奥さまはモンスターバスター 時々 異世界召喚勇者

はなぶさ 源ちゃん

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奥さまはモンバス姉さん編

66 暗黒魔王と至高の勇者 その2

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 「勇者饅頭はいかがですか?」
 「勇者ぬいぐるみ特別バージョンはいかがでしょうか?」

 その日の午後、オータム国王都フォールでは『二大勇者 VS 暗黒魔王祭り』開催で、各地からのお客様でごった返していた。
 うん、アリス姫のお兄さんのラシャール王や『執事さん』、『ロリ女神さま』、『例の侍女さん』を始めとするガルーダ王国の面々も来てくれてます。
ミーシャちゃんといい、ラシャール王といい、王様たちは国を放っておいて、遊びに来ていて大丈夫なんですか?!

 「なんだ、この騒ぎは?!」
 「何をおっしゃっておられるのかしら?あなたが『魔王たる力を多くの民たちに思い知らせてくれるわ!』というから多くの人が集まるようにセットしたのだけれど。」
 「……わかった。それでは今から集まった者どもに目に物を見せてくれるわ!」
 暗黒魔王は何か釈然としない表情をしながらも闘技場に入っていった。



 「それでは、競技を開始します。実況中継は私ガルーダ国国王のラシャールが、解説はあの最強勇者の武術の師匠にあたるという『奇跡の超人・ミラクルファイター』さんにお願いしております。」
 いやいや、齊藤警部!いつに間にこんなところにおられるのですか?!!

 しかし、アリス姫によく似た容貌の優しい雰囲気の好青年の国王の隣に、青と黄色のボディスーツを着た口だけ見える銀色のマスクを被ったスーパーヒーローが座っている構図はなかなかシュールなものがあります。

 第一競技は『料理対決』です。
 一時間の制限時間内にどんな料理でもいいので、味・見た目などの完成度で評価を競います。
 なお、公平を期すためにオータム国、暗黒魔王陣営、グレート帝国から各一人と、その辺を歩いていたおじさん、トラミちゃんの五人で構成されています。

 あまり判定がおかしかった場合は『抗議も認められる』ようにしております。

 また、各競技は各チーム一〇名の構成員の中からその競技ごとに決められた人数が参加することになっています。
 得意競技だけに出ればいいので、チームごとの不公平さが少なくなるようになっております。

 「では、いよいよ料理対決始まりました!
 暗黒魔王チームは…おおっと!暗黒魔王が魔法を使って、自分のチームのメンバーの能力を上げる魔法を使ったようです。
 これで、判断力を上げたり、疲れにくくしたりして、料理作業の効率を良くしようという作戦ですね!」
 「なかなか考えてますね。暗黒魔王自体は料理はできないようですが、監督としては優秀なようです。なになに、今入った情報によると魔王城で出る『闇料理コース』なのだそうです。」
 うん、ラシャール王は気さくな人だとは思っていましたが、思っていた以上にノリノリにやってくれています。

 「至高の勇者チームは、かなり手際のいいメンバーを揃えているようです。至高の勇者自体は監督に徹していて、ところどころ魔法を使って、料理の効率を上げているようです。
 こちらも勇者以外が料理自体に相当手馴れているようです。」
 「全員自信を持って作業をしていますね。こちらもなかなかの出来が期待できそうですね。こちらの料理はやはりグレート帝国宮廷料理だそうです。いいにおいがしてきました。
試食が楽しみです!!」
 斎藤警部が食い意地の張った発言をされています。困ったおじさんです。

 「烈火の勇者チームは…おおっと!こちらではメインのはずの烈火の勇者はお運びさんです。」
 「ええ、なんでも烈火の勇者の御実家では『男子厨房に入るべからず』という一昔前までの教訓に縛られている家だったそうですから。だから、今回の競技では『役立たず』なわけですね。」
 「なるほど、暗黒魔王チーム、至高の勇者チームともにトップは料理はしませんでしたが、こちらのチームでは勇者は監督すらできないと…。おおっと、烈火の勇者が泣きそうな顔をされています。これは失言でした。申し訳ない!
 ……おおっ!!その代わりと言ってはなんですが、背の高いダンディーな男性が驚異的な動きをして、作業をものすごく効率的に進めておられます!!」

 ふっふっふっふ、さまざまな競技のために石川家の執事をしてくれている巧さん(久能巧さん)に助っ人に来ていただいたのですよ!!
 料理の腕自体が超達人レベルなのですが、他の人との連携プレイのうまさも桁違いなのです。その技量のスゴサに光ちゃんが『巧はんは執事の中の執事!KINGオブ執事や!!』と感動の叫びを上げたことがあるくらいです。

 烈火の勇者が参加している…という建前のために参加している伊集院君は別にして、巧さん以外の三人も料理の猛者を揃えてます。

 技量は巧さんには及びませんが『極大に愛情を注ぐ』アルさん、中華の達人光ちゃん(学生時代は中華料理店で鍋を振るバイトをしてました。)、シードラゴンモードに入れば作業の早さは達人レベルの私とが揃い、調理作業は極めて順調に進みます。


 「各チーム完成したようです!それでは試食タイムに入ります。」

 各チームの料理が並べられていきます。
 どれも見た目はなかなかおいしそうです。

 「では、まずは暗黒魔王チームから。
 審査員の点数は9点、8点、10点、8点、9点!合計で44点!
 なかなかの高得点です。ミラクルファイターさん、いかがでしょうか?」
 「うん、確かに旨い!見た目は黒くてどうしようかと思ったが、思った以上にいい味を出してる。 十分に一流レストランで商品として通用するレベルだ!ごっつぁんです!」
 私も一口味見をさせてもらいましたが、かなりの出来栄えです。
 味はやや濃いめですが、ガルーダ王城の料理と比べてもそん色のないレベルと言えるでしょう。

