【完結】転生しました。どうやら今世は男のようです。

潤樹 零

文字の大きさ
7 / 19

閑話 ~ラティルド(レティー)side~

しおりを挟む



黒狼族が忌み嫌われる理由はその特殊な生態にある。

獣人族はそもそも番という自分の魂の半身が存在し、出会えば100パーセント結婚する。

出会えない場合は別の者と結婚する事になるがその後出会えれば番を優先し別れる事も可能であるという。


黒狼族には”決まった”番と言うのが存在しない。

色々と制約はあるものの、自分で番を決められる・・・例え相手が異種族だろうと、例え既に相手が番と出会っていて結婚していようとも相手の項に噛み付く事で自分の番として上書きが出来てしまうのだ。

・・・それが大きく波紋を呼んだ時代があったらしい。

只、誰でも好き勝手に何人でもという訳では無い。

・番は生涯に1人のみ。変更は不可能で番以外には反応しなくなる。(他獣人族は番外とも可)

・心から愛していなければ術は発動しない。しかし、一方通行可。

・番と共に死ぬ。

とか細かく制約が存在している・・・両親からは口をすっぱくして覚えさせられた。

とっても大事な事だからって。

一番忌み嫌われているのはやっぱり上書き可能って所みたい。

まあ、分かる。

僕も唯一無二のメティスを奪われちゃったら相手に何しちゃうかわからないし。

だから僕の相手がメティスに決まるまでは両親はいつも張り詰めた顔で僕を見張っていたのを知っている。

人族は番制度が存在しない種族。

出会い頭にプロポーズまがいな発言を彼自信がしてくれた事も良くってその時両親はとても安堵した表情を浮かべてた。

僕もホッとしたんだ。

父さんからはもし好きになっちゃいけない人に恋心を抱いたらその時点で殺さないといけなくなると念押しされていたから。

最悪の世代の再来なんて認識を抱かれちゃったら僕1人所か一族全ての存続危機に発展しかねないからって。

幸い開拓地へ向かう人の中に獣人族は自分たちだけで黒狼族について詳しい人は居なかった。

・・・但しメディルナ様は除くけど。

まあ流石に上の階級の人は知っているよね。

凄く有名な話らしいし。

別にメディルナ様も僕を嫌っているとかじゃないのは分かっている。

そしてメディルナ様自身がメティスを狙ってるなんて事も無いんだ。

でもメティスは言うなれば金の卵を生み出せるコッコウ(鶏)みたいな希少な存在だから彼から向けられる視線はいつもピリピリと厳しい・・・出来る事なら別の人を、と思っているんだろう事もわかるし理解できるんだけど恋って理屈じゃないからさ。




「はぁ~・・・寒い~~っっ!!レティー、もふもふ貸して~」

ぎゅむっとひっつき虫の如く毛皮に埋もれるメティスに愛しさが止まらない。

「ぬくぬく~~」

と笑うメティス越しに苦笑を浮かべるメディルナ様を見る。

「・・・・・・」

「・・・・・・・・・」

コレに関して特にお互い言葉を交わした事は一切無い。

今日も御互い言及せずに終わって、でも視線がなくなる事は無いと知っている。

「僕、頑張るっ」

こいつになら任せても良いなって思ってもらえるようになりたい・・・いや、なってみせるっ!!

「おうっ、頑張れ!」

「ふふふ、頑張りなさいな」

「・・・・・・はぁ、ままならんなぁ~・・・」

「??頑張れ??」

腕の中でキョトン顔のメティスが可愛い・・・

わからないなりに応援してくれるところも愛おしいんだ。

ちゅっっ。

「っ!?おま、、え!!何してんだよっ!?!?」

ほっぺに1つキスを落としただけでこのうろたえっぷりだよ?

真っ赤になってプルプルしてて、でも離れたら寒いから腕の中に納まったまま耐えてるんだよ、可愛すぎじゃない?

はぁ~・・・はやく大人になってメティスと番いたい・・・。

無意識にふんふんと彼の項に顔を寄せちゃうよ。

「いや、頑張るんだろうっ!?」

「今ソコ噛んでも番にはなれないからねっ!」

「噛むっ!?噛むって何だ!?!?痛いのはやだぞっ!!」

大丈夫だよ。番う時の首噛みはめちゃくちゃ気持ち良いらしいし。

「取り、敢え、ずっ!!」

べりっとメテイスと引き剥がされる。

「頑張るんだろ?」

「・・・・・・ん」

頭をぐしゃぐしゃに掻き回される。

「寒いならじっとしてないで広場にでも行って遊んで来い!」

「はーい。行こう、レティー」

「うん!行ってきまーす」

躊躇い無く手を差し出してくれる君に心底惚れているんだ。

成人まで後9年・・・メティスにふさわしい男になれるように頑張ると改めて心に刻み込んだのだった。
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

捨てられた生贄オメガ、魔王城で極上の『巣作り』始めます!~不眠症の魔王様、私のクッションで爆睡して溺愛モードに突入~

水凪しおん
BL
「役立たずのオメガ」として冷遇され、血も涙もない魔王への生贄として捨てられたリノ。 死を覚悟して連れてこられた魔王城は、寒くて硬くて、居住性最悪のブラック環境だった!? 「こんなところで寝られるか!」 極限状態で発動したオメガ特有の『巣作り本能』と、神業レベルの裁縫スキルが火を噴く! ゴミ同然の布切れをフカフカのクッションに、冷たい石床を極上のラグマットにリフォーム。 すると、不眠症で常にイライラしていた魔王ザルドリスが、リノの作った「巣」のあまりの快適さに陥落してしまい……? 「……貴様、私を堕落させる気か」 (※いいえ、ただ快適に寝たいだけです) 殺されるどころか、魔王様に気に入られ、気付けば城中がリノの虜に。 捨てられた生贄オメガが、裁縫一つで魔王城を「世界一のマイホーム」に変える、ほのぼの逆転溺愛ファンタジー!

