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閑話 ~ラティルド(レティー)side~
しおりを挟む黒狼族が忌み嫌われる理由はその特殊な生態にある。
獣人族はそもそも番という自分の魂の半身が存在し、出会えば100パーセント結婚する。
出会えない場合は別の者と結婚する事になるがその後出会えれば番を優先し別れる事も可能であるという。
黒狼族には”決まった”番と言うのが存在しない。
色々と制約はあるものの、自分で番を決められる・・・例え相手が異種族だろうと、例え既に相手が番と出会っていて結婚していようとも相手の項に噛み付く事で自分の番として上書きが出来てしまうのだ。
・・・それが大きく波紋を呼んだ時代があったらしい。
只、誰でも好き勝手に何人でもという訳では無い。
・番は生涯に1人のみ。変更は不可能で番以外には反応しなくなる。(他獣人族は番外とも可)
・心から愛していなければ術は発動しない。しかし、一方通行可。
・番と共に死ぬ。
とか細かく制約が存在している・・・両親からは口をすっぱくして覚えさせられた。
とっても大事な事だからって。
一番忌み嫌われているのはやっぱり上書き可能って所みたい。
まあ、分かる。
僕も唯一無二のメティスを奪われちゃったら相手に何しちゃうかわからないし。
だから僕の相手がメティスに決まるまでは両親はいつも張り詰めた顔で僕を見張っていたのを知っている。
人族は番制度が存在しない種族。
出会い頭にプロポーズまがいな発言を彼自信がしてくれた事も良くってその時両親はとても安堵した表情を浮かべてた。
僕もホッとしたんだ。
父さんからはもし好きになっちゃいけない人に恋心を抱いたらその時点で殺さないといけなくなると念押しされていたから。
最悪の世代の再来なんて認識を抱かれちゃったら僕1人所か一族全ての存続危機に発展しかねないからって。
幸い開拓地へ向かう人の中に獣人族は自分たちだけで黒狼族について詳しい人は居なかった。
・・・但しメディルナ様は除くけど。
まあ流石に上の階級の人は知っているよね。
凄く有名な話らしいし。
別にメディルナ様も僕を嫌っているとかじゃないのは分かっている。
そしてメディルナ様自身がメティスを狙ってるなんて事も無いんだ。
でもメティスは言うなれば金の卵を生み出せるコッコウ(鶏)みたいな希少な存在だから彼から向けられる視線はいつもピリピリと厳しい・・・出来る事なら別の人を、と思っているんだろう事もわかるし理解できるんだけど恋って理屈じゃないからさ。
「はぁ~・・・寒い~~っっ!!レティー、もふもふ貸して~」
ぎゅむっとひっつき虫の如く毛皮に埋もれるメティスに愛しさが止まらない。
「ぬくぬく~~」
と笑うメティス越しに苦笑を浮かべるメディルナ様を見る。
「・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
コレに関して特にお互い言葉を交わした事は一切無い。
今日も御互い言及せずに終わって、でも視線がなくなる事は無いと知っている。
「僕、頑張るっ」
こいつになら任せても良いなって思ってもらえるようになりたい・・・いや、なってみせるっ!!
「おうっ、頑張れ!」
「ふふふ、頑張りなさいな」
「・・・・・・はぁ、ままならんなぁ~・・・」
「??頑張れ??」
腕の中でキョトン顔のメティスが可愛い・・・
わからないなりに応援してくれるところも愛おしいんだ。
ちゅっっ。
「っ!?おま、、え!!何してんだよっ!?!?」
ほっぺに1つキスを落としただけでこのうろたえっぷりだよ?
真っ赤になってプルプルしてて、でも離れたら寒いから腕の中に納まったまま耐えてるんだよ、可愛すぎじゃない?
はぁ~・・・はやく大人になってメティスと番いたい・・・。
無意識にふんふんと彼の項に顔を寄せちゃうよ。
「いや、頑張るんだろうっ!?」
「今ソコ噛んでも番にはなれないからねっ!」
「噛むっ!?噛むって何だ!?!?痛いのはやだぞっ!!」
大丈夫だよ。番う時の首噛みはめちゃくちゃ気持ち良いらしいし。
「取り、敢え、ずっ!!」
べりっとメテイスと引き剥がされる。
「頑張るんだろ?」
「・・・・・・ん」
頭をぐしゃぐしゃに掻き回される。
「寒いならじっとしてないで広場にでも行って遊んで来い!」
「はーい。行こう、レティー」
「うん!行ってきまーす」
躊躇い無く手を差し出してくれる君に心底惚れているんだ。
成人まで後9年・・・メティスにふさわしい男になれるように頑張ると改めて心に刻み込んだのだった。
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