そして共に道を歩いて行った

雨夜厘吾

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小学生

1日目の小学校生活

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「にゃにゃ!?」
モニが僕の顔を見てびっくりしている。
だよね。
「にゃ・・・?」
さっき思いっきりころんじゃったからね。
僕はモニを撫でた。モニは嬉しそうにしている。でも「寂しかったよ・・・」みたいな目をしている。
僕は傘をさして、モニを抱いて、そして今日あったことを振り返りながら歩き出した。

僕のクラスは1年3組になった。出席番号は9番、担任の先生は堀澄シンヤ先生だ。
朝学活が終わって、皆立ち歩いたり喋ったりしているけど、僕は椅子に座ったまま呆然としていた。
幽霊みたいに。次の時間に自己紹介をすることになった。・・・僕の番が来た。
僕はみんなの前に立った。
「風神ハルです」
それだけ言って自分の席に戻った。
教室はざわついた。名前だけで自己紹介を終わらせるだなんて誰も思わなかったからだ。多くの人がびっくりしていて、一部の人は睨んできている。先生も予想外の自己紹介できょとんとしている。
何人か自己紹介をした後、
「俺の名前は橘チナツです。誕生日は12月15日で、好きなものはサッカー、嫌いなものは野菜です」
イケメンのチナツは女子に大人気。
「私の名前は富町ラミです。誕生日は9月8日で、好きなものは猫、嫌いなものは虫です」
可愛いラミは男子に大人気だ。

自己紹介が終わってチナツとラミは大勢のクラスメイトに囲まれていた。
僕は席に座ったままその様子を見ていた。その時後ろから、
「あいつら入学から1日目にクラスの頂点になったな」
と、話しかけられた。
振り返ると男の子がいた。確か名前は瀬川ルイ。
囲まれている二人を見て、すこし睨んでいた。
「お前、確か風神ハルだろ?いいのかこれで?あそこ見てみろよ」
ルイが指さした方を見ると、数名のクラスメイトが僕を見ながらひそひそ話をしていた。が、僕が見た瞬間に、違うところを見た。
「お前噂されているぞ」
ルイは多分心配しているんだと思うけど、「別に大丈夫」って感じの顔をした。ルイは複雑な表情をした。
そこからなんともなく下校時間となった。


人物データ

瀬川ルイ
キザな性格で、無口なハルを心配している。
親は文房具屋を営んでいる。

橘チナツ
美男でクラスの人気者。スポーツならなんでも得意だが、
結構短気。

富町ラミ
美女でチナツと同レベルの人気者。穏やかな性格だが、
怖がり。

堀澄シンヤ
担任。臆病者だけど、誰よりもクラスの皆を大切にしている。
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