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さらに奥さまはモンバス姉さん編
99 風流院大学入試 その1
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北風が吹きすさぶ中、私立風流院大学の入試が始まろうとしている。
風流院大学の校舎は知る人ぞしるいわくつきの風流院高校の隣に今年から開講する大学だ。
俺が受験するのは風流院大学の異文化交流学部、実体は『モンスターバスター学部』で定員は100名だ。
現在30名が推薦で入学が決まっており、今回は残りの約70名が決まる予定だという。
推薦で決まった30人というのはおそらく俺のように名もない陰陽師の末裔ではなく、モンスターバスターたるエリートたちに違いないと思う。
だが、この俺引田 天空は落ちぶれた陰陽師の家系・引田家を自らの実力で立て直すのだ!
俺は小さいころ、ほぼ一般家庭と化してしまっていた引田家の蔵の奥から先祖の霊と交信できるスーパーアイテムを偶然目覚めさせて、高校三年に至る現在まで家族にも内緒で先祖の引田 空海の陰陽師としてのスパルタ修行を受け続けてきたのだ。
ぶっちゃけ最初は先祖の横暴姉さん(若くして夭折した女性陰陽師なのだ)にいやいや修行に付きあわされる感じだったのだが、空海姉さんの陰陽術に賭ける情熱にほだされて、だんだん本気になってきたのだ。
詳しいことは知らないのだが、『お前なら土御門の当主にも比肩する陰陽師になれる』と姉さんにはっぱをかけられてその気になっているところだ。
…ところで、土御門の現当主てどんな人でどれくらいの実力なんだろう?
空海姉さんは昔のことは非常に詳しいのだが、現在のこういう世界のことはさっぱりなんだよな。
俺も姉さんもモンスターバスターと言えば、シードラゴンマスク様のことくらいしか知らないし…。
まあ、異文化交流部に受かれば、そんな情報も入ってくるだろう。
そんなことを思いながら俺は試験を受けるために大学の講堂に入っていった。
受験者は講堂に集められて、まずは説明を受けることになっているそうだ。
続々と受験者が入ってきて、講堂の席が埋まっていく。
いろんな高校の制服を着た一見普通の受験生だけでなく、明らかな外国人や明確な『人外のオーラ』を纏った存在も何人もいる。
全部で二〇〇名くらい入ってきたところで、説明の開始時間となる。
壇上には銀髪の二〇過ぎくらいに見える女性が立つ。
背中まで伸びるストレートヘアのきりっとした長身の美女で、ただものではない受験生たちを見ても表情一つ変えないのはモンスターバスター学部の受験を担当するだけのことはあるのだろう。
女性は会場全体をざっと見回すと、マイクを持って話し始める。
「風流院大学の異文化交流部の受験生の皆様、今日はわざわざお越しいただきありがとうございます。
異文化交流部は皆様もご存じのように実態は『モンスターバスター養成学部』なわけですが、そのため通常の高校や大学の受験とはいろいろと異なった試験方法を取らせていただくことになります。」
女性の発言に会場のかなりの受験生が大きくざわめくが、何割かの受験生、特に人外のオーラを放つ受験生はその発言にむしろ興味深々といった感じだ。
「さて、会場を見たところ、何名かかなり問題のある受験生が混じっているようです。」
女性の発言に会場が大きくざわめく。
「受験番号23番の北川望海さん。あなたはどうしてここにおられるのでしょうか?」
言われて可愛らしいブレザー姿の女の子が前に出てくる。
真面目で優しそうな女の子だが、一体彼女の何が問題なのだろうか?
「はい、もちろん、風流院大学異文化交流部の実力に相応しいかどうかを試験で見極めたかったから推薦を受けずに受験させていただいたのです。」
北川という女の子が胸を張って答えている。
いきなり問題生扱いされて、こんな返答ができるとは彼女はものすごい大物なのでは?!
「いえ、大学生としての推薦だったらあなたの言う通りなのかもしれないけど、あなたは『講師としての赴任を要請』されたのだから、大学入試をあなたが受ける意味が分かんないんだけど?!!」
え?俺より年下に見える女の子を講師として招聘?