身代わり召喚された俺は四人の支配者に溺愛される〜囲い込まれて逃げられません〜

たら昆布
BL
間違って異世界召喚された青年が4人の男に愛される話

人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました

よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、 前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。 獣人が支配する貴族社会。 魔力こそが価値とされ、 「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、 レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。 そんな彼を拾ったのは、 辺境を治める獣人公爵アルト。 寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。 溺愛され、守られ、育てられる日々。 だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。 学院での出会い。 貴族社会に潜む差別と陰謀。 そして「番」という、深く重い絆。 レオンは学び、考え、 自分にしかできない魔法理論を武器に、 少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。 獣人と人族。 価値観も、立場も、すべてが違う二人が、 それでも選び合い、家族になるまでの物語。 溺愛×成長×異世界BL。 読後に残るのは、 「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。

悪役令息ですが破滅回避で主人公を無視したら、高潔な態度だと勘違いされて聖人認定。なぜか溺愛ルートに入りました

水凪しおん
BL
BL小説『銀の瞳の聖者』の悪役令息ルシアンに転生してしまった俺。 原作通りなら、主人公ノエルをいじめ抜き、最後は断罪されて野垂れ死ぬ運命だ。 「そんなの絶対にお断りだ! 俺は平和に長生きしたい!」 破滅フラグを回避するため、俺は決意した。 主人公ノエルを徹底的に避け、関わらず、空気のように生きることを。 しかし、俺の「無視」や「無関心」は、なぜかノエルにポジティブに変換されていく。 「他の人のように欲望の目で見ないなんて、なんて高潔な方なんだ……!」 いじめっ子を視線だけで追い払えば「影から守ってくれた」、雨の日に「臭いから近寄るな」と上着を投げつければ「不器用な優しさ」!? 全力で嫌われようとすればするほど、主人公からの好感度が爆上がりして、聖人認定されてしまう勘違いラブコメディ! 小心者の悪役令息×健気なポジティブ主人公の、すれ違い溺愛ファンタジー、ここに開幕!

異世界で聖男と呼ばれる僕、助けた小さな君は宰相になっていた

k-ing /きんぐ★商業5作品
BL
 病院に勤めている橘湊は夜勤明けに家へ帰ると、傷ついた少年が玄関で倒れていた。  言葉も話せず、身寄りもわからない少年を一時的に保護することにした。  小さく甘えん坊な少年との穏やかな日々は、湊にとってかけがえのない時間となる。  しかし、ある日突然、少年は「ありがとう」とだけ告げて異世界へ帰ってしまう。  湊の生活は以前のような日に戻った。  一カ月後に少年は再び湊の前に現れた。  ただ、明らかに成長スピードが早い。  どうやら違う世界から来ているようで、時間軸が異なっているらしい。  弟のように可愛がっていたのに、急に成長する少年に戸惑う湊。  お互いに少しずつ気持ちに気づいた途端、少年は遊びに来なくなってしまう。  あの時、気持ちだけでも伝えれば良かった。  後悔した湊は彼が口ずさむ不思議な呪文を口にする。  気づけば少年の住む異世界に来ていた。  二つの世界を越えた、純情な淡い両片思いの恋物語。  序盤は幼い宰相との現実世界での物語、その後異世界への物語と話は続いていきます。

【土壌改良】スキルで追放された俺、辺境で奇跡の野菜を作ってたら、聖剣の呪いに苦しむ伝説の英雄がやってきて胃袋と心を掴んでしまった

水凪しおん
BL
戦闘にも魔法にも役立たない【土壌改良】スキルを授かった伯爵家三男のフィンは、実家から追放され、痩せ果てた辺境の地へと送られる。しかし、彼は全くめげていなかった。「美味しい野菜が育てばそれでいいや」と、のんびり畑を耕し始める。 そんな彼の作る野菜は、文献にしか存在しない幻の品種だったり、食べた者の体調を回復させたりと、とんでもない奇跡の作物だった。 ある嵐の夜、フィンは一人の男と出会う。彼の名はアッシュ。魔王を倒した伝説の英雄だが、聖剣の呪いに蝕まれ、死を待つ身だった。 フィンの作る野菜スープを口にし、初めて呪いの痛みから解放されたアッシュは、フィンに宣言する。「君の作る野菜が毎日食べたい。……夫もできる」と。 ハズレスキルだと思っていた力は、実は世界を浄化する『創生の力』だった!? 無自覚な追放貴族と、彼に胃袋と心を掴まれた最強の元英雄。二人の甘くて美味しい辺境開拓スローライフが、今、始まる。

処理中です...