11 / 17
公爵家編
公爵庶子リリアの注文
文具を取り扱っている商会によって貰えるように頼んだのだが、なぜか馬車は貴族街に向かっていた。
「ねぇ、サラ」
「はい」
「文具を買いに行くのよね?」
「はい。この先のリール商会で取り扱っている筈です」
「え?」
リール商会は貴族の子弟が学院で使う物などを打っている商会だ。
多少安めの商品もあるだろうが、孤児達に配る物としては明らかにコストがかかり過ぎだ。
私は御者台のロデリックに声を掛ける。
「目的地変更よ。下町のブルーム商会に向かって」
「え、は、はい」
「ブルーム商会ですか?」
「ええ、手広く色々と取り扱っている商会よ。質はそこそこだけど安いわ」
「しかし、公爵家の者としてあまり安い買い物はどうかと思いますが?」
「良いのよ。私が持ち歩く物じゃないし、安ければそれだけ別の事にお金を使えるんだから」
「なるほど、確かにそうですね」
下町の舗装の甘いガタガタ道を公爵家のシンプルだが上等な馬車が進む。
窓から外を見ていた私は、ある看板を見つけて馬車を止めた。
ブルーム商会で紹介して貰うつもりだったが、ちょうど良く目に入ったので少し立ち寄ってみる事にした。
私がやって来たのは黒板などを扱っている工房だ。
下町の工房に突然現れる公爵令嬢。迷惑極まりないわね。申し訳ない。
大慌てで対応する工房主に幾つか依頼を出した。
持ち運び出来る大きめの黒板一枚と、小さな黒板を二〇〇枚だ。
小さい方は取り敢えず四〇枚くらいあれば良いかな。
これはノート代わりに孤児院に貸し出すつもりだ。
ノートより割高だが、ランニングコストを考えるとこちらの方が良いだろう。
裏に公爵家の名を焼印で入れて貰うのも忘れない。
これで勉強した孤児達は公爵家に恩を感じる事だろう。
貴族の名を入れるのは盗難などのトラブル防止の効果も期待できる。
代金の半額を前払いして私は当初の目的であるブルーム商会に向かって再び馬車を走らせるのだった。
「ねぇ、サラ」
「はい」
「文具を買いに行くのよね?」
「はい。この先のリール商会で取り扱っている筈です」
「え?」
リール商会は貴族の子弟が学院で使う物などを打っている商会だ。
多少安めの商品もあるだろうが、孤児達に配る物としては明らかにコストがかかり過ぎだ。
私は御者台のロデリックに声を掛ける。
「目的地変更よ。下町のブルーム商会に向かって」
「え、は、はい」
「ブルーム商会ですか?」
「ええ、手広く色々と取り扱っている商会よ。質はそこそこだけど安いわ」
「しかし、公爵家の者としてあまり安い買い物はどうかと思いますが?」
「良いのよ。私が持ち歩く物じゃないし、安ければそれだけ別の事にお金を使えるんだから」
「なるほど、確かにそうですね」
下町の舗装の甘いガタガタ道を公爵家のシンプルだが上等な馬車が進む。
窓から外を見ていた私は、ある看板を見つけて馬車を止めた。
ブルーム商会で紹介して貰うつもりだったが、ちょうど良く目に入ったので少し立ち寄ってみる事にした。
私がやって来たのは黒板などを扱っている工房だ。
下町の工房に突然現れる公爵令嬢。迷惑極まりないわね。申し訳ない。
大慌てで対応する工房主に幾つか依頼を出した。
持ち運び出来る大きめの黒板一枚と、小さな黒板を二〇〇枚だ。
小さい方は取り敢えず四〇枚くらいあれば良いかな。
これはノート代わりに孤児院に貸し出すつもりだ。
ノートより割高だが、ランニングコストを考えるとこちらの方が良いだろう。
裏に公爵家の名を焼印で入れて貰うのも忘れない。
これで勉強した孤児達は公爵家に恩を感じる事だろう。
貴族の名を入れるのは盗難などのトラブル防止の効果も期待できる。
代金の半額を前払いして私は当初の目的であるブルーム商会に向かって再び馬車を走らせるのだった。
あなたにおすすめの小説
悪役令嬢に相応しいエンディング
無色
恋愛
月の光のように美しく気高い、公爵令嬢ルナティア=ミューラー。
ある日彼女は卒業パーティーで、王子アイベックに国外追放を告げられる。
さらには平民上がりの令嬢ナージャと婚約を宣言した。
ナージャはルナティアの悪い評判をアイベックに吹聴し、彼女を貶めたのだ。
だが彼らは愚かにも知らなかった。
ルナティアには、ミューラー家には、貴族の令嬢たちしか知らない裏の顔があるということを。
そして、待ち受けるエンディングを。
悪意には悪意で
12時のトキノカネ
恋愛
私の不幸はあの女の所為?今まで穏やかだった日常。それを壊す自称ヒロイン女。そしてそのいかれた女に悪役令嬢に指定されたミリ。ありがちな悪役令嬢ものです。
私を悪意を持って貶めようとするならば、私もあなたに同じ悪意を向けましょう。
ぶち切れ気味の公爵令嬢の一幕です。
勝手にしなさいよ
棗
恋愛
どうせ将来、婚約破棄されると分かりきってる相手と婚約するなんて真っ平ごめんです!でも、相手は王族なので公爵家から破棄は出来ないのです。なら、徹底的に避けるのみ。と思っていた悪役令嬢予定のヴァイオレットだが……
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
彼女が高級娼婦と呼ばれる理由~元悪役令嬢の戦慄の日々~
プラネットプラント
恋愛
婚約者である王子の恋人をいじめたと婚約破棄され、実家から縁を切られたライラは娼館で暮らすことになる。だが、訪れる人々のせいでライラは怯えていた。
※完結済。
堕とされた悪役令嬢
芹澤©️
恋愛
「アーリア・メリル・テレネスティ。今日を持って貴様との婚約は破棄する。今迄のレイラ・コーストへの数々の嫌がらせ、脅迫はいくら公爵令嬢と言えども見過ごす事は出来ない。」
学園の恒例行事、夏の舞踏会場の真ん中で、婚約者である筈の第二王子殿下に、そう宣言されたアーリア様。私は王子の護衛に阻まれ、彼女を庇う事が出来なかった。