41 / 65
第1章
第40話:これからどうしようか……
しおりを挟む
俺達は現在、森に森に降りていた。
「どうするか……挨拶してないしな」
「じゃなぁ~」
「でもまた会えるだろ」
「じゃな!」
「うん!」
部屋にはなんにも置いて無かったので、戻る必要は無いようだ。
フィアもそれでいいようなのでそうする事に。
なら、と俺達は他の国に行くことにした。
歩くのも癪なので、再びゼノアに乗って行くことに。
「高い高い!」
フィアが喜んでいるので良いだろう。
『ご主人様よ』
「どうした?」
『前から何か来るのじゃ』
「前?」
フィアと遊んでいたが、視線を前方に向けた。
見えるのは小さな鳥の様な大群。
「鳥じゃないのか?」
『いや、鳥にしては気配が大きい』
「え? ちょっと確認する」
マップを開いて確認する。
うん。鳥じゃ無かった。
「ワイバーンだな」
『なんじゃ、モドキか』
ゼノアに取ってはワイバーンは竜では無いらしい。
『倒すかのう?』
「いや、適当に脅せば逃げるだろ」
『分かったのじゃ』
無駄に戦う必要は無いのだ。
戦わないで済むならそれで結構だ。
体力と魔力の浪費は避けたい。
いや、使っても支障はないが……
害意がある訳では無いなら戦わなくてもいい。
多分距離があるから気づいて無いだけだろう。
「グルゥァァァォァァア!」
ゼノアが咆哮をするとワイバーンは気づいたのか、急いで方向を変え逃げていった。
『いったようじゃな』
「だな。疲れないか?」
『む? 問題ないのじゃ』
「そうか。無理はするなよ」
『ふふっ』
「どうした?」
何が可笑しかったのか? 俺はゼノアに聞くと。
『なに。優しいご主人様が一番じゃと思っただけじゃ』
「何を今更。当たり前だろ」
『そうじゃな』
そんな感じでゼノアを鱗越しだが、撫でてイチャイチャしていると、後ろに乗っていたフィアが抱きついてきた。
「……フィアどうした?」
「ゼノアお姉ちゃんずるいの!」
『何かしたかのう……?』
「さぁ?」
俺とゼノアは困惑。
「私もお兄ちゃんにナデナデして貰いたい!」
プクーっと可愛らしく頬を膨らませるフィアに、俺は笑った。
「そんな事か。それくらい何時でもいいぞ~。ほれ」
そう言ってフィアの頭をナデナデしてあげる。
次第にフィアの顔は幸せそうになっていく。
『本当にフィアには甘いのう~』
『当たり前だ。ゼノアもだろ? いやライバルだったか? ハハッ』
念話でそう言うと、ゼノアは反論してきた。
『な、何を言っている! 妾はフィアをライバルだと認めてはおらんのじゃ!』
『はいはい。そういう事にしておきますね』
『む~!』
そんな他愛もない会話をして、フィアが俺の前が良いと言うので前に座らせてあげた。
フィアが下を見ていたので、落ちないように腕を回しておいてあげる。
それから数時間して幾つかの街を過ぎ、次の国であるレスティン王国の首都、王都付近まであと半日という所で、降りて野営をすることに。
ゼノアも元の姿に戻り、俺は夕食を作る。
フィアも手伝ってくれており、ゼノアは火の当番である。
暖かい料理ができ、三人で頂いた。
夜の見張りはする事は無い。
俺だってゼノアだって気配には敏感だ。
フィアだって、そこいらの冒険者には負けてはいないので大丈夫だ。
そして、火を消さないようにし俺達は寝るのだった。
翌日。天気は快晴。
だが夏と言うよりは、春のような心地よい天気と言った所だろうか。
死の魔境では環境魔物がおり、一日で季節が変わるといった滅茶苦茶な場所だった。
こちらの方に来てからは、春のような気温から変わった感じはしない。季節は一定なのだろうか?
そんな疑問を残しながらも、俺達は再びゼノアに乗って移動することに。
ゆっくりと景色が流れる。
街の上空を通る。
街が見える程度の高さで飛んでいる。
「わぁあ! 人が沢山いる!」
「そうだな」
あれ?
視力を強化して街を見ると、なにやら慌てている様だ。
何かあったのだろうか?
『なあ、ご主人ん様よ。妙に下の街が慌ただしいようじゃが?』
「だよなあ」
「お兄ちゃん、それってゼノアお姉ちゃんのせいじゃないの?」
フィアのその言葉で納得した。
ドラゴンが街上を飛んでいたらそりゃあ驚くわな。
「ゼノア、迷惑にならない内にさっさと去るぞ」
『うむ』
ゼノアはスピードを上げた。街が一瞬で通り過ぎる。
このまま行けば数時間で王都に到着する様だ。
やっぱり空の旅はいいな。
そんな事を考えていると、ずっと下を見ていたフィアが俺の袖を引っ張った。
「どうした?」
「お兄ちゃん。下で馬車の列が止まってる。それに戦ってるみたい」
「戦ってる? ゼノア止まってくれ」
ゼノアが止まり、俺は視力を強化して下を見る。
見ると、騎士の様な人達が何かと戦っていた。
戦っている相手を見ると、どうやら盗賊の様だった。
騎士が十五名なのに対して、盗賊はその倍の数はいるだろう。
これではジリ貧だ。騎士が尽きるのも時間の問題だろう。
それに、真ん中の馬車だけが妙に豪華だ。
多分どこかのお偉いさんだろう。
ここは恩を売っておくべきだろう。
「ゼノア、下の襲われている奴らを助けるぞ」
「どうしてじゃ?」
「運が良かったら家をくれるかもしれない」
これが本音だった。
「成る程。分かったのじゃ」
ゼノアは急降下するのだった。
「どうするか……挨拶してないしな」
「じゃなぁ~」
「でもまた会えるだろ」
「じゃな!」
「うん!」
部屋にはなんにも置いて無かったので、戻る必要は無いようだ。
フィアもそれでいいようなのでそうする事に。
なら、と俺達は他の国に行くことにした。
歩くのも癪なので、再びゼノアに乗って行くことに。
「高い高い!」
フィアが喜んでいるので良いだろう。
『ご主人様よ』
「どうした?」
『前から何か来るのじゃ』
「前?」
フィアと遊んでいたが、視線を前方に向けた。
見えるのは小さな鳥の様な大群。
「鳥じゃないのか?」
『いや、鳥にしては気配が大きい』
「え? ちょっと確認する」
マップを開いて確認する。
うん。鳥じゃ無かった。
「ワイバーンだな」
『なんじゃ、モドキか』
ゼノアに取ってはワイバーンは竜では無いらしい。
『倒すかのう?』
「いや、適当に脅せば逃げるだろ」
『分かったのじゃ』
無駄に戦う必要は無いのだ。
戦わないで済むならそれで結構だ。
体力と魔力の浪費は避けたい。
いや、使っても支障はないが……
害意がある訳では無いなら戦わなくてもいい。
多分距離があるから気づいて無いだけだろう。
「グルゥァァァォァァア!」
ゼノアが咆哮をするとワイバーンは気づいたのか、急いで方向を変え逃げていった。
『いったようじゃな』
「だな。疲れないか?」
『む? 問題ないのじゃ』
「そうか。無理はするなよ」
『ふふっ』
「どうした?」
何が可笑しかったのか? 俺はゼノアに聞くと。
『なに。優しいご主人様が一番じゃと思っただけじゃ』
「何を今更。当たり前だろ」
『そうじゃな』
そんな感じでゼノアを鱗越しだが、撫でてイチャイチャしていると、後ろに乗っていたフィアが抱きついてきた。
「……フィアどうした?」
「ゼノアお姉ちゃんずるいの!」
『何かしたかのう……?』
「さぁ?」
俺とゼノアは困惑。
「私もお兄ちゃんにナデナデして貰いたい!」
プクーっと可愛らしく頬を膨らませるフィアに、俺は笑った。
「そんな事か。それくらい何時でもいいぞ~。ほれ」
そう言ってフィアの頭をナデナデしてあげる。
次第にフィアの顔は幸せそうになっていく。
『本当にフィアには甘いのう~』
『当たり前だ。ゼノアもだろ? いやライバルだったか? ハハッ』
念話でそう言うと、ゼノアは反論してきた。
『な、何を言っている! 妾はフィアをライバルだと認めてはおらんのじゃ!』
『はいはい。そういう事にしておきますね』
『む~!』
そんな他愛もない会話をして、フィアが俺の前が良いと言うので前に座らせてあげた。
フィアが下を見ていたので、落ちないように腕を回しておいてあげる。
それから数時間して幾つかの街を過ぎ、次の国であるレスティン王国の首都、王都付近まであと半日という所で、降りて野営をすることに。
ゼノアも元の姿に戻り、俺は夕食を作る。
フィアも手伝ってくれており、ゼノアは火の当番である。
暖かい料理ができ、三人で頂いた。
夜の見張りはする事は無い。
俺だってゼノアだって気配には敏感だ。
フィアだって、そこいらの冒険者には負けてはいないので大丈夫だ。
そして、火を消さないようにし俺達は寝るのだった。
翌日。天気は快晴。
だが夏と言うよりは、春のような心地よい天気と言った所だろうか。
死の魔境では環境魔物がおり、一日で季節が変わるといった滅茶苦茶な場所だった。
こちらの方に来てからは、春のような気温から変わった感じはしない。季節は一定なのだろうか?
そんな疑問を残しながらも、俺達は再びゼノアに乗って移動することに。
ゆっくりと景色が流れる。
街の上空を通る。
街が見える程度の高さで飛んでいる。
「わぁあ! 人が沢山いる!」
「そうだな」
あれ?
視力を強化して街を見ると、なにやら慌てている様だ。
何かあったのだろうか?
『なあ、ご主人ん様よ。妙に下の街が慌ただしいようじゃが?』
「だよなあ」
「お兄ちゃん、それってゼノアお姉ちゃんのせいじゃないの?」
フィアのその言葉で納得した。
ドラゴンが街上を飛んでいたらそりゃあ驚くわな。
「ゼノア、迷惑にならない内にさっさと去るぞ」
『うむ』
ゼノアはスピードを上げた。街が一瞬で通り過ぎる。
このまま行けば数時間で王都に到着する様だ。
やっぱり空の旅はいいな。
そんな事を考えていると、ずっと下を見ていたフィアが俺の袖を引っ張った。
「どうした?」
「お兄ちゃん。下で馬車の列が止まってる。それに戦ってるみたい」
「戦ってる? ゼノア止まってくれ」
ゼノアが止まり、俺は視力を強化して下を見る。
見ると、騎士の様な人達が何かと戦っていた。
戦っている相手を見ると、どうやら盗賊の様だった。
騎士が十五名なのに対して、盗賊はその倍の数はいるだろう。
これではジリ貧だ。騎士が尽きるのも時間の問題だろう。
それに、真ん中の馬車だけが妙に豪華だ。
多分どこかのお偉いさんだろう。
ここは恩を売っておくべきだろう。
「ゼノア、下の襲われている奴らを助けるぞ」
「どうしてじゃ?」
「運が良かったら家をくれるかもしれない」
これが本音だった。
「成る程。分かったのじゃ」
ゼノアは急降下するのだった。
45
あなたにおすすめの小説
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
【しっかり書き換え版】『異世界でたった1人の日本人』~ 異世界で日本の神の加護を持つたった1人の男~
石のやっさん
ファンタジー
12/17 13時20分 HOT男性部門1位 ファンタジー日間 1位 でした。
ありがとうございます
主人公の神代理人(かみしろ りひと)はクラスの異世界転移に巻き込まれた。
転移前に白い空間にて女神イシュタスがジョブやスキルを与えていたのだが、理人の番が来た時にイシュタスの顔色が変わる。「貴方神臭いわね」そう言うと理人にだけジョブやスキルも与えずに異世界に転移をさせた。
ジョブやスキルの無い事から早々と城から追い出される事が決まった、理人の前に天照の分体、眷属のアマ=テラス事『テラスちゃん』が現れた。
『異世界の女神は誘拐犯なんだ』とリヒトに話し、神社の宮司の孫の理人に異世界でも生きられるように日本人ならではの力を授けてくれた。
ここから『異世界でたった1人の日本人、理人の物語』がスタートする
「『異世界でたった1人の日本人』 私達を蔑ろにしチート貰ったのだから返して貰いますね」が好評だったのですが...昔に書いて小説らしくないのでしっかり書き始めました。
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~
アズドラ
ファンタジー
主人公タカトはテンプレ通り事故で死亡、運よく異世界転生できることになり神様にドラゴンになりたいとお願いした。 夢にまで見た異世界生活をドラゴンパワーと現代地球の知識で全力満喫! 仲間を増やして夢を叶える王道、テンプレ、モリモリファンタジー。
無職が最強の万能職でした!?〜俺のスローライフはどこ行った!?〜
あーもんど
ファンタジー
不幸体質持ちの若林音羽はある日の帰り道、自他共に認める陽キャのクラスメイト 朝日翔陽の異世界召喚に巻き込まれた。目を開ければ、そこは歩道ではなく建物の中。それもかなり豪華な内装をした空間だ。音羽がこの場で真っ先に抱いた感想は『テンプレだな』と言う、この一言だけ。異世界ファンタジーものの小説を読み漁っていた音羽にとって、異世界召喚先が煌びやかな王宮内────もっと言うと謁見の間であることはテンプレの一つだった。
その後、王様の命令ですぐにステータスを確認した音羽と朝日。勇者はもちろん朝日だ。何故なら、あの魔法陣は朝日を呼ぶために作られたものだから。言うならば音羽はおまけだ。音羽は朝日が勇者であることに大して驚きもせず、自分のステータスを確認する。『もしかしたら、想像を絶するようなステータスが現れるかもしれない』と淡い期待を胸に抱きながら····。そんな音羽の淡い期待を打ち砕くのにそう時間は掛からなかった。表示されたステータスに示された職業はまさかの“無職”。これでは勇者のサポーター要員にもなれない。装備品やら王家の家紋が入ったブローチやらを渡されて見事王城から厄介払いされた音羽は絶望に打ちひしがれていた。だって、無職ではチートスキルでもない限り異世界生活を謳歌することは出来ないのだから····。無職は『何も出来ない』『何にもなれない』雑魚職業だと決めつけていた音羽だったが、あることをきっかけに無職が最強の万能職だと判明して!?
チートスキルと最強の万能職を用いて、音羽は今日も今日とて異世界無双!
※カクヨム、小説家になろう様でも掲載中
転生したら王族だった
みみっく
ファンタジー
異世界に転生した若い男の子レイニーは、王族として生まれ変わり、強力なスキルや魔法を持つ。彼の最大の願望は、人間界で種族を問わずに平和に暮らすこと。前世では得られなかった魔法やスキル、さらに不思議な力が宿るアイテムに強い興味を抱き大喜びの日々を送っていた。
レイニーは異種族の友人たちと出会い、共に育つことで異種族との絆を深めていく。しかし……
いきなり異世界って理不尽だ!
みーか
ファンタジー
三田 陽菜25歳。会社に行こうと家を出たら、足元が消えて、気付けば異世界へ。
自称神様の作った機械のシステムエラーで地球には帰れない。地球の物は何でも魔力と交換できるようにしてもらい、異世界で居心地良く暮らしていきます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる