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カモ吉

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何でもなかった日々たち

悪運とネオキ男

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”『パンパカパーン』”

”というわけで本編始まっちゃいました。
いつまでお前いるんだって?
そんな寂しいこというなよって感じだ。
もうお気付きの方もいるかもしれないが、
おれは某ミュージシャンリスペクトだからね。

とは言ってもおれも制限がないわけじゃないし、疲れもするからそろそろ消えるよ。そいつは重畳なんていわないでくれよ?


説明も演出として必要だろ?仕事をさせてくれ
舞台は日本のとある高校。時代は21世紀。携帯が普及してクリアな音でお話できる時代さ。
俺の赤裸々な自伝はここから始まる。”

ーーーーーー幕間ーーーーーー

『パキッ♡』

『え?』

どこまでもマヌケな自らの声でハッとした。
抑揚のきいているような破砕音。
揺れる視界。全身の温度が一瞬でわからなくなるようなあの感覚。

刹那に多くの事が処理しきれなくなって焦る。『どうしよ?』<『何?』という関係式の成り立つ感情。むしろ頭にくる。

そんなことはどうでもいいとでも言うように
流れていく時間に無理やり急かされながら、
俺は自由落下していた。

『…夕日が綺麗だなぁ』

ーーーーーー幕間ーーーーーー

時は今朝にさかのぼる。俺。矢島光国は
今日も今日とて元気に通学しようとしていた。
いやこれでは語弊がある。あります。
……えー…。
ショージキに申し上げますと…。
えー…大変申し上げにくいのですが。

『ああ、…眩しい。』

『……』

『…鬱陶しいなぁ…』

『シャー』

『カーテンは偉大だなぁ。…どこまでも…優しい』

『名前…の響きも…西洋風でカッコいいし』

『…もう布団さんと一緒に俺と結婚してくれ』

『ああ、でも重婚に…カーテンさんせめて思い出の中だけでも…』

『…………』


『なんでさーーーーーーぁ!!!!!』


寝坊しました。


『母さん!なんで起こしてくれなかったんだよ!!!』

『シーン』

『そっか、また仕事だ…』

『そーじゃない!時間がない!!
また部長に怒られるのは勘弁だ!』


そう、この俺、矢島光国は壊滅的に朝に弱いのだった。

顔を全力で洗い。男子特有の早着替え術を使う。


『♪~』

『こんな時に!』

『もしもし!!?』


『モーニングコールだったよー』

『きっていい?』

『そんな釣れないこと言ってると痛い目見るぞー』


『今現在進行形で起きてることよりまずいことがあるってのか?』

『あるねー』

『簡潔に!3行で!シンプルにまとめろ!』


『あっはは。バカだねぇ簡潔とシンプルって意味かぶってるよー?朝はダメなの知ってたけどこれほどとは。あははは』

『くっだらないこといってんなよ…こっちは時間がないんだ。
ふざけてんなら切るぞ』

『どぅどぅー』

『俺馬じゃねぇ!!!』

『それだけ怒り狂えば低血圧もすこしは改善されるん
じゃないかなぁ。まあいいや。
1時間目移動教室になったからそれの連絡だよー』

『場所は』

『ぶっきらぼうで無愛想な返事だなぁわざわざ授業抜けて
モーニングコールしてあげてんのにさーぁ?』

『あーあ… それは感謝してるありがと』

『うんうん。わかればいいんだよー』

『で?どこなn』

『プツッ』

『…』

『あのクソチビすけがぁ!!!』

『あーーーくそっとりあえずカバン持っていくか…』

『♫~』

ーーーーーー幕間ーーーーーー

家から学校はさほど遠くはない。
距離にしてだいたい3kくらいといったところだろうか?
自転車なら10分とかからないだろう。
しかしここには但し書がつく。
もしも平坦な道のりだったらの話である。

この辺は昔は海だったらしく海抜0メートルより上のところなんて滅多にない。
そこら中にハザードマップが貼られている。

急な発展に伴い、川、用水路等も
張り巡らされでおり、地元の住人でなければ
道に迷うことは必定である。
俺もこちらに来たばかりの頃はよく迷ったものだ。

『なん…とか』

『遅刻にはなるか?…』

道のりの半ばを示す大通りについた。

時計を見るとすでに7分ほどたっている。それもそのはず。

但し書その2チャリがない

『くそっ!こんなことなら昨日のうちに修理しておくんだった』

『あーでもしょうがないよなぁ』

ーーーーーー幕間ーーーーーー

先週の金曜日。一悶着あって結果チャリが天寿を全うされた。
オンボロのキイキイなるチャリだったので仕方のないことだが。

そして昨日そのチャリを直そう商店街をとぼとぼ歩いていると、
俺はとんでもない二択を迫られた。

『これはっ?!!!』

『うそだろ!!!初回だぞしかも美品!?
アケコンもシールが剥がれてない?!』

『こ、これは…ハッ
これは罠だ!かの有名な軍師の罠だ!!
どうせレバーが正規品とは変えられていてそれのせいで…』

『訳ありプライス! 
訳 店長の趣味のために入荷したが売れ残ったため。


ps.泣く泣く手放すんだ!せめて誰か!コレをわかってくれる
ソウルメイトに託す。身勝手なのはわかっている!
頼むこの子を救ってくれ…
                                                                             by 店長』

『はっ!男にはやらねばならぬ時がある。
そう悲観するな店長よ!貴方のソウル確かに感じたぜ。
この子は絶対に幸せにしてやる!!』

『いざ、鎌倉!敵は本能寺に有り!!
目覚める時は今なんだ!!!』


『然り!然り!!然り!!!』

『イラッシャイマセー』

『アッ、テントウノアレクダサイ』

『ハイ、ショウショウオマチクダサイ』

ーーーーーー幕間ーーーーーー

『だけど思えば寝坊したのも今日やりこみすぎたせいじゃ?…』

”気にしたら負けだ”

『え?』

”お前は守ると誓った。その言葉にうそはないんだよな”

『そうだ』

”ならいい”

『そうだな』

『走ろう』

ーーーーーー幕間ーーーーーー

『…やっとついた』ハアハア

ついた頃には1時間目は3分の1ほど終わっていた。

『とりあえず……教室だなっ』


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