「ええ、ですから、受験生として合格しないものがどうして講師を受けることなどできましょうか?!!」
北川という女の子はさらにきりっとした表情で返答している。
「……ええと、では、北川さん。あなたがもし、スーパーヒーローオリンピックにも出場したモンスターバスターの『超人マルク』と全力で戦わなければいけない状況になったらあなたに勝つ自信はありますか?」
銀髪の女性が少し考えて北川さんに質問をする。
「はい、どんな汚い手を使ってもいいということでしたら、なんとかドローには持ち込めるとは思います。ただ、勝ちきるのは難しいと思いますが…。」
「はい、北川さん。試験合格です!」
「「「「ええええ?!!!!!」」」」
あまりの展開に驚愕に包まれる。
「今日の試験は受験生がモンスターバスターの実力があるかどうかを見極めるための試験です。北川さんはご自身の実力を非常に正確に把握しておられて、自ら一流モンスターバスターに相応しい実力があると証明されたのです。
というわけで、北川さんは今からは私の助手として試験の進行を手伝ってください。」
試験管?の女性の想像の斜め上を行く発言にさすがに会場が静まり返った。
銀髪の女性の言葉に従って、北川さんが女性の傍に歩いていったとき、筋骨隆々の喧嘩早そうな男が怒鳴った。
「おい、待てよ!どんな汚い手を使ってもいいのだったら、その超人マルクとやらでも誰でも勝てるんじゃないのか?!」
(天空。仮に一緒に合格してもあんな下品な兄ちゃんとは間違っても付きあうんじゃないわよ。)
空海姉が俺にテレパシーで囁く。
「受験番号75番の剛田万丈くん。減点2点です。」
「えええええ?!!なぜだ?!!!」
「あなた、スーパーヒーローオリンピックをまともに見てなかったでしょ。
模擬戦で海の大怪獣ゴメラを肉弾戦で一撃で吹き飛ばす『超人マルク』に対して相応の実力がなければ罠にかけてもドローどころか、傷一つつけることはできないのは一定の情報収集能力があればわかることです。
『世界的なイベントに出た実力者』の情報すらまったく持っていない点で、あなたは情報収集能力に大きく欠けると判断されます。」
銀髪の女性に指摘されて、剛田という脳筋くんは固まってしまう。
「続きまして、さらに問題の人がいます。
受験番号211番のマリーザ・アルヴァネーゼさん。あなたが普通に合格すると政治問題になりかねないんですが…。」
「待っていただきたい!世界でも最高峰と言われる日本のモンスターバスターの教えをアメリカ人の私が受講するのにどんな政治的な問題があるのですか?!」
言われて、長身のきりっとした金髪の女性が前に歩み出る。
美人だ!宝塚系だ!しかもすっごく真っ当な女性に見えるのに、どうして彼女が受験することがよりによって政治問題になるのだろう?
「ええと、あなたの人種はおろか、人間性、能力も含めて本来は問題どころか大歓迎なのです。
しかし、あなたの『社会的な立場』がここに学生として入学してもらうと、ちょっと問題を引き起こかねないのです。
ですから、時々『臨時講師』として、お越しいただくとともに、好きな時に好きな講義を受講していただくという条件で受験を取りやめていただくという手を打っていただけないでしょうか?」
えええええ?!!さらに左斜め上をいく展開になってきてるよ?!!
「ちょっと待てい!今のは相手の政治的な立場におもねっての発言だろ!
それなら実力的にたかが知れてるよな!その女と俺を勝負させろ!」
ああ……また、例の剛田脳筋君がいろいろ言ってきたよ…。
それを見た銀髪の女性はあきれた表情を見せた後、マリーザさんと、剛田の間にいた受験生たちを周りに避難させてから言った。
「せっかくなので、模擬戦形式の試験をします。
では、マリーザさん。
剛田君を少しでも早く無力化させてください!」
銀髪の女性が言い終わった瞬間、バチッという音とともに、剛田が悶絶して倒れ、遠くにいたはずのマリーザさんが剛田のすぐそばに涼しい顔で立っていた。
一体、何があったんだ?!!!
(ええと…私にも何が何だか…。)
空海姉すら何があったかわからないようだ。
「はい!ここで北川さんとマリーザさん以外の受験生に試験問題です!!
今の試合で何があったかをできるだけ詳しく書いてください!
制限時間は五分です!!」
なんだってーー?!!!
風流院大学の校舎は知る人ぞしるいわくつきの風流院高校の隣に今年から開講する大学だ。
俺が受験するのは風流院大学の異文化交流学部、実体は『モンスターバスター学部』で定員は100名だ。
現在30名が推薦で入学が決まっており、今回は残りの約70名が決まる予定だという。
推薦で決まった30人というのはおそらく俺のように名もない陰陽師の末裔ではなく、モンスターバスターたるエリートたちに違いないと思う。
だが、この俺引田 天空は落ちぶれた陰陽師の家系・引田家を自らの実力で立て直すのだ!
俺は小さいころ、ほぼ一般家庭と化してしまっていた引田家の蔵の奥から先祖の霊と交信できるスーパーアイテムを偶然目覚めさせて、高校三年に至る現在まで家族にも内緒で先祖の引田 空海の陰陽師としてのスパルタ修行を受け続けてきたのだ。
ぶっちゃけ最初は先祖の横暴姉さん(若くして夭折した女性陰陽師なのだ)にいやいや修行に付きあわされる感じだったのだが、空海姉さんの陰陽術に賭ける情熱にほだされて、だんだん本気になってきたのだ。
詳しいことは知らないのだが、『お前なら土御門の当主にも比肩する陰陽師になれる』と姉さんにはっぱをかけられてその気になっているところだ。
…ところで、土御門の現当主てどんな人でどれくらいの実力なんだろう?
空海姉さんは昔のことは非常に詳しいのだが、現在のこういう世界のことはさっぱりなんだよな。
俺も姉さんもモンスターバスターと言えば、シードラゴンマスク様のことくらいしか知らないし…。
まあ、異文化交流部に受かれば、そんな情報も入ってくるだろう。
そんなことを思いながら俺は試験を受けるために大学の講堂に入っていった。
受験者は講堂に集められて、まずは説明を受けることになっているそうだ。
続々と受験者が入ってきて、講堂の席が埋まっていく。
いろんな高校の制服を着た一見普通の受験生だけでなく、明らかな外国人や明確な『人外のオーラ』を纏った存在も何人もいる。
全部で二〇〇名くらい入ってきたところで、説明の開始時間となる。
壇上には銀髪の二〇過ぎくらいに見える女性が立つ。
背中まで伸びるストレートヘアのきりっとした長身の美女で、ただものではない受験生たちを見ても表情一つ変えないのはモンスターバスター学部の受験を担当するだけのことはあるのだろう。
女性は会場全体をざっと見回すと、マイクを持って話し始める。
「風流院大学の異文化交流部の受験生の皆様、今日はわざわざお越しいただきありがとうございます。
異文化交流部は皆様もご存じのように実態は『モンスターバスター養成学部』なわけですが、そのため通常の高校や大学の受験とはいろいろと異なった試験方法を取らせていただくことになります。」
女性の発言に会場のかなりの受験生が大きくざわめくが、何割かの受験生、特に人外のオーラを放つ受験生はその発言にむしろ興味深々といった感じだ。
「さて、会場を見たところ、何名かかなり問題のある受験生が混じっているようです。」
女性の発言に会場が大きくざわめく。
「受験番号23番の北川望海さん。あなたはどうしてここにおられるのでしょうか?」
言われて可愛らしいブレザー姿の女の子が前に出てくる。
真面目で優しそうな女の子だが、一体彼女の何が問題なのだろうか?
「はい、もちろん、風流院大学異文化交流部の実力に相応しいかどうかを試験で見極めたかったから推薦を受けずに受験させていただいたのです。」
北川という女の子が胸を張って答えている。
いきなり問題生扱いされて、こんな返答ができるとは彼女はものすごい大物なのでは?!
「いえ、大学生としての推薦だったらあなたの言う通りなのかもしれないけど、あなたは『講師としての赴任を要請』されたのだから、大学入試をあなたが受ける意味が分かんないんだけど?!!」
え?俺より年下に見える女の子を講師として招聘?
「ええ、ですから、受験生として合格しないものがどうして講師を受けることなどできましょうか?!!」
北川という女の子はさらにきりっとした表情で返答している。
「……ええと、では、北川さん。あなたがもし、スーパーヒーローオリンピックにも出場したモンスターバスターの『超人マルク』と全力で戦わなければいけない状況になったらあなたに勝つ自信はありますか?」
銀髪の女性が少し考えて北川さんに質問をする。
「はい、どんな汚い手を使ってもいいということでしたら、なんとかドローには持ち込めるとは思います。ただ、勝ちきるのは難しいと思いますが…。」
「はい、北川さん。試験合格です!」
「「「「ええええ?!!!!!」」」」
あまりの展開に驚愕に包まれる。
「今日の試験は受験生がモンスターバスターの実力があるかどうかを見極めるための試験です。北川さんはご自身の実力を非常に正確に把握しておられて、自ら一流モンスターバスターに相応しい実力があると証明されたのです。
というわけで、北川さんは今からは私の助手として試験の進行を手伝ってください。」
試験管?の女性の想像の斜め上を行く発言にさすがに会場が静まり返った。
銀髪の女性の言葉に従って、北川さんが女性の傍に歩いていったとき、筋骨隆々の喧嘩早そうな男が怒鳴った。
「おい、待てよ!どんな汚い手を使ってもいいのだったら、その超人マルクとやらでも誰でも勝てるんじゃないのか?!」
(天空。仮に一緒に合格してもあんな下品な兄ちゃんとは間違っても付きあうんじゃないわよ。)
空海姉が俺にテレパシーで囁く。
「受験番号75番の剛田万丈くん。減点2点です。」
「えええええ?!!なぜだ?!!!」
「あなた、スーパーヒーローオリンピックをまともに見てなかったでしょ。
模擬戦で海の大怪獣ゴメラを肉弾戦で一撃で吹き飛ばす『超人マルク』に対して相応の実力がなければ罠にかけてもドローどころか、傷一つつけることはできないのは一定の情報収集能力があればわかることです。
『世界的なイベントに出た実力者』の情報すらまったく持っていない点で、あなたは情報収集能力に大きく欠けると判断されます。」
銀髪の女性に指摘されて、剛田という脳筋くんは固まってしまう。
「続きまして、さらに問題の人がいます。
受験番号211番のマリーザ・アルヴァネーゼさん。あなたが普通に合格すると政治問題になりかねないんですが…。」
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「ええと、あなたの人種はおろか、人間性、能力も含めて本来は問題どころか大歓迎なのです。
しかし、あなたの『社会的な立場』がここに学生として入学してもらうと、ちょっと問題を引き起こかねないのです。
ですから、時々『臨時講師』として、お越しいただくとともに、好きな時に好きな講義を受講していただくという条件で受験を取りやめていただくという手を打っていただけないでしょうか?」
えええええ?!!さらに左斜め上をいく展開になってきてるよ?!!
「ちょっと待てい!今のは相手の政治的な立場におもねっての発言だろ!
それなら実力的にたかが知れてるよな!その女と俺を勝負させろ!」
ああ……また、例の剛田脳筋君がいろいろ言ってきたよ…。
それを見た銀髪の女性はあきれた表情を見せた後、マリーザさんと、剛田の間にいた受験生たちを周りに避難させてから言った。
「せっかくなので、模擬戦形式の試験をします。
では、マリーザさん。
剛田君を少しでも早く無力化させてください!」
銀髪の女性が言い終わった瞬間、バチッという音とともに、剛田が悶絶して倒れ、遠くにいたはずのマリーザさんが剛田のすぐそばに涼しい顔で立っていた。
一体、何があったんだ?!!!
(ええと…私にも何が何だか…。)
空海姉すら何があったかわからないようだ。
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