星の王国〜星が導く未来、心がつなぐ王国〜

小世 真矢

文字の大きさ
2 / 16

第二章

しおりを挟む

第二章:リリィの覚醒

リリィは、王国の北端にある小さな村で、両親と共に静かな日々を送っていた。村は王国の中心からは遠く、普段はあまり王国の動向に関心を持たない者たちが住んでいた。しかし、リリィには他の村人と違う特別な力があった。それを自覚したのは、まだ幼い頃、村の神殿に足を運んだときだった。

神殿の奥にある石碑には、古代の言葉が刻まれていた。リリィがそれを手に触れた瞬間、彼女の体内に不思議な力が流れ込み、石碑がほんの少しだけ輝いた。その出来事をきっかけに、彼女は自分が他の者とは違うことに気づき始めた。だが、彼女はその力が何であるかを理解していなかった。

ある夜、リリィは夢を見た。その夢の中で、王国の星々がひときわ強く輝き、空を覆う闇が蠢いているのが見えた。暗闇の中から、王国を守る者たちが一人また一人と倒れ、最後には王の姿が見えた。王は彼女に向かって叫ぶ。

「リリィ、君しかいない。君がこの闇を打破する唯一の存在だ。」

目が覚めたとき、リリィは胸の奥で何かが目覚めるのを感じた。彼女はその意味を理解することができなかったが、ただ一つ確かなことがあった。それは、王国が危機に瀕しており、彼女がその鍵を握っているということだった。

翌日、リリィは村の長老に会い、夢のことを話した。長老は深刻な表情で彼女を見つめ、しばらく沈黙した後、ゆっくりと言った。

「それは…星の神々からの啓示だろう。君は、王国を救う者になる運命にあるのだ。」

長老は、リリィにある秘密を明かすことを決意した。彼女が触れた古代の石碑には、王国を守るための力を引き出すための「星の紋章」が隠されていた。そして、その紋章は王国の真の王家の血統にのみ宿る力だった。しかし、王家の血筋が途絶えかけている今、その力を解放できるのは、リリィのような特別な者だけだった。

「君の力は、王国の未来に繋がるものだ。しかし、その力を解放するためには、王国の中心、星の王宮に辿り着かねばならない。」

リリィは迷った。自分にそんな大きな運命があるとは思えなかった。だが、長老の言葉が胸に響く。

「もし、私がその力を使わなければ、王国は本当に滅びてしまうの?」

長老は静かにうなずいた。

「そうだ。しかし、君が力を使うには、試練を乗り越えねばならない。それは…君の心の中に眠るもの、君自身の真の力に目覚めるための試練だ。」

その日から、リリィの冒険は始まった。彼女は王国の中心に向かう旅に出る決意を固めたが、道中には数々の試練が待ち受けていた。そして、その試練の先に待つのは、王国を覆う闇との壮絶な戦いだった。

一方、アリアン王は自らの命が尽きようとしている中で、リリィの存在を感じ取っていた。彼女が王国を救うべき者だと確信していたからだ。しかし、王は今、どれだけ力を使っても、彼女を直接助けることができない。彼の命が尽きる前に、リリィがその力に目覚め、闇に立ち向かえるかどうか、それがすべてだった。

アリアン王は最後の力を振り絞り、星の精霊たちに祈った。

「リリィよ、君がその力を使うとき、星の力が君に宿るように。そして、闇の王を打ち倒せるように…」

その祈りが届いたのか、リリィの元に、王国を救うための使命が徐々に明らかになっていった。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから

渡里あずま
ファンタジー
安藤舞は、専業主婦である。ちなみに現在、三十二歳だ。 朝、夫と幼稚園児の子供を見送り、さて掃除と洗濯をしようとしたところで――気づけば、石造りの知らない部屋で座り込んでいた。そして映画で見たような古めかしいコスプレをした、外国人集団に囲まれていた。 「我々が召喚したかったのは、そちらの世界での『学者』や『医者』だ。それを『主婦』だと!? そんなごく潰しが、聖女になどなれるものか! 役立たずなどいらんっ」 「いや、理不尽!」 初対面の見た目だけ美青年に暴言を吐かれ、舞はそのまま無一文で追い出されてしまう。腹を立てながらも、舞は何としても元の世界に戻ることを決意する。 「主婦が役立たず? どう思うかは勝手だけど、こっちも勝手にやらせて貰うから」 ※※※ 専業主婦の舞が、主婦力・大人力を駆使して元の世界に戻ろうとする話です(ざまぁあり) ※重複投稿作品※ 表紙の使用画像は、AdobeStockのものです。

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

冤罪で辺境に幽閉された第4王子

satomi
恋愛
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。 「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。 辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。

【完結】愛されないと知った時、私は

yanako
恋愛
私は聞いてしまった。 彼の本心を。 私は小さな、けれど豊かな領地を持つ、男爵家の娘。 父が私の結婚相手を見つけてきた。 隣の領地の次男の彼。 幼馴染というほど親しくは無いけれど、素敵な人だと思っていた。 そう、思っていたのだ。

あなた方の愛が「真実の愛」だと、証明してください

こじまき
恋愛
【全3話】公爵令嬢ツェツィーリアは、婚約者である公爵令息レオポルドから「真実の愛を見つけたから婚約破棄してほしい」と言われてしまう。「そう言われては、私は身を引くしかありませんわね。ただし最低限の礼儀として、あなた方の愛が本当に真実の愛だと証明していただけますか?」

処理中です...