 「続きまして、至高の勇者チームです!
 審査員の点数は8点、10点、9点、9点、9点!合計で45点!
 こちらもかなりいい得点です。解説をお願いします。」
 「渋いねえ!こちらは素材の使い方がうまい!見た目も闇料理よりワンランク上の分、点数に反映されている感じですね。なかなかグッジョブです!」
 こちらもとてもおいしいです。やや薄味で上品な感じでしょうか?
 素材の味を生かした分、領土が広く、食材が豊富なグレート帝国の良さが出ている…と言えるかもしれません。

 「最後は烈火の勇者チームです。
 審査員の点数は10点、10点、10点、10点、10点!なんと50点満点です!
 ライバルチームの審査員すら満点を出しています!そして、通りがかりのおじさんとトラミちゃんが抱き合って号泣しています!!
 解説のミラクルファイターさん、解説を………ミラクルファイターさん?」
 「………う、うまいぞーー!!!!こんなうまい料理喰ったことがない!!
 和洋中華そろい踏みで見た目もものすごく豪華だが、この繊細な味はなんだ?!!
 とろける!一口ごとに舌がとろけていくーー!!」
 「ミラクルファイターさんずるいです!!私にも食べさせてください!
 …………本当だ!!めちゃくちゃおいしいです!!!」

 ……はい。おいしいです!!今年のお正月早々アルさんと巧さんはご結婚されたわけなのですが、 『夫婦の愛情がご結婚以降もだんだん高まっているな』とは思っていたのですよ。
 時々夫婦合作で私たちに料理を作って下さっていて、その度に『泣けるほどおいしい』と思っていたのです。
 今回は食材もとびっきりを備えて、二人とも気合と愛情を思い切り込められた結果、今までにない傑作が生まれてくれたようです。 

 その状況に驚いた暗黒魔王と至高の勇者が私たちの料理を試食し……二人とも愕然とした表情に変わります。
 やはり『料理は愛情』ですね♪もちろん、それを支える技術はとても大切ではありますが…。


~~☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆~~


 「続きまして、第2競技は『ゾンビGO!』です。
 仮想空間のバイオハザード的な世界で手渡された銃器やご自身の武器や魔法を使って、襲い来るゾンビ軍団と戦う競技です。
 ……ミラクルファイターさん、バイオハザードてなんでしょうか?」
 「うん、俺もよくわからない娯楽作品らしいんだけど、ゾンビとか、その親玉っぽいのがいろいろ出てくるらしい。
 ちなみにこの競技は二人一組なので、よろしく♪」

 暗黒魔王チームは暗黒魔王とマッチョな魔法剣士です。
 二人とも強大な魔法と、でかい剣をぶんぶん振り回して力ずくでゾンビや合体ゾンビなどを殲滅していきます。
 仮想画面とは言え、見ているだけでグロい気分になりそうですが、彼らは気にせずにガンガン殲滅作業を続けていきます。

 「終了です!コンプリートです!所要時間一〇分二五秒です!いかがですか、ミラクルファイターさん?」
 「いいですねえ!すばらしい!ゲームセンターでの最高記録が一二分三三秒ですから、大幅に記録更新です!さすがに暗黒魔王は違いますね。」

 続いて、至高の勇者チームは至高の勇者と怜悧な雰囲気の女性魔導師です。
 長身で赤い髪のショートヘアのツン系の美女ですが、勇者にだけは出れそうな雰囲気です。
 暗黒魔王チームと違い、二人とも強大な魔法を効率的にスマートに使って的確にゾンビを殲滅していきます。
 こと魔法の使用に関して言えば、暗黒魔王チームよりもワンランク上かもしれません。

 「終了です!コンプリートです!所要時間一〇分二二秒です!こちらも見事でした。いかがですか、ミラクルファイターさん?」
 「暗黒魔王チームが、パワータイプとするならば、こちらは技巧タイプですか?!いやあ、こちらも素晴らしいです!暗黒魔王チームと普通の試合をした場合はかなりいい勝負になるのではないでしょうか。」

 さて、最後に烈火の勇者チームですが、巧さんと望海ちゃんです。
 望海ちゃんが重火器でどんどんゾンビの数を減らし、巧さんが残ったゾンビをものすごくスピーディーかつ、的確に射撃や魔法で瞬殺していきます。
 もとサバゲーマニアでモンスターバスター中でも重火器の扱いに関してはトップクラスの望海ちゃんの武器の扱いはスゴイものがあります。
 そして、元米軍情報将校で魔法、電子機器、さまざまな武器のエキスパートの巧さんは望海ちゃん以上に速く洗練された動きで的確に望海ちゃんのサポートをしています。

 「速い!ものすごく速い!終了です!当然コンプリートです!所要時間はなんど七分一五秒です。 圧倒的です!ミラクルファイターさん、コメントをお願いします!」
 「もう脱帽だね。マジカルコンバットガールも凄まじいが、久能氏に至っては神業だね。銃器を扱わせたら世界で右に出るものは存在しないよね!」

 コンバットコンビの凄まじい戦いぶりに暗黒魔王チームも至高の勇者チームも呆然としています。
 ふっふっふ、二チームの皆様。それくらいで愕然とされては困ります。
 これからが本番でございますから♪

続く
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