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動物園
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「そういえば連れて行きたい場所って?」
あすかは身支度をしながら翔に話しかけた。
「夜になったら、いこーぜ」
この問いをかけた途端、翔の動きが少しぎこちなくなった。なんというか動きが硬い。これは、隠し事をしている時の動きだ。前は、たしか、僕が行きたかったカフェをサプライズで翔が予約してた時こんなだった。何か特別に見せたい景色があるのかもしれない。だから、僕は気づかないフリをする。
「わかった」
なんともないようにそう返した。夜までの予定は事前に決めていた。今日は、僕の提案で動物園に行くのだ。子供っぽいかなと思いながらも、知らない土地の動物園はなんだか気になって提案してみたら快諾された。
「よし、出れるぞ」
翔はバックを肩にかけそう言った。あすかもちょうど準備が終わった。
「じゃあいこうか」
あすかがそう声をかけると、翔は鍵を手に取り「うん」と答えた。
今日も翔の運転で移動をした。二人っきりのドライブ…。翔の事を意識してしまったばっかりに、この距離感も、空間も、心臓に悪い。真っ直ぐ前を見て運転をする姿がカッコよくて、頼り甲斐がある年上のお兄さんに見える。おかしい。翔にこんなことを思うなんて。恋は盲目というやつだろうか。いや、翔がかっこいいのは事実か…。昨日までの嫉妬心は薄れ、今は友人としてこの景色を見られるのが幸せだと思える。こうして隣に居られるだけで、嬉しい。僕にはこれくらいがちょうどいいのだ。
車が動物園へ着いた。外観からして楽しそうだ。くる途中の案内の看板もすごく可愛かった。翔はあすかがそわそわしているのに気づき頬が緩んだ。それを隠すように口に手を当てた。
「翔?」
運悪くあすかが気づいたので、翔は咳払いを誤魔化した。
「ちょっと乾燥してた~」
そう言って翔は小さいペットボトルのリンゴジュースを一気飲みした。あすかは特に気に留めずそわそわしながら発券機の方へ歩き出した。翔も車の鍵を閉めて追いかけた。
「えっと大人二人でいいのか」
あすかは、二人分のチケットを購入しようと発券機を操作している。しかし翔が横から入ってきて、気がつくと支払いが終わっていた。
「あ、クールに奢ろうと思ったのに!」
あすかが焦ったようにそういうと、翔はにっと笑った。
「こういうのは俺が出すからいいんだよ」
余裕の笑みを浮かべてこちらをみてくる。あすかは、目を合わせられず、顔を逸らしそのまま入口まで歩いた。その途中で翔がチケットを渡してきたので「ありがとう」と言って受け取った。係の人にチケットを見せて中に入った。地図があったので、とりあえず一枚手に取る。翔の方をチラッと見ると本日のイベントと書いてある掲示板を見ていた。
「何かあった?」
あすかが後ろから声をかけると、嬉しそうに振り返る。
「餌やり体験とかあるらしいぞ」
「へー」
「行きたかったら付き合うけど」
別に行かなくてもよかったが、翔との思い出を増やしたいという理由では行きたくなった。
「行きたい!」
「じゃあ、時間になったらそっち側行くか」
あすかは地図を開いて、場所を確認した。翔も隣から覗き込んでいる。なんか、これだけで楽しい。
「よっし!進もうぜ」
翔がそう言って歩き出したので、あすかも隣に並んで歩き出した。
あすかは身支度をしながら翔に話しかけた。
「夜になったら、いこーぜ」
この問いをかけた途端、翔の動きが少しぎこちなくなった。なんというか動きが硬い。これは、隠し事をしている時の動きだ。前は、たしか、僕が行きたかったカフェをサプライズで翔が予約してた時こんなだった。何か特別に見せたい景色があるのかもしれない。だから、僕は気づかないフリをする。
「わかった」
なんともないようにそう返した。夜までの予定は事前に決めていた。今日は、僕の提案で動物園に行くのだ。子供っぽいかなと思いながらも、知らない土地の動物園はなんだか気になって提案してみたら快諾された。
「よし、出れるぞ」
翔はバックを肩にかけそう言った。あすかもちょうど準備が終わった。
「じゃあいこうか」
あすかがそう声をかけると、翔は鍵を手に取り「うん」と答えた。
今日も翔の運転で移動をした。二人っきりのドライブ…。翔の事を意識してしまったばっかりに、この距離感も、空間も、心臓に悪い。真っ直ぐ前を見て運転をする姿がカッコよくて、頼り甲斐がある年上のお兄さんに見える。おかしい。翔にこんなことを思うなんて。恋は盲目というやつだろうか。いや、翔がかっこいいのは事実か…。昨日までの嫉妬心は薄れ、今は友人としてこの景色を見られるのが幸せだと思える。こうして隣に居られるだけで、嬉しい。僕にはこれくらいがちょうどいいのだ。
車が動物園へ着いた。外観からして楽しそうだ。くる途中の案内の看板もすごく可愛かった。翔はあすかがそわそわしているのに気づき頬が緩んだ。それを隠すように口に手を当てた。
「翔?」
運悪くあすかが気づいたので、翔は咳払いを誤魔化した。
「ちょっと乾燥してた~」
そう言って翔は小さいペットボトルのリンゴジュースを一気飲みした。あすかは特に気に留めずそわそわしながら発券機の方へ歩き出した。翔も車の鍵を閉めて追いかけた。
「えっと大人二人でいいのか」
あすかは、二人分のチケットを購入しようと発券機を操作している。しかし翔が横から入ってきて、気がつくと支払いが終わっていた。
「あ、クールに奢ろうと思ったのに!」
あすかが焦ったようにそういうと、翔はにっと笑った。
「こういうのは俺が出すからいいんだよ」
余裕の笑みを浮かべてこちらをみてくる。あすかは、目を合わせられず、顔を逸らしそのまま入口まで歩いた。その途中で翔がチケットを渡してきたので「ありがとう」と言って受け取った。係の人にチケットを見せて中に入った。地図があったので、とりあえず一枚手に取る。翔の方をチラッと見ると本日のイベントと書いてある掲示板を見ていた。
「何かあった?」
あすかが後ろから声をかけると、嬉しそうに振り返る。
「餌やり体験とかあるらしいぞ」
「へー」
「行きたかったら付き合うけど」
別に行かなくてもよかったが、翔との思い出を増やしたいという理由では行きたくなった。
「行きたい!」
「じゃあ、時間になったらそっち側行くか」
あすかは地図を開いて、場所を確認した。翔も隣から覗き込んでいる。なんか、これだけで楽しい。
「よっし!進もうぜ」
翔がそう言って歩き出したので、あすかも隣に並んで歩き出した。
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