と言う事で久し振りに褒められてテンション上がった僕はさらに調子に乗ってスキンケア用品とかを作ってお母さんにプレゼント。

最初は良く分かって無いみたいだったけど、日が経つ毎にテンションが上がって行き最終的に大興奮。

いやー、そんなに喜んで貰えて僕も満足だよ~。

とか思ってたけど嵌りすぎて自分でも研究を始めて部屋に籠もり切るのはちょっと困っちゃったよね。

健康的に良くないし。

お母さんをお父さんと一緒に説得して外に出る時間をなんとか捻り出して貰ったよ。



数日家から出てこなかったお母さんを近所の人達も心配してたから今日はそのままお父さんと外にデートしに出てもらう事に。

「いってらっしゃーい!」

と元気良く送り出した筈なのに割と直ぐに戻ってきた。

・・・あれ、何か人数多くない?

・・・めっちゃ怒られた・・・というか、詰められた?

主に近所に住むお母さん連中に囲まれて凄い剣幕で口々に何か言われてる・・・

いや、一斉に喋られても解んないから。

「いやいや、わかってるわかってる。でも皆一旦落ち着きましょうよ」

と実は一緒に入って来てたメディルナ様にいなされて取り敢えず落ち着きを取り戻す奥様方達。

ふぅ~、助かった!

と思ったけど助かってなかった件ぇ。

メディルナ様口元は弧を描いているのに目が笑ってなかった。

めちゃくちゃ怒られた・・・

情報共有大事!

って胸に刻んだよよよ・・・

勝手に色々作るなって言われて頷いたけど大体いつも思いつきで行動してるからちょっと無理そうなのは内緒だ。

なるべく、速やかに、報告できたら良いな・・・


で、結局何があったかって言うと最初は数日見なかったお母さんを見て近所の人たちはほっとして話しかけに近寄ったらしい。

「あれ?何か・・・え?」

「ちょっ・・・ええ??・・・ティストさん、で良いのよね?」

家のお母さんのもちもち肌につやさらな髪、心なしか近づくとお花のやさしい香りがふわんと香って数日前とは明らかに違う姿に大勢が集った。

「うふふふ。それがねぇ~・・・」

自分でも変わった認識はあったけれどやっぱり他人から言われて喜んだお母さんはここ数日の出来事を洗い浚い皆に話す。

そこに知らせを受けたメディルナ様も合流し諸悪の根源(僕)に直接話を聞こうとなって今に至るらしい。

後お母さんが研究している道具とかも見に来たんだって。

あ、はい、どうぞどうぞ。お入りくださいませ。

取り敢えずの分は僕が即作って皆に渡す・・・あ、はい、解ってます。

ここに居ない人たちの分もですよね。直ぐに作らさせて頂きますとも、ええ。

なんでその怖い笑顔向けるの止めて頂けると・・・

「ん?」

「あ、いえ。何でも無いです、はい」

メディルナ様は始終怖かったよ。

まあ結局日常使いするものだから街に研究所を建てる事が決定した。

1回作り方を見せれば後は各々でやってくれるんで早々に僕の手を離れたソレ等は、お母さん達がそれ以外の物を犠牲にして研究に明け暮れてたけど皆何にも言わなかった・・・言えなかったとも言う。

お父さん達も一時他の仕事をそっちのけにして研究所を率先して作っていたし。

あの勢いと熱意には誰も勝てないよねぇ・・・



ある日、お母さんから

「油濾すの大変なんだよね・・・何か良い魔法無いかな、メティス」

と言われてちょっと考えてからスキルの【抽出】を使って汚れを取り除いてみせた。

「ふんふん。こうか?」

と発動したチート魔法は僕とは違って汚れを只単に抽出するだけじゃなくて古くなってた油も復活しているというとんでも仕様だった・・・

あれ、せっけん作る必要無かったんじゃない?これ揚げ物にまた再利用できるし・・・

とちょっと遠い目になっちゃったけど、お母さん達が大喜びだったんだから良いか、と気にしないことにした。

目を逸らしたとも言う。

なんだかんだ皆綺麗になってお父さん達も大喜び。

相手がいなかった人たちも綺麗な人たちが増えたからか次々に結婚していき子作りラッシュに拍車が掛かった。

それに当てられたのか何なのか・・・

レティーからのスキンシップが増えたと言うか内容が濃くなったと言えば良いのか・・・

いやいやお前、ソレはヤバいって!!

いや何でソコ立ってんの!?

お前ソレ今当たってるからなっ!

って、ソレこすりつけてくるのマジ止めろ~~~~っっっっ!!!!

・・・何かそのうちパックリ美味しく頂かれちゃうんじゃ無いかと危機感をひしひしと感じる今日この頃でござるよ。